6月20日に「仮放免者に在留資格を!」デモをおこないました。
- 【告知】6・20「仮放免者に在留資格を!」デモ / MARCH AGAINST IMMIGRATION BUREAU - 仮放免者の会(PRAJ)
- 6・20仮放免者の会デモへ参加 - BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
デモについては後日あらためて報告したいと思いますが、今回は、東京入管などの被収容者の動きを紹介します。
今回のデモは、品川駅前を出発して、最後に東京入管を1周するというコースでした。東京入管のまわりでは、デモ参加者が路上から上階の収容場にむかって声をあげ、収容場からもこれに答える声が聞こえました。
また、このデモにあわせて、この日、東京入管に収容されたおよそ100人がハンガーストライキをおこないました(その一部は翌21日までハンストを継続しました)。
以下は、東京入管Jブロックの被収容者30名が、局長あてに提出した連名要求書です(日付は「6月20日」になっていますが、提出されたのは22日の午前だとのことです)。
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【東京入管Jブロック要求書】
平成28年6月20日
- 強制送還反対!
- 再収容反対!
- 長期収容反対!
- 被収容者にまともな医療を!
(要求)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 6ヵ月以上収容されている人を、速やかに仮放免を許可してもらいたい。
- 仮放免許可申請の回答を1ヵ月以内に出してほしいこと。
- 現在支給されている入国管理局の食べ物についてですが、とても外国人の口にはあわないので、食事の変更をしてもらいたい。
- 茨城の施設[東日本入国管理センター]と同じく自分の国の食べ物が入るようにしてもらいたい。
- 再収容をもう絶対しないこと。
デモをおこなった東京から遠く離れた大阪入管でも、長期収容に反対する被収容者のたたかいが起こっています。大阪入管では、最近でも2月に、医療をはじめとする劣悪な処遇の改善と長期収容の回避をもとめて大規模集団ハンガーストライキがおこなわれたところでもあります。
以下は、6月20日に大阪入管Bブロックの被収容者19名が提出した連名要求書です。
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【大阪入管Bブロック要求書】
28年6月20日
要 求 書
今私達がいる大阪入国管理局Bブロックには、難民の人達や家族が日本に住んでいる、もしくは今裁判で待っている人達もいて、私達の収容がたんなる裁判の妨げになっているとしか思いません。家族の苦しみや、精神的な苦痛などを考えると、私達の収容が不当であり、非人道的な収容を直ちに解くべきだと思い、受け入れ体制が整っている人だけでも、仮放免の制度を適用すべきだと思い強く希望致します。
私達が仮放免[申請]を提出する際、不許可になることを想定して仮放免を出しているのではなく、多くの方々の協力を得てやっとの思いで仮放免を提出しています。なのに不許可になった理由を明らかにしないのです。今後入管はこのことについてきちんと説明すべきだと思います。
現在私たちがいるBブロックに収容期間が長い人が多くいます。入管は私達を帰国に追い込むために長期収容していることは言うまでもありませんが、どんなに期間が長期化したとしても、やはり帰国できない正当な理由があり、認められるべきです。無意味な拘束を直ちに解くべきだと思い、最低限、仮放免の許可を認めるべきです。
尚この要求書を提出してから1週間以内に回答をお願いします。
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難民であったり日本に家族がいたり、あるいは長期間日本に滞在していて日本以外に生活基盤がないなど、帰るに帰れない事情をかかえる人たちに対して、入管がいたずらに収容を長期化させている現状は、まさに「無意味な拘束」と言うべきです。長期収容、また仮放免されたひとの再収容は、ここで指摘されているとおり、あきらかに、「帰国に追い込む」ことを目的としたものです。心身に極度の苦痛を与える収容・監禁(入管収容施設に収容されたひとは例外なく入所後数ヶ月で高血圧・不眠・頭痛等の拘禁症状をうったえる。また、体調をくずしても入管はまともな診療を受けさせない)を、入管は被収容者を「帰国に追い込むため」の手段としてもちいているわけです。これは「拷問」による帰国強要と言っても過言ではなく、人権・人道上けっしてゆるされないことです。
なお、デモをおこなった20日には、私たち仮放免者の会と各地の6支援団体共同で、法務省入国管理局長のほか、収容場をもつ各地方局・支局と東日本入国管理センターに対して、以下の共同申入書を提出しました。申入れした項目としては、長期収容・再収容をおこなわないこと、医療放置・診療拒否をしないこと、食品差し入れの基準の緩和の3点です。
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共 同 申 入 書
2016年6月20日
法務省入国管理局長 殿
東京入国管理局長 殿
名古屋入国管理局長 殿
大阪入国管理局長 殿
東京入国管理局横浜支局長 殿
東日本入国管理センター所長 殿
全国仮放免者の会BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)START(外国人労働者・難民と共に歩む会)難民支援ボランティアWITHTRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)難民コーディネーターズピースバード
一、 6ヶ月を越える退令収容は甚大な人権侵害であり、該当者を直ちに仮放免することを申し入れる。退令収容6ヶ月を越える長期収容のみならず、貴殿らは難民不認定異議申立棄却通知、指定住居をめぐる揚げ足取りのような条件違反などを理由として、あるいは一切理由を示すことなく、再収容を行なっている。これは収容権の濫用としか受け取られない。今後一切、再収容を行なわないことを申し入れる。
一、 医療放置、とりわけて診療拒否をしないことを申し入れる。2013年から翌年にかけて頻発した収容場・収容所での死亡事件に鑑みても、現在の貴殿らが行う診療態勢は、抜本的改善がないばかりか、診療拒否の事例に至っては人命軽視と受け取らざるを得ない。
一、 食品の差し入れの許可基準の緩和を申し入れる。長期収容を前提としたセンター、大村と閉所された西日本においては食品の差し入れについて便宜が図られてきた。東日本においても限定性はあるものの一定の品目の差し入れができる。現在、とりわけて問題となっているのは、以前と違って収容期間が長期化している各収容場である。何らの合理的理由説明がないまま、いたずらに食品の差し入れを制限する各収容場の運用は、行政による恣意的運用との批判を免れ得ない。
以 上