Tuesday, December 27, 2011

仮放免者に在留資格を!12・7デモ 報告

  私たちは、12月7日(水)、法務省に対して仮放免者への在留資格を求めるデモンストレーションを行いました。
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  12時に東京都千代田区にある日比谷公園に集まりました。しかし、電車の乗り換えに失敗したり駅からの道に迷ったりして、12時半のデモ出発時までに間に合ったのは70名ほど。支援者は仕事を休んで30人くらい参加してきてくれていましたが、肝心の仮放免者が40名ほどしか集まらず、リーダー会議のメンバーも何人も来ておらず、ちょっとさびしい出発となりました。12時半に日比谷公園の中幸門を出発し、新橋方向に向かい、東京電力前を左折して外堀通りに出、右折して日比谷公園と官庁街の間の道を通って法務省へと向かいました。その間に次々と仲間たちがデモに合流してきて、デモ隊は100人以上に増えて行きました。

  私たちは、「長期収容をやめろ!」「再収容をやめろ!」「仮放免者に在留資格を!」「人権侵害を許さないぞ!」などと日本語と英語でシュプレヒコールをおこないました。そして私たちの闘いへの理解を求めるチラシを道行く人たちに配布しました。官庁街に入ると通行人は少なくなりますが、前半の新橋駅付近や外堀通りは通行人が多く、私たちのデモ隊に注目する人たちに次々とチラシが手渡り、用意したチラシはデモの前半でなくなりました。

  日本弁護士会館前を過ぎ、いよいよ法務省です。私たちの多くは東京入管、東日本センターと収容され、仮放免後も月一度は入管局に出頭しています。しかし、入管局のトップである法務省入国管理局には行ったことがありません。みんな初めての法務省です。これまで私たちは、私たちを長期収容するセンターが全国に三つ、私たちを摘発したり審査したりする地方局が全国に八つあることは知っていました。その全ての入管組織のトップがここだと思うと、これまでの辛かった経験、仮放免状態という日々の苦しみがドッと沸き出してきました。私たちはなおさら力を込めて、私たちに在留資格を与えることを、人権を認めることを訴えました。

  参加した中国人女性はマイクを握り、「私の子を返して!」と訴えました。彼女の夫(パキスタン人)は裁判に負けた後に再収容されました。そのショックから、中国人女性は流産してしまいました。1度目の収容も本人、家族に大きな害を与えますが、仮放免になったのちに再び収容されることはなおさら人生を絶望させるものです。彼女たち夫婦は、夫の再収容によって子どもの命を失ってしまったのです。
  仮放免者は1カ月ずつの仮放免許可を受けています。だから毎月入管に出頭し、仮放免期間延長許可を受けなければなりません。彼女の夫は入管からの退去命令は不当だと訴えて裁判を起こしていましたが、裁判に負けた段階で仮放免期間延長を許可されず再収容されてしまったのです。
  入管は、「法律に基づいて再収容した」と言います。しかしその法律に基づいて仮放免期間延長許可を出すこともできます。再収容するかどうかは法律の問題ではなく、その時々の入管の裁量の問題でしかないのです。再度の夫の収容は、彼女に大きなショックを与えました。彼女は涙ながらに「何で私の子どもを殺したの」「子どもを返して」と訴えました。デモ中なので歩きながらの発言です。
  私たちは歩みをゆっくりにして彼女の訴えを聞きました。警察は「早く歩いて」などと言ってきましたが、そんな場合ではありません。一人の命が奪われたのです。みんなが収容や仮放免状態に苦しめられていますが、彼女や夫が負った苦しみは並はずれたものです。彼女の訴えを聞いた私たちは、怒りを込めて、「入管は人殺しをやめろ」「子どもを返せ」と叫びました。

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  霞門から再び日比谷公園に入り、集約集会をおこないました。まず私たちは、この3日に急逝したスリランカ人・アラハコーン(ALAHAKOON)さんを悼み5分間の黙とうを捧げました。
  彼は昨年秋から冬にかけて品川Jブロック、続いて移収されたFブロックで再収容反対の運動の先頭に立って闘いました。7月8日に仮放免になり、その後もみんなと共に闘ってきました。10月16日の第二回大会にも元気に参加しました。彼はスリランカ人だけではなく、当時一緒に闘ったJブロックやFブロックの仲間たちからも信頼されていました。
  彼の急逝はみんなにとってショックな出来事ですが、彼の無念さ、遺志を引き継いでこれからも団結して闘っていかなければなりません。

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  代表が法務省入管に申入書を渡しに行き、並行して、各国のリーダーや支援者から次々に発言を受けました。いくら入管から帰国しろと言われても、難民であったり、家族が日本にいたり、生活基盤を日本に移した私たち難民・移民は帰国できるわけがありません。国籍も在留理由もさまざまですが、帰国できないという1点において私たちは共通しています。これまで私たちは長期収容や再収容によって人生をめちゃくちゃにされてきました。私たちは自分たちで団結して闘うしかありません。そして私たちが団結することにより、多くの支援者たちが集まってくれます。リーダーたちからは団結して闘う意志が表明され、支援者からは私たちの闘いを支持して協力すると発言がありました。
  最近、牛久から仮放免になり、初めてデモに参加した仲間は、「感動しました。みんなで団結して闘うのは楽しいし重要ですね。支援者の方たちもたくさん来てくれて心強かったです。みんなにビザが出るまで頑張ります」と感想を言っていました。
  昨年9月8日、今年2月25日の東京入管に対する再収容反対デモの時もそうでしたが、私たちがデモに参加するのには勇気が要ります。みんなで団結して闘うことが効果的であることはわかっているし、自分の気持ちとしても晴れ晴れとします。しかし、デモに参加すると入管にわかるし、自分にとって不利になるのではないかと心配する臆病な気持ちもわいてきます。仮放免者のみんなはあっちこっちで、次のデモはどうしようか?と話し合ってきました。自分の人生、家族の将来がかかっているので、みんなが慎重に考えます。
  平日なので仕事も休まなければなりません。やっと見つけた仕事先の社長から「また休むのか」と文句を言われると、休むわけにもいきません。そういう精神的・経済的なさまざまな困難を乗り越えて80名の仲間が参加しました。参加できなかった人たちの苦労もわかります。みんな必死に生きている仲間です。
  しかし、関東には1,000人くらいの仮放免者がいます。次のデモには200人、その次のデモには300人と、困難を乗り越えて参加できる仲間を増やしていきたいと思います。初めてデモに参加した人の感想にもありましたが、支援者の存在は私たちを勇気づけます。日本人の皆さん、正規在留の皆さん、私たちの運動にご協力をお願いします。


以下、法務省入管へ提出した申入書です。

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申 入 書
2011年12月7日
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
仮放免者に在留資格を!行動参加者一同
(呼びかけ団体 仮放免者の会<関東>)

(1)昨年9月以降、貴職ら、また東京局長、横浜支局長に対して、難民不認定異議申立棄却や行政訴訟での敗訴確定を契機とする退令仮放免者への再収容を行わないよう私たちは申し入れてきました。
  東京局、横浜支局は、再収容について法に基づいて執行していると主張していますが、再収容せず仮放免許可の延長をすることも法に基づいて行われるものです。したがって、私たちは、再収容が違法であるか否かという点で争っているのではなく、入管が持つ裁量権をどのように行使するかを決定付けている入管の方針を問題にしているのです。
  ご承知のように、退令仮放免者には送還に従うことができないそれぞれの深刻な事情があり、それゆえ再収容や収容送還に対して、退令者の激しい抵抗があります。入管の「適正な退去強制手続きの実施」という名のもとでの収容送還方針の結果は、送還中の死亡事件や収容所での自殺事件、東西センターでの大規模ハンストでした。このことは、法を盾にして再収容を乱発するなどの無謀な収容送還の執行によっては退令仮放免者問題を解決することはできないことを明白に示しています。
  以上のことから、以下の2点を申し入れます。
  1. 無謀な収容送還方針に固執し、長期収容、再収容などの暴力的方法で退令仮放免者問題を解決しようとしないこと。
  2. 退令仮放免者が帰国を拒否する事情を考慮し、再審情願を受理・審査すること。難民手続き続きにおいては人道配慮の側面からも審査すること。

(2)退令仮放免者は、就労権もなく、社会保障制度からも排除され、生存権を著しく制限されています。まさに人間として生きていくための基礎的条件を剥奪されたなかで苦闘し、辛酸を嘗め尽くしています。絶望の中で人生の貴重な時間が潰されています。
  私たちは、人道的配慮から、まず以下の緊急性のある者に在留資格を付与することを申し入れます。
  1. 退去強制令書発付処分が下された後の期間が長期に及ぶ者
  2. 日本に家族(配偶者、及び扶養する子ども、及び扶養すべき者)がいる者
  3. 継続的治療を要する疾患を持つ者
以 上

Sunday, December 18, 2011

12.22全国統一一斉面会にご参加ください

  12月22日(木曜)に、全国の入管収容施設にて全国統一一斉面会をおこないます。
  入管の収容施設では、このブログでも報告してきたように、深刻な人権侵害がおこなわれています。期限のきまっていない(いつ出られるかわからない)なかでの長期の収容で、心身の健康をくずす人が多くいます。しかも、病人やケガ人はまともな治療を受けられずに放置されています。収容によって家族がばらばらに引き離されてしまう問題、とりわけ母親が小さな子どもと引き離されて収容されている例(子どもは児童相談所などにあずけられる)もあります。
  そうしたひどい収容の実態は、マスコミなどで報じられることもすくなく、あまり知られておりません。収容施設内での人権侵害の事実を把握するには、現状では面会活動によって被収容者からお話を聞く以外に方法がありません。
  そこで、できるだけ多くのひとに面会活動に参加していただき、収容施設のなかでなにがおこなわれているのか、その実態把握を協力してすすめていきたいと考えています。たくさんの人が関心をもつことが、入管にたいする監視にもなりますし、入管行政のあり方をともに考え、その改善につなげていければよいとおもいます。
  また、面会後には、各局・センターへの申し入れを予定しています。長期収容・再収容をしないこと、病人など収容にたえられない人の即時仮放免、医療・食事等の処遇の改善を要求します。
  仮放免者の会(関東)では、以下2ヶ所での一斉面会に参加します。みなさまのご参加、お願いいたします。

東京入国管理局(東京都・品川)
  12月22日9:00am  東京入管 正面玄関前 集合
      (品川駅港南口から都バス「8番バス」にのり、「東京入国管理局前」でおりる)
  連絡先: ながい(junkie_slip999@yahoo.co.jp / 090-2910-6490) 

東日本入国管理センター(茨城県・牛久市)
  12月22日午前9:30am JR常磐線牛久駅改札口 集合
  連絡先: みやさこ(miyasako316@ybb.ne.jp / 090-6547-7628)

*なお、面会には身分証の提示が必要です。日本国籍者は、パスポート、健康保険証、運転免許証、住基カードのいずれかをもってきてください。外国人は、パスポートまたは外国人登録証をもってきてください。

関連リンク

これまでの一斉面会(一斉面会は今回で3回目になります)

被収容者による要求書(東日本入管センター8B, 9Aブロック)

  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の収容者からの連名要求書を紹介します。8Bブロックと9Aブロック(いずれも男性が収容されている寮)の要求書です。
  これまでもたびたびお伝えしてきたように、東日本入管センターや東京入国管理局では、被収容者たちによって、共同で要求書を提出するとりくみがなされてきました。医療・食事などの処遇の改善や、仮放免許可の基準の明確化・審査の迅速化などについて、被収容者どうしでの議論をつうじて作られた要求書が提出されてきました。
  こうした要求を入管側が無視してきたことから、被収容者たちがやむなく集団ハンストを開始したこともありました。
  被収容者による要求書からは、収容がもたらす心身へのダメージの深刻さがつたわってくるとともに、いかにかれら・かのじょらの自由がうばわれているかが分かります。ごくごくささやかな生活上の便宜を改善するのにさえ、こうした要求書をつくり、被収容者を人間あつかいしない入管職員を交渉の場に引っぱり出す努力を要するのです。
  以下、順に8Bブロック、9Aブロックの要求書を転載します。ぜひお読みください。

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【8Bブロック】

陳述書
2011-11-16
  この度、入管についての処置や対応に対して、私たちの申し入れをまとめて、ここにて申し上げます。
  この長い期間の収容生活による不安やストレスがたまり、身心共に疲れております。よって病気などのさまざまな問題が引き起こってしまいます。どうか私たちの切実な願いを受け入れてくれれば喜ばしいです。
  以下、われわれのまとまった意見をここより述べます。

  • 収容生活の長い方に早めに仮放免を降りるように申し上げます。
  • 仮放免許可が降りた際、1ヶ月以内に結果を知らせるように申し上げます。また、不許可の場合、その理由を教えてください。
  • 入国管理局の定めた保証金は高すぎるので、私たちにとって大きな負担となっております。ですから、その金額を10万円以内に引き下げて下さい。
  • なお、入管の医療設備や医師は不足しておりますので、私たちから見ればとても対応できないと思います。なるべく病気にかかっている人に完全に治るようにしてください。ただ型どおり済ませて薬を飲ませて済むと思わないで、ちゃんと入念に診査して病気を治してほしいんです。もし、無理な場合、そとの病院に連れて見てもらいたいんです。
  • その外、虫歯のある方に専門の医者を付けてください。歯を抜くのではなく、ちゃんと治療して治るまで扱ってください。もし、その治療法がなかった場合、上に述べたとおり外の医者に見てもらいたいです。また、最近、虫歯のある方はおおぜいいますので、1週間1回だけではなく、もっと回数を増やしてもらいたいです。
  以上、われわれの願いを改めて申し上げます。どうぞよろしくお願い致します。









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【9Aブロック】

東日本入国管理センター所長様
  まずは、私たちは、当センターで収容されている者として、皆様に大変お世話になっている事やあらゆる面で面倒見ていただいている事について、心から感謝を申し上げねばなりません。
  本当に色々とありがとうございます。
  さて、当センターでの私たち被収容者らに対する処遇等の内容について改善していただきたい事がありますので、次のとおり申し上げます。
  どうぞよろしくお願いいたします。

  1. 購入できる物品等の種類やバリエーションは少なすぎるので、その種類の増数をお願いします。
  2. 当センターでパン類が購入出来ないので、大変困っています。パン類(特に食パンやフレンチパン等)も購入できるようにしていただきたい。
  3. 外部からの飲食物等の差入れも許可にしていただきたい。その許可出来る種類等や差入れ方法等について慎重な検討が必要だということを理解していますが、どうか前向きに検討していただきたい。現在のままでは、大変飽きていますのでストレスがたまってしまうばかりです。
  4. 電話機の台数を増やしていただきたい。今は4台しかありませんし、そのうち2台も卓球や一般業務が行われる部屋にあるので、電話の歳はなかなか向こう側の声が聞こえないので、困っています。
  5. 現在の食事メニューでは、週に1回しかカレーが給与されません。しかし、私たちは皆カレーが大好きなので、是非ともカレーが給与される食事の回数を増やしていただきたいのです。
  以上ですが、どうかよろしくお願い申し上げます。
  なお出来るだけ早く上記問題等に対する改善並びに貴職の御回答をいただけますようお願い申し上げます。二週間以内にご回答お願いします。
平成23年10月31日




Wednesday, November 30, 2011

PRAJ to Hold a March on December 7


Rights to Asylum Seekers and Immigrants!
Give Us Visa, Not Provisional Release!


