Wednesday, September 21, 2011

9月18日東海地区仮放免者の会結成

  昨年9月の関西、10月の関東に続き、9月18日に名古屋入管管轄地域在住の仮放免者が団結して東海地区仮放免者の会が結成されました。アジア・アフリカ・南米諸国出身の仮放免者、在留理由も難民、日本人の配偶者、日系人などさまざまな仮放免者が一堂に会し、これからの闘う方針、組織作りなどを討議して決め、国別のリーダーを選出し、在留資格取得に向けた力強いシュプレヒコールで閉会しました。

  名古屋入管に収容され、退去強制令書の発付を受けた人たちは主に西日本入国管理センター(大阪府茨木市)に移収されます。関西在住の仮放免者や支援者とは西日本センター収容中につながりができており、東海地区の仮放免者はこれまで関西仮放免者の会から支援を受けながら再収容に反対する闘いを進めてきました。名古屋入管も東京入管と同じく、難民手続きや退令取消訴訟敗訴確定時などに再収容していましたが、今年4月6日の全国一斉面会・一斉申入れ以降、再収容は基本的にストップしています。4月下旬から5月初めにかけては、再収容者の即時仮放免などを求めるハンガーストライキも名古屋入管内で闘われました。国籍、宗教、言語、在留理由などの違いを越えて、自ら団結して闘ってきた東海地区の仮放免者は、ついに自らの団結を形に現す組織を手にしました。

  結成大会には、関東、関西からもリーダーや支援者が参加しました。これは、全国的な仮放免者の団結と闘いが必要だからであり、また、この東海地区での結成は、全国的な仮放免者の団結と運動が開始されるという重要な意味があるからです。それは、仮放免者が在留資格を取得するため、法務省入管に政策変更を要求する必要があり、これは各地方局レベルの運動ではできないからです。全国の仮放免者と言っても、そのほとんどは関東、東海、関西に集中しています。この三つの地域で組織が作られれば全国的な運動と言えます。そのため、関西や関東の仮放免者や支援者も、この東海での仮放免者の会結成に期待し、注目していました。

  長期収容を経てやっとの思いで仮放免になったものの、仮放免状態では就労資格がなく、移動の自由も制限され、さらには在留資格がないために国民健康保険に加入できず治療費は「10割負担」です。医療機関によっては15割、20割を請求される場合もあります。安定した収入も無く、医療費は極めて高額になるため、病院に行きたくても我慢せざるを得ません。いくら入管から脅されても、難民であったり日本に家族がいたりするなど、帰国できない事情があるから長期収容にも耐えざるを得ませんでした。しかし仮放免になったとしても自らの人権や生命は守られるわけではありません。こうしたひどい状況から脱するには、在留資格の付与を入管に求めて行くしかありません。そのためにはどうしても、全国的な仮放免者の団結と運動が必要でした。

  参加した関西、関東の仮放免者の会のリーダーからは、東海地区での結成を祝うと共に、団結することの重要性が強調されました。関西のあるリーダーは、「これからは『私は』と考えるのではなく、いつも『私たちは』と考えてください」と大会参加者に訴えました。大変な状況に置かれているのはリーダーも同じであり、同じ苦しみを抱える仮放免者が自分の事だけに精いっぱいになる状況・気持ちも良くわかっています。しかしそこで、自分の事だけを考えたり、私は難民なのにとか、私のところは本当の結婚なのにとか、狭い枠にとらわれていたら団結は作られず運動は発展していきません。関西のリーダーが訴えたのは、仮放免者自身の立場の転換です。関東のリーダーからは、関東での長期収容と再収容に反対する運動の経緯を報告し、全国的に団結して闘えば、私たちの要求は必ず実現できると訴えました。

  三つの地区のリーダーたちは、お互いに連絡先を交換し、今後の全国的な連携を誓いました。

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