Sunday, February 12, 2012

東日本入管センターへ家族会からの申し入れ ~バラバラにされた家族、手さえ握れない面会室~

  1月24日、被収容者の配偶者・パートナーからなる「収容者家族会」が、東日本入管センターへの申し入れをおこないました。
  申し入れは、「第二面会室使用」についてです。ご参考までに、以下の記事もどうぞ。
以下、申し入れの様子について報告と、東日本入管センターに提出した「申入書」です。


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前回、東日本入管センターに開示させた「第二面会室使用」の件で、家族たちがたちあがりました。
面会を待っている間に、配偶者の人や収容者の子供、親、兄弟と愛する家族と引き裂かれている苦しみなどを
相談していくうちに、自分たちが第二面会室を使わせてもらわなったことを相談しました。
家族たちの中には第二面会室なんてものがあること自体知らなかったという人が多くいたので、
ならば、入管の今の運用に対して抗議したい家族がほかにもいることを示すために、署名を集め始めてみました。
すると2週間で約20名のサインがいただけました。
これは家族であるならば、みんな「愛するものとガラス越しでなく面会したい」と思うのは当然で、
自然な想いだと思います。


そして去る1月24日、その集めた署名を持って、総勢8名で総務課に申し入れに行きました。
すると総務課は「大勢で来られても困る」と言い、家族の代表4名だけから申し入れを聞き入れるとし、
廊下にパーテーションをたてて作った簡易な部屋に日本人配偶者4名が通されました。
私たちはそれぞれに想いをぶつけました。


まずどうしてもおかしい、と思うのは、「子供のいない夫婦には特別面会は認められない」という面会室の運用です。
対応した総務課補佐は
『子供がいない夫婦には第二面会室の使用を認めるような人道的配慮は行わない』とはっきりと言いました。
申し入れした4人の各夫婦には子供がいません。
「それでは物理的に子供が出来ない夫婦は「夫婦」ではないのでしょうか。」
と、一人が泣きながら訴えました。
しかし総務課はその問いには答えてくれませんでした。
そして「一般面会で十分ではないですか」と、私たちを丸めこもうとし始めました。
一般面会で十分だったことなど一度もありません。
私たちのほとんどは2~3時間もかけて面会に行きますし、1週間に1回は「会える」かもしれませんが、
抱きしめあうことはできません。
私たちが愛する家族と引き離された苦しみは計りしれません。
ある夫婦は8年間も結婚していて、単なる家庭の事情で別居をしたら在留資格更新にならず、収容されました。
子供がいる・いないに関わらず、皆「法律上」も「精神的」にも婚姻していて、愛する夫や妻とただ、抱き合いたいだけなのです。
それにも関わらず、私たちの申し入れに対し、所としては「回答はしない」とし、私たちの想いをはねのけるような感じでした。
病気がちな妻が中に収容されている、ある日本人の夫は「何も来るたびにさせてくれ、と言っているわけではない。
月に1回でもいい。特別な日にはなおさら、どうにか妻の手を握ることはできませんか」と、気持ちを話してくれました。
私たちは特に何も難しいことを要求していないと思います。
実際「人道的配慮」をうたって作られた面会室があるのです。
家族だからついたてなしのその部屋で会わせて下さい、そう話して申し入れは終わりました。




それから一週間後の1月31日、再び同じメンバーで総務課を訪れ「どうなっていますか」と聞いてみました。
ところが、「センターの幹部が目を通した」という回答しかもらえませんでした。
総務課は全体収容者の一体、何割が日本に家族がいるため在留を望んでいるのか調べ、
警備課と運用にむけ調整を始める、ことはおろか、いまだ、単に「申し入れを聞き入れた」だけです。
これからも被収容者家族会は、特別面会ではなく、収容施設の処遇改善を求め、申し入れを行っていくつもりです。
愛する家族を収容する限り、所では最大限のケアをしてほしい、そう思っています。



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申 入 書
2012年1月24日
東日本入国管理センター所長 殿
収容者家族会

      現在行われている第二面会室の使用ですが、使用要領の5. に該当します家族間への配慮をお願い致します。2009年までは第二面会室の使用が認められていたが、鳥インフルエンザの流行により許可が厳しくなったと聞いています。しかしながら、感染症の心配がない現在、貴センターにおかれましては積極的に許可を出していただき、家族間のコミュニケーションが最大限できるよう人道的配慮をしてもらいたいと思います。
夫婦間の身体的接触は保安上問題がないと思います。たとえ数カ月であっても、家族にとってこのような突然の「別離」はストレスとなって、家族を苦しめています。中には遠方から月に1度程度しか面会に来られない者もおります。そのような夫婦間において、実子がいない、または同伴でなくとも第二面会室が使用できるようにお願い申し上げます。
      そして被収容者の法律上「子供」である場合には実子・養子問わず、就学中は面会に来られないことを考慮して、学校の長期休暇中において事前の申し出がなくても使用許可をしていただけるようお願い致します。
      私たちの愛する家族を身柄拘束し続ける限り、積極的に第二面会室の使用を認めていただき、家族がバラバラにならないよう貴職におかれましては、今日の家族会の要望を十分に考慮していただきたいと思います。

      以下、この要望に対し賛同している家族の署名です。

【署名は省略】


回答は24年 2 月 2 日、収容者家族会の代表者に頂きたいと思います。また、不許可の際には理由を教えてくださいますようお願い申し上げます。
以上

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