Dear Friends,

    We, asylum seekers and immigrants, have got the status of "Provisional Release" after more than a year of detention by Japanese Immigration Bureau. It is, however, always possible for us to be detained again and again. We are still not allowed to work. Then how should we afford our life? Since we are also stricted to freely moving, we can't see our remote friends without permission of Immigration even in emergency. Moreover, we are forced to pay extraordinarily high medical expenses because we can't get national health insurance which every citizen in Japan has. In summary, those in the status of "Provisional Release" in Japan, supposed to currently amount to one or two thousands in total , are deprived of basic human rights. So we demand to the Immigration and the Ministry of Justice: Give us rights to live, give us Visa! Please join us.

  • Stop Mental Torture
  • Stop Killing Overstayers 
    Release Detainees from Your Torture
  • Stop Re-Detention


7 Dec. 2011 (Wed.), 12:00, gathering in front of Water Square in Hibiya Park, Tokyo, near Hibiya Sta. (metro) or Yurakucho Sta. (JR)
* If you come to the Hibiya Exit of Yurakucho Sta. (JR) at 11:30, then we'll take you to the park.



Organized by Provisional Release Association in Japan (PRAJ)
Contact: MASUDA 080-3421-4060 / MIYASAKO 090-6547-7628

12.7「仮放免者に在留資格を!」デモのおしらせ(法務省入管への要求)


難民・移民に生きる権利を!
仮放免者に在留資格を!

  わたしたち  難民(なんみん)・移民(いみん)は  入管(にゅうかん)による  長期収容(ちょうきしゅうよう)によって  心身(しんしん)共(とも)に  ボロボロに  なり、やっとのことで  仮放免許可(かりほうめんきょか)を  受(う)けました。

  しかし、いつまた  収容(しゅうよう)される  かも  しれません。それに、仮放免(かりほうめん)に  なっても  働(はたら)くことは  認(みと)められて  いません。仕事(しごと)を  しないで  どうやって生(い)きて  いけば  良(よ)いのでしょうか。

  また、移動(いどう)が  制限(せいげん)されて  おり、急(きゅう)に  遠(とお)くに  住(す)む  友人(ゆうじん)が  病気(びょうき)に  なっても、まずは  入管(にゅうかん)に  許可(きょか)を  得(え)ないと  お見舞(みま)いにも  いけません。さらに、在留資格(ざいりゅうしかく)が  ないため  国民健康保険(こくみんけんこうほけん)にも  加入(かにゅう)できません。

  仮放免者(かりほうめんしゃ)の  生活(せいかつ)は、労働(ろうどう)できず、国民健康保険(こくみんけんこうほけん)にも  入(はい)れず、生(い)きて  いく手段(しゅだん)、病気(びょうき)に  なっても  治療(ちりょう)を  受(う)ける手段(しゅだん)を  奪(うば)われて  います。仮放免者(かりほうめんしゃ)は  全国(ぜんこく)に  1000人から  2000人  いると  思(おも)われますが、わたしたちの  生存権(せいぞんけん)は  奪(うばわ)われて  います。

  わたしたちに生(い)きる権利(けんり)を!  在留資格(ざいりゅうしかく)を!  それを  要求(ようきゅう)して、法務省入国管理局(ほうむしょうにゅうこくかんりきょく)に  対(たい)する  行動(こうどう)を  おこないます。ぜひ、みなさん、参加(さんか)して  ください。

  • 長期収容(ちょうきしゅうよう)を  やめろ
  • 再収容(さいしゅよう)を  やめろ
  • 難民(なんみん)・移民(いみん)に  生(い)きる  権利(けんり)を
  • 仮放免者(かりほうめんしゃ)に  在留資格(ざいりゅうしかく)を

★2011年(ねん)12月(がつ)7日(なのか)(水(すい))12時(じ)
★日比谷公園(ひびやこうえん)(東京都千代田区(とうきょうとちよだく))噴水前集合(ふんすいまえしゅうごう)

最寄駅(もよりえき)・日比谷(ひびや)(地下鉄(ちかてつ))または有楽町(ゆうらくちょう)(JR)

※ 道(みち)が分(わ)からないひとは、11時(じ)30分(ぷん)、有楽町駅(ゆうらくちょうえき)(JR山手線(やまてせん))日比谷口改札(ひびやぐちかいさつ)に集合(しゅうごう)




主催(しゅさい) 仮放免者(かりほうめんしゃ)の会(かい) 

連絡先(れんらくさき) 増田(ますだ)080-3421-4060 宮廻(みやさこ)090-6547-7628

Thursday, November 24, 2011

ツイッター・電話・ファクシミリでの応援おねがいします!――東日本入管センター女性収容者の抗議(11/26追記)

  東日本入管センター(茨城県牛久)での収容者への医療放棄、帰国強要、母子分離、1年越え長期収容などの収容者の中の「深刻な重病人を早く外部へ出したい」という 2Bブロックの収容女性たちからの強い要望がありキャンペーンを行っています。

  以下に、とくに深刻な4名の女性収容者の状況を説明しております。
  1. ツイッターをやっているかたは、それぞれのリンク先をRTして頂けたら嬉しいです!
  2. また、ツイッターで、「#入管」のタグをつけてコメントしていただけるとさいわいです。東日本入管センターや法務省入管の職員さんたちは、自分たちの仕事が世間でどうみられているのか、とても気にしているらしく、当ブログやネット上での入管への言及を、まめにチェックしてるようです。
  3. フェイスブックをやっているかたは、お友達にひろめてください。(→ http://www.facebook.com/groups/264631850256170/)
  4. より直接的な抗議のしかたとしては、東日本入管センターに電話やファクシミリで意見をつたえるということもできます。

  東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010


☆ペルー人女性Sさん(DV被害者で小さな娘がいるが母子分離と収容)

  11/5と11/22に牛久入管からお手紙がきた。夫のDV被害を役所に訴えたら市役所の職員に警察を呼ばれてそのまま入管へ収容される。本来は小さいこどもを抱えて暴力を受けているのだから保護されるべきなのに理不尽です。

  市役所×警察×入管の連携プレーでの弱者いじめは止めて欲しい


☆中国人女性Rさん(腎臓結石による激痛あり)

  中国人女性Rさんは東日本入国管理センターに収容されている。腎臓結石で激痛が毎日あるが外部診療の許可おりず。結石はかなりの痛みだ。入管は場当たり的に痛み止めを出しているがその影響で髪の毛が抜け爪がボロボロにはがれだしている。東日本入管は医療ネグレクトするなら仮放免しろ!
  11/24 Rさんは「外部で医療を受けるのに手錠をかけられ腰縄をまわされるのが屈辱的で嫌です」と言っています。医療をうける時になぜ収容者は犯罪者の様に扱われるのか?単に精神的ないじめなのでは?私達は人権への配慮と即時開放を望む(11月26日追記)

☆タンザニア人女性(1年6ヶ月という長期収容者) 

  東日本入国管理センターに収容されているタンザニア女性は収容期間が1年6ヶ月。最近のケースで1年半を越えているというかなりの長期収容者はあまりみかけない。牛久入管は窓に紙が張られ外の風景さえ見れない。ストレスで自殺者が出るような場所から早く彼女が開放されることを望んでいる


☆中国人女性Kさん(心臓疾患による発作あり)

  11/17東日本入国管理センターの女性ブロックに収容中の数名と面会。心臓が悪いKさん:所内で倒れ近くにいた同室の女性たちが彼女をマッサージした。その間ほぼ10分間職員は駆けつけれなかった。もし次回発作が起こって彼女は生き延びれるのだろうか?収容=死の恐怖と闘う現実がある。



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Wednesday, November 2, 2011

第2回大会報告

  仮放免者の会(関東)は、10月16日、東京都港区にある港勤労福祉会館において第二回大会を開催しました。


  オープニングは、"La Bamba" や "We Shall Overcome" などのバンド演奏のあと、ドラムのリズムに乗せて「入管は再収容をやめろ」「在留資格を勝ち取るぞ」「全国の仮放免者と団結して闘うぞ」などのシュプレヒコールを日本語と英語で行って開幕しました。

  参加者は仮放免者が100名、仮放免者の配偶者や支援者が20名と計120名。昨年の結成時からの仲間、その後に東日本センターから仮放免になった仲間、以前から仮放免になっていたが仮放免者の会の闘いを知って新たに加わってきた仲間など、関東各地から大勢の仲間たちが参加しました。

  まず、ビデオクリップを使って、これまでの私たちの運動の経緯と運動の目的が報告されました。

  2009年の入管の退令執行の厳格化は、東日本センターの被収容者や関東の仮放免者に対しても大きな人権侵害を与えました。収容の長期化、難民手続きや行政訴訟の結果が出るたびの再収容・再々収容、さらに国費による無理やり送還。2010年の2月にはブラジル人、4月には韓国人が東日本センターで自殺し、3月には中国人が東京入管で自殺しました。同じ3月には横浜支局に収容されていたガーナ人のスラジュさんが国費無理やり送還されそうになり成田空港で死亡しました。「入管によって殺されるのか、自分で死ぬのか、私たちの未来は二つに一つだ」という思いが東日本センターの被収容者に広がり、5月には必死の覚悟で大規模ハンストを行いました。国籍や在留理由(難民か結婚か、など)の違いを越えて、入管から「帰国しろ」と言われても帰国できない私たちが初めて団結して闘いました。12日間にわたるハンストを経て、入管は「収容の長期化を回避する」と発表し、実際、長期収容者は次々と仮放免許可になり、仮放免保証金も50万円~80万円だったものが10万円~50万円、10万円も用意できない人はそれ以下にまで下がりました。

  しかし、やっとの思いで仮放免になった私たちを待っていたのは再収容でした。早い人は仮放免から2ヶ月で再収容されました。繰り返しの収容は、私たちを絶望に追いやります。私たちは、再収容反対、在留資格獲得を目的に昨年10月31日に「仮放免者の会(関東)」を結成しました。

  結成に先立って9月8日には、嵐のなかで再収容反対の東京入管包囲デモを行いました。仮放免者の会結成以後は、東京入管に再収容されている仲間を中心に再収容反対の闘いを行い、今年2月25日には再び再収容反対を掲げる東京入管包囲デモを行いました

  再収容された仲間の何人かは東京入管から仮放免になり、また2月から再収容が止まりました。今日参加している人たちの中にも、難民手続きや行政訴訟が終わっても再収容されなかった人たちがたくさんいます。

  さらに、今年の4月8月と全国一斉面会を行い、長期収容、再収容に反対する申入れを全国の入管収容施設に対して行いました。8月の全国一斉面会の時には、再審情願一斉申立も行い、在留資格の付与を要求しました。

  私たちの運動は全国的に広がっています。私たちが組織を作った1か月前の昨年9月には関西で仮放免者の会が結成されました。そして今年9月には名古屋で、「東海地区仮放免者の会」が結成されました。関東・東海・関西、この三つのエリアに、全国の仮放免者のほとんどが住んでいます。東海地区での仮放免者の会の結成は、私たち関東や関西の仮放免者が待ち望んでいたものでした。私たちの運動の目標は在留資格取得ですが、そのためには法務省入国管理局の政策転換が必要です。相手は地方入管や入国管理センターではありません。法務省入管に対して要求していくためには全国的な団結の力が必要です。東海仮放免者の会結成大会には関東・関西からも参加し、全国的な運動を開始することをみんなで確認しました。

  すでに私たちの運動は全国的な運動になりました。今も仲間たちを苦しめている長期収容、再収容に反対し、みんなへの在留資格取得に向かいましょう。
以上の報告を、大会参加者からの活発な意見を求めながら行いました。BONDの宮廻さんから補足報告をしてもらいました。

  続いて、牛久入管収容所問題を考える会SYIなどの支援団体からの連帯挨拶を受け、弁護士からの来賓挨拶を受けました。指宿昭一弁護士(第二東京弁護士会、関東弁護士会連合会「外国人のための人権救済委員会」副委員長)からは、私たちの運動は日本の人権問題において非常に重要であること、私たちの運動は的確な効果があり入管としても重視せざるを得ないこと、多くの弁護士が私たちの闘いに関心を寄せていることなどが報告されました。

  休憩をはさんで、国籍別・地域別の会議を行い、それまでの報告についての質問を受けたり討議をして、国別のリーダーを選出しました。スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、イラン、東アジア、アフリカ、中南米に分かれ、さらに討議の後半、横浜入管管内である神奈川県在住メンバーで独自に討議しました。

  各国あるいは各地域から選ばれたリーダーをリーダー会議のメンバーとして採択し、今後の運動方針は、長期収容と再収容に反対し在留資格の獲得をめざすことにあることを運動方針として採択し、そのために12月7日に法務省入国管理局に対するデモンストレーションを行うことを採択しました。

  そして再びシュプレヒコールを行い、新リーダーの一人からの閉会挨拶を受けて第二回大会を終了しました。

  今回の大会に向けて仮放免者の会のTシャツも作り、会場で販売しました。

  今回の大会は大成功に終わりました。第一に、当事者である仮放免者の参加が昨年の結成大会よりも二倍以上に増えました。昨年は会場が地下鉄で行く場所で、行き方がわからずに参加できない仲間もいましたが、今回はJR山手線の田町駅近くでわかりやすく、それ以上に、これまでの私たちの闘いがより多くの仲間たちに支持されてきたからです。会場に座りきれないほどの仲間が参加しました。第二に、ビデオクリップなども用いて、これまでの闘いと今後の方針を参加者にわかりやすく説明することができました。初めて仮放免者の会の活動に参加した仲間も、団結して闘うことに確信を持ち、希望に満ちあふれて帰ることができました。第三に、国別・地域別組織が強化され、仮放免者の会の足腰が強くなったことです。以上、参加者の数と参加した人の意識、国籍別組織の建設、この量と質の両面で良い成果を収めることができました。

  今回参加した仮放免者の仲間は100名ですが、入会申込書は400名近く集まっており、きちんと連絡さえ取れればもっと多くの仲間が集まります。そのためにも国籍別の組織を仮放免者の会の足腰としてしっかりと強化させていかなければなりません。第二回大会を出発点に、もっと力強い運動へ、そのための組織の建設に向かっていきます。うれしいことに、すでに全国的な運動の基礎ができています。その中でも、仮放免者の数が圧倒的に多いのは関東であり、私たちの責任は重大です。全国の仲間たちのために、全国の仲間たちと力を合わせて、在留資格獲得に向けて奮闘します。



【関連リンク】
  月刊『イオ』編集部のかたが、大会に参加し、ブログで報告をしてくださいました。『イオ』には、今年はじめに仮放免者の会の活動を誌面でとりあげていただ きました。
 
  また、関西の支援団体「WITH(西日本入管センターを考える会)からのメッセージを、転載させていただきました。

【転載】WITH(西日本入管センターを考える会)からの連帯メッセージ

  10月16日に開催した仮放免者の会(関東)の第2回大会によせて、関西のWITH(西日本入管センターを考える会)から力強い連帯メッセージをいただきました。WITHのみなさま、ありがとうございます。
  WITHは、大阪府茨木市の西日本入管センターの非人道的な収容と強制送還に抗議し、同センターでの面会活動なども精力的におこなっているグループです。


  以下、連帯メッセージを紹介させていただきます。メッセージは、英文・日本語文(漢字かなまじり)・日本語文(ひらがな・カタカナ)の3バージョンでおくっていただきました(「ひらがな・かたかな」と「漢字かなまじり」のものは、この記事を下にスクロールしてお読みください)。

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October, 16th , 2011
Dear my friends in Kantou area
WITH

It has been a year since the Inaugural Assembly for PRAJ (Provisional Release Association in Japan) in Kantou Area in October 2010. We are pleased to witness the progress in the actions involved, at the same time, hope that one of our goals: “End All Re-Detention by Immigration and Get Visa!” will be realized. We hereby send you a message of solidarity from Kansai.

