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Thursday, July 14, 2011

東京入管職員による集団暴行事件

  東京入管で、職員による集団暴行事件がおこりました。被害者は、難民申請者でコロンビア人のミルトンさんです。ミルトンさんは、暴行事件の直後に品川の東京入国管理局から茨城県の東日本入国管理センターに移送され、現在も収容されています。
  15人ほどの職員が、まったく無抵抗でいっさい手をあげることのなかったミルトンさんに一方的に暴行をはたらいたことについては、目撃していた複数の収容者の証言もあります。
  入管の収容施設では、この事件のほかにも職員による暴力事件はしばしば発生していると推測されます。しかし、入管は閉ざされた組織であり、収容所内でなにがおこっているのかを外部のわたしたちたちが知る手段は限られています。面会をつうじて収容者から情報をえるほかないのが現状です。隠蔽されている暴力事件はこの件のほかにも数知れずあるのだろうと考えざるをえません。
  今回のミルトンさんへの暴行事件においては、目撃者によると、職員のひとりが暴行の様子をビデオカメラで撮影していたとのことです。東京入国管理局が、職員による暴行があった事実を認識しているのは確実です。東京入国管理局およびこれを監督する法務省入国管理局は最低限、(1)事実関係を調査すること、(2)暴行に加担した職員と責任者に厳正な処分をくだすこと、(3)調査して明らかになった事実の詳細と処分内容をミルトンさんに文書で説明すること、(4)ミルトンさんに誠実に文書で謝罪することの4点をすべきです。
  以下、この事件について、収容者からあずかった2つの文書を公開します。
  ひとつは、被害者のミルトンさんが、自身が受けた暴行による負傷について、事件直後に作成したメモの画像です。入管は、収容者がカメラや携帯電話を所持することすら禁止しています。また、面会におとずれた支援者が写真を撮影することも禁止しています。したがって、収容者は自分自身が受けた被害について証拠をのこす手段すら不当に制限されているのです。
  いまひとつは、ミルトンさんとおなじブロックに収容されている、鈴木啓三ロベルトさんによる、ミルトンさんからの聞き書きの記録です。鈴木さんは、ミルトンさんから事件とその後の経過についての母語(スペイン語)での聞きとりをおこない、その内容を日本語でまとめたものを、面会におとずれたわたしたちに託してくださいました。
  なお、鈴木さんについては、以前、このブログで紹介したことがあります。鈴木さんが書いた入管批判の文書を公開してありますので、そちらもごらんください。

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【ミルトンさんのメモ】(クリックするとおおきくなります)


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意見書
外国人人権保護団体
PRAJ: 団体長殿
SYI: 団体長殿

  先ず意見書をインターネット上に、情報公開して下さった皆様に心から御礼と感謝の意を申し上げたいと存じます。誠に有り難うございました。
  皆様の御陰で多くの人間が入管の本質と実態を知り得た事と存じます。その結果、我々外国人の理解者が一層増す事を心から願って居ます。
  私はこちら東日本入管に移動させられて数週間経ちますが、その間、耳を疑う話ばかり聞いて来ました。
  その一人はコロンビア国籍、MILTON CESAR TAPIAS GUTIERREZさんのお話でございます。本人の承諾を得て、彼が話した事を有りの儘、書き綴りたいと存じます。

  私は MILTON CESAR TAPIAS GUTIERREZ と申します。私は2011年1月21日、東京入管に再収容された者です。仮放免申請の結果を待って居りましたが、併し2011年4月20日理由がない旨の不許可通知を午後4:00頃、担当官から手渡されました。
  私と致しましては、自分と同ケースの人達が仮放免許可となって居り、自分も許可されるものと思って居りました。併し結果は不許可でした。私は誠に信じられませんでした。
  私はその理由を尋ねましたが、理由が無いと、返答されただけでした。私は納得出来なかったので担当官に保証人にはその旨を伝えましたかと尋ねましたが、担当官は文書を郵送すると、単調な口調で返事し、退室して行きました。
  間もなくしてチケット担当官が入室し問答無用に、君は明日茨城に行きますと言ったのです。私は質問をまだ答えて頂いて無かったので納得する事がどうしても出来ませんでした。
  私は不許可となった理由を聞くまでは茨城には行きたくありません と 担当官に申し出ましたところ、チケット担当職員は凄い剣幕で怒鳴って来ました。私の事など犬以下の扱いでした。
  チケット担当の言葉は次の通りです。

  ――これは東京入管の決定だ! 異議は受け入れない!

