Monday, September 24, 2012

10月9日(火)、東京入国管理局にたいしデモをおこないます!





【にほんご(ひらがな・カタカナ)】

かりほうめんしゃに  いきる  けんりを!
かりほうめんしゃに  ざいりゅうしかくを!



  わたしたちは  にゅうかんに  より  しゅうよう  され、こころも  からだも  きずつき、やっとの  ことで  かりほうめん  されました。しかし、いつまた  しゅうよう  されるかも  しれません。それに、かりほうめん  されても  はたらくことも  みとめられて  いません。ほけん  にも  はいれません。えんちょうに  いけば  「かえれ  かえれ」と  おどかされます。このような  じょうたいで  どうやって  いきて  いけば  いいのでしょうか。

  また  ざいりゅうカードが  はじまり、がいこくじん とうろくしょうが  なく  なりました。わたしたちは  じぶんが  だれで  あるかを  しょうめい  する  もの  まで  なくなって  しまいます。かりほうめんしゃの  なかには  おさないこどもが  いるなど、かぞく  そろって  かりほうめん  という  ものも  います。こどもたちの  がっこう、しょうらい、みらいは  どうなって  しまうのでしょうか。わたしたちは  にゅうかんから  がいこくじん とうろくしょうを  10がつ  9にち  までに  かえせと  いわれて  いますが、わたしたちの  IDを  とりあげるならば、かわりに  ざいりゅうしかくを  だせと  いいたいです。

  かりほうめんしゃは  ぜんこくに  2000にん  いじょう  いますが、わたしたちの  いきる  けんりは  うばわれて  います。わたしたちは  にゅうかんにたいし、
  1. かりほうめんしゃに  ざいりゅうしかくを  だせ
  2. かりほうめんしゃを  さいしゅうよう  するな
  3. かりほうめんしゃの  いきる  けんりを  みとめろ
これらの  ことを  ようきゅうし、とうきょう にゅうかんに  デモンストレーションを  おこないます。ぜひ、みなさん、さんか  して  ください。

ちょうきしゅうようを  やめろ / さいしゅうようを  やめろ
かりほうめんしゃに  いきる  けんりと  ざいりゅうしかくを

2012.10.9 13:00 gathering at Shinagawa Station Bus Stop for Nyukan

2012ねん10がつ9にち  13:00 しながわえき にゅうかん ゆき バスてー まえ しゅうごう

しゅさい  かりほうめんしゃのかい
れんらくさき  ますだ 080-3421-4060  みやさこ 090-6547-7628  Elizabeth  080-4163-1978



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【English】

We Are Human! Give Us Visa
Instead of Provisional Release!


    We had suffered both mentally and physically from Immigration detention for a long time, and then were finally released. Yet we are always afraid of getting detained again, since our release is determined as "provisional". This also means that we can neither get a job, nor have social insurance. The officers of Immigration Bureau always put pressure on us to go back when appearing in the Bureau to prolong our status of provisional release, which we are obligated to do every month. How can we survive under such circumstances described above?

    Moreover, we will lose or have already lost our ID (Alien Card) because of the new Immigration-ID (Zairyu Card) System which started in this July. Some of us live here with their whole family who are all under the status of provisional release. What do we do for children's education and future? If the Immigration Bureau forces us to give back old IDs by 9th October, then we in turn demand visa.

    We are over 2000 people who live in Japan under the status of provisional release, and entirely deprived of our basic rights to live. So we demonstrate in front of Tokyo Immigration Bureau demanding the following:
  1. To give us visa instead of provisional release.
  2. Not to detain again those have ever get detained.
  3. To ensure the basic social rights to those under the status of provisional release.
    Join us!

No More Detention, Release Friends Right Now!
Provisional Release, That's No Need!
We Will Fight for Our Right to Stay
!



On 9 October 2012,
Gathering at 13:00 in front of the Bus Stop for Immigration Bureau
(3 Minute Walk from the Konan Exit of JR Shinagawa Station)
Provisional Release Association in Japan (PRAJ)
Contact: 080-3421-4060 (Masuda), 090-6547-7628 (Miyasako),
080-4163-1978 (Elizabeth)

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【日本語(漢字かなまじり)】

仮放免者に生きる権利を!
仮放免者に在留資格を!


  私たちは入管により収容され、心も体も傷つき、やっとのことで仮放免されました。しかし、いつまた収容されるかもしれません。それに、仮放免されても働くこともみとめられていません。保険にもはいれません。延長に行けば「帰れ、帰れ」とおどかされます。このような状態でどうやって生きていけばいいのでしょうか。

  また在留カードがはじまり、外国人登録証がなくなりました。私たちは自分がだれであるかを証明するものまでなくなってしまいます。仮放免者のなかには幼い子どもがいるなど、家族そろって仮放免という者もいます。子どもたちの学校、将来、未来はどうなってしまうのでしょうか。私たちは入管から外国人登録証を10月9日までに返せと言われていますが、私たちのIDをとりあげるならば、かわりに在留資格を出せと言いたいです。

  仮放免者は全国に2000人以上いますが、私たちの生きる権利はうばわれています。私たちは入管にたいし、
  1. 仮放免者に在留資格をだせ
  2. 仮放免者を再収容するな
  3. 仮放免者の生きる権利をみとめろ
これらのことを要求し、東京入管にデモンストレーションをおこないます。ぜひ、みなさん、参加してください。

長期収容をやめろ  再収容をやめろ
仮放免者に生きる権利と在留資格を


2012.10.9 13:00 gathering at Shinagawa Station Bus Stop for Nyukan

2012年10月9日  13:00 品川駅入管行きバス停前集合

主催  仮放免者の会
連絡先  増田 080-3421-4060  宮廻(みやさこ) 090-6547-7628  Elizabeth 080-4163-1978

Sunday, September 23, 2012

【ご支援ありがとうございました】ダニロさんに在留特別許可が出ました!!


