Saturday, March 19, 2011

東京入管 Fブロック被収容者からの被災者への寄付金

ひらがな・カタカナ

  東京入国管理局(品川)の Fブロックに収容されているみなさんが、今回の東日本大震災の被災者に、寄付金をおくりました。寄付金は、20,540円あつまり、日本赤十字社をとおして、被災者のためにつかわれるとのことです。



  地震は「自然災害」とよばれます。「自然災害」は、お金のある人にもない人にも、また国籍や民族にかかわらず、ひとしくその被害がふりかかるというイメージがあるかもしれません。
  しかし、じっさいには、お金のあるなしや、国籍・民族、言語、職業や社会的な地位、性差やセクシャリティ、身体的な条件などによって、災害の影響のうけやすさはちがってきます。これらの要因によって、安全な場所への避難のしやすさ、救助やさまざまな社会的支援、適切な医療をうけられれる可能性、必要な情報の手に入りやすさ、差別によって二次的な災害にあう危険の小ささなどは、変化します。
  たとえば、入管に収容されているひとたちは、地震のおこるまえから、まともな医療をうけられず、また外部の情報にじゅうぶんにアクセスできない環境におかれてきました。3月11日の地震発生時には、部屋にとじこめられ、カギをかけられるという危険な状態におかれました。



  地震の被害をうけたひとびとを、「日本人」「日本国民」とひとくくりにすべきではありません。そうひとくくりにしたときに、みえなくなってしまう被災者がいることに、注意をはらわなければならないとおもいます。



  また、被災地で、あるいは被災地からはなれたところで、この地震の被害をくいとめ、被害から立ちなおるためにとりくんでいるのも、国籍・民族・在留資格のあるなしなどをこえた、さまざまなひとびとです。
  政府の政治家たちは今回の地震にあたって「国民のみなさん……」などとよびかけたりしています。しかし、「日本国民」ではないさまざまなひとたちも、「日本国民」とも協力しあいながら、それぞれ自分ができることをやろうと努力しています。Fブロックの被収容者たちによる今回の寄付も、その一環にほかならないとおもいます。

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