  大声で威嚇し、有無を言わさず、問答無用に退室を余儀なく強いられました。私は最後まで上級担当との話し合いを願い出ましたが、頑なに拒否され、已むを得ず部屋に戻りました。
  無論それは強制的に近い状態でした。入管は我々外国人と対話する気持ちなど全く持って居りません。極論、日本政府入管は難民の人々の受け入れを頑なに拒んで居るのです。又、それだけでなく不当な扱いをして居るのです。私は暴行に近い扱いをされました。これから私に起きた事を話したいと存じます。

 2011年4月21日 午前7:00頃、自分の扉の前に職員がやって来ました。そして今日の午前8:00頃 茨城に行きますので準備して下さい、職員はそう言って、どこかへ立ち去ろうとしました。併し私は仮放免不許可の理由を聞かされて居なかったので職員を引き止め、不許可の理由を聞くまでは茨城に行きたく無い旨を職員に伝えました。
  職員は、これは東京入管の決定だ、異議は受け入れないと言ったので、私は、では上級階級担当と話し合いをさせて下さいと申し出ましたが、今はボスが居ないのでそれは出来ないと職員が言ったのです。
  私はどうしても納得で出来なかったので、何度も職員に申し出ましたが、職員は、それは出来ないの一点張りでした。
  私は職員に対し、詳細な理由と鼻の治療の引き継ぎをして頂きたいだけです、ですからボスと話をさせて下さいと言いました。
  併し職員はその願いさえも聞いてはくれませんでした。一方では職員は自分の部屋の扉の前で「大丈夫だ、あなたのレポートは茨城入管の方へ引き継がれる」と繰り返し言うだけでした。
  私は、そこまで言うのなら書面でそれを約束して下さいと頼みましたが、職員は、それも出来ないと繰り返し言うだけでした。
  この交渉は1時間ぐらい続きました。そしてその時でした。