  ダニロさんが9月21日(金)、入国管理局(入管)から在留特別許可を認められ、「特定活動・1年」という種類の在留資格を取得できました。

  仮放免者であるダニロさんは、大腸ガンの手術が必要な状態で、しかし非正規滞在の外国人であるということで、市役所から国民健康保険への加入や生活保護の適用を認められず、このままでは高額な医療費を払う見込みが立たず、治療を断念せざるをえない状況にありました。


  しかし、このたび、入管から在留資格が認められたことで、在留カードを取得でき、住所のある春日部市の住民基本台帳に登録されるようになったことにより、市の住民サービスを受けられるようになりました。これでなんとか、入院・手術をはじめ治療を継続できる見込みが立ったところです。

  入管は、再審情願申立から1週間という早さでダニロさんの在留特別許可を認めました。今回、入管と法務省が、病状の重篤さ、緊急性を考慮して迅速な対応・決定をおこなったことを歓迎したいと思います。

  また、情報拡散やカンパの要請に応じていただいたみなさま、助言や激励、協力の申し出をよせてくださったたくさんの方に、心からお礼申しあげます。どうもありがとうございました。

  在留資格を取得できたことで、ダニロさんはようやく治療の第一歩をふみだせたというところです。これから入院と手術があり、その後も継続的な治療と療養を必要とすることが予想されます。みなさまからいただいたカンパは、ダニロさんの今後の治療と生活に活用させていただきます。

  また、ひきつづき仮放免者のおかれた状況へのご注目をお願いします。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  現在、日本全国で2000人以上、退去強制令書が発付されたのち収容を解かれた仮放免者がいます。この人たちは、厳しい収容生活と入管職員による帰国強要(これら自体にも人権上の問題がありますが)によっても帰国に同意しなかった人たちであり、それぞれにどうしても帰国できない理由をかかえている人たちと言えます。

   ダニロさんのように長期にわたって日本に滞在し(当然、納税者でもあります)、すでに国籍国に生活基盤のない人。帰国すると、パートナーや子どもなどと離ればなれになってしまう人。帰国した場合に身の危険を予想している難民認定申請者。

   事情はさまざまですが、それぞれ帰国できない事情のある人たちだと言うことができます。このブログでもくりかえし報告してきたとおり、入管による収容はきわめて厳しいもので、被収容者は長期収容によって例外なく拘禁症状(高血圧、頭痛、生理不順、めまい、不眠など)を発症します。ダニロさんのように重病をわずらう被収容者も少なくありません。このような厳しい収容生活において、多くの人は、いっそのこと帰国してしまうか、それとも在留の道を模索するかという葛藤にさらされます。いずれの道を選ぶにせよ、待っているのは茨(いばら)の道のりです。

   すくなくとも、仮放免許可が出て出所するまで耐えぬいた人については、どうしても帰国できない事情があるとみなすよりほかない状況があります。帰国可能ならば、すでに帰国しているはずです。それほどに入管での収容生活は厳しいものです。

   また、非正規であれ長く日本に滞在してきたということは、日本社会がその人を必要としてきたということでもあります。その多くは(難民申請者もふくめて)、日本人が働きたがらない条件のよくない労働現場で働き(滞在が非正規ゆえに賃金が低く抑えられてしまうという問題もあります)、また配偶者やその父母の介護・看護をになってきた人もいます。もちろん、日本で生活してきたということは、納税をしてきたということでもあります。

   ところが、仮放免者は、在留資格がないという理由で、社会保障から排除されている状況にあります。7月9日に入管法の改訂と外国人登録法の廃止にともなう新しい在留管理制度が施行されて以降は、外国人登録証が無効化し、これにかわる在留カードも発行されないため、市区町村において住民サービスを受けることがますます難しくなっています。

   実態として日本社会に必要とされ、ここで生活している、また日本に滞在するよりほかないにもかかわらず、社会保障をはじめとする住民としての基本的な権利をうばわれている。これが2000人をこえる仮放免者のおかれている現状です。

   この問題は、入管法にもとづいてかれら・かのじょらに在留資格を認め滞在を「正規化」する権限をもっている入管・法務省をはじめ、各自治体や日本の住民が全体としてとりくむべき人権問題であると考えます。今後とも、仮放免者のおかれた状況へのご注目とご支援をよろしくお願いいたします。

Tuesday, September 18, 2012

【緊急要請】仮放免者ダニロさんの大腸ガン治療のため、情報拡散とカンパのお願い

(訂正:本記事「カンパふりこみ先」にまちがいがありました。「郵便局以外から振込する場合」の店名・店番を「店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085」と記しておりましたが、正しくは「店名  〇五八(読み  ゼロゴハチ)    店番 058」でした。おわびして、訂正いたします。2012年9月19日)

