東京入管で新型コロナウイルスの集団感染が起きています。
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こうした事態は、コロナ感染の脅威があきらかになった昨年から、東京入管はじめ入管施設に収容されている当事者たちはもちろん、その支援者らもくりかえし危惧を表明し、被収容者の解放などの対策を徹底するよう求めてきました。私たちも、昨年4月30日に入管庁に対し、以下の申し入れをおこないました。
にもかかわらず、東京入管が被収容者数130人のうち39人(30%)の感染者を出したことは、入管庁および東京入管の責任がきわめて大きいと言わざるをえません。
仮放免者の会(関東)およびBOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)は、19日(金)に東京入管に対し、申し入れをおこないました。申し入れは、感染者および感染の疑いのある被収容者について、入院ふくめた治療の措置をおこなうこと、PCR検査にもとづき陰性者を全員収容を解くこと、陽性者についても完治ししだい全員収容を解くことを求めました。
以下、申入書と資料として添付した昨年4月の申入書を掲載します。
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申入書
2021年2月19日
東京出入国在留管理局
局長 福山 宏 殿
仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
貴局収容場において新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生していることについて、以下の通り申入れます。
一、貴職は速やかに感染者及び感染の疑いのある者について、本庁が取りまとめている「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」に基づいて、医師、保健所の判断のもと、適切に入院、治療の措置を責任をもって確実に行うことを求める。
二、PCR検査の結果を踏まえ、陰性者については、貴局収容場での更なる感染拡大を防ぐため容態観察ののち、速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。なお、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。
申入れの理由
我々支援者は、昨年4月30日付本庁宛申入書(添付資料)でも強く求めたように、新型コロナウイルス感染症の感染者が拡大する中で、疾患を抱える者も多くいる貴局収容場での感染拡大を大変危惧し、被収容者の生命と健康を守ることを第一優先とし、被収容者全員の仮放免を求めてきた。今回、最悪の形で危惧していた状況が起きたことは、重大な問題である。
更に言えば、昨年、貴局収容場で感染者が出た際、感染経路は不明であった。つまり、貴職には感染経路を解明する能力がないということが明らかとなっている。今回起きた事態に対し、貴職は責任を持って対処に当たらなければならず、何よりも人命を守ることを最優先に考えるべきである。被収容者の生命と健康を軽視し、蔑ろにするようなことは決して許されない。
これ以上の感染拡大を防ぐため、貴局収容場の被収容者全員を、陰性者については容態観察ののち速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免すること、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを強く求める。
以 上
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添付資料
申入書
2020年4月30日
出入国在留管理庁
佐々木 聖子 長官殿
以下につき申入れます。
一、貴庁の収容場、及び収容所(各センター)の被収容者全員を直ちに仮放免、もしくは在留資格を付与して放免すること。
二、退去強制手続き中につき、在留特別許可を求めるものには全て在留特別許可を付与すること。及び退去強制令書が発付されている全ての仮放免者に1年以上の在留資格を付与すること。
申入れの理由について
(1)貴庁の収容場、及び収容所(東日本入国管理センター、大村入国管理センター)の被収容者は、お互い濃厚接触が避けられない環境で換気の悪い密閉施設に拘禁されている。しかも、被収容者は十分な医療を受けられず、油物を中心とする栄養バランスの悪い支給食等の劣悪な処遇下にある。このような処遇下において、人間の時間的空間的感覚を奪う密閉施設に長期間収容され、心身ともに疲弊し、多くの被収容者はうつ病を患い薬漬け状態にある。さらに、高血圧症、糖尿病、心臓疾患、呼吸器疾患等の基礎疾患を有する被収容者も多数いる。
このような貴庁の収容施設での被収容者の新型コロナウイルス患者の発生は、集団感染と重症化を引き起こし、多くの犠牲者が出るのは目に見えて明らかである。それゆえ被収容者の中に、新型コロナウイルスの感染者を発生させることは、絶対避けなければならない。
摘発、再収容を止めている現在において、被収容者への感染源となるのは、主に貴庁職員(主に処遇部門の職員)、ガードマン、支給食業者などとなるが、これら職員等に対し、PCR検査を行っていない。仮にPCR検査をして陰性だったとしても次の日に感染することもあり得る。しかも感染を恐れ職員との社会的距離を求める被収容者の部屋の中に職員が入ってきて毎日点呼をする、大阪入管においては支援者の要請を無視し、大阪入管局長判断として被収容者と職員が三密状態で面会するよう職権を用いて強要する(4月27日からは弁護士・領事以外は面会禁止となる)、さらには制裁目的の隔離処分をした際には、多数の職員が被収容者と濃厚接触して連行するなど、被収容者を感染から防御する措置を行おうという意志も行動も貴庁には感じられない。
こうした貴庁のずさんな対応に対し、すでに多くの被収容者から不安や貴庁に対する抗議の声が支援者に寄せられている。
私たちは非常に憂慮している。貴庁収容施設内において新型コロナウイルスの感染が拡大してからでは遅い。被収容者の人命を守るためにも直ちに仮放免、あるいは在留資格を付与して放免する措置を講じることを強く求める。
(2)仮放免者は、働く権利を奪われ、健康保険等の社会保障制度から排除されている。生存権を奪われた仮放免状態で新型コロナウイルスが蔓延する危機が進行する社会に放置しておくことは人道上許されるものではない。緊急避難措置として、全ての仮放免者に対し、1年以上の在留資格を付与することを求める。その中において、帰国希望以外のものには、在留特別許可の基準を大胆に緩和し、永続的に日本在留を認めるよう求める。
貴庁は、2016年4月ころから退令仮放免者を減らすという方針のもとに、極力仮放免しない方針に転換し、その一方で在留特別許可の基準を厳しくし、帰国忌避者を増大させた。その結果、長期被収容者が激増し、被収容者と貴庁職員との対立を増長させ、収容場、収容所においては数々の職員による暴行事件を多発させた。大村入国管理センターにおいては、仮放免を求めて完全絶食をするナイジェリア人を外部病院に搬送することなく、餓死させる事件も起こした。
また、この間、日本国籍者や在留資格を有する幼い子どもからも親を奪い再収容した。貴庁がこの間やってきたことは、①仮放免しない、②仮放免者を再収容する、③在留特別許可の基準を厳しくし在留特別許可件数を激減させる、③難民在特を激減させることである。こうして以前なら在留特別許可を得て救済されていた人さえ、新型コロナウイルスが蔓延しつつある日本社会に、在留資格のないまま(働くことも健康保険に加入することもできないまま)放置されている。
公衆衛生の危機のさなかに、仮放免者を放置すべきではない。日本人配偶者、永住者・定住者の在留資格のある配偶者、日本に子どもや家族がいる仮放免者、難民申請者、日本に生活基盤のある長期滞在の仮放免者などについては在留特別許可を大胆に緩和し、在留資格を付与し救済するよう求める。また帰国希望であっても新型コロナウイルスによって帰国できないものは、帰国できるまでの間、特定活動の在留資格を付与し、救済するよう求める。
以 上
全国仮放免者の会
WITH(西日本入管センターを考える会)
TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)
難民支援コーディネーターズ・関西
START(外国人労働者・難民と共に歩む会)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
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