We, a volunteer group called “WITH” have seen many people detained in the long-term, while their mental and physical health is greatly harmed, and released with no right to work or no health insurance. We have questioned ourselves many times if we could break this high, thick wall in front of us. While meeting detainees and supporting people on provisional release, we were not sure if we could change the situation.

But the last few years, we are seeing the light of hope. We witnessed two hunger strikes occurred in Ibaraki (Nishi Nihon) and Ushiku (Higashi Nihon)last year. During the two hunger strikes, we, WITH, have communicated with the detainees by telephone every day. The detainees became full of energy day by day, and we learned the power to break the wall had to be made this way.

It is you who break the wall. Your decision and power, to fight the immigration until you get a status of residence, will be able to break the wall. This is why we all have to unite our power and efforts, and fight for our rights.
Later on, there have been newly born PRAJ in many areas including Kansai, Kantou and Tokai. That has made it come true to unite ourselves all over Japan in order to fight against re-detention in immigration centers and for obtaining a status of residence. Everybody is determined to fight the immigration for the right to stay in Japan, not being afraid of re-detention.

Today for the second Assembly of PRAJ in Kantou Area ,we, WITH, are going to send you the message below.

Each of you has different backgrounds, but what you have in common is your wish to live in Japan. Let’s make a protest together when the immigration tells you, “Go back to your country because your trial is finished!” or “We will never give you a status of residence!” Even if you are re-detained, tell the immigration that you are not leaving Japan. And, the rest of us will make a protest to release him/her as soon as possible. Please stay with us and work for everyone, even after you obtain a status of residence. We have to work together until all of you obtain one.

We, “WITH”, will promise to work with you until the end. Thank you.

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2011ねん10がつ16にち

かんとう「かりほうめんしゃのかい」
だい2かい たいかい に よせて
WITH(にしにほんにゅうかんセンターを かんがえる かい)

  さくねん 10がつの  かんとう「かりほうめんしゃのかい」の けっせい たいかい から 1ねんが すぎました。この1ねんで みなさんの かつどうが すすんで いることを およろこび もうしあげます。そして、いちにちも はやく「にゅうかんによる さいしゅうようを かんぜんに ストップし、ざいりゅうしかくの しゅとくへ」という ねがいが じつげん されることを いのって、かんさいからの れんたいの メッセージを とどけます。
  わたしたちWITH(「にしにほんにゅうかんセンターを かんがえる かい」)わ、まいしゅう いばらきし に ある にしにほんにゅうかんセンターに しゅうようされている かたがたと めんかいし、そして かりほうめん された かたがたの せいかつしえんを つづけています。そんな なかで わたしたちが ずっと なやんでいたこと、それわ、ながいあいだ しゅうようされ、からだも こころも ボロボロになり、そして はたらく けんりも けんこうほけんも ないままで かりほうめんされる、・・・この たかくて かたい かべを のりこえることが できるのだろうか、と いうこと でした。
  しかし ここすうねん、すこしずつ ひかりが みえ はじめました。きょねんの 3がつと5がつ、かんさいと かんとうのふたつの にゅうかんセンターで あいついで ハンストが おこりました。とうじ WITHわ、まいにち、ハンストを たたかっている ひとたちと でんわで れんらくを していましたが、しゅうよう されている ひとたちの ちからが どんどんおおきく なったことを かんじて いました。かべを こわす ちからわ このようにして つくられて いくのだ、そして、きっと ちかいうちに このかべを くずす ひが くるはずだ、と おもうように なりました。
  そのご、かんさい・かんとう・とうかい で つぎつぎと「かりほうめんしゃのかい」が つくられ、さいしゅうようストップ と ざいりゅうしかくかくとくを もとめて ぜんこくてきな だんけつが じつげん されました。さいしゅうようを おそれず、ざいりゅうしかくかくとく まで にゅうかんと たたかおう、と みなさんが ちからづよく けつい したから です。
  きょうの かんとう「かりほうめんしゃのかい」だい2かい たいかい に さんかされた みなさんに、WITHから、メッセージを つたえます。
  もしも にゅうかんから「さいばんが おわったんだから かえれ!」とか、「ぜったいに ざいりゅうしかく なんか やらないからな!」と いわれたら みんなで こうぎ しましょう。さいしゅうよう されても「わたしわ かえらない!」と はっきり いいましょう。ほかの みんなわ「さいしゅうよう するな!はやく かりほうめん せよ!」と にゅうかんに ようきゅう しましょう。そして たとえ じぶんに ざいりゅうしかくが でても、なかまぜんいんが ざいりゅうしかくが とれるまで いっしょに たたかいましょう。
  ここに さんか している みなさん ひとりひとりが ちからを あわせて、たかい かべを こわし、じぶんたちの けんりを たたかい とりましょう。WITHわ、さいごまで しえん しつづけることを やくそくします。いっしょに がんばりましょう。


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2011年10月16日

関東「仮放免者の会」第2回大会に寄せて

WITH(西日本入管センターを考える会)

  昨年10月の関東「仮放免者の会」の結成大会から1年が過ぎました。この間の活動の前進を喜ぶと同時に、一日も早く「入管による再収容を完全にストップし、在留資格の取得へ(End All Re-Detention by Immigration and Get Visa!)」という願いが実現することを祈って、遠く関西から連帯のメッセージを届けます。

  私たちWITH(「西日本入管センターを考える会」)は、茨木市にある西日本入管センターに収容されている方々と毎週面会し、そしてささやかながらも仮放免された方々の生活支援を続けています。活動しながら私たちがずっと悩んできたこと、それは、長期間収容され、身も心もむしばまれ、そして働く権利も健康保険もないままで仮放免される・・・この高くて堅い壁をいつの日か乗り越えることが出来るのだろうか、ということでした。
  しかしここ数年、少しずつあかりが見え始めました。昨年の3月と5月、関西と関東の二つの入管センターで相次いでハンストが起こりました。当時WITHは、毎日、ハンストを闘っている人たちと電話で連絡をしていましたが、日一日、収容されている人たちの力がどんどん大きくなったことを実感しました。壁を壊す力はこのようにして作られていくのだ、そして、きっと近いうちにこの壁を崩す日が来るはずだ、と思うようになりました。
  その後、関西、関東、東海で次々と「仮放免者の会」が結成され、再収容阻止と在留資格獲得を求めて全国的な団結が実現されました。再収容を恐れず、在留資格獲得まで入管と闘おう、とみなさんが力強く決意した成果です。

  今日の関東「仮放免者の会」第2回大会に参加されたみなさんに、WITHから、以下のメッセージを伝えます。
  入管に「裁判が終わったんだから帰れ!」とか、「絶対に在留資格なんかやらないからな!」と言われたら、みんなで抗議しましょう。たとえ再収容されても「私は帰らない!」とはっきり言いましょう。他のみんなは「再収容するな!早く仮放免せよ!」と入管に要求しましょう。そして、たとえ自分に在留資格が出ても、仲間全員が在留資格をとれるまで一緒に闘いましょう。
  ここに参加しているみなさん一人ひとりが力を合わせて、高い壁を壊し、自分たちの権利をたたかい取りましょう。WITHは最後まで支援し続けることを約束します。一緒にがんばりましょう。

Tuesday, November 1, 2011

重病のAさんに仮放免許可/2Bブロックの要求書

  まず、前回の記事について続報です。


  一度は心停止におちいるという深刻な病状にありながら、東日本入管センターに外部診療を拒否されていたAさんについてです。先日Aさんに仮放免許可が出ました。きょう(11月1日)のうちに、収容所から出られる予定です。
  なによりAさんご本人とご家族(夫と義母)、そしてAさんとおなじ2Aブロック収容者の仲間たちによるセンターへのねばり強い抗議と要請が功を奏したものとおもわれます。また、記事にコメントをくださったかた、ツイッターやはてなブックマークなどで記事をひろめ、また入管の人権侵害をゆるさない意思をしめしてくださったみなさまに、心から感謝をもうしあげます。今後ともご注目のほどよろしくお願いします。


  2Aブロックの収容者たちには、最近、あいついで仮放免許可が出ております。前回の記事で指摘したように、東日本入管センターの医療体制の悪化は、いま非常に深刻になっていると私たちは認識しております。センターが収容者への十分な診療をおこなえる体制にないならば、病状の深刻なひとからさきに、できるだけ早期に仮放免許可を出すべきです。そうした観点から、2Aブロック収容者をつぎつぎに仮放免している、最近のセンターの対応は適切なものと考えます。


  さて、2Aブロックのとなりの2Bブロックからも、所長あてで連名での要求書が提出されております。
  とくに深刻な7名の病状を具体的に報告し、「収容期間が半年を越える者、収容に耐えない重病者、再収容者への仮放免許可」を要求する内容です。要求書にある「センターでの収容実態は監禁的収容であり、精神を破壊し、健康を著しく害するものです」という指摘はまったく的確なものと考えます。要求書が報告している7名の病状をみると、いずれも収容に耐えられない重病人が収容されており、また収容が病状悪化の原因あるいは病状そのものの原因であることが推察されます。
  要求書は、11月5日をセンターからの回答期限としています。この日までにセンター側が誠意をもって回答すること、また長期収容者・重病者・再収容者の早期仮放免許可をもとめます。
  以下、要求書を転載します。

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東日本入国管理センター所長殿

  私たち東日本入国管理センターに収容されている収容者です。私たち意見と要求を申し入れます。

A. 彼女長時間の収容による、ストレスが受けて左右両方腎臓結石が見つかりました。入管の医者先生の診断で右側が手術しないと治らないって言う症状です。今でも2,3日に一回強い痛みが起ってしまって頭痛とか、食欲不症、イライラ感など症状もあらわれてきていました。本人が精神的に破壊し、我慢の限界です。

B. 彼女も苛酷な収容生活の原因で心臓病の持病が再発しました。10月17日、心臓が痛くて、息ができなくなって、トイレで意識が失いました。全身も痙攣しまして、体すごく冷たいなりました。彼女も重い病気を抱えて、収容に耐えない状況でした。本人も自分の病気に対して、すごく心配で不眠、目まい、食欲不症など反応が出ていました。

C. 彼女長期収容の原因で生理不調で10ヶ月ぐらい生理が来なくなりました。腹痛、子宮痛、不眠、食欲不症がいろいろ症状が現れてました。

D. 彼女長時間の収容によるショックとストレス受けて食欲が失いました。4,5日にご飯が口に入れなくて、その原因で胃が強く痛くて吐いて、体すごくダメージを受けられました。

E.. 彼女、ストレスや、収容生活の原因で胃痛又は腹痛、腹が張る、胸が痛い、生理不調など症状が出ておりますが、医者先生から出してもらったの薬がなかなか効かなくてさらに症状がひどくなりました。

F. 彼女長時間の収容ストレス、収容生活の原因で肺炎、胸が痛い、ときどきミルク出ております。目まい、のどが痛い、体がすごくだるいなりました。

G. 彼女長時間の収容生活の原因で血圧が高い、目まい、頭痛、食欲不症がいろいろ症状が現れて来ました。

  彼女たち、それぞれ重い病気を持って苛酷な収容生活に耐え難いです。収容身体が病気の原因悪化させないように一刻も早く仮放免を許可して、早めに外の病院で受診してもらいたいです。どうかよろしくお願いいたします。センターでの収容実態は監禁的収容であり、精神を破壊し、健康を著しく害するものです。収容期間が半年を越える者、収容に耐えない重病者、再収容者への仮放免許可を申し入れます。私たちから貴職への申し出に対して来月5日まで回答してください。

〔以下、2Bブロック収容者11名の署名――省略〕

Wednesday, October 26, 2011

心停止した収容者を放置しつづける東日本入管センター

■東日本入管の医療の危機的現状
  入管収容施設の医療がきわめて劣悪であることは、これまでもこのブログで報告してきました。現在、東日本入管センター(茨城県牛久市)の医療の悪化がとりわけ深刻になっています。

  たしかに、医療問題が深刻なのは、東日本入管にかぎらないことですし、それは帰国強要を目的とした入管収容施設のかかえる構造的な問題であって、最近になって始まったことではありません。しかし、わたしたちは収容者との面会をつうじて、最近の東日本入管の医療をめぐる状況はひじょうに悪化していると認識しています。

  とくに、深刻なのは「外部診療」についてです。入管は、収容施設内部では対応しきれない病人やケガ人にたいし、外部の病院につれていき診療をうけさせることになっています。ところが現在、東日本入管では、深刻な病気・ケガをかかえた収容者のほとんどが、この外部診療を許可されずに放置されているという事態が生じています。収容者との面会をつうじて各ブロックのようすを聞いても、外部診療につれていかれたという話がぜんぜん出てこないという異常な状況なのです。

  以下、Aさん(50歳代女性、フィリピン国籍)の事例を報告します。

◇       ◇       ◇        ◇         ◇        ◇       ◇

■Aさんの概況――深刻な拘禁症状、緊急の治療が必要
  Aさんは、今年の1月末に東京入国管理局(東京・品川)に収容され、6月はじめに東日本入管センターに移収されました。収容期間は、あわせてすでに10ヶ月ちかくになります。

  収容前には特別な健康上の問題がなかったAさんの体調が急激にわるくなったのは、3月11日の大震災以降です。高血圧、手足のしびれ、めまい、極度の食欲不振、不眠、頭痛等の症状があらわれ、東京入管収容時には3度、外部診療をうけています。

  しかし、茨城の東日本入管に移収されて以降は、再三の申請にもかかわらず、5ヶ月間一度も外部診療を許可されていません。また、上記の深刻な症状にくわえ、脱力感、おしっこが出ない、腹痛、腰痛、背中の痛み、高血圧と低血圧をいったりきたりするなどの症状があらわれます。具合のわるいときは、職員にかかえられて面会室にあらわれるほどで、自力での歩行が困難なありさまです。ところが、8月末に3度めの仮放免申請が不許可になり、現在4度目の申請中です。

  6月と8月の2度、Aさんの依頼で医師が面会におとずれ、問診のみですが(医師の面会にもかかわらず入管は触診などを許可しないので!)、診察をおこない、東日本入管センターあてに意見書を提出しています。

  2通の意見書によると、病名は「心因反応」「胃炎/十二指腸潰瘍疑」「高血圧」とおもわれるとのこと。さらに、「椎間板ヘルニア」とこれによる膀胱神経のマヒが「神経因性膀胱」をひきおこしている可能性があるとのこと。

  また意見書は、Aさんの症状を放置しておくと、将来、歩行困難になったり、脳梗塞・心筋梗塞を発症したりする可能性があり、専門医への早期受診が必要であると述べています。また、収容によるショックやストレスが病状の原因であること、したがって収容所内での治療は困難であることを指摘し、Aさんの仮放免を進言しています。ところが、東日本入管は、いまだAさんの仮放免を許可していないばかりか、外部診療すらも拒否しつづけています。

◇       ◇       ◇        ◇         ◇        ◇       ◇

■心停止しても、病院につれていかない
  Aさんは、東日本入管に移収されてから、2度もたおれています。

  まず、6月23日の夜にたおれ、10分ほどのあいだ心停止におちいりました。この間、職員はAさんの容態急変に気づかず、かのじょを放置しました。さいわい獣医師の資格をもつ収容者が同室にいて、かのじょの心臓マッサージにより、Aさんは一命をとりとめました。