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  大腸ガンの手術が必要なフィリピン人の仮放免者、ダニロさんについて、前記事以降の経過報告とみなさまへの支援要請を申しあげます。


  9月3日に春日部市役所で申請した生活保護は、9月6日付の文書にて却下の通知を受け取りました。却下の理由として「在留カードを有しない外国人である、受給資格を有しないことにより」とたった1行書かれているのみで、申請に対して通常おこなわれる生活状況等の調査はいっさいおこなわれないままの、事実上の門前払いでした。














  9月14日には、ダニロさんをはじめ12人の仲間(ダニロさんのほかの仮放免者もふくむ)で東京入国管理局をおとずれ、ダニロさんへの早期の在留特別許可をもとめました。このとき東京入管に提出したダニロさんの「再審情願申立書」は記事の末尾に転載しています。ダニロさんをめぐる現状を詳細に説明しております。お読みいただけると、さいわいです。

  さて、再審情願の申立は、結果が出るまでに1年以上の時間がかかるのが通例であり、法令によって審査の手続きが明記されているわけでもない「請願」にすぎません。私たちとしては東京入管に対し、ダニロさんの申立を緊急の事案としてあつかうよう、強く要請しています。しかし、これにどう対応するかは、結局のところ入管側しだいというところもあります。

  ところがダニロさんが一刻も早く入院と手術を必要としているのであり、病院はダニロさんに在留資格が出ないと入院・手術には入ることができないと言っています。病院側は、最大限、患者が必要な治療を受けられるよう努力してくれていますが、ダニロさんが生活保護を受給するなり国民健康保険に加入できるなりして、費用を回収できる見込みがたたないと、入院・手術はおこなえないという事情があります。したがって、可能なかぎり早期に在留資格を得ることが、ダニロさんが手術を受けられるための最善の道と言えます。

  そこで、みなさまに2つお願いがあります。

  第1は、本ブログに掲載しているダニロさんの状況について、情報拡散にご協力していただきたいということです。住民としてここに存在し、私たちの隣人として25年にわたり日本社会に暮らしてきた人間が、在留「資格」がないという、ただそれだけの理由で社会保障から排除され、生存権をうばわれるのは、あきらかに不当なことであり、不正義であると思います。なるべく多くのかたに、ダニロさんひいては仮放免者全体のおかれている無権利状態への関心をもっていただき、またその関心を目に見えるかたちで示していただくことを、私たちとしては希望しております。どうか、ツイッターやフェイスブック、メーリングリストなどで、情報拡散・転載してください。

  第2に、ダニロさんの治療のためのカンパをお願いいたします。ダニロさんは、まず喫緊に手術を必要としており、また、その後も長期加療が必要との診断が出ております。よろしければ、可能な範囲でのカンパにご協力いただけるとさいわいです。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

【カンパふりこみ先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇五八(読み  ゼロゴハチ)    店番 058
    普通預金  口座番号  2265589



【お問い合わせ連絡先】
    仮放免者の会(関東)
    e-mail: junkie_slip999@yahoo.co.jp





  以下、ダニロさんの再審情願申立書を転載します。

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再審情願申立書 

2012年9月14日

法務大臣  殿
東京入国管理局  御中



住所  埼玉県春日部市××××××
出身国  フィリピン
申立人  ×××× Danilo ××××
生年月日  1963年2月17日



1  申立の趣旨
  緊急に、×××× Danilo ××××の在留を特別に許可されたく、本申立に及びます。



2  申立の理由

1)  私の在留状況について
  私は1963年2月17日にフィリピンで生まれました。父は××××××、母は××××××です。父母ともに、すでに他界しております。
  私は、1987年2月18日に日本に入国し、観光ビザの期限が切れて以来、オーバーステイ状態にあります。25年間以上、日本に在住し、さまざまな現場で労働し、生計をたててきました。来日した当初は、茨城県、千葉県、東京都で、建築現場での土木や解体の作業員、飲食店の店員などの仕事をしていました。1990年ごろからは、フィリピン料理店でコックとして働き、技術と人望をみとめられて東京都内と埼玉県内の通算5つの店でチーフ・コックを、その後およそ5年間は店長をつとめておりました。1999年ごろからは、埼玉県に移り、やはり飲食店などで働き、2008年からは倉庫での仕分け・検品の仕事に従事していました。
  2011年5月27日に東京入国管理局に収容され、のち退去強制令書が発付され、同年9月27日に東日本入国管理センターに移収され、2012年2月27日に仮放免許可により出所し、現在にいたります。
  私は来日以来25年以上にわたって、入管法違反をべつとしましては1度も法令違反に問われたことはなく、税金もおさめ、まじめに仕事し暮らしてきました。この間、私は1度もフィリピンに帰国しておらず、父母もすでに故人となり、出身国には生活基盤がありません。