  午前8:10頃、突然 扉が開けられ、大勢の職員等が雪崩の様に入って来ました。その数15人ぐらいでした。
  私は自分の身を守る為に抵抗しましたが、私は決して暴力を振るって居りません。
  併し職員等は私を拘束しようとして自分の腕をねじるように掴み、私は今までに無い痛みを感じました。それから私は全身から力が脱けたと同時に後ろ手錠をはめられました。
  彼らは無抵抗になった私に対して、容赦なく頭を掴み、床に押さえつけたのです。更に頸部を掴み押さえ込んで来ました。
  私は痛いと大声で叫びましたが、職員等は私を解放する事はありませんでした。私は痛いと叫び続けましたが、解放される事はなかったのです。
  彼等は私を後ろ手錠の状態で下の階へ連行して行きました。自分はその時、全身痣だらけになって居りました。顔面の顎また額の右側が赤く擦り剥いて居りました。更に腕、頸部、脚、膝、手首が赤く擦り剥いて居り、非常に痛かったたです。特に頸部は今現在も痛みます。
  私は何故この様な暴行とも言える行為を受けなければならないのか、誠に遺憾に存じます。
  私は下の階で前手錠にさせられ椅子に腰を掛けさせられました。そして有無を言わせず、あなたはこれから茨城に行きますと素っ気なく言うだけでした。
  彼らは私が大変苦しいにも拘わらず、何の対応もして頂けませんでした。ただひたすら私を茨城に連行する事を考えて居ただけでした。
  私は職員に対して、局長に手紙を渡してほしいと申し出ましたが、彼らはそれを受け取ろうとはしませんでした。そこで私は強い口調で、この手紙を局長に渡して頂けるならば、私はこのまま茨城に黙って行きますと言いました。
  それでやっと自分の手紙を受け取ってくれたのです。今思えば私を宥める為だけに、あの手紙を受け取ったと思って居ります。
  手紙の中身は現在の自分の心境と鼻の治療をしっかり引き継ぐよう茨城入管に伝えてほしい旨が書いて有っただけです。
  彼らは手紙を受け取ったのですが、その後の手紙の所在が定かではありません。何故なら未だに何の返答もないからです。
  また、東京入管の職員等の言葉は全てが全くの嘘でした。私はこちら東日本入管に着いてから何の治療も受けて居りません。全てがまやかしでした。誠に許せません。今は鼻アレルギー用の薬を服用して居るだけです。
  私がこちらに強制的に連れて来られた火、4月21日、身体中が痣だらけで、頸部に激痛が有りました。後頭部には大きな瘤ができて居りました。あまりに酷い状態だったので、次の日の4月22日、こちらの職員が証拠写真を撮って頂きました。その後、看護師がやって来ましたが、彼女は診療もせずに、これぐらい大丈夫です、5月10日まで我慢をして下さいと言うなり立ち去りました。何が大丈夫なのか、理解する事はどうしても出来ませんでした。
  私は誠に苦しかったにも拘わらず何もしてくれませんでした。私はその時は苦しくて誠に耐え難かったです。看護師が取った行動は誠に理解できず、遺憾と思うと同時に憤りを感じられずには居られません。
  先月から私は情報開示請求をしました。5月12日から今現在6月27日にやっとその日の証拠とも言える写真が手元に届きました。
  全てではありませんが、入管が私に行った事の真実を少し垣間見る事が出来ると信じて居ります。
  猶、全て真実である。


  以上MILTONさんのお話でした。私はこの話を聞いて憤りを感じました。誠に遺憾であり、到底許される行為では無いと存じます。
  犯罪者でも無い人間にここまでやるのは明らかに暴行であり、人権侵害であると存じます。人間の自尊心の冒涜であり、誠に許し難い事実であると存じます。
  仮にも日本政府法務省の職員がこの様な事をやって良いものだろうか。私はそうは思えません。
  誰だろうと暴力を振るう権利は無いものと存じます。この様な事が然も入管のなかで起きてしまった事は誠に残念で遺憾であります。
  私はこの様な悲惨な事が二度と起こらぬ様に心から願って居ります。何故ならばこれは明らかな暴行事件と思って居るからでございます。
以上

2011年6月30日

                                                        収容者: 鈴木啓三ロベルト
                                                                  : MILTON CESAR TAPIAS GUTIERREZ
                                                        Jailed: ROBERTO KEIZO SUZUKI
                                                                : MILTON CESAR TAPIAS GUTIERREZ

4 comments:

  1. 日本の入管は、日本の役所で態度一番悪い、役所で一番ルールを守らないです。決めたルールは一方的でいくらでも外国人を裁けるようにし、やり放題です。ホントは世界の窓口のでしっかりするべきなのに・・・・最近平気にいろんな申請期間を長くし、3か月6カ月一年外国人の申請者を待たせるなんか酷いよ。人権侵害、或いは人種差別だよ。もし日本人が他の国でこんなことされたらキット嫌でしょう?

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    1. まったくおっしゃるとおりだと思います。
      とくに「決めたルールは一方的でいくらでも外国人を裁けるようにし、やり放題」というのは、そうですよね。たとえば、ふつうに生活している人を、裁判所の許可もなしに つかまえて収容施設にとじこめるなんて、むちゃくちゃだし、そのムチャクチャが入管法でみとめられているのも、ひどいと思います。
      入管職員の態度のわるさも、ひどいですね。アジアやアフリカの外国人にたいする差別意識をまるだしにしている職員が多すぎます。

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  2. hello
    thanks a lot for share this

    http://mehdim.blog.ir/

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