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Saturday, January 7, 2012

夫を返して! 被収容者の妻の声(1)

  入管での長期にわたる収容が、多くの被収容者の心身をむしばんでいることは、当ブログでもたびたび問題にしてきました。しかし、深刻なのは、収容された本人の被害だけではありません。被収容者の家族にとっても、心身におよぶダメージは甚大です。
  今回から、Sさんという日本人の女性の文章を当ブログで連載します。Sさんは、夫が東日本入管センターに収容されています。夫に対する入管の医療ネグレクトなどにたいし、Sさんはたびたび抗議してきましたが、入管側の対応はとうてい納得のいくものではなく、Sさん自身も健康上の問題をかかえるにいたりました。
  医療や食事などの収容施設の処遇の問題、今回の文章でもすこし触れられている入管による通信妨害、またそうした問題についてのSさんの問い合わせ・抗議にたいする入管側の不誠実な対応など、Sさんには連載をつうじてくわしく報告していただきます。

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こんにちわ。
私の名前はSといいます。
前回のデモ報告で同じような奥様がいるんだ、と勇気づけられました。
私の夫は今、収容7ヶ月目になります。
別離のストレスや、度重なる入管側の医療ネグレクト、通信妨害の影響で私は卵巣機能不全という病気になりました。
心身共に夫婦として支えが必要になってきています。
11月に私の友人が亡くなり、母の最期がよみがえりました。
精神的にも辛くなり、彼にただ抱きしめてもらいたい、と思うようになりました。
牛久の収容所にはしきりのない第二面会室というのがあります。
人道的配慮をするために作られ、現在は16歳以下の子供同伴のみ使用が認められています。
夫婦だけ、には認められておりません。
しかし私たちには子供がおりません。
たった1度でも、抱き合えれば、それだけで少しは気持ちが落ち着くのですが、子供がいないので許されません。
私の病気はストレスによるもので、不妊症の一種です。
今までも通夜参列の会葬案内や病気の診断書を見せたりして、どれだけ私たち夫婦にとって今お互いが必要なのか
訴えてきました。
しかし「あなたたちに認めたら、他の人にも認めなければならない。」だけの理由で4回の申し入れが却下になりました。
総務課からの説明では、私たちは「内部基準外」と言われました。
私たちには理解できなかったので、その内部基準がかいてある行政文書開示請求をしました。
すると使用可能な人達は
  1. 領事官
  2. 弁護士
  3. UNCHRおよびその委託を受けて調査等を行う職員
  4. 被収容者の16歳以下実子、および同人を同伴し同時に面会するもの
  5. 保安上問題がなく、仕切りのない場所での面会が必要であると首席警備官が認めたもの
とありました。
私たちは、5に該当していますが、必要と認められることはなく、「一夫婦に許してしまうと他家族に混乱をきたす」とだけの理由で却下され続けています。
人道的配慮を目的に使用許可している第二面会室は、友人を亡くし、病気にかかっていて仕切りのない場所で面会が必要だとしても
夫婦間だけでは「人道的配慮」はされません。
「お気の毒ですね」で終わりです。
友人を亡くした直後に、職員たちに支えられないと歩けないほど泣き崩れ必死にお願いしました。
それでも駄目でした。ただみんな、冷たい目線を送ってくるだけです。
「あなたが悪いのです!すべてあなたが悪いのです!」と言っているようで、本当に悲しかったです。
私たち家族を引き裂き、できるだけ「接触」できないようにされています。
私は日本人なのにどうしてこの国に守ってもらえないのでしょうか。
この国が大好きなのに、報われていません。
私は働いていますし、夫に自分のお金から温かいご飯も食べさせてあげられます。
「抱き合いたかったら仮放免を申請しなさい」と、言われましたが、申請から随分時間がたっていても
答えはまだ出ていません。
今は、いつか授かれる命のために病院に通院していますが、いくらお薬で調子を整えていても、
まず彼が居なければ子供を持つことができないし、それに長期間このような状況にされるのでは二度と子供を持つことができない体
になってしまうのではないか、と不安で不安で仕方ありません。
私たち夫婦は大家族を持ちたい、という夢があります。
経済的に許される限り、何人も子供は持ちたいのです。
私の願いがかなう日があるのでしょうか。

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参考
  Sさんが、行政文書開示請求をつうじて開示させた文書の全文は、以下のリンクで読むことができます。

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