2)  大腸ガンの治療
  私は先述のとおり、2012年2月27日に仮放免許可により東日本入国管理センターを出所したわけですが、収容中からの体調不良は仮放免後もつづきました。
  息切れ、めまい、立ちくらみ、動悸、胸の痛み、手足のむくみなどがひどく、しかし、無保険で診療費を払うだけの貯蓄もなかったので、無料低額診療事業を利用して、同年3月21日、当時外国人登録の住所のあった東京都足立区内の××××病院を1度受診しました。レントゲン、心電図、採血、尿検査などの検査を受け、貧血状態にあることはわかったものの、心臓、肺、腎臓、肝臓に異常はみつかりませんでした。受診に先立って相談におとずれた足立区役所からは、無料低額診療事業による診療は1度きりしか認められない旨説明され、その後、継続しての診療を断念せざるをえませんでした。
  その後も体調は改善せず、埼玉県春日部市内の××××病院で検査を受けたところ、7月に大腸ガンと告げられました(添付した診断証明書参照)。3月に[足立区内の]××××病院の医師から指摘された貧血状態についても、ここにいたってようやく、大腸の腫瘍からの出血によるものと明らかになりました。××××病院からは、一刻も早い手術とこれにともなう2週間程度の入院が必要であり、手術は10月または11月に延期できない切迫した病状であると説明されております。
  同病院は、9月24日から入院と手術を実施するという前提でスケジュールを組み、すでに診療費の未払いが生じているにもかかわらず、手術に必要な諸検査等をおこなってくれております。しかし、同病院からは、250万から260万円かかると見込まれる入院・手術料の支払いの見込みがたたないかぎり、入院・手術の実施に移ることはできないと言われています。現在の無保険状態で私がこれだけ高額の費用を用意することは不可能です。
  そこで、同年7月、私の住所のある春日部市の国民健康保険課に、国民健康保険加入の相談をしました。ところが、春日部市から8月28日付で返ってきた回答は、加入資格の適用対象に該当しないというものでした(詳細は添付資料「春 国 保 第 1253 号」参照)。
  同年9月3日には、春日部市の社会福祉課に行き、生活保護の申請をしてきました。ところが、市の職員からは「県に照会したところ、適法に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者等の在留資格があることが生活保護の適用の要件であるという厚生省通知があるとの県からの回答があった」旨の説明があり、申請は受けるが却下になる可能性が高いと言われました。そして、春日部市社会福祉課からは、9月6日付で、保護申請却下の通知を受けました(添付資料「春福所発第 1569号」参照)。生活保護申請者に対して通常おこなわれるような、訪問等による生活状況の調査すら一切おこなわれず、「在留カードを有しない外国人であり、受給資格を有しないことにより」との理由による却下でした。
  ところで、7月9日に外国人登録制度が廃止され、新しい在留管理制度が施行されて以降、自治体の窓口の対応も目に見えてきびしい方向に変化しているよう、見受けられます。3月に足立区役所をおとずれたときは、職員は外国人登録証を提示した私に対し、せめて話を聞いて、法的・制度的な枠組みのなかで可能な運用を模索しようという姿勢がみられました。しかし、7月9日以後におとずれた春日部市役所では――自治体や対応した職員のちがいもあるかもしれませんが――国民健康保険課でも社会福祉課でも、あなたは加入資格あるいは保護の対象に該当しないとの一点張りで、事実上の門前払いのような対応を受けました。社会福祉課での生活保護の申請も、こちらから強く要求してようやく職員は「申請を受けないと申請権の侵害になってしまうので」と渋々申請書類を用意するというありさまでした。
  私が入院・手術の費用を準備して大腸ガンの治療を継続するためには、国民健康保険への加入、ないしは生活保護の受給がどうしても不可欠です。私は、1987年に日本に来て以来、現在にいたるまで独身です。家族もありません。したがって、援助を見込める身内はひとりもおりません。新在留管理制度施行後、在留資格なしには、国民健康保険への加入、または生活保護の受給等の相談に自治体をおとずれても、自治体側の対応はますます厳しいものになっております。
  また、私の大腸ガンの発覚・診断が遅れ、緊急の手術を要するにいたった一因に、東京入国管理局および東日本入国管理センター収容中の処遇の不備があることはあきらかです。とくに、東日本入国管理センターにおける収容中、私は2011年12月10日には血圧が急低下して収容所内で倒れたことがありましたし、排便時の肛門からの出血をはじめとした深刻な症状をセンターにくりかえし訴えてきました。しかし、センター側は、そうした症状と体調不良を認識しながら私を収容し続け、またその症状・体調不良の原因を究明する措置をとらないまま2012年2月27日に私を仮放免しました。
  出所後も、仮放免許可という現在の状態では、先に述べたとおり、私が生きるために緊急に不可欠な入院と手術を断念するほかなく、このままでは死を待つのみです。
 25年間にわたって、一度も帰国せず日本で暮らしてきた私は、出身国のフィリピンでは、生活はおろか、大腸ガンの手術を受けることのできるような条件がまったくありません。

  以上、緊急に再度の審査のうえ、可及的すみやかに在留特別許可を求める次第です。

Monday, September 17, 2012

牛久大規模ハンストへのご支援ありがとうございました


  長期収容に反対して、東日本入国管理センター(以下、牛久)の被収容者がブロックをまたいで大規模なハンストを8月20日から行い、全国の皆様からご支援いただきました。御礼申し上げると共に状況を報告させていただきます。