  6月27日の朝にも、Aさんはたおれました。おなじ日に、義母のBさん(Aさんの夫のお母さん)が面会におとずれていますが、職員は「『具合がわるいので会いたくない』とAさんが言っている」とBさんに告げ、ふたりを面会させませんでした。後日、Bさんが本人に直接確認したところによると、Aさんはそのような発言をしていないとのことで、職員が事態を隠蔽するためにウソをついたことが発覚しております。

  この2度目にたおれたときには、Aさんとおなじブロックに収容されている約20人の仲間たちが怒り、担当職員に抗議をしたそうです。後日、かのじょたちからは、連名でのAさんの治療を要求する連名の要求書も提出されています(この記事の最後にのせましたので、あわせてお読みください)。

  このような状況にありながら、東日本入管センターはAさんの収容をつづけ、外部診療の要求を拒否しているのです。

◇       ◇       ◇        ◇         ◇        ◇       ◇

■「外部診療を受けたければ金をはらえ」
  さて、東日本入管では、Aさんにかぎらず、外部診療を申請したら職員から「診療費をじぶんではらうなら、受けさせる」と言われたという収容者からの証言が最近あいついでいます。

  常識的にかんがえて、こうした職員のいいぶんは、かなりおかしなものです。収容者の身体を拘束している入管側に、診療費を負担する責任があるのは当然でしょう。入管は収容よって収容者がみずから所得をえる手段をうばっているうえに、収容そのものによって症状が発生ないし悪化しているケースがほとんどだと考えられるからです。法務省令である「被収容者処遇規則」でも、「所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない」(第三十条)と収容所側の責任を規定しています。

  Aさんのばあいも、8月5日に弁護士が東日本入管処遇部門統括の I氏に電話で確認したところ、Aさんを外部診療につれていくためには、家族がAさんに10万円を差し入れる必要があるとの回答がありました。 I氏のいいぶんは、10万円という金額にとくに根拠はないが、お金の差し入れがないと病院との受診の調整をおこえないということでした。2度も収容所内でたおれ、一度は心停止の状態にまでおちいったひとにたいし、この I氏の対応は、ひどいものです。Aさんの健康と生命を軽視しているとしかおもえません。

  9月16日には、義母のBさんが支援団体をつうじて、8万円をAさんに差し入れしました。このとき、支援団体のかたにたいし、総務課係長T氏は「2,3日のうちに病院につれていく」と回答しています。ところが、東日本入管は依然Aさんを外部診療につれていっておりません。8万円を差し入れてから1ヶ月ちかくたった10月13日、Bさんが総務課に抗議にいくと、T氏はこんどは「いまから病院をさがす」と述べたそうです。

  入管側の対応は、いわば「金をよこしたら、外部受診も考えないでもない」とほのめかしておきながら、Bさんが入金したらしたで1ヶ月以上も知らんぷりをきめこむというものです。この間、「2,3日のうちに病院につれていく」という約束を反故にしたことについて、AさんおよびBさんになんの説明もなし。収容者の生命・健康への配慮がないのみならず、収容者とその家族をナメきってるとしかおもえない対応です。

  東日本入管センターには、Aさんのような病状をかかえたひとを、収容する資格も能力もなく、また人権を尊重する意思すらないことが、もはやあきらかだと言えます。「被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じ」るという被収容者処遇規則にさだめられた職務をすら、東日本入管センターがすでに果たせない状況にある以上、Aさんをはじめとする病人・ケガ人から、1日でも早く仮放免していくべきです。


【資料】
  以下、Aさんの収容されている2Aブロックの連名での要求書を転載します。

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2011年8月7日

  私たちは ここの 中で まじめに にゅうかん(IMMIGRATION)から 出した ほうりつ を ちゃんと まもって のりこえよう がんばって おります。ここ には 太陽 にも あたらないし、食べ物 も 野菜 など すくないし それぞれ の ストレス も あるし いろんな 事で 皆さん は いろんな しょうじょう 出て おります。(べんぴ、いたみ、かみのけ ぬけること、ねむれない こと ……)
  2A 103 PHILIPPINE じん Aさん〔原文では実名〕は 今 けつあつ 高い 時 いろんな 薬 のんで おります。体 だるいし、めまいし、しょくよく ないし、でんわ も 出来ないし、さいきん トイレに いかないし(おしっこ でない こと)……いろいろ なって おります。
  だから 元気 ない 人、体 びょうき ある人 に たいし ちゃんと ちりょうして 欲しい ので どうか 同じ 人間 として ごりかいして 下さいます よう よろしく おねがい いたします。

〔以下、2Aブロック22名の署名――省略〕

Thursday, October 20, 2011

3A・3Bブロックのハンスト解除(東日本入管センター)

  9月末までの回答を求めた要求書に対して、期限を10日過ぎても無視され続けたことに端を発した3A・3Bブロックのハンストは10月19日(水)の昼食から摂食を再開し収束しました。

  この闘いに関心を寄せてくださった皆さん、支援してくださった皆さん、ありがとうございました。3A・3Bブロックの仲間たちは病気の深刻な進行などもなく、足かけ9日間にわたるハンストを終えました。

  面会時、あるハンスト参加者が「私たちは入管によってハンストをさせられている」と発言していましたが、今回のハンストの性格を的確に言い表しています。今年の7月頃から、牛久の各ブロックから牛久入管への要求書が出されましたが、いずれも無視されていました。そのなかで、7Aブロックは回答期限を区切った要求書(「嘆願書」)を出し、それでも回答がないことに怒り8月22日(月)から33名全員で1週間のハンストを打ち抜きました。東日本入管センター(以下「牛久入管」)から回答があっのでハンストは解除されました。
  1か月前にこうした事態があったのに、またもや要求書を無視する牛久入管に、3A・3Bの仲間たちが怒りを爆発させるのは当然です。

  それにしても、被収容者がハンストを行うというのは大変なことです。牛久の被収容者はほとんどが在留希望者であり、誰もが長期収容となっています。そのなかで持病がある人はそれが悪化し、健康だった人も不眠・食欲不振・頭痛などの拘禁反応に苦しめられます。劣悪な住環境、病気の治療を求めても薬漬けになるだけであり、食事はまずく、さらには繰り返される仮放免申請不許可に誰もが爆発寸前のストレスを抱えています。ほとんどの人が睡眠薬や精神安定剤を服用して何とか一日一日を生き延びているのが現状です。その彼らが食事を断つということは、薬も断つということであり、本当に命がけの行動となります。

  私たち仮放免者の会(関東)としては、ブロックのみんなで団結し、よく討議して共通する要求項目をまとめて所長あてに提出すること、意見を言える場ができたら冷静に発言することなどを牛久の仲間たちにアドバイスしています。

  またそれぞれが自分の口で意見を言えるよう、日本語の習得に励もうと呼び掛けています。辛い収容生活の中、少しでも前向きに日々を過ごしてほしいとの思いもあっての事です。しかし今回のように牛久入管が要求書を無視したら別の方法によって闘うしかなくなります。まさに、入管によってハンストという身命をかけた闘いに取り組まざるを得ない状況に置かれたということです。

  それでも牛久入管はハンスト初日にはハンスト参加者全員から意見聴取を行い、早期収拾に向けて動くのかと期待も持ちました。しかしその後の回答は、昼食時間に(摂食はしませんがいつも通り昼食時間帯は各居室に戻されます)各居室を回って早口で日本語文書を読み上げて終わりというおざなりなものであり、誰も回答の中身が理解できない状態でした。

  しかも、14日(金)には3Bブロックの仲間3名に対して、他者にハンストを強要したと言いがかりをつけて5日間の隔離処分が下され、この3名は18日(火)まで隔離房(懲罰房)に入れられました。通常だと隔離処分後はブロックチェンジするところ異例の事ですが、隔離処分後、この三名は3Bブロックに戻されました。このような弾圧を受けながらも、改めて今週に入って両ブロックへの回答があったことから、ハンストは解除されました。

  回答の内容としては、仮放免許可申請の審査期間は1ヶ月~1ヶ月半に短縮するということ以外にはさしたるものはありませんでしたが、ともかく1週間のハンストによってやっと回答がもたらされました。



  各ブロックから出される要求はいずれもが切実なものであり、牛久入管には誠意をもって受け止めてもらいたいところです。最近の2Aブロックの要求書にはトイレの換気扇というささやかやな、しかし極めて当然の項目があります。これにしても、施設の工事が必要となれば予算を組まねばならないしすぐに実現できるものではないかもしれません。しかし「トイレに換気扇を」という当然の要求に入管がキチンと耳を傾け、受け止め、仮にすぐに設置工事ができなくても消臭のための工夫はするとか、被収容者の人権を尊重した対処を考えてもらいたいところです。

  被収容者はしばしば、「私たちは人間扱いされていない」「動物と(扱いが)同じだ」と口にしますが、法務省令である被収容者処遇規則でも「人権を尊重し」と謳っているところを、まずはブロック全体の要求には回答するというところから実現することを私たち仮放免者の会としても入管に求めます。

Friday, October 14, 2011

2Aブロック収容者の連名申入書(東日本入管センター)

  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の2Aブロック(女性が収容されているブロック)の連名での申入書をあずかりましたので、公開します。
  2Aブロックでは8月にも連名での申入書を提出しております。
  しかし、これに対する入管からの回答は、いまだありません。申し入れにたいして無視してとりあわないという入管側のごうまんな態度のために、同センターでは、8月に7Aブロック33人が参加する集団ハンストがありました。そして、今月11日には、やはりおなじ理由で3Aと3Bブロックの収容者約50人がハンストを開始し、現在も続行中です。
  今回の2Aブロックの申入書は、今月末までの回答期限を設定しています。この期限までに誠意ある回答をするよう、東日本入管センターにもとめます。
  申入書の内容は、ひじょうに具体的で、長期のしかも期限の決まっていない収容が、かのじょたちにいかに苛酷な影響をもたらしているか、つたわってきます。とくに、医療問題について、病状の深刻な収容者個々人の状況がことこまかに報告されています。本来ならば、このように収容者ひとりひとりの健康状態をチェックし、収容の状況・ありかたの改善を入管に提言するのは、専属医師のしごとであるはずです。しかし、専属医師のHさんが、そういった仕事をサボタージュしているために、収容者たちがかわりにそういう労働を強いられているのです。
  以下、申入書を全文掲載します。

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所長殿

  私たちは2Aブロックに収容されている収容者です。我々みんな今 自分の人権保証を主張します。私たちは以下の要求を申し入れます。 
(1)長期間収容されてる人たちは時間とともに精神的ストレスや密閉された空間での拘禁反応が現われて症状が日々悪化する一方です。
  半年以上の収容は即仮放免するよう要求します。
  今2Aブロックでは長期収容者が何人かいます。
  101号室中国人は1年2ヶ月過ぎてるし、最近の彼女は外見から見ても体重が落ちてるのが見えるし、歩き方もフラフラして、食事はお粥ばかりでいつも吐いています。
同じ部屋のタイ人も1年2ヶ月です。
  103号室のフィリピン人は血圧がいつも不安定だし、小便があまり出ないです。
  104号室のガーナ人1年2ヶ月だし、彼女は顔にブツブツがいっぱい出ています。足、腰も悪いです。同じ部屋のフィリピン人も1年2ヶ月で顔にアレルギ反応でいつも真っ赤で、腰の骨も曲がってるんです。腕も腫れてます。
  105号室韓国人は1年6ヶ月で、彼女も体にアレルギが出ています。心臓も悪いので、薬を飲まなかったら寝むれないです。
  その後8ヶ月以上になってる人もみんな自分のいろいろ病気を掛かえています。

(2)仮放免に関する問題ですけど、仮放免結果はできるだけ早めに出すように要求します。
  半年以上過ぎてる人たちの仮放免申請は人道的な配慮を必要性として満足できる結果をお願いします。

(3)仮放免の保証金を下げるよう要求します。
  今日本の経済も不安定な情況の中で増税の問題もあるし50万円の保証金は我々にとって非常に高額です。

(4)環境改善をしてもらいたいです。
  牛久市収容所の部屋の窓は外の景色が全部見えないで密閉されてる状態です。横浜と品川でも外が見えるようになっています。牛久に収容されてる期限がもっと長いので、みんなの健康のためにも太陽の光が入るようにしてください。
トイレに換気扇も入れてもらいたいです。
  部屋のトイレは何人かみんな一緒に使用してるんで、換気がもっとも悪いです。
  畳も入れ替えてもらいたいです。
  今部屋にある畳は古くなり、ダニの発生が多いです。他のブロックはベッドの所もあるみたいけど、我々女性たちはいつもダニで背中、腕、足、体全体が痒くなり、ブツブツ赤い点が出る人が多いです。

  今食事の問題と医療の問題でみんなからいろんな意見が多いけど、長期収容が柔軟になれば、すべてが解決できると思います。
  ここにいる私たち女性の中では子どもを産むことも問題になるかも知らない生理不順(酷い人は7ヶ月も生理が来ないです)、便秘、不眠、頭痛、食欲不振、精神的ストレスで、イライラ、長期収容されていたら、いくら健康な人でも病気になっていきます。どんな重い罪を犯かした人でも、法律から決めた刑期が終了すれば自由を得ることができます。でも私たちは自分がオーバーステイしたと言う事で、いつまでかわからない辛い日々を送っています。

  2Aブロックの私たちは、以上提出した問題を検討して10月末までに回答するよう申し上げます。
2Aブロックのみんな
2011年10月5日



【転載】東日本入管のハンストが茨城新聞で報じられました

  すでにお知らせしたとおり、東日本入管センター(茨城県牛久市)の3Aと3B両ブロック(男性が収容されているブロック)の収容者が集団でハンガーストライキをおこなっています。
  10月11日にはじめられたハンストは、現在もつづけられています。これは9月12に3Aブロックの収容者が連名で提出した意見書へのセンターからの回答が、回答期限をすぎてもまったくないことから開始されました。前記事に掲載した意見書を読んでいただければ分かるとおり、収容者たちは、虐待ともいえるような人権侵害を受けているにもかかわらず、入管職員たちの立場をおもんばかり、収容者・職員おたがいにとって(!!)よりよい関係をつくりあげていきましょうという提案・呼びかけさえもふくんだ意見書を提出しています。
  ところが、センター側の反応は、回答拒否でした。いや、回答を拒否するという意思すら収容者たちにつたえていないわけですから、これは「無視」「黙殺」というべきでしょう。
  わたしたちは、東日本入管センターの収容している外国人にたいするこうした軽視・侮蔑に抗議するとともに、ひきつづきみなさまにセンターへの抗議をよびかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  以下、茨城新聞の記事を転載します。

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仮放免めぐり50人ハンスト
牛久・入管センター

牛久市の東日本入国管理センターに収容中のパキスタン、イラン、インド人男性ら約50人が、仮放免の審査の迅速化などを求めた意見書への回答がないことに抗議し、11日からハンガーストライキをしていることが12日、支援団体などへの取材で分かった。「BOND『外国人労働者・難民と共に歩む会』」によると、同センターには約250人が収容され、無期限ハンストは昨年5月と今年8月に続いて3回目。
(『茨城新聞』2011年10月13日)



Wednesday, October 12, 2011

また収容者の集団ハンスト(東日本入管センター)

