東日本入国管理センターに収容されていたベトナム人Nさんが、3月25日に亡くなった事件。Nさんの死因はくも膜下出血であったとロイター通信が報じています。
- 法務省入管収容所で25日死亡のベトナム人、死因はくも膜下出血 - ロイター(2017年4月3日)
前回記事で述べたとおり、Nさんは、(私たちが他の被収容者の証言をえてわかっているだけでも)遅くとも亡くなる1週間前にあたる3月18日には、すでに首の強い痛みを入管側にうったえていました。しかも、この亡くなるまでのあいだ、くり返し、継続して「痛い、痛い」とうったえていたといいます。
Nさんが「痛い、痛い」と叫びつづけた1週間のあいだ、もし入管が外部の病院に連れていき受診させていれば、Nさんは命をとられることはなかったかもしれません。同センタは、Nさんの死亡直後に発した「現時点で処遇に問題はなかったと考えている」との所長コメントを撤回して、処遇の問題について徹底検証し、今度こそ真剣に再発防止策を講じるべきです。
以下に、亡くなったNさんの古くからの友人(Vさんとします)の手記を、Vさんご本人の承諾のもと公開します。Vさんは、東日本入管センター7Bブロックに現在も収容されています(注)。なお、原文中にある人名はイニシャル表記にあらためました。記事末尾に掲載している手紙の画像も、人名等が見えないよう加工しました。
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こんにちは。
支援者たちへ!
私は V と申します。ベトナム人です。
今日、2017年3月25日、大変のこと起きたですよ。
私の[収容されている]7Bブロック209号室で、一人のベトナム人が亡くなりました。亡くなった人は、 名前はNさんです。原因は入管に見殺しだったので、 死亡時間は午前1時15分に搬送されましたが、 本当はNさんが死んだ時間は多分2017年3月24日夜8: 00ごろでした。
Nさんと私は同じインドシナ難民です。5年前に私とNさんは横浜入管から仮放免許可されましたが、 今までずっと5年間に毎月仮放免の延長していますので、 今回の仮放免延長のときに、 そのまま理由がなく名古屋入管に強制収容されましたが、その後、 品川入管に移送されて、 そして品川入管から東日本入国管理センターに来ましたですが、 入所[の]ときはNさんは体調不養なったので、 指定された9Aブロックでした。[Nさんの9Aブロックでの] 同室人はNさんが入ってから3~ 4日ぐらい朝から夜までずっと痛痛しい[ので] 職員を呼んで診察してもらったので、熱が高いと思ったですが、 診察終ってから、 ブロックがチェンジになりましたので7Bブロック2017年3月 18日土曜日18時30分くらいです[Nさんがずっと痛い痛いと言い続けたので見か ねた同室者が担当を呼び、体温と血圧を測らせたところ、 非常に高熱だったので18日(土)に7Bに移された]。7B-209室なった。
一人部屋ですので[けれども?]、Nさんと私は、もともと友だちです。[Nさんは] 7Bブロック来てから4日間ずっと室内一人で痛痛しい。 私はNさんの室に来て様子みました。Nさんは声かけたけど、 何も返事してなかった。
[Nさんの]一人苦しそうな姿を見て可哀想に思いますが、その4日間に職員たち誰でも見に来なかったので、 3連休あけ3月22日[←当会支援者が執筆者に面会して確認したところでは、「22日」 は誤記で「21日」が正しいとのこと。]、 Nさんの苦しそうな姿に通路出て、 私とNさんに卓球台上に横なってNさんと話したので、「 どこが痛いですか?」と[私が尋ねると]Nさんから言うて「 首と頭がすごく痛いですが」、私たちは、すぐ職員を呼んで、「 Nさんが痛い言ってるけど、早く医者に見[せ]て下さい」、 そのときは13時30分だったので、けっきょく15: 00すぎNさんを[診察室に]連れていったけど、 医者さんはレントゲン診断と痛み止めの薬を出すだけ、 室に戻ってからあと担当たち一切来なかったので、 それとNさんは苦しい間ずっとごはんを食べてなかったので、 本人は「おかゆごはんほしい」と言うたので、担当に「ダメ」 言われた。Nさんは日本語をあまり分からないし、 一日牛乳を1本飲むだけ。本当に入管たちに人殺しと同じ思う。
いつも私たちのウソ病気に言って思ったので[Vさんによると、Nさんの痛みの訴えについて職員は他の被収容者に「ウソ病気」だと話していたという]、私たちは人間だから、 この件が一日でも早く解決してほしいですので、 命が入管にとられましたです。
Nさんが死んだ一日前[3月23日]の夜は本人はとっても苦しんで、担当たちに来てもらうけど、 Nさんの自身も分からないので、「痛い痛い」と叫ぶのときは、 担当たちの口から言うた、「静かにしろ」と言われましたが、 Nさんのことはまったく不用心なので、 こんな病気が外の病院に通院させてなかったので、 次の日2017年3月24日の夜10時ごろ担当さんがライターと 灰皿を回収のときに「Nさん――Nさん灰皿下さい」。 Nさんはまったく反応してないので、 あと10時15分ごろ3人担当がNさんの部屋のドアをかぎあけた のしゅんかんにドアをしめたまま、逃げました[Nさんの居室から立ち去りました]けど、 しばらく夜中2017年3月25日午前1時15分再び3~ 4人担当にNさんの部屋のドアをあけて、 中入って心電図をしてますので、 そのあと救急車隊員たちが来てNさんの遺体は外の通路で担架に 乗せて、 カメラ設置された場所にNさんのしんぞうをマッサージして、 そのやりかたはかたちだけ、本当はNさんが何時間前亡くなった。 遺体は固まってましたが、とっても可哀想の死に方、 7Bブロック6人いますので、みんな全てわかります。
私たち[7Bブロックの被収容者]はほとんど病気人ばっかりなのにパキスタン人は1年間ごはんをまったく食べてないのですが、 入管たちはぜんぜん心配してなかったので、 私も肝臓病気とC型肝炎持ってますので、 ここ中でC型肝炎を治したいけど、お薬下さいと願いしたけど、 ここの医者さん[から]は、ひどいの言葉を言われた、「 ここになおる薬はない、外に出て自分で治しなさい」。 入管のドクターは、どんな病気でも「大丈夫」と言いますので、 私たちは、こんな場所で死にたくないです。これ以上、 私たちががまんできないので、Nさんと同じなりたくないです。
どうか、私たちに助けて下さい。お願い致します。
上記のこと全て真実のことです。
[Vさんの署名]
2017-3-25 記
[7Bブロック被収容者6人の名前、部屋番号、国籍]
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注)
掲載にあたり、原文の誤字と助詞を一部修正し、改行による段落わけをしたところがあります。また、Nさんや職員の会話での発言を記したところにはカギかっこ(「 」)を付しました。[ ]内は注釈や説明をおぎなったものです。
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