  ハンストから開始から10日も過ぎると、倒れる者が相次ぎ、あるブロックでは密閉空間での冷房による低湿度も影響してかハンスト参加者に風邪がはやり始めました。そのためハンストを継続するものは70数名に減少していました。ハンスト参加者と支援者で相談し、ハンストは止めて他の方法で引き続き長期収容に反対して行こうとなりました。そのため、8月末には大半の者が摂食を再開し始めました。しかし、入管の態度が変わらない限りはハンストをやめないと覚悟して続ける者もいて、9月11日に最後の一人が摂食を再開しました。

  すでにお知らせしているように、現在の牛久の長期収容問題は、東日本大震災以降の収容人員の半減を取り戻し、400人程度の収容人員を維持させるという狙いから来ているものと考えられます。これは法務省の省益に関することだけに、簡単に解決することとは思えません。牛久被収容者と仮放免者の会(関東)は、これからも粘り強く長期収容反対の運動を進めていきます。

  牛久の状況として、ハンスト開始以降、少し仮放免許可件数が増えました。それは、ハンスト参加者がいるブロックでハンストに参加していない者への仮放免許可を出してハンスト参加者の動揺を誘うためのものです。具体的には8Aブロックでこういう露骨な事例がありましたが、8Aブロックのハンスト参加者たちは、仲間がたくさん出られてよかったと歓迎しています。ハンストに参加したかどうかを問わず、長期収容と医療放置による苦しみはみんな同じだからです。

  逆にハンスト参加者に対しては報復・見せしめ的な仮放免不許可処分が相次いでいます。たまたま3Aブロックのイラン人のAさんは仮放免申請を本人申請していました。各ブロックから、仮放免不許可理由の説明を求めているなか、牛久は、場合によっては仮放免申請者にいくらかの説明をすることがあります。そしてAさんに仮放免審査を行う総務課職員が説明してきた不許可理由は、「『この中でルールを守られない人は外に出ても守られない』と上の人が言っている」というものでした。Aさんは自分が牛久内のルール(被収容者処遇規則・牛久処遇細則)を守らなかったと思い当たる点がないので、「私がルールを守らないというのはどういうことか?」と質問したところ、「自分で考えてください」とのことだったそうです。

  3Aブロックは今回の大規模ハンストに最大の人数が参加していたブロックであり、Aさんも参加していました。「ルール違反が仮放免不許可処分理由だ」と言いながらそのルール違反の具体性について「自分で考えろ」と言うのは、行政処分のあり方としても不当ですし、聞く者からするとハンスト参加を理由にして不許可処分を行ったものかとも思われます。ルール違反とは、明示されたルールがあり、それに対する違反行為があって成り立つものですが、ハンストは処遇規則でも処遇細則でも禁止されておらず、牛久入管としても明確にルール違反とは指摘できないので「自分で考えろ」としか言いようがなかったのでしょう。

  しかしそれでは「俺がルールだ」と言う独裁政治の世界です。「上の人」とは誰なのか、仮放免担当の総務課職員なので、係長‐課長補佐‐課長‐次長‐所長が考えられますが、課長補佐に聞いたところ、「私は『上』ではありません」との事だったので、総務課長、次長、所長の3人に絞られます。その3人の誰かの頭にある「ルール」に違反したことがAさんの仮放免不許可処分の理由だというわけです。

  また、今回のハンスト参加者については、牛久入管の方が実際の参加者数よりも多い数字を公表するという奇妙な現象もありました。それは8月20日のハンスト突入時の参加者数をめぐってです。私たちは、8月20日にできるだけ多くのブロックと面会して参加者数を聞こうとしましたが、約120人というところでした。のちに改めて正確な数を各ブロックから聞いて合算した115名でした。しかし、1Bブロックから報告された16名というのはウソであり、1Bからは誰もハンストには参加していないということがわかってきました。とすると20日段階のハンスト参加者は99名です。ところが、ハンスト開始から10日以上が過ぎた段階で、牛久入管は報道機関に対してハンストは100名以上の参加者で開始されたと伝えたのです。

  1Bブロックは、昨年の被収容者の増大のなかで昨年12月から使用が再開されたブロックで、これまであまり団結していませんでした。8月に入って急にHが目立ち始め、自分が中心になってハンストをやると言いだしました。そして8月20日に支援者がHと面会したところ、1Bでは16人が参加していると報告してきました。面会時には複数の被収容者と面会しますが、リーダー格になっていたHの発言に、他の被収容者は「それはウソだ」とは言えなかったそうです。私たちは、皆さんからカンパを募り、ハンスト参加者には多少の食品を差し入れました。みんなが拘禁反応や持病の悪化に苦しめられているなか、食後服用の薬を飲んでほしいからです。1Bにも16人分のクラッカーなどを差し入れました。すると、1Bの被収容者の何人かから、1Bは誰もハンストは行っていないとの報告が私たちにもたらされました。

  H以外の1Bの被収容者が言うには、8月中旬に確かにHを中心としてハンストの話が持ち上がり、18名が参加の意志を表明していたそうです。しかし直前になってHが「ハンストをすると仮放免が許可されないからやめよう」と言いだしたそうです。中心になって呼び掛けたHがそういうので、みんなハンスト参加はやめたそうです。しかし、ハンストに参加するしないは自分の問題だから良いとして、支援者や仮放免者の会の仲間をだまして差し入れまでしてもらうのは許されないと考えて、事実を私たちに伝えてきてくれました。Hはひきょう者として1Bブロック内で孤立し、9月12日には10万円の保証金で仮放免されて出ていきました。