  東日本入国管理センターで、10月11日、またも収容者のハンガーストライキがはじまりました。ハンストに参加しているのは、同センター3Aブロックの30人弱、3Bブロックの20人です。3A、3Bとも収容者のほとんどが参加しています。
  両ブロックでは、すでに、仮放免許可の審査の迅速化や、許可/不許可の基準の明確化をもとめた意見書を、同センター所長あてに提出しておりました(この記事の最後に転載しています)。ところが、3Aの意見書への回答が、回答期限の9月末日を10日すぎてもないことから、3Aと3B両ブロックの収容者たちが集団ハンストにふみきりました。
  東日本入管センターでは、8月にも収容者の集団ハンストがあったばかりです。8月の7Aブロックでのハンストも、意見書に回答せずに無視をきめこむという入管側の対応に端を発したものでした。


  8月のハンストは、センター側から口頭で一応の回答があったことをうけて、およそ1週間で解除されました。ところが、このたび入管はまた収容者からの要求を黙殺・無視する姿勢にでています。
  ハンガーストライキは、収容所に身体を拘束されたひとたちがとりうる非暴力の意思表示として、最後の手段です。とくに、東日本入管センターの収容者は、そのほとんどが長期にわたる収容を強いられており、病人もおおくいます。薬をのまなければならないひともいます。
  東日本入管センターに、3Aと3Bブロックの意見書に誠実に回答するようもとめます。また、読者のみなさまに東日本入管センターへの抗議をよびかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  以下、3A、3Bブロックの意見書を掲載します。仮放免申請の結果をまつ時間や長期にわたる収容が、いかに精神的なダメージをあたえるものなのか、ひじょうに具体的に書かれています。ぜひお読みください。


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【3Aブロック意見書】

東日本入国管理センター所長に
  1. 仮放免の審査時間を短くしていただければ、これにました幸せはございません。
  2. 仮放免の結果がだめ場合は、理由をちゃんと説明してくださいますか。
  3. 手の骨が骨折したのに、アプロケシュン[申請書]を何回書いても、お医者さんが来ないので、病気のことについて、専門の医者にめんどをみてもらうようにお願いします。
  4. 入管のお医者さんから、病気について、はっきり説明してくださいますか。
  5. ご飯とテレビの角度の調整する及び窓を開け、風邪がとおるようにしていただけますか。
  6. 私たちの悩みを理解していただけますか。
  3A group の皆さんから、よろしくお願いします。

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【3Bブロック意見書】

東日本入国管理センター所長

  仮放免に係る私たちの意見を申し上げます。
  第一、仮放免に関する積極的要素と消極的要素やガイドラインをお教えくださることを願い申し上げます。
  第二、仮放免申請する場合、その後1週間ぐらい後結果を頂く期限を通知を願い申しあげます。
  第三、仮放免不許可処分の場合、不許可の理由をお教えくだされることを願い申し上げます。

  私たちは仮放免を希望しますので、なぜ同じ状況で1回目と2回目ならず、3回目と4回目で許可となるかわからないから、許可にならなかった人々は全て仮放免担当審査官の仕打ちを恨んで、警備官も同じように恨んでおり、先生たちの仕打ちは憎らしく信じられないと思います。それで入管に係ることは万事が不満であって、その人々の不満とストレスが増加一路であります。
  その上、仮放免申請した人々は何時結果を頂くかわからないから、時間の経過について不安と焦燥にかられていますので、1ヶ月異常から結果を頂くまで毎日血が乾く心情でいます。それでその恨みと不安、焦燥等から各種ストレス性病気に苦しめられています。
  又、仮放免不許可の場合、不許可の理由を教える時、その人々の不満と恨み等は減消されると思います。
  その他、仮放免に係る業務も減らすことができると思います。今までみんなが仮放免申請をしましたが、仮放免のガイドラインがわかる場合、自分の状況が不許可に該当するとわかれば申請を放棄すると思いますので、その時仮放免に係ることが減ると思います。
  上記、私たちの事情と心情を御斟酌くださることを願い申し上げます。
  ぜひよろしくお願い申し上げます。
平成23年 9月12日

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【3Aブロック意見書 画像】

【3Bブロック意見書 画像】
 

Monday, October 10, 2011

2nd Congress on 16 Oct 2011

in Japanese(日本語)

End All Re-Detention by Immigration and Get Visa!


    The Second Congress of PRAJ: Provisional Release Association Japan (in Kanto) will be held in Tamachi, Tokyo.
    We, PRAJ, have been acting to stop re-detention and long-term detention by Immigration Bureau and to obtain resident status (visa) since the inauguration on 31 Oct. last year (http://www.ne.jp/asahi/toppimpararino/poo/PRAJ/kessei/kessei_photo.html).
    The number of acknowledged asylum seekers in Japan is extremely smaller (only within two digits per a year) than in other countries concluding the refugee convention. In addition, the cases of those detained more than a few years or detained again just a few months after released had much increased in 2009 and 2010. To the contrary, the number of those issued Special Resident Visa had sharply decreased from approximately 8,000 (in 2008) to 4,000 (in 2009).
    In order to stop such tendencies, we organized ourselves into PRAJ which consists of those detained or being in the status of "provisional release," and have fought against Immigration. Currently, re-detention has almost stopped, the number of long-term detention is decreasing, and the period between detention and provisional release tends to be shortened in average.
    However ,we still have many problems. Those provisionally released are prohibited to work and can't get the national health insurance. So we need to obtain resident status. Moreover, we have still some friends who are currently detained for the second or third time or for more than a year. We have not yet completely stopped re-detention.
    Therefore we, PRAJ, would like to have our second congress and discuss what can do by ourselves to obtain resident status or how we should continue to unite and fight against Immigration. We also report our activities.
    We call to all those intending to get resident status in Japan, or hoping to change the immigration policy and system in Japan, regardless of nationality or citizenship: Let's unite! We welcome your participation in our congress.

16 Oct. 2011  1:00 pm
Minato Kinro-Fukushi Kaikan (Minato Hall)map
5min. Walk from Tamachi Sta. (JR-Line) West Exit
1min. Walk from Mita Sta. (Metro) A7 Exit


Contact
Miyasako 090-6547-7628
Masuda 080-3421-4060(English available)

Friday, October 7, 2011

第2回大会のおしらせ(2011.10.16)


End All Re-Detention by Immigration and Get Visa! 
再収容を完全にストップし、在留資格の取得へ!

【漢字かなまじり】
  「仮放免者の会(関東)」の第2回大会を、東京の田町(たまち)でおこないます。
  わたしたち「仮放免者の会」は、きょねん10月31日の結成大会以来、長期収容再収容の阻止と在留資格(ビザ)の獲得をめざして、活動してきました。
  日本では他の難民条約加盟国とくらべても難民認定件数が極端にすくないです(年間2ケタどまり)。そのうえ、2009~2010年にかけては、2年3年をこえるような長期収容が常態化し、仮放免で収容をとかれたと思ったら2、3ヶ月で再収容されるといった例もあいつぎました。2008年までは年間8,000人台だった在留特別許可(special visa)の件数も、2009年には4,000人台に激減しました。
  わたしたちは、こうした状況を改善するため、仮放免で入管の収容所から出た者たちを中心に会を結成しました。仮放免者と収容中のメンバーが力をあわせてたたかうことによって、改善されたところもあります。再収容はとまりつつあります。また、以前にくらべると、長期収容がへり仮放免許可がはやめに出るケースがふえました。
  しかし、まだまだ改善されていないこともあります。仮放免中ではしごとが禁止され、また国民健康保険にも入れません。入管に在留資格をみとめさせる必要があります。
  また、いまも2度目3度目の収容で、いまも入管にとらわれている仲間たちもいます。1年以上の長期にわたって収容されている仲間もいます。再収容も完全にストップしたわけではありません。
  そこで、第2回大会では、再収容を完全にストップさせ、また在留資格を獲得するために、仮放免者自身がなにができるのか、どう力をあわせてこれから入管とたたかっていくのか、話しあいます。また、仮放免者の会がどのようにしてつくられ、どんな活動をしてきたのか、報告をします。
  これから在留資格をかちとろうとしている外国人のみなさん、そして、外国人か日本人かに関係なく、いまの入管制度・入管行政をかえていきたいと考えているみなさん、力をあわせてたたかいましょう。大会へのご参加をおまちしております。


【日時】2011年10月16日(日曜日)  午後1時から

【場所】港勤労福祉会館地図
  • JR田町駅(山手線,京浜東北線)西口から歩いて5分
  • 都営地下鉄三田駅(浅草線,三田線)A7出口から歩いて1分


【ひらがな・カタカナ】
  「かりほうめんしゃの かい(PRAJ)の 2かいめの たいかいを、とうきょうの たまちで おこないます。
  わたしたち PRAJは、きょねん 10 がつ 31にちの 1かいめの たいかいから、ちょうき しゅうよう(ながすぎる しゅうよう)と さいしゅうよう(2かいめ、3かいめの しゅうよう)を やめさせること、そして ビザを とることを めざして、かつどう して きました。
  にほんでは なんみん じょうやくに かめい して いる ほかの くにと くらべて、なんみん にんていを みとめられる かずが きょくたんに すくないです(まいとし 2ケタどまり)。そのうえ、2009~2010ねんに かけては、2ねん3ねんを こえるような ちょうき しゅうようが ふつうに なり、かりほうめんで にゅうかんから でられたと おもったら たった 2、3かげつで すぐに また さいしゅうよう される といった れいも あいつぎました。2008ねんまでは まいとし 8,000にんだいだった ざいりゅう とくべつ きょか(special visa)が みとめられる かずも、2009ねんには 4,000にんだいに おおきく へりました。
  わたしたちは、こうした ひどい じょうきょうを よくする ため、かりほうめんの ひとたちを ちゅうしんに グループを つくりました。かりほうめんの ひとと しゅうよう されてる メンバーが ちからを あわせて たたかう ことに よって、よくなった ところも あります。さいしゅうようは とまりつつ あります。また、まえに くらべると、ちょうき しゅうようが へり かりほうめん きょかが はやめに でる ケースが ふえました。
  しかし、まだまだ よく なって いない ことも あります。かりほうめんでは しごとが きんし され、また こくみん けんこう ほけんにも はいれません。にゅうかんに ビザを みとめさせる ひつようが あります。
  また、2どめ3どめの しゅうようで、いまも にゅうかんに とらわれて いる なかまたちも います。しゅうよう されて 1ねん いじょうも たつのに まだ にゅうかんから でられない なかまも います。さいしゅうようも かんぜんに ストップ した わけでは ありません。
  そこで、2かいめの たいかいでは、さいしゅうようを かんぜんに ストップ させ、また ビザを もらう ために、かりほうめんの ひとたちが じぶんたちで なにが できるのか、どう ちからを あわせて これから にゅうかんと たたかって いくのか、みんなで はなしあいます。また、PRAJが どのようにして つくられ、いままで どんな かつどうを してきたのか、ほうこくを します。
  これから ビザを かちとろうと している がいこくじんの みなさん、そして、がいこくじんか にほんじんかに かんけい なく、いまの わるい にゅうかん せいど・にゅうかん ぎょうせいを かえて いきたいと かんがえて いる みなさん! ちからを あわせて いっしょに たたかいましょう。みなさんの たいかいへの ごさんかを おまち して おります。

【ひにち】 2011ねん 10がつ 16にち(にちようび)  ごご1じから

【ばしょ】 みなと きんろう ふくし かいかん(港勤労福祉会館,ちず)
  • JR たまち えき(やまのてせん,けいひん とうほくせん) にしぐち から あるいて 5ふん
  • ちかてつ みた えき(あさくさせん,みたせん)A7 でぐちから あるいて 1ぷん

16 Oct. 2011  1:00 pm
Minato Kinro-Fukushi Kaikan (Minato Hall)map
5min. Walk from Tamachi Sta. (JR-Line) West Exit
1min. Walk from Mita Sta. (Metro) A7 Exit

連絡先(れんらくさき) Contact
Miyasako 090-6547-7628
Masuda 080-3421-4060(English available)

東京入管のJブロック収容者34名による連名意見書

  東京入国管理局のJブロック収容者34名による連名の意見書です。署名欄以外の全文を公開します。Jブロックは男性が収容されているブロックです。
  34名の署名者は、17国籍にわたります。国籍のうちわけは、スリランカ、トルコ、チリ、インドネシア、タイ、ブラジル、中国、インド、イラン、マリ、バングラデシュ、ギニア、ネパール、ベトナム、ペルー、ナイジェリア、フィリピンです。




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2011-09-29
入管の責任者へ
  われわれは おねがいが あります。

一は フリータイムの時間を30分延長して欲しいです。いまのフリータイムは ちょっと ものたりないです。
二は ねる用のふとんを下にひくと硬いですが、身体いたいを かんじるの人は多いです。よろしければ もうふを もらいたいです。
三は 昼と夕食の改善が欲しいです。もうちょっと しゅるいが ふやしたいです。
四、仮放免の許可がもらいたいです。
五、テレビの放送時間を一時間延長してもらいたいです。
六、病人たちは病院へ治療を受けて欲しいです。

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【補足】
  要求項目の文中にある「フリータイム」については、おなじく東京入管の Fブロックの意見書を紹介した前回記事を参照してください。同記事の下のほうの【補足】で、東京入管収容場のタイムスケジュールと、収容者にたいする管理体制について解説をしております。あわせてお読みください。

  要求項目の「三」は、ねるための敷きぶとんを要求しているものとおもわれます。おどろくべきことに、東京入管では、収容者に敷きぶとんを与えておりません。毛布を与えるだけです。収容者たちは、居室のタタミのうえに毛布だけでねることになります。当然、体がいたくなるし、冬になると寒さも深刻です。
  入管の収容者や収容された経験のあるひとは、みな口をそろえて言います。「入管にとってわたしたちは動物とおなじ。せめて自分たちをおなじ人間としてあつかってほしい」と。「動物とおなじ」という言葉にいっさいの誇張もなければ、それがメタファーでもないことを、このふとんの例はよく示しています。
  収容者は生活のあらゆる面で人権侵害をうけています。「五」の医療の問題もきわめて深刻です。体がけいれんしていて、みるからに重病とわかるひとが外部の病院への診療をなかなか受けられなかったり、ストレスのためか何ヶ月も生理がとまっているひとを収容しつづけていたりといった例が、めずらしくありません。収容された状態では継続的に虫歯の治療を受けられないため、本来抜く必要のない歯を抜かれてしまったひと、また痛みにたえかねて自分で歯を抜いたというひとの話も聞きます。
  入管は、収容者の要求に誠意をもって回答するよう、仮放免者の会としても求めていきます。



  このブログでは、東京入管や東日本入管の収容者が連名で提出した意見書を公開してきました。これまでに公開した意見書は、右のサイドバーの "LABELS" という一覧の「収容者による連名意見書」をクリックすると、まとめて読むことができます。

Wednesday, October 5, 2011

東京入管Fブロック収容者の意見書

  東京入国管理局のFブロック(男性が収容されているブロック)の収容者が連名で提出した意見書の全文を公開します。
  27名、15国籍(アメリカ、フィリピン、イラン、ナイジェリア、韓国、ブラジル、インドネシア、ベトナム、スリランカ、ガーナ、タイ、中国、インド、ネパール)のかたがサインして、9月12日に提出されました。(画像はクリックするとおおきくなります)





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2011.9.12

にゅうかんの せきにんしゃへ

  われわれは おねがいが あります。ここの ルールは もちろん まもりますが、ただし われわれの おねがいも きいて 欲(ほ)しい。
  ここは いろんな ゆうぐうに されていますが、もっと ちがう ところも かいぜんして 欲(ほ)しいです。

一は フリータイムの じかんを 30ぷん えんちょうして ほしい。電話(でんわ)と シャワーと 洗濯(せんたく)の じかんを のばして 欲(ほ)しいです。
二は ねる時 ふとんじゃなく もうふを つかって いますが おきると からだが いたくなるのは しばしばです。
三は テレビと タバコの じかんも えんちょう して 欲(ほ)しい。毎日(まいにち) ここで あんまり やることが なくて それを できると ストレスや トラブルも へるし、いろいろ へんな ことも かんがえずに すむだから、おねがいします。

  われわれは じっさい ここで 生活(せいかつ)して いるので、ここの ふべんさは いちばん わかってるから、ぜひ しんけんに かんがえて、できるなら かいけつ して 欲(ほ)しいです。みなからの おねがいです!

