Tuesday, March 1, 2011

「再収容」中止の申入れ

  2月25日にわたしたちが主催したデモのあと、東京入管にて、申し入れをおこないました。
  その申し入れ書を、以下に掲載します。
  違反審査部門の首席審査官がわたしたちの申し入れに対応しましたが、「入管としては法にもとづいておこなっている」の一点張りで、なんら意味のある回答はえられませんでした。わたしたちが、法の運用の基準(仮放免や再収容がどういう基準でおこなわれているのか、など)を問うても、また難民条約への違反を指摘しても、主席審査官は「それはあなたがたの意見として、関係各部門に伝えます。こちらは、わたしたちが法にもとづいて適正に職務を遂行していると考えています」などと述べるばかり。「『関係各部門』とは具体的にどこか?」と聞いても、「関係のある部署です」などと、答えにならない答えを返してくるありさま。わたしたちの話を聞こうという意思がまったくうかがわれませんでした。
  「せめて期限をきめて文書で回答する約束をしてほしい」というわたしたちの再三の要求にたいしても、「わたしは、お約束する立場にはない」とくりかえすのみでした。「首席審査官」という肩書きは、いったいなんなのでしょうか?



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2011年2月25日
法務大臣 江田五月 殿
法務省入国管理局長 高宅茂 殿
東京入国管理局長 畠山学 殿

「再収容」中止の申入れ

仮放免者の会

  私たち「仮放免者の会」は、退令仮放免許可をいただいた難民・移民を中心に昨年10月31日に結成しました。そして12月28日には、貴職あてに「一、仮放免中の難民・移民に対して、難民認定や在留特別許可により在留資格を与えること。二、難民手続きや行政訴訟の結果をもって、仮放免者を再収容しないこと」を申入れました。
  貴職におかれましては、仮放免許可を受けた難民・移民に対して、依然として、難民手続きや行政訴訟の結果をもって再収容という強硬手段が使われております。難民・移民は、貴局への1回目の収容だけでも心身共に侵され、やっとの思いで仮放免となったのもつかの間、ひどい場合は2~3ヶ月の内に再収容されています。
  すでにご存じのとおり、リーマンショック以降の未曾有の不況下、外国人労働者の就労先が減ったり賃金が低下したりして、帰国できる人々は早々に日本から去って行きました。いま残っている「それでも帰れない」と訴えているのは、大切な家族が日本にいる、帰国すれば迫害の恐れあるなど、人生や命にかかわるやむを得ない理由を抱える者です。とりわけ退令仮放免者であれば、すでに長期収容も経験し、地方局とセンターでの帰国を求める圧力にも耐え、心身の健康を害し、さらに仮放免中のさまざまな制約の中でも耐えてきました。帰国できるものならばとっくに帰国しています。
  昨年、品川で再収容されたあるパキスタン人難民は錯乱し帰国に同意しました。まさに貴職が狙う再収容の効果が出たわけです。しかしその後、彼を心配する友人は何度も彼の実家に電話していますが、実家には電話連絡すらないそうです。無事に逃げていることを祈るばかりですが、仮に彼が迫害を受けるようなことがあれば、間接的にせよ貴職の責も問われるところです。
  一方で、昨年の各地のセンターでの被収容者の要求行動後、仮放免が相次いで許可されたり仮放免保証金が納付可能な範囲に止められるようになったりしたこと、長期収容の必要性の再検討が入国管理局のウェブサイトで「収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と公表され、その後も日弁連との協議なども踏まえて収容について再検討されていることなど、希望に満ちたシグナルを私たちは受け取っています。
  いま一歩、退令仮放免者に対して人道的な手を差し伸べ、難民手続きや行政訴訟の結果をもっての再収容を中止し、「人道国家」としての日本を内外に示されることを強く願うところです。

以 上


 25 February, 2011
Mr. EDA Satsuki, Minister of Justice (Japan)
Mr. TAKAYA Shigeru, Chief of Immigration Bureau in Ministry of Justice (Japan)
Mr. HATAKEYAMA Manabu, Chief of Tokyo Regional Immigration Bureau


Request to stop "re-detention"


    We, Provisional Release Association in Japan, are a group of "provisionally released" foreigners organized on 31 October, 2010. And on 28 December, we requested you: 1. to give proper legal status, such like refugee recognition or special permission for residence, to all "provisionally released"; 2. to stop re-detention of them.
    Immigration Bureau of Japan, however, still continues to detain us, "provisionally released" again and again although our physical and mental health is seriously harmed during the first period of detention. Some of us are even detained only a few months after released.
    As you know, many migrant workers have left Japan so-called "Lehman-shock" in 2008 because of the decrease in employment. But those who still remains in Japan have fatal reasons. Some have a family in Japan, some seek asylum from persecution in their homelands. Above all, we, "provisionally released" have dared to endure long detention, pressure to make us leave Japan, and condition of provisional release which restricts our right and freedom in various aspects of our everyday life. We would have gone to our homelands if we could have done so.
    Last year, a refugee from Pakistan went mad and submit to going home during re-detention, which means that you achieved your purpose of it. His family in his homeland have never made a contact since he left Japan. We wish for his safety. If it gets clear that he is persecuted in Pakistan, Immigration Bureau of Japan is responsible for that.
    On the other hand, since the protest of detainees in local detention centers last year, we can find that the number of provisional release has increased, that the ammount of deposit of provisional release has decreased, and that Immigration Bureau announces its policy to avoid long-term detention and atcually makes efforts to do so through, for example, the consultation with Japan Federation of Bar Association. We take all of these as hopeful signals.
    Please reconsider more on human right of "provisionally released" and stop re-detention of all of them. We believe this is the way Japan can show itself as humanitarian country.

PRAJ (Provisional Release Association in Japan)

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