  私たちは当初、Hからの報告を信じて1Bを16人と認識して全体で約120名と公表していました。皆さんから頂いた貴重なカンパや仮放免者の会(関東)の会費からウソに基づく差し入れをしてしまい申し訳ありません。

  それにしても、Hのウソが発覚し、ハンスト参加者は当初は99名だったとわかった頃に、牛久入管が報道機関に100名以上でハンストが始まったと伝えたのは、Hを守ろうとしての事としか考えられません。通常、私たちがつかんで公表するハンスト参加者数よりも、牛久入管が公表する数は少ないものです。Hが、自分の仮放免のために仲間を翻弄し、入管にあれこれの情報をもたらしたり指示を受けて画策したりして、それで孤立したがために早々と仮放免許可を出して出所させたというのはわかりますが、ハンスト参加者数を実際よりも多く公表するとは、よほど牛久入管はHを大切に考えていたのでしょう。それにしても、Hは去り、1Bには団結が生まれてきています。

  牛久入管による被収容者数の確保、それに伴う収容の長期化、それに伴う病状の悪化と医療放置とはこれからも闘い続けねばなりません。引き続き、ご注目いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。


仮放免者の会(関東)




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支援者の皆様へ

  今回、私達は長期収容に対し BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)の皆様をはじめ全国の支援者やサポートなしでは頑張ることが出来なかったと思っております。

  外部からのサポートがあったからこそ私達も中でひっしで頑張れた事です。あたたかいサポート、心から感謝しております。

  今後とも頑張りますので宜しくお願い申し上げます。


東日本入国管理センター内  全収容者
平成24年8月28日



【関連リンク】

Wednesday, September 12, 2012

【転載】東日本入管センターでのハンストについて、ジャパンタイムズ記事



  8月20日に始まった、長期収容に反対しての東日本入国管理センター被収容者の大規模ハンストについて、9月1日付で『ジャパンタイムズ』の記事が出ております。これを転載し、日本語訳をつけました。

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Deportee center hunger strike abates, detentions drag on

By MINORU MATSUTANI
Staff writer

Almost all of the detainees at the East Japan Immigration Control Center in Ushiku, Ibaraki Prefecture, have ended an 11-day hunger strike to protest their long detentions, a Tokyo-based volunteer group member said Friday.

About 120 detainees began refusing the center's food Aug. 20, said Mitsuru Miyasako of the support group Bond. About 60 people were still continuing the hunger strike as of Thursday, Miyasako said.

All but two women ― a South Korean and a Peruvian ― and six men ― three Brazilians, a Peruvian, a South Korean and a Senegalese ― decided to quit Friday.

Immigration official Hiroshi Hayashi confirmed the detainees had been refusing to eat the meals provided to them, but added they are free to buy food and beverages from a convenience store in the center and may have been eating food from the store.

The Ushiku center holds about 400 illegal foreign residents who have received deportation orders. They will either be deported or continue in detention until authorities decide whether to grant them a temporary release.

Those who participated in the quasi hunger strike are from Sri Lanka, Ghana, the Philippines, Myanmar, Pakistan and other countries, and included Kurds from Turkey, according to Miyasako.

The detention period was shortened in 2010 as the Justice Ministry, which supervises the Immigration Bureau, said in a news release in July that year that the bureau will try to avoid long detentions, but the period became long again in 2011 and continues to be the case this year, Miyasako said.

"Six months should be the maximum out of consideration for their physical and mental health," Miyasako said. But some detainees have been in the center for more than two years and there is no legal limit on such detentions.

"The main reason for long detentions is that they refuse to go back home," Hayashi said.

Miyasako countered that those who don't want to go home have legitimate reasons to stay in the country, such as having a Japanese spouse and children who can only speak Japanese, or that they are likely to be persecuted and are seeking asylum in Japan.



【日本語訳】

入管センター、ハンガーストライキ衰え、収容は長期化

松谷実記者

  茨城県牛久市の東日本入国管理センターの被収容者のハンガーストライキの参加者のほとんどが、長期収容に抗議した11日間のハンガーストライキを終えたと東京をベースとするボランティア・グループが金曜日に語った。

  約120名の被収容者が8月20日から、入管の官給食の拒食を始めたと支援団体BONDの宮廻満は述べた。約60名が木曜日現在なお拒食を続けていると宮廻は言った。

  韓国人とペルー人の2人の女性と3人のブラジル人、1人のペルー人、1人の韓国人、1人のセネガル人の男性を除き金曜日でハンストを止めることに決めた。

  法務省入国管理官林博は、被収容者が彼らに提供される食事を拒否していたことを確認したが、彼らは入管の中のコンビニで食料と飲料は摂っていたとし、店から食糧を食べていたかもしれないと付け加えた。

  牛久入管は、退去命令を受けた非正規外国人を約400名抱えている。彼らは、入管当局が仮放免を認めるまで強制退去されるか、被収容を続けるかのいずれかになる。

  ハンガーストライキに参加した人々は、スリランカ、ガーナ、フィリピン、ミャンマー、パキスタン、他の国の人々で、宮廻によるとトルコからのクルド人も含まれていたという。

