1月4日(水)に東京入国管理局にむけてデモをおこないます。
2017年1月4日(水) 1:30PM
集合:JR品川駅(港南口)入管ゆきバス停前
Wednesday, 4 January, 2017
Location: Shinagawa Sta. (Konan Exit)
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法務省の報道発表資料によると、退去強制令書発付処分を受けたものの、送還にいたらず収容を解かれている仮放免者数は、2015年末の時点で3,606人にのぼったとのことです。
この仮放免者数は、2009年7月段階での約1,250名でした。およそ6年の間に、3倍近くも増えていることになります。
このように多数の仮放免者が存在し、いっこうに減っていないどころか増えているという現状が、人権の観点からきわめて重大な問題であることはあきらかです。この4,000人にせまろうとしている仮放免者は、就労が認められず、また在留資格がないために健康保険に加入できず高額な医療費がかかるため、体調不良があっても通院をひかえざるをえないという人も少なくありません。また、仮放免中の高校生・大学生ら(注1)は、ほとんど見知らぬ国籍国へと送還されるかもしれないという不安な状態におかれ、卒業後の展望を持つことも困難です。
こうした仮放免者数の増加は、私たちがこれまで主張してきたように、ひとつには難民認定率のいちじるしい低さの結果であり、もうひとつには、バブル期以降の外国人をいわば使い捨ての労働「力」として利用してきた、日本政府のご都合主義的な労働政策の結果といえます。非正規滞在者をふくめ一時的な労働「力」として呼び込んだ外国人の少なくない数のひとびとが日本社会に定着していくのは当然のことでした。ところが、日本政府は、2004年にはじまる「不法滞在者の半減5か年計画」、そして2009年以降に顕著となった強力な強制送還執行の方針によって、非正規滞在者を一掃しようとしたのでした。政府のこのような強硬方針は、2010年以降ゆきずまり、先にみたように仮放免者数が年々増大していくという現状をまねいているのです(注2)。
法務省および入管各局は、強制送還を強硬に進めていくことで仮放免者数を減らすという、すでに破綻したことがあきらかな方針に今も固執しているようにみえます。再収容、長期収容、また2013年に始まったチャーター機を使用した集団送還は今年もおこなわれました(注3)。しかし、このように送還執行の強化によって仮放免者数は減らせないことはもはや明らかですし、こうした強硬方針を今後も続けることは、再収容・長期収容によっていたずらに心身を傷つけ、また収容されなくても仮放免状態が長期化することで仮放免者の健康や子どもの将来についての問題を今以上に深刻化させることにしかなりません。仮放免者に在留資格を認め、合法化していくということによってしか、問題の解決はないのです。
ともに声をあげましょう。また、東京入管に収容されている仲間たちを外から激励しましょう。
【注】
1.仮放免中の高校生・大学生らについては、以下記事参照。
- 仮放免中の高校生・大学生らへの在留資格の付与を求める申入れ - 仮放免者の会(PRAJ)(2016年9月6日)
- 【プレスリリース】仮放免中の高校生・大学生らへの在留資格の付与を求める法務省入国管理局への申入れ 及び 記者会見 - 仮放免者の会(PRAJ)(2016年8月21日)
2.以上の経緯については、以下の記事を参照してください。
- 【抗議声明】バングラデシュへのチャーター機送還について - 仮放免者の会(PRAJ)(2015年12月13日)
- 仮放免者問題と強制送還について――この10年の入管行政をふりかえって - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年3月4日)
3.9月22日に法務省は、スリランカ人30人をチャーター機で強制送還しました。
- 【抗議声明】スリランカへのチャーター機送還について - 仮放免者の会(PRAJ)(2016年9月30日)