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【補足】
  ほとんど補足説明は不要とおもわれます。いかに、入管が収容者の生活をきびしく制約しているかということが、要求項目から具体的につたわってきます。
  文章中にある「フリータイム」について説明します。
  入管の収容所・収容場では、「フリータイム」と呼ばれる時間帯以外、収容者は基本的に4~6人ほどの単位でカギのかかった居室にとじこめられます。食事と就寝などの時間は、このカギのかかった居室ですごすことをしいられ、シャワーや運動、洗濯、電話、他の部屋の収容者との会話はできません。
  午前と午後の「フリータイム」には、カギがあけられ、収容者は共用スペースに出ることをゆるされます。共用スペースは、フロアごとに「ブロック」とよばれる単位にわけられ、収容者は他のブロック(フロア)の収容者と直接あうことを禁じられています。おなじ収容所・収容場に同時に収容されていながら、夫婦で顔をあわせることはできないし、おなじ国の出身者であっても、ブロックがことなれば、あえません。
  東京入管のばあい、一日のスケジュールはつぎのようになっています。

  • 9:00 起床、点呼(朝7時過ぎに居室に弁当を持ってくる)
  • 9:30~12:00 フリータイム(「開放処遇」ともいう。共用スペースに移動でき、電話、洗濯、シャワー、運動場での運動などが出来る。居室に施錠監禁された状態から解かれる)

  • 12:00~13:00  昼食(各部屋に戻され施錠)

  • 13:00~15:30  フリータイム(その後、各部屋に戻され施錠)

  • 16:30~17:00  このあいだに、夕食が居室に運ばれる。
  • 21:00  点呼(TVが切れる。TVは上からぶら下がり式。リモコン操作。8時30分になると職員がリモコンを回収し、朝7時30分にかえってくる)
  • 22:00  消灯(照明は天井に埋め込み式)

  • 朝7:00  電気がつく。

  こうした収容のありかたは、「懲罰」「刑罰」としかおもえませんが、まえにこのブログでも説明したとおり(7A BLOCK収容者の嘆願書――東日本入管センター)、入管は法的に懲罰・刑罰の権限をみとめられていません。入管法からみても、入管はたんに国外への送還の手続き・準備のための「収容」をみとめられているにすぎないのです。
  そもそも、入管に収容されているひとたちは、「犯罪者」ではありません。日本での在留資格がみとめられず、たんに「不法滞在」の状態になっているだけです。そのなかには、いちど不認定になった難民認定を再度申請中で審査結果を待っているひともいれば、入管による行政処分としての退去強制令に対してその取消訴訟をおこなっているひともいます。また、刑事事件によって在留資格がとりけされたひともいますが、そのひとたちもすでに刑期をおえており、「犯罪者」としてこれ以上の刑罰をうけさせられるいわれはありません。
  このように「犯罪者」ですらないひとびとを、まるで「懲罰」「刑罰」としか言えないような状態で収容しているのが、入管の収容所・収容場における実態です。東京入管では、うえの意見書にあるように、ねるための敷きぶとんやマットレスすら与えていないとのことで、これもひどい話です。

Wednesday, September 21, 2011

9月18日東海地区仮放免者の会結成

  昨年9月の関西、10月の関東に続き、9月18日に名古屋入管管轄地域在住の仮放免者が団結して東海地区仮放免者の会が結成されました。アジア・アフリカ・南米諸国出身の仮放免者、在留理由も難民、日本人の配偶者、日系人などさまざまな仮放免者が一堂に会し、これからの闘う方針、組織作りなどを討議して決め、国別のリーダーを選出し、在留資格取得に向けた力強いシュプレヒコールで閉会しました。

  名古屋入管に収容され、退去強制令書の発付を受けた人たちは主に西日本入国管理センター(大阪府茨木市)に移収されます。関西在住の仮放免者や支援者とは西日本センター収容中につながりができており、東海地区の仮放免者はこれまで関西仮放免者の会から支援を受けながら再収容に反対する闘いを進めてきました。名古屋入管も東京入管と同じく、難民手続きや退令取消訴訟敗訴確定時などに再収容していましたが、今年4月6日の全国一斉面会・一斉申入れ以降、再収容は基本的にストップしています。4月下旬から5月初めにかけては、再収容者の即時仮放免などを求めるハンガーストライキも名古屋入管内で闘われました。国籍、宗教、言語、在留理由などの違いを越えて、自ら団結して闘ってきた東海地区の仮放免者は、ついに自らの団結を形に現す組織を手にしました。

  結成大会には、関東、関西からもリーダーや支援者が参加しました。これは、全国的な仮放免者の団結と闘いが必要だからであり、また、この東海地区での結成は、全国的な仮放免者の団結と運動が開始されるという重要な意味があるからです。それは、仮放免者が在留資格を取得するため、法務省入管に政策変更を要求する必要があり、これは各地方局レベルの運動ではできないからです。全国の仮放免者と言っても、そのほとんどは関東、東海、関西に集中しています。この三つの地域で組織が作られれば全国的な運動と言えます。そのため、関西や関東の仮放免者や支援者も、この東海での仮放免者の会結成に期待し、注目していました。

  長期収容を経てやっとの思いで仮放免になったものの、仮放免状態では就労資格がなく、移動の自由も制限され、さらには在留資格がないために国民健康保険に加入できず治療費は「10割負担」です。医療機関によっては15割、20割を請求される場合もあります。安定した収入も無く、医療費は極めて高額になるため、病院に行きたくても我慢せざるを得ません。いくら入管から脅されても、難民であったり日本に家族がいたりするなど、帰国できない事情があるから長期収容にも耐えざるを得ませんでした。しかし仮放免になったとしても自らの人権や生命は守られるわけではありません。こうしたひどい状況から脱するには、在留資格の付与を入管に求めて行くしかありません。そのためにはどうしても、全国的な仮放免者の団結と運動が必要でした。

  参加した関西、関東の仮放免者の会のリーダーからは、東海地区での結成を祝うと共に、団結することの重要性が強調されました。関西のあるリーダーは、「これからは『私は』と考えるのではなく、いつも『私たちは』と考えてください」と大会参加者に訴えました。大変な状況に置かれているのはリーダーも同じであり、同じ苦しみを抱える仮放免者が自分の事だけに精いっぱいになる状況・気持ちも良くわかっています。しかしそこで、自分の事だけを考えたり、私は難民なのにとか、私のところは本当の結婚なのにとか、狭い枠にとらわれていたら団結は作られず運動は発展していきません。関西のリーダーが訴えたのは、仮放免者自身の立場の転換です。関東のリーダーからは、関東での長期収容と再収容に反対する運動の経緯を報告し、全国的に団結して闘えば、私たちの要求は必ず実現できると訴えました。

  三つの地区のリーダーたちは、お互いに連絡先を交換し、今後の全国的な連携を誓いました。

Tuesday, September 20, 2011

「外国人を収容し、嘘吐いてだまし、そして愚弄」する――退去強制令執行の実態

  わたしたち「仮放免者の会」の仲間であり、これまでこのブログに2度「意見書」を掲載させていただいた鈴木啓三ロベルトさんが、8月15日にブラジルに「帰国」しました。不本意ながらの帰国とのことです。
  鈴木さんが「帰国」前に寄せてくださった「意見書」を公開します。ウソをついてだます、脅迫する、外国人の人格や法的権利をふみにじる、そうした入管による帰国強要の実態の一端をかいまみることのできる内容です。ぜひ、お読みください。あわせて、鈴木さんの過去の「意見書」にもリンクをはっておきます。



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意見書

外国人人権保護団体
仮放免者の会:団体長殿
SYI:団体長殿

  私は、以前から何回か意見書を書かせて頂いて居ります鈴木啓三ロベルトと申します。何度も私の書いた意見書を公開して頂き心から感謝して居ります。誠に有り難うございました。
  この度自身の私的な都合により帰国せざるを得ない状況が発生し、本心ではありませんが帰国は已(や)むを得ない事と存じます。誠に身勝手ではありますがどうかお許し頂きたく存じます。皆様のご支援があるにも拘わらず帰国してしまう自分をどうか許して下さい。
  今回で入管のなかからの最後の意見書になると思います。ですが、どうか良くお読みになって頂きたく存じます。
  私は平成23年7月19日、帰国手続きに入って居ました。私は、何回かに渡り帰国する準備の為、何度か担当職員HC050と話し合いをしました。
  そのなかで私が何度も尋ねたのですが、「臨時旅券に DEPORTATION または強制退去に類似したものが書かれてしまうか、または、スタンプの様なものを捺されてしまうのか」と何度も尋ねましたところ、「それは絶対にありません」と担当が言ったのです。
  何故私がそこまで担当に訊ねたか、というのは、自分は自身の意志で帰国するだけでなく実費で帰国するからです。
  担当は「DEPORTATION または強制退去に類似したものは書かれませんし、またそれ等に類似したもののスタンプは絶対に捺されません」と断言しました。
  私は帰国するのは本意ではありませんが、担当の言う事を信じて臨時の旅券を待って居りました。
  そして先日8月4日、私の臨時旅券が届きました。
良く見てみたらポルトガル語でこう書かれて居りました。

「RAZÃO DE DEPORTACÃO」

  これを日本語に翻訳すると「強制退去による理由である」
  私の怒りは爆発しました。私はすぐに担当を呼び付け、これは何だと問い詰めましたが、担当は惚(とぼ)けて居ました。私は問い詰め続けましたが、何の進展もありませんでした。
  そこで私は「この旅券では帰国しません」と切り出したところ、担当が本性を現した。怒鳴りつけるように言ったのです。
「これはお前の最後のチャンスだ! これで帰らなかったらもう二度と帰れないぞ!」(これは HC050 の発言である)
  私はこの人のペットでも奴隷でもないので、怒りをこめて「黙れ!」と言ったのです。「しゃべるなら低い声で喋れ!」
  誠に信じ難い出来事である。法務省が管理する施設のなかで脅迫されるとは思いもしませんでした。私はそこでその職員に「あんたとでは話にならないのであんたの責任者を呼んできて」と言ったところ、担当は「ボスを呼んでも言われる事は同じだぞ!」と言ったので、私は「あんたの言う事などどうでもいい! 早くあんたの責任者を呼んで来い」と怒鳴ったところ、やっと責任者が現れた。ID番号 HC012 が部屋のなかに入って来ました。
  「どうかしましたか」と態(わざ)とらしい声と顔で虫唾が走りました。HC012はドアの向こうで全てを聞いていた筈(は)ずだからである。この入管の遣り方、誠に汚らわしい!
  私はその HC012 に問い詰めました。「お前ら何故嘘ばかり吐くんだ? そこに居るチケット担当(HC050)はパスポートに何も書かれないと言ったけど、どうなんだ?」
  HC012 は「これは強制退去手続きに則ってこうなりました」と言うだけでした……。もう話になりませんでした。その HC050 が責任者が来た途端、深刻な顔をして黙ってしまった……。
  説明も無く、反省も無く、謝罪も無く、何も無し!
  ただ時間だけが過ぎて行きました。極論から申し上げますと入管という組織は外国人を収容し、嘘吐いてだまし、そして愚弄して居るのです。誠に遺憾であり許し難い! 公務員としては言語道断! 法務省管轄内では有るまじき行為である!
  最初から本当の事を言ってもらったなら帰国しない事も考えたと思います。併(しか)し HC050 は私を巧みに騙して、そして仮放免申請と強制退去命令取り消し裁判を取り下げさせてから、こんな酷い仕打ちをしたのです。外国人を愚弄するのはもう止めて欲しいものです。
  私は8月15日に帰国しますが、自分自身で購入したチケットと自分の意志で帰国するにも拘わらず、パスポートには強制退去が書かれてしまって居るのです。他国ならばこれは自主退去に当たるので、パスポートには何も書かれません。こんな事をするのは日本国入管ぐらいと私は思って居ます。私と致しましては一生許すことはないと思います。
  最後になりますが、先日、同室に居られる中国国籍の趙星晨さんが職員 HC115 に「外人を苛めるのが大好き」と言われるのを私はこの目で見ました。3月4日 PM10:00頃でした。私は自分の耳を疑いました。しかし同室のラオス国籍のサイペンシーモンコンサオーさんも聞いて居りました。誠に信じ難いのですが、これが現在入管という組織の実情であります。
  この文書をお読みになられた皆様にお告げしますが、全て真実の告白でございます。
  今まで本当に有り難うございました。
以上
平成23年8月8日
収容者: 鈴木啓三ロベルト
Jailed: ROBERTO KEIZO SUZUKI
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【補足】

  鈴木さんが「意見書」の最後で報告している、職員による「外人を苛めるのが大好き」発言については、被害者である趙星晨さん自身の告発をすでにこのブログに掲載しております。

  この事件については、暴言をはいた職員 HC115 と上司が、趙さん本人に直接面会して謝罪し、HC115 が趙さんたちの収容されている 9Bブロックの担当をはずれたとのことです。東日本入管が HC115 の差別的暴言の事実をみとめ、これを問題と認識しているようであることは評価できます。しかし、この謝罪について、被害者である趙さんがどう考えているかということが、なにより重要です。近日中にこのブログで、趙さんにご自身の認識・意見を書いていただく予定です。

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  さて、鈴木啓三ロベルトさんについては、上にリンクした意見書で鈴木さんご本人が書かれているとおり、ある違法行為により実刑判決を受けて服役したことがあります。これを理由に、入管から在留許可を取り消され、退去強制令が発付されたわけです。
  もちろん、退去強制令の発付自体は、入管法(出入国管理及び難民認定法)にさだめられた手続きにのっとっておこなわれたものです。しかし、有罪判決を受け入れ、刑期をつとめあげたひとは、その違法行為について法的には決着ずみなのであって、行政によってこれ以上のペナルティを科されるのは、あきらかに不当です。
  入管はなにさまのつもりなのでしょうか? 裁判所のきめた刑罰をすでに終えたひとにたいし、さらに事実上の刑罰にひとしい退去強制を命じているのですから。これは裁判所や刑務所の役割と存在意義をすら否定しているようなものです。行政権の一部をになうにすぎないはずの入管が、司法を超越した存在としてふるまっていると言ってよいでしょう。

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  そして、この司法をすら超えた存在であるかのような入管の横暴ぶりは、有罪判決を理由とした退去強制令の発付(これは入国審査官の仕事)だけでなく、その執行(こちらは入国警備官の仕事)においても、みられます。
  まず、指摘しておきたいのは、鈴木さんが上の「意見書」で報告している入国警備官 HC050 のついたウソは、あきらかに意図的で自覚的なウソであるという点です。今回、鈴木さんは「帰国同意書」にサインし、自分の意思でブラジルに「帰国」したわけですが、退去強制令が発付された状態での「帰国」は、私費で「同意」にもとづいたものであっても、入管法上の「退去強制」にあたります。入国警備官たる HC050 がこのような基本的な事実を知らないなどということは、まず考えられません。 HC050 はそれを知っておきながら、鈴木さんに「帰国同意書」へのサインをさせるためにウソをついたのです。したがって、この「同意」は強制されたものと言えます。
  外国人にたいしてはウソをついてだましてもよいという、入国警備官のごうまんな差別意識にもおどろかずにはいられませんが、HC050 のウソがさらに問題と言えるのは、これが鈴木さんの正当な司法手続きを受ける権利を侵害するウソだという点です。
  鈴木さんは、退去強制令取消訴訟を提起しており、その裁判中でした。退去強制令そのものは、入管によって発付されるものであり、すなわち行政権の範疇にあります。こうして退去強制令を発付されたひとは、司法の場に異議を申し立てる権利があります。鈴木さんはその正当な権利の行使として、退去強制令を不服とし、これを取り消すための裁判を提起していたわけです。
  日本国憲法には「何人(なんびと)も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない」(第32条)と書かれています。日本国憲法は、生存権などの重要な人権について「国民」の権利としていたりして、あいまいなのが難点ですが、裁判を受ける権利については「何人も」「奪われない」人権であると、明確に規定しております。
  東日本入管センターの入国警備官 HC050 はウソをつき、その結果、鈴木さんは裁判を取り下げました。入管は、憲法によって保障された「裁判を受ける権利」を不当に侵害したことになります。したがって、このたびの鈴木さんの帰国、入管側から言えば退去強制令の執行は、現行の法制度に照らしてさえ正当性がなく、入管による違法行為と言うべきです。
  法務省のサイトの「入国警備官採用試験」というページには、入国警備官の仕事が「日本の安全を守る重要な使命」だと紹介され、つぎのように書かれています。

  国際交流の活性化の中で,世界各国から多くの人々が日々我が国を訪れています。その目的はさまざまですが,中には観光などの目的を装って入国し,犯罪に走る外国人や、不法就労を行う外国人もいます。
  入国警備官は,これら法律に違反する外国人に対して厳正に対処し,日本の安全と国民生活を守り社会秩序を維持するという重要な使命を担っています。

   まるで、在留や就労の資格のない外国人の一部が「日本の安全と国民生活」「社会秩序」への脅威になっているかのような書きぶりですが、司法制度をふみにじり、平気でウソをつき、社会秩序を破壊しているのはいったいどちらでしょうか?