  収容期間は、2010年7月の入管局を監督する法務省の入管局の長期収容を回避すると言う報道発表で、短縮された。しかし、2011年になって再び収容期間は長くなり今日まで続いていると宮廻は言った。

  「6カ月は、肉体的、精神的健康を考慮して最大限の期間だ」と宮廻は言った。しかし、牛久入管の中には、2年以上収容の外国人も数人おり、このような収容には何の法的制限もない。

  「長期収容の主要な理由は、彼らが帰国を拒んでいることにある」と林は言った。

 これに対し、宮廻は、帰国したくない外国人は、日本人配偶者や日本語しか話せない子供を持つ外国人のように合法的理由のある外国人、あるいは本国で迫害され、日本に庇護を求めている人もいると反論した。

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【関連リンク】


Friday, September 7, 2012

【緊急要請】ダニロさんがガンの手術を受けられるよう、ご支援おねがいします




  私たち「仮放免者の会」の仲間であり、大切な友人であるダニロさんが、非常に深刻な病状にありながら、必要な医療を受けられずにいます。みなさまの支援をお願いしたく、この場でうったえます。



(1) 9ヶ月の収容と体調悪化
  ダニロさんは、埼玉県春日部市在住、フィリピン国籍の49歳の男性です。入管が在留資格を認めておらず、オーバーステイ状態にあるとはいえ、1987年の来日以来、25年間、日本で働き、生活し、また納税してきた住民です。

  昨年の5月に入管に収容され、今年の2月に東日本入管センターから仮放免されるまで、9ヶ月にわたって収容されました。その間、体調はいっかんしてすぐれず、排便時の出血などの症状をダニロさんは、入管センターにうったえてきました。昨年12月10日には血圧が急低下して収容所内で倒れるということもありました。収容中にダニロさんはすでに深刻な病状にあったと考えられますが、東日本入管センターは必要な検査等を受けさせて体調悪化の原因を究明することなく、2月にかれを仮放免し出所させました。



(2) 仮放免後に大腸ガンの診断
  2月末の仮放免後、3月下旬には一度、東京都足立区内の病院で受診するも、原因は特定できず。そして、その後も体調不良がつづき、春日部市内の病院で検査を受けたところ、7月に大腸ガンと告げられました。

  病院からは、一刻もはやく手術が必要、その手術は10月11月まで待てるような状況ではないと言われております。また、手術にともなって2週間程度の入院が必要で、無保険状態では、入院費も込みで250万から260万円の費用が必要と見込まれるとのこと。

  ダニロさんは、入管による収容のためにアパートと家財道具のいっさいをうしない、仮放免後になんとか生活を立て直そうと努力しているところでもあり、200万円以上の治療費を用意できるような状況ではありません。かれは独身で援助してくれる家族もなく、公的な扶助なしには大腸ガンの治療を断念せざるをえません。



(3) 国民健康保険の加入をことわられ、生活保護を申請中
  そこで、7月、住所のある春日部市の国民健康保険課に、国民健康保険加入の相談をしました。ところが、春日部市から返ってきたのは、加入資格の適用対象に該当しないとの回答でした(以下の画像参照。クリックすると大きくなります)。



  そして、9月3日、春日部市のこんどは社会福祉課に行き、生活保護の申請をしてきました。ところが、市の職員からは「県に照会したところ、適法に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者等の在留資格があることが生活保護の適用の要件であるという厚生省通知があるとの県からの回答があった」というむねの説明があり、申請は受けるが却下になる可能性が高いと言われました。

  そこで2日後、埼玉県庁をおとずれ、春日部市からの照会を受けた県側の担当者に説明をもとめたところ、「自分たちは実施機関である市町村から、疑義などがあって照会が来た場合に、国の基準にもとづいた法解釈などをお答えするだけ」とのこと。

  つまり、市は市で、県側の回答を根拠に申請却下を示唆し、もう一方の県は県で、決定するのは実施機関である市の側であると言っているわけです。



(4) なんのための「法律」であり「通知」なのか?
  春日部市の職員も、また埼玉県の職員も、厚生労働省の「通知」を理由に、ダニロさんが制度の適用外であることを言います。また、自分たちの仕事が法律にもとづき、国の制度のわくぐみのなかでおこなわれているのだということを言います。

  なるほど、行政が法律や一定の手続きでさだめられた規則にもとづいておこなわれることは重要なことです。それはもっともなことです。

  しかし、このダニロさんをめぐって、この私たちの社会の不正義と不公正があらわになっているということもまた、あきらかではないでしょうか?

  一方には、病気にくるしみ、治療を必要とする患者が存在しています。そのかれが自宅アパートから歩いてゆける距離に、立派な設備のある病院があり、高い技能をもった医者や看護師らがいます。病院には、患者が必要とする医療を受けられるよう、適用可能な制度を模索して懸命に動いてくれているソーシャル・ワーカーもいます。

  手術の必要な患者が存在し、そのすぐ近くに、その必要とする手術を受けられる医療機関があるのに、「法律」や「通知」がそれをはばんでいるのだとしたら、それは公正や正義と言えるでしょうか? その「法律」や「通知」はなんのためにあるのでしょうか?



