Sunday, June 24, 2018

【拡散願い】東日本入管センター被収容者からの手紙「入管に私達の命で遊ぶ権利はない」





 東日本入国管理センターの被収容者から6月中旬に受け取った手紙を公開します。

 この文書は、同センター8Aブロックの被収容者たちが討議して執筆したものです。同じ文書を、当会のほか、法務大臣、日本オリンピック委員会、複数の国会議員、報道機関・報道関係者、入管問題に取り組む支援団体などに、被収容者たちの署名をつけて送付しているところだとのことです。

 被収容者たちは、この手紙を「私たちの今おかれている状況を伝えたく」書いたといいます。入管収容施設における人権侵害の実態を広く伝えることが目的の文書だとのことですので、拡散にご協力いただけるとありがたいです。

 以下、文書の全文を掲載します。







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この手紙は、私たちの今おかれている状況を伝えたく書かせてもらいます。

私達は、今ここ東日本入国管理センターで入管による拷問を受けています。

私達、外国人は日本人にいじめられているのです。

2年も3年も人を収容して私達に精神的・肉体的苦痛をあたえているのです。

とても苦しいです。こういう拷問に耐えられなくなった人は、自殺をし、または自殺をしようとする人が、次から次へと出ています。入管は、私達の命で遊んでいます。

私達の家族の元から離して、これだけの多くの時間、そして人生そのものを入管に奪れているのです。

入管に私達の命で遊ぶ権利はありません。私達には、人権はないのでしょうか。

この民主主義の国で非人道的、そして独裁的なことが今、ここで起きているのです。

私達は、見捨てられ、使い捨てられたのです。

今回、自殺したインド人が亡くなっても、日本にいる人は、あまり関心を持ってくれません。

関心を持たれないのは、亡くなったのが日本人じゃないからなのですか。

私達外国人の命はどうでもいいものなのですか。

なぜ、こんなにもひどいことが日本で起きているのに、何も変わらないのですか。

私達には理解できません。

私達の収容されている人は、ちゃんとした日本に残る理由があります。

奥さんや子どもが日本にいて自分の父や夫としての責任をしっかりと果たしたいだけの人や
日本でうまれて、日本しか知らず、自分の国の言葉も話せず、自分の国ですが、外国です。帰る場所はありません。

その他にも、自分の国で重大な問題があったり、宗教の関係で命まで危ない難民の人等、重大な理由があるのです。

ここに5年10年でも収容しても帰ることはできないのです。

ただ「日本に残りたい」というだけの理由なら、こんなにも長い長期収容に耐えられずすぐに帰っています。

私達は、今までこの長い時間、入管に頭を下げ「出して下さい」「お願いします」「すみません」とお願いし続けました。

ですが、入管に頭を下げ続けてもお願いし続けても何も変わらないのです。

それなら私達は、いったいどうしたらいいのか、わからなくなっています。

こういった結果に先が見えなくなり自殺をして大切な命が入管が原因で奪われたのです。

そしてその後も自殺をしようとする人が、次から次へと出ていて私達は怖くなっています。

私達の痛みだけではなく、外で待ってくれている人達、家族の痛みを理解して欲しいのです。

家族がどれだけ苦しいか、悲しいか、なぜこういうことが理解されないのでしょうか。

それだけではなく、長期収容によるストレスが原因で体はどんどんボロボロになり、色んな病気をここで発症する人が多くいるのです。

精神的だけではなく肉体的な苦痛を受けている証拠なのです。

日本の法律には、自由権の身体の自由について「犯罪により処罰される場合を除き、肉体的、精神的な苦痛を受けない」とあります。この法律には、私達は関係ないということでしょうか。

この法律がもし、私達が関係ないのであれば、つまりは、私達の人権はないということになります。

これが、グローバルリーダーで国連の模範的メンバーの日本がやることなのでしょうか。

外国に向けて「日本へようこそ」と伝えておきながら裏では、こんなにもひどく外国人を扱っているのです。

これは、私達外国人への差別なのです。外国人が嫌いで日本に受け入れたくないのであれば、そういう対策をとって下さい。ですが、表向きには、「ようこそ」と伝えている結果は、こんな悲惨な現実なのです。

私達の願いは、まず仮放免の許可を出して私達にビザを取得するチャンスを下さい。

本当ならすぐにビザを出して欲しいのが私達の願いです。なぜならここで2,3年収容されたあげく外に出たら仮放免では仕事がしたくてもできない、病院に行きたくてもいけない、行きたい場所にも行けない、何もできないのです。

この「仮放免」という制度が何の意味なのかもわかりません。不法滞在している人と全く状況が同じというのは、おかしいことではありませんか。

ここでこんなにも長い時間、耐え続けているのは、仮放免なんかのためではなくビザを取得するためなのです。

これらのことを私達はただただ理解して欲しいのです。

今のこの長期収容をやめて私達に仮放免の許可を出してチャンスを下さい。

これがここに収容されている皆の声と気持ちです。助けて下さい。

以上

平成30年6月1日

東日本入国管理センター収容者より

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 あわせて以下の記事もご覧ください。
 1,2は、東日本センターのおなじ8Aブロックの被収容者が、3月と4月にそれぞれ同センター所長にあてて連名で提出した嘆願書・要求書を紹介した記事です。3は、2の嘆願書にふれながら、入管施設における長期収容問題について解説した記事です。

  1. 「東日本入国管理センターという場所は人の命を奪う場所」8Aブロック被収容者による要求書 - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年5月18日)
  2. 被収容者110名超が長期収容・再収容の中止を要求(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月9日)
  3. 入管施設の収容長期化問題について――被収容者「嘆願書」によせて - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月10日)


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