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  このように入管は、鈴木さんがおっしゃるように「外国人を収容し、嘘吐いてだまし、そして愚弄して」帰国へと追いこもうとします。
  ウソをつくということも、入管組織内では必要な手段とみなされているフシがあります。たとえば、日本国籍者や永住者との結婚を理由に在留資格を申請している外国人を帰国に追いこむために、その夫や妻に本人のネガティブな情報やウソをふきこむといった事例も、よく聞きます。「あなたの夫(妻)は浮気をしている」あるいは「財産めあてであなたに近づいた」など。そう言って、カップルをひき裂き、「帰国するしかない」と思わせようとするわけです。
  また、鈴木さんが報告しているように、収容者にたいする恐喝。複数の収容者・収容経験者たちが口をそろえて言うには「威圧的な態度をとる職員と、いっけんやさしそうな職員が、役割分担をして収容者を帰国させようと圧力をかけてくる」とのことです。
  これは、テレビの刑事ドラマでしばしば描かれている取り調べのやり口に似ていますね。まず、いかにも暴力的な若い刑事が容疑者をなぐったり、暴言をはいたりして、おどす。つぎに、温厚で年輩の刑事がカツ丼かなにかをもってきて「おふくろさんに心配かけるなよ」などと言って容疑者をおとしにかかる。この人のよさそうな年輩刑事は、やさしそうにみえても、それは容疑者に「自白」を強要するために暴力的な刑事と役割分担しているにすぎません。
  こういう安っぽくて下品な刑事ドラマと同様の手法を入管が採用していることは、鈴木さんの報告からもみてとることができます。一方では HC050 が「これで帰らなかったらもう二度と帰れないぞ!」などとどなり、恐喝する。他方で、HC012 がわざとらしい声と顔で「どうかしましたか?」などと言ってあらわれる。このように、こわもての職員とやさしそうな職員がチームをくんでいるという話は、他の収容者などからもしばしば指摘されます。
  ウソや暴言にくわえて、硬軟とりまぜた圧力。入管は組織的にこうした暴力をひとりひとりの収容者に日々くわえて、帰国への「同意」をさせようとします。これが退去強制の執行の実態にほかなりません。

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  鈴木さんは、「帰国」してブラジルですでにあたらしい生活をはじめています。しかし、日本の入管で見聞きしたさまざまな人権侵害・外国人差別の実態を公開し、告発していくつもりだとおっしゃっています。
  かれは、収容されているあいだも、国籍や立場のさまざまな他の収容者たちのための助力・助言を精力的におこない、それゆえ信望をあつめておりました。面会におとずれる支援者にたいしても、「自分のことよりも、ほかの罪のない外国人を入管がいじめていることが許せないし、支援してあげてください」といつもおっしゃっていました。
  鈴木さんは、いまも仮放免者の会の大切な仲間であります。外国人差別をなくすために今後とも鈴木さんと連携していきます。

Friday, September 9, 2011

【転載】今再びの牛久ハンガーストライキ

  入管の収容施設である東日本入管センターの処遇と収容者のハンガーストライキについて、きょう発売の『週刊金曜日』(862号)に読者からの投書がのっています。以下、転載します。
  なお、 8月22日にはじめられた7Aブロックのハンストは、29日にいったん解除されています。ハンスト解除までの経緯については、以下にリンクした記事を参照してください。

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【転載】今再びの牛久ハンガーストライキ
  8月22日より、現時点で1週間以上にわたり茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」において、昨年5月のハンガーストライキに続いて、外国人被収容者33人による無期限のハンガーストライキが行われている。
  昨年も同様だったが、被収容者たちは、再収容の問題、半年以上の長期収容、仮放免の申請から審査結果が出るまで3ヶ月もかかる例があること、仮放免時の保証金が依然高額であり、それを納付できず、ようやく決まった仮放免が取り消しになる例が続発していること、共用廊下の窓が、「嵌め殺し」になっていて外の景色が全く見えないこと、依然として改善されない医療の問題、食事の問題などを入管当局に要求したが何らの回答もなかったことから必死の思いでハンストに決起した。
  以上の要求は、全て昨年のハンスト時に参加者全員が入管に要求したものであり、これらの問題が依然として入管が誠意を持って応えないために、喫緊の課題として浮かび上がっていることを明白に示している。
  そもそも、入管は、東日本入国管理センターだけで、200人以上収容されている難民・移民を中心とする被収容外国人に対し、正面から向き合おうとせず法務省の入管政策そのまま、劣悪な状況の中に外国人を放置してきた。戦後直後にも遡る入管政策の下に、「傲慢な」日本人が「恣意的に」外国人政策を行ってきたのが現実である。この法務省の根本的な外国人差別政策が変わらない限り、今回のハンスト参加者が最低限の要求として、特に要求している大震災以後極端に改悪された食事の改善を始めとする諸政策は変わる事がないだろう。入管当局の猛省を強く求めたい。
「牛久入管収容所問題を考える会」 増田博光

Thursday, September 1, 2011

「外国人をイジメるのが楽しい」(入管職員CH115の発言)

  東日本入管センターに収容されている趙星晨(チョウ シンチェン)さんから、意見書をあずかりました。インターネットで公開してほしいとのご依頼でしたので、ここにその全文を公開します。職員の収容者にたいする差別的・侮蔑的な言動を告発する内容で、PRAJ(仮放免者の会)、SYI(収容者友人有志一同)、BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)あてに書かれております。
  趙さんは、以前、わたしたちに入管による人権侵害の実態を報告・告発する文書を寄せてくださった鈴木啓三ロベルトさんの友人でもあります。


  なお、鈴木さんからは、もう1通、入管批判の文書をあずかっております。これも近日中にこのブログで公開する予定です。
  では、まず趙星晨さんの意見書をお読みください。


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意見書

外国人保護団体
PRAJ: 団体長殿
SYI: 団体長殿
BOND: 団体長殿

  私は中国籍の趙星晨(チョウ シンチェン)と申します。私は、鈴木啓三ロベルトさんから、皆様の多大なご活動を聞きました。私も心から賛同致しました。
  何回かに渡って意見書をインターネットに公開をしましたことを存じております。前回、鈴木さんの意見書を読ませていただきました。自分も是非自分の意見書をネットに公開していただきたいと思ってます。
  つきましては、2011年8月4日、午後10時頃、東日本入国管理センターの担当者CH115番は、私に対して、外国人をイジメるのが楽しい、とくにチョウさんをイジメるのが楽しいとはっきり言ったのです。私は中国籍であり収容者でもあります。担当の職員からこの様なことをなぜ言わなければならないのか、すごく怒りを持っています。この担当者(CH115)の発言は、私と同室に居る、ブラジル国籍の鈴木啓三ロベルトさんや、又、ラオス国籍のサイペンシモンコンサオーさんもはっきりと担当者(CH115)が発言した所、彼ら二人は、はっきりと、聞いていたのです。ですから、担当者(CH115)の発言は間違いなくされたものであります。

  私は、外国人として、このような発言をされたことにより、今現在、心がひどく傷付けられています。又、私だけではなく、同室に居る皆も大変な不愉快で、私のブロック全体がそう思ってます。私と同じ気持ちで日々を過ごしています。
  これは、私だけの問題ではありません。この東日本入国管理センターに収容された外国人を差別した行為で、現在に至るまで、何の謝罪もありません。自分としては、誠に許す事が難しいことと存じます。
  この様な行為は法務省の管理下にある東日本入国管理センターで起きた事は、全く信じ難い事実であり、又、人間性が欠落しています。誠に遺憾であり、許し難い行為であると存じます。今なお憤りを感じずには、おられません。私はこのような発言された担当者(CH115)に対し、一生心から許すことが出きないと存じます。
  私といたしましては、すべての外国人に書面にて、謝罪文を提出すべきと存じます。これは、公務員としてではなく、一人の人間として、やらなければならない事であると思います。
  彼(CH115)がやった事は、誰が考えても、人種差別の行為である。これは明らかに大変な問題であります。法務省の管理の下でこの不祥事が黙認されないことを、心から、信じたいと思います。又、このような不祥事を、しかるべきの対応をとっていただきたいと存じます。

  その又、次の当直日、又、CH115が、私の薬の使い方に対しバカと言われました。私といたしましては、この担当者(CH115)の発言は、ぼう言であり、公務員としては、あるまじき発言と存じます。又、2回連続され、本当に心に怒りが溜っております。
 私と致しましては、誠に許し難い発言であり、外国人を差別していると強く感じました。誠に遺憾であり、私としましては、断じて許しません。

  私は、8月9日診察を希望しましたが、その日私は、診察をしっかりと受けました。同室のサイペンシモンコンサオーさんは、診察を受れなく、看護師に呼び出され、サイペンシさんに対し、医師のH先生が休み中と言われまして、断られました。その後、サイペンシさんは、夜寝れず、苦しんでおります。私は、受けたのに、サイペンシさんは受けられないのか、不審です。これは、あきらかに、入管は、私たちにうそをついています。本当に許せることではありませんと思っています。
  私が書いた事は、すべて事実であります。ぜひインターネットに公開をしていただきたいです。全国の外国人に知って欲しいです。




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【補足】

  以下、趙星晨さんの意見書について、いくつか補足説明などをします。

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  まず、「CH115」というのは、問題の担当職員のID番号です。収容者と直接せっする入国警備官は、名札をつけずに、かわりに、こうしたID番号をしるしたプレートを首からさげています。警備官のなかには、この番号のプレートすら、上着やシャツのなかに隠しているひともよくいます。収容者、あるいは面会におとずれるその家族や支援者にID番号を知られるのが、よほど後ろめたいのでしょうか。
  番号すら見えないようにかくすという一部職員の行為の意味を考えると、入管という組織(職員にとっての職場)の荒廃ぶりを想像せずにはいられません。もしかりに、ほかの役所と同様に、入国警備官が名札をつけることを義務づけられており、その名札を収容者や面会者に見られたくないというのであれば、まだ理解はできます。在留資格のない外国人を収容し、国籍国へと送還するという、かれら・かのじょらの仕事は、いわば「うらみを買う」という可能性を排除しきれないものだろうからです。
  ところが、「名前」ではなく、「番号」をかくすということになると、その意味あいはかわってくるようにおもいます。ID番号から職員個人の名前を容易に特定することができるのは、法務省という組織の内部にいる人間だけです。したがって、かれ・かのじょがおそれているのは、「自分の言動について、収容者や面会者から、上司に報告されること」なのだろうと推測できます。
  もちろん、入管収容施設内での人権侵害の責任は、それぞれの収容施設および法務省全体に(もっといえば、現在の日本国の入国管理制度をさまざまなかたちでささえている者たちそれぞれにも)あります。ところが、IDプレートをかくす職員たちは、職務中のじぶんの言動について告発・非難を受けたときに、上司や組織がその負うべき責任を負わずに逃げ出すことを予想しているのではないでしょうか。いわば、自分たちは「現場」のいわば「にくまれ役」を担いながらも、いざというときには上司や組織から「トカゲのしっぽ」のように切り捨てられる存在である、と。
  すくなくとも、現場の警備官の一部がID番号を見られないようにしながら仕事をしていることに、上司や組織を信頼しきれないという心情をよみとることはできるようにおもいます。

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  さて、趙さんが報告しているCH115による「外国人をイジメるのが楽しい」という発言ついては、わたしたちも複数の収容者から、たしかな事実であるとの証言をえています。当然ながら、CH115の責任を追及していく必要があります。
  同時に、こうした暴言やおなじCH115による「バカ」という発言、みえすいたウソを言ってはばからない看護師のふるまいには、かれとかのじょ個人の資質や性格には還元できない、東日本入国管理センター全体の体質が背景にあると考えざるをえません。CH115にしても、面会におとずれる日本人支援者などにたいしては、面とむかっての「バカ」などという発言は、さすがにひかえるのではないでしょうか。そうだとすれば、「収容者にたいしては公然と侮辱しても許容される」という差別意識、見くだした意識が、CH115のみならず、かれのまわりの同僚たちにも共有されているということでしょう。
  したがって、東日本入管センターには、CH115はもちろんのこと、所長からも、趙さんに誠意をもって謝罪するよう、わたしたちとしても求めていきます。
  また、意見書で趙さんがおっしゃっているように、CH115の「外国人をイジメるのが楽しい」という暴言は、趙さんのみならず、東日本入国管理センターに収容されているすべての「外国人」、また今後あらたに収容されるすべての「外国人」むけられたものと言えます。しかも、こうした外国人にたいする虐待の意思を公然と表明するような行為が、組織のなかで黙認されつづけるのだとすれば、それはすべての収容者にとっての脅威にほかなりません。
  したがって、東日本入管センターには、つぎの2点ももとめていきます。
  • CH115にたいして厳正な処分をくだすこと
  • CH115にたいする処分内容と処分にいたった経緯(問題の暴言の内容もふくむ)を東日本入管センター内すべてのブロックに掲示し、すべての収容者に告知すること
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  ところで、 趙さんの意見書中の「医者のH先生」は、原文では実名が明記されていましたが、公表にあたってイニシャル表記にあらためました。
  この「H先生」についても、わたしたちは非常に問題があると認識しております。東日本入管センターの収容者や収容経験者に「収容中の医療はどうでしたか?」と聞くと、ほとんど例外なく、みなさん「H先生」のさまざまなおどろくべき言動をまっさきにお話ししてくれます。医師としての診療技術のみならず、医療従事者としての倫理をうたがわざるをえないような証言を多数すでにえております。
  今後も改善がみられないようであれば、このブログで「H先生特集」をくむことも検討しているところです。