(5) みなさまへの協力要請
  ダニロさんは、25年まえに25歳でフィリピンから日本にわたり、以来、関東地方の建築現場や飲食店、倉庫での仕分けや検品などの仕事をになってきました。フィリピン・レストランが景気のよかった90年代には、かれは熟練したコックとして腕をふるい、つぎつぎと引き抜きの声がかかり通算5つの店でチーフ・コックをつとめ、またフィリピン・パブで5年間店長をつとめたこともあります。

  ダニロさんが建設にたずさわった道路にはおびただしい数の人や車が行き来し、またダニロさんが解体にたずさわった土地にはあらたな建物がたち、多くのひとがダニロさんの料理を食べたことでしょう。

  かれは――あらゆる、いま存在している、あるいは存在してきた者がそうであるのとおなじく――いやおうなく私やあなたと関係している存在です。かれもまたひとりのメンバーとして関わり、つくってきたこの社会から、一方的にかれが排除されて見殺しにされてよい理由などありません。

  法や規則が重要なのはいうまでもありません。しかし、法や規則を、ひとりの存在を助けずにその命の危機を見すごす口実に使いたくはありません。「厚生労働省の通知があるので」というような理由でひとりの命をあきらめることはできません。「何卒、ご理解をいただきますようお願い申し上げます」と言われても、ダニロさんを見殺しにすることを「ご理解」するわけにはいきません。

  むろん、入管に対する働きかけも最大限おこなっていきますが、まずはみなさまに春日部市への要請と激励を呼びかけます。「残念だがしかたがない」と、あきらめ見すごすための口実としてではなく、ダニロさんが必要な治療を受けられるために、法や決まりをどう活用できるのか。それを模索する努力を続けるよう、春日部市に要請(とまた激励)をしていただきたいです。

【要請先】
  春日部市 社会福祉課 保護担当
  • 電話:048-736-1111
  • 内線:2518
  • ファックス:048-733-0220

  なお、この要請の呼びかけは、春日部市の他の重要な業務をさまたげる目的でおこなっているのでは、もちろんありません。また、ダニロさんが公共の制度から疎外され、基本的人権が侵害された状態にあるのは、役所のみに帰せられる責任ではなく、こうした法制度と行政をこれまで温存してきた私たちの不作為も問われるべきことです。ここで責任を問われるのは、外国人支援にたずさわってきた者たちも当然ながら例外ではありません。極力、穏当なかたちでの要請(あるいは市職員へのあたたかい激励)をどうかよろしくお願いいたします。


仮放免者の会(関東) 連絡先
  • e-mail: junkie_slip999@yahoo.co.jp

Saturday, September 1, 2012

東京入管でも被収容者のハンスト――50名以上が参加



  東日本入国管理センターでのハンストについて、その経過と現状の報告はいますこしお待ちください。

 

これまでのハンスト報告記事


  このハンストへのご支援・ご注目をいただいているみなさまに、心より敬意を表します。

  さて、東京入国管理局(東京都港区)でも、8月30日・31日と被収容者によるハンガーストライキがおこなわれたことが、被収容者からの連絡でわかりました。各ブロックの被収容者たちとの面会などをとおして確認したところ、5ブロックにわたり50名以上が参加したとのことです。

  東京入管のハンスト参加者は、マスコミによる報道等で、長期収容に反対する東日本入管センターでの大規模ハンストを知り、これに連帯する意味もあって、ハンストを始めたそうです。

  ハンスト参加者たちの要求は、長期収容をやめてほしい、仮放免申請の審査期間の短縮、仮放免不許可の場合に不許可理由を説明すること、処遇の改善などです。ブロックによっては、これまで再三にわたり提出してきた、連名の要求書に回答することも要求しております。

  東京入管の被収容者たちは、処遇の改善や仮放免不許可の理由説明、帰国者への便宜供与など、さまざまな項目にわたって、これまでも連名で要求書を出し、また話しあいの機会をもうけることを要求してきました。ところが、東京入管側は、これに対し、誠意ある回答をすることはなく、事実上の無視という対応をとってきました。

  処遇の問題はもとより、入管側が被収容者をたんに管理対象とみなし、対話を拒否してきたことに対して、東京入管の多くの被収容者たちは強い怒りをもっています。そういった入管側のこれまでの不当なあつかいが下地にあって、東日本入管のハンストに呼応し連帯するかたちで、東京入管でも集団ハンストがおこなわれたものとおもわれます。

  東京入管の被収容者のうち、退去強制令書が発付されたものの、帰国できない事情をかかえた人たち、また帰国しないことを選んだ人たちの多くは、いずれ東日本入管センターに移収される可能性が高いです。その意味でも、東京入管の被収容者たちもまた、東日本入管センターでのたたかいを注視しています。

  入管による人権侵害の問題に関心をよせるみなさまがたにおかれましても、東京入管ならびに東日本入管センターの被収容者たちのたたかいに、ひきつづきのご支援とご注目のほど、よろしくお願いいたします。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇
 
  以下は、東京入管の被収容者たちが、7月に提出した連名での「申し出書」です。東京入管の処遇問題、また被収容者に対する差別的なあつかいについて、くわしく書かれた文書です。ぜひ、お読みください。

  また、東京入管被収容者による、同様の「申し出書」等を提出し、入管側に交渉を呼びかける動きは、その後もねばり強く続けられており、このブログで今後とも報告していきます。今後とも、いっそうの注目をお願いします。