Wednesday, August 31, 2011

東日本入管でのハンスト、29日に解除

  すでにお知らせしたとおり、東日本入管センター(茨城県牛久市)の7Aブロック収容者33人が、8月22日(月)の朝から、ハンガーストライキをおこなっていました。


  嘆願書への回答を求めて始まったこのハンストは、東日本入管からの一定の回答があったことから、今後の推移を見守ることとし、29日(月)の昼食から全員が摂食を再開しました。病状が特段に悪化した人はいません。
  回答といってもさしたる前向きな内容があるわけではなく、食事については改善するようにしてるという程度のものです。しかし、ともかく、嘆願書(要求書)に基づいて7Aブロック全員の意見を聞く場がもたれ、形式的なものでしかないにしても回答が出されたということは期待が持てることでもあります。実際に何らかの改善がされるのかどうかは今後を見守る必要がありますが、重病の収容者もおり、いつまでも摂食せず薬を服用できない状態を続けるわけにもいかないので、いったんは収束しようとの判断になりました。
  仮放免者の会(関東)、各支援団体としても、7Aブロックおよび全ブロックの仲間たちと力を合わせ、7Aブロックの要求内容の実現に取り組んでいきます。
  多くの皆さん、支援団体からの激励、カンパ、東日本入管センターへの抗議などいただき、大きな力となりました。ありがとうございました。これからも、ご支援ご注目のほど、よろしくお願いします。

Thursday, August 25, 2011

東日本入管センター2Aブロック収容者の意見書

  ひとつ前の記事でおしらせしたとおり、東日本入管センター7Aブロックの収容者全員、33人がハンガーストライキをおこなっております。7Aのハンストは、これに先だって提出された「嘆願書」にたいする入管側の回答がいっさいないことへの抗議として、おこなわれています。



  7Aブロックにかぎらず、収容者たちの処遇改善への要求・要望は、しばしばおこなわれています。ところが、入管側はこうした要求・要望にたいしてまともにとりあおうとはせず、回答すらしないという姿勢をとってきました。回答の「内容」がどうかという以前に、回答を「しない」というのは、収容者をおなじ尊厳をもった人間として見ない、きわめてごうまんな入管の姿勢があらわれています。
  このような入管の姿勢・体質にたいして、不満と怒りをもっているのは、7Aブロックの収容者だけではありません。
  今回紹介するのは、東日本入管センターの2Aブロックの収容者たちが処遇改善を要求した文書です。この文書は、7月23日づけで、東日本入管センター所長あてで提出されています。(画像はクリックするとおおきくなります)


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親愛なるセンター長殿:
2011.7.23
  こんにちわ!
  今日はセンター長殿にいろいろお願いがあってこの手紙を書きます。
  お願いをする前になでしこジャパン女子サッカーの勝利をおめでとうございます!
  日本が今いろいろ大変な時期にこんなおめでたな事ができて本当に真心から嬉しいです。
  地震があってからニュースを見てても震災の被害で家もなく避難所で暮らしている人たちを見て本当に辛かったです。
  でも最近はサッカーで盛り上がってる日本はいつもの日本に戻ったみたいに活気があります。
  こんないい事もあった状況の中で我我牛久市東日本入国管理センターの中に収容されている人たちにも希望と明かりを分けて欲しいです。
  ぜひ耳を傾けてわれわれのお願いを聞いて欲しいです。

  • 今われわれの部屋の窓は全部密閉状態です。今は暑いし、もっと息苦しいから、いちばん上の小さい窓でも開けて、少しは空を見せてください。
  • タダご飯を食べながらお食事に文句があるわけないけど、もうちょっと料理に味付をお願いします。(蒸しとりの料理は生臭いんです。)
  • 収容されてる人の中で病気が掛かってる人がいます。***号室***[国籍]****さんは、血圧高いし、腰痛いし、小便も出ないし、体がフラフラしていて危い状態です。
  • 収容所に収容されている人人は時間とともに段段ストレスで体の病気と精神の病気になっていきます。半年以上の長期収容は柔軟に出して欲しいです。
  • 裁判が終わったら、また再収容される不安を常に抱えているんで、再収容はしないで欲しいです。
  • 仮放免保証金をできるだけ下げて欲しいです。

  以上、センター長にわがままな願いを求めています。ここで収容されている人たちは、みんなそれぞれ違う問題を持っているかも知らないが、同じ人としてみんな人権を持っています。
  みんなの希望ができるだけ早く一日でも自由を持って日本で真面目に生活できるよう願っています。
  どうかセンター長様、我我の夢が早く叶えるようによろしくお願いいたします。

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  上に紹介した意見書を提出した2Aは、女性が収容されているブロックです。この意見書でも指摘されている、長期の収容がもたらす深刻な健康上の問題、また収容所内の医療のずさんさ(重病者が放置されている)については、おなじ女性のブロックである2Bからも、要求書が提出されています。

  また、食事の質がとんでもなくひどくなっているということは、とくに3月の震災以降、東日本入管のあらゆるブロックの収容者が口をそろえて指摘するところです。その一例として、これも以前紹介した3Bブロックの意見書をあげておきます。

Tuesday, August 23, 2011

東日本入管センター収容者33名がハンストを開始

  8月22日(月)の朝から、東日本入管センター(茨城県牛久市)の収容者たちがハンガーストライキをおこなっています。ハンストに参加しているのは、同センター7Aブロックの収容者全員、合計で33人です。参加者の国籍は13国、その内訳は、スリランカ6名、ペルー6名、フィリピン5名、イラン4名、トルコ3名、タイ2名、モンゴル、ブラジル、バングラデシュ、カンボジア、中国、ベトナム、香港各1名です。
  これまでも、各地の入管収容施設では、入管側の人権をかえりみない不当なあつかいにたいし、収容者たちがハンストによって抗議することはありました。しかし、ブロックの全員が参加してのハンストというのは、きわめて異例のことです。それだけに、今回のハンスト参加者たちの怒りの強さを想像せずにはいられません。
  先日このブログでおしらせしたとおり、7Aブロックでは、8月上旬に法務省と東日本入管センター所長あてに連名で「嘆願書」を提出しております。


  「嘆願書」の要求項目をまとめると、以下のとおりです(詳細については、上のリンク先をごらんください)。

  • エアコンの温度設定をさげるか、窓をあけること
  • 食事の内容の改善
  • 病人を外部の病院につれていき、診療を受けさせること
  • 刑期終了者の不当な長期収容をやめること
  • 再収容者・長期収容者の早期仮放免
  • 仮放免保証金の減額

  こうした要求項目をみるだけで、収容者にたいする人権侵害の実態がいかにひどいものなのか、わかります。しかし、今回の7Aブロックのハンスト参加者が第一に要求しているのは、「嘆願書に回答すること」です。
  嘆願書にたいし、いまもって入管側からの回答はいっさいありません。入管は収容者のうったえを完全に無視しているわけです。これまでもお知らせしてきたとおり、東日本入管センターや東京入管の各ブロックでは、収容者自身が連名で処遇改善をもとめる嘆願書や意見書を出すうごきがありました。ところが、入管側はこれらの嘆願書・意見書にたいし、なんら回答をしていません。
  食事や医療、再収容・長期収容といった問題もさることながら、7Aブロックの収容者が今回ハンストにふみきったもっとも大きな要因は、「要求に回答すらしない」という入管側の姿勢です。こういった姿勢に、外国人を対等な人間とみなさない入管側の差別体質があらわれているからです。
  わたしたち「仮放免者の会」は、東日本入管センター所長が、7Aブロックをはじめとする収容者たちの嘆願書・意見書等に誠意をもって回答することをもとめます。
  また、この記事をお読みになったみなさまに、東日本入管センターへの抗議を呼びかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  あたらしい動きがありましたら、またこのブログで報告いたします。今後も7Aブロックのたたかいへのご注目のほど、よろしくお願いいたします。

Sunday, August 21, 2011

7A BLOCK収容者の嘆願書――東日本入管センター

  東日本入管センター7A BLOCKの収容者の嘆願書を公開します。画像の下につけたテキスト・データは、じゃっかん表記をあらためたところがあります。
  嘆願書は、8月上旬に法務省と東日本入管センター所長あてで提出されました。入管側の誠実な回答をもとめます。
  この記事の末尾に、嘆願書にかんして解説めいた文章をつけました。よろしければ、そちらもあわせてお読みください。

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【画像はクリックするとおおきくなります】
 



法務省
東日本入国管理センター所長様

7A BLOCKの収容者の嘆願書

  7A BLOCKでは、難民申請者、日系人、日本人の配偶者、家族の生活など、様様な理由はあっても、収容されているわたしたちのことを考えてみませんか。
  今外はとても暑いので東日本入国管理センター中にあるエアコンの温度は上っていますので、昼は窓も閉まっています。今の状況には暑くるしく、たおれた人もいましたので、エアコンの温度は下げて下さい。窓を開けて下さい。よろしくお願いします。
  収容中一年以上の人はたくさいんいますし、再収容者は一回目と二回目2年6ヶ月以上東日本入国管理センター内での生活をしていますが、その間一度も食事を変えたことがないのです。いつも同じ食べものばかりなので食事の類を変えて下さい。よろしくお願いします。
  東日本入国管理センターでは、収容中病気にかかっている人はたくさんいます。いくら診察お願いしても、診察を受けないです。収容中は痛みのがまん出来なくストレスにかかって自殺した人もいましたし、自殺ミスイの人もいました。病人は外の病院に連れて行って下さい。よろしくお願いします。
  7A BLOCKでは刑期終了収容者が多いのです。折角刑期は終了しじゅうぶん反省しているのに東日本入国管理センターは同じ刑のこと考え、刑期終了者について長期収容するようにしています。東日本入国管理センターは入管法より刑法のことを考えることで、刑期終了者は東日本入国管理センター内で自殺した人もいました。刑期終了者は早めに外に出せるようによろしくお願いします。
  再収容者は東日本入国管理センターでは、2年6ヶ月以上収容生活した今も何時まで収容されているかまだ分からないままです。本国に帰国することが出来ない理由は申し立てているのに再収容しています。一回め収容は何だっだでしょうか。再収容者は東日本入国管理センター内でもっとも長い再収容者の仮放免許可を認めるようにお願いします。
 仮放免の許可されても保証金は高すぎて外に出られなくこまった人はいます。保証人と保証金とは二の保障なのでどっちかにもないし、保証金をこまっていることについても本人から仮放免担当様あてに説明しても、保証金はやすくしてないので、収容生活はもっと長くなってストレスなどの病気にかかっていいますので、保証金をやすくして下さい。よろしくお願いします。
7A BLOCKの収容中のみな様より
以上


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【解説めいた文章】
  昨年5月の東日本入管センター収容者によるハンガーストライキ、その後、仮放免で外に出たハンストの参加者たちが中心となっての「仮放免者の会」結成(同年10月)をへて、関東でも、収容者および仮放免者どうしの連帯・相互支援の輪は、しだいに大きく、また強くなってきました。
  昨年のハンストと「仮放免者の会」結成は、在留許可をもたないひとたち自身が、国籍や立場のちがいをこえて連帯をつくりあげていった点で画期的なものでした。ただ、当初は、中心となって運動をひっぱっていた難民申請者の存在感が色濃く出たものではありました。たとえば、5月のハンスト参加者たちの声明には、つぎのように書かれています。

  わたしたちが日本にやって来たのは、出身国での迫害から逃れるためです。ところが、難民資格を申請中であるにもかかわらず、わたしたちは入管に収容されてしまいました。そしてこの施設では適正な扱いを受けていません。

  実際には、このハンストに難民申請者ではないひとも参加していましたし、この声明文自体、いわゆる「難民」ではない日系ブラジル人の刑期終了者が自殺に追いこまれたことにもふれています。しかし、この昨年5月の声明文が、難民申請者の視点がつよく反映されたものであることは否定できません。
  これにたいし、上で紹介した「7A BLOCKの収容者の嘆願書」が特徴的なのは、「難民申請者、日系人、日本人の配偶者、家族の生活など、様様な理由」をかかえて「収容されているわたしたち」というふうに、難民申請者にとどまらない立場をこえた連帯が明確かつ意識的に表現されていることです。
  さらに、「7A BLOCKの収容者の嘆願書」は、「刑期終了者」が入管収容所でうけている不当な仕打ち(他の収容者よりも収容が長期化していること)についても、問題化しています。入管収容施設には、刑事事件(多くは薬物使用)を起こして、在留資格を取り消されたひとも収容されています。
  しかし、すでに刑務所での刑期を終えたひとに対し、収容によって自由をうばい、退去強制を命じるのは、あきらかに不当です。まず、日本国籍者ならば、刑事事件をおかしたからといって、日本から追放されることもなければ、刑期を終えたあとに無期限に収容されることも、当然ながらありません。外国人の場合のみ、こういった処置を受けるのですから、これは外国人差別・国籍差別にほかなりません。
  また、入管には、懲罰・刑事罰をあたえる権限を法的にみとめられていません。入管法上の「収容」とは、「退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで、その者を入国者収容所、収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができる」と規定されるものにすぎません(「出入国管理及び難民認定法」第52条5)。つまり、入管は、国外への送還の手続き・準備のために収容をみとめられているにすぎません。ところが、刑事事件をおこした外国人たいし、入管は特別に収容を長びかせる処置をとっております。これは、入管が、懲罰機関でもないにもかかわらず、犯罪をおかしたひと、しかもすでに刑期をつとめあげたひとにたいし、事実上の二重三重の懲罰を勝手にくわえているようなものです。
  もちろん、刑事事件をおかしたひとであるかどうかにかかわらず、「嘆願書」で指摘されているような劣悪な処遇によって収容者を身体的・精神的に追いこむのは、先述の入管法上の「収容」の位置づけからみて、入管の権限をこえた越権行為であるのは言うまでもありません。すべての被収容者が、基本的人権の観点から不当であるのみならず、入管法からみても違法なあつかいを受けています。
  「嘆願書」は、「刑期終了者」もふくめたさまざまな立場をこえ、被収容者すべての問題として、入管による人権侵害を指摘し、改善をもとめています。こういった連帯は、7Bブロックにとどまらず、東日本入管センターの他のブロックや、東京入管の各ブロック、さらに仮放免で外に出ているひとたちのあいだでも、いま形づくられつつあります。
  私たち「仮放免者の会」に、Eさんというナイジェリア人リーダーがいます。彼女は、収容されるまえから、被収容者たちに面会し、支援する活動をおこなってきました。東日本入管センターに収容されているいまも、他の収容者に助言し励ましたり、精力的に支援をおこなっています。
  Eさんが面会時にくりかえし語っていたのは、「難民もオーバーステイのひとも、日本人と結婚しているひとも、みんなおなじ外国人だ」ということです。彼女が指摘しているのは、日本人と外国人のあいだに差別があるだけではなく、「おなじ外国人」のあいだに差別と分断の線が現にひかれているということ、外国人の運動は外国人差別とのたたかいであると同時に、「外国人」のあいだの差別と分断をも のりこえていくものでなければならない、ということだと思います。
  このようにして、収容中および仮放免中の在留資格をもたないひとたちが、おたがいの出会いと議論をとおして、強力な連帯と相互支援の輪をつくりだしつつあります。ご注目とご支援のほど、よろしくお願いいたします。