PRAJ (Provisional Release Association in Japan): Who We Are
in English
日本語(漢字かなまじり)
にほんご(ひらがな・カタカナ)


関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

http://praj-praj.blogspot.jp/2013/12/blog-post.html


仮放免者の会 ホームページ

Tuesday, April 20, 2021

【名古屋入管死亡事件 緊急抗議集会】(4月21日 18:30 ZOOMにて)

 

 3月6日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなりました。


 生前に面会していた支援団体STARTによると、彼女は体重減少と衰弱が顕著で本人および支援者が再三もとめたにもかかわらず、入管は応急的な治療さえおこないませんでした。また、事件後、入管はいまだに死因すら発表せず、遺族にも納得のいく説明をしていません。国会では入管法改定の審議が始まっていますが、人の命がうばわれる事件をうやむやにしたまま法案を成立させることはゆるされません。


 つきまして、東海地方にて入管被収容者や仮放免者の支援をおこなってきたSTARTなどの主催で、以下のとおり抗議集会をおこないます。


 開催直前でのお知らせになってしまいましたが、ご都合のつくかたはぜひご参加ください。




名古屋入管死亡事件 緊急抗議集会

日時 2021年4月21日(水)18:30~ 

@Zoomにて開催

Zoomでの参加を希望される方は、下記主催団体または仮放免者の会にお名前を記してお申し込みください。Zoom参加に必要なURL等を返信にて送ります。


仮放免者の会

 メール: junkie_slip999☆yahoo.co.jp (☆をアットマーク(@)にかえてください)


@名古屋で会場も設けます。

名古屋会場:名古屋西生涯学習センター

住所: 451-0061名古屋市西区浄心一丁目1-45

https://www.suisin.city.nagoya.jp/system/institution/index.cgi?action=inst_view&inst_key=1164770187


内容: 

STARTからの現場報告

ウィシュマさん友人(幼なじみ)の発言

各団体からの発言

 真相究明及び再発防止を徹底せず法案成立は許さない、という支援者の意志を示す。


主催: BOND, START, TRY

協賛: 仮放免者の会 協賛団体募集中



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


関連


Tuesday, March 30, 2021

【解説動画を公開しました】政府の入管法改定案の問題

 





 政府がいまの国会に提出している入管法の改定案。その問題について解説した動画を以下に公開しております。

 この動画では、つぎのような問いについて、私たちの考えを述べています。


  • 政府の法案のどこに問題があるのか?
  • 入管施設ではなぜ外国人への虐待、人権侵害事件があとをたたないのか?
  • なぜ長期収容が起きるのか?
  • 一部の報道では、この法改定によって長期収容が解消されるとか、あるいは難民申請者が今より保護されるようになるとか言われているが、ほんとうか?
  • どうしたら長期収容問題を解決できるのか?


 私たちは、現政権が提案しているかたちで入管法を変えることは、長期収容問題を解決することにまったくつながらないばかりか、よりいっそう深刻な人権侵害をもたらすと考えています。また、そもそも政府のこの入管法改定のくわだてが、長期収容問題の解決を意図したものではないということも、動画で解説しております。30分近いすこし長い動画ですが、ぜひごらんください。




 長期収容問題を解決するために、かならずしも法改正は必要ありません。法律を変えなくても、いますぐできること、いますぐやるべきことがあります。「帰国」できない人に対し、難民認定や在留特別許可によって在留資格を出すことです。これは現行の入管法の枠内でもできることであり、緊急に必要なことでもあります。


 入管法改悪反対、そして仮放免らに在留資格を政府・入管が認めるよう、声をあげていきましょう。以下のサイトで署名も呼びかけられています。


【移民・難民とその家族に在留資格を求める署名】日本で生きる!移民・難民とその家族に日本で暮らすための在留資格を認めてください!

【入管法改悪に反対する署名】入管法を改悪しないでください! “Open the Gate for All” ―移民・難民の排除ではなく共生を

【入管法改悪に反対する署名】難民を「犯罪者」にする「入管法改定案」の廃案を求めます!




主な参考文献・サイト


  • みなみ ななみ(著, イラスト)/「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会 (編集)『まんが クラスメイトは外国人 -多文化共生20の物語』明石書店、2009年
  • 望月優大『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』講談社現代新書、2019年
  • 平野雄吾『ルポ 入管 ――絶望の外国人収容施設』ちくま新書、 2020年
  • 指宿昭一『使い捨て外国人―人権なき移民国家、日本』朝陽会、2020年

Wednesday, February 24, 2021

東京入管収容場でのクラスター発生に関し、申し入れをおこないました



東京入管で新型コロナウイルスの集団感染が起きています。



 こうした事態は、コロナ感染の脅威があきらかになった昨年から、東京入管はじめ入管施設に収容されている当事者たちはもちろん、その支援者らもくりかえし危惧を表明し、被収容者の解放などの対策を徹底するよう求めてきました。私たちも、昨年4月30日に入管庁に対し、以下の申し入れをおこないました。



 にもかかわらず、東京入管が被収容者数130人のうち39人(30%)の感染者を出したことは、入管庁および東京入管の責任がきわめて大きいと言わざるをえません。


 仮放免者の会(関東)およびBOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)は、19日(金)に東京入管に対し、申し入れをおこないました。申し入れは、感染者および感染の疑いのある被収容者について、入院ふくめた治療の措置をおこなうこと、PCR検査にもとづき陰性者を全員収容を解くこと、陽性者についても完治ししだい全員収容を解くことを求めました。


 以下、申入書と資料として添付した昨年4月の申入書を掲載します。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


申入書

2021年2月19日

東京出入国在留管理局

局長  福山 宏 殿

仮放免者の会(関東)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

 

貴局収容場において新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生していることについて、以下の通り申入れます。

 

一、貴職は速やかに感染者及び感染の疑いのある者について、本庁が取りまとめている「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」に基づいて、医師、保健所の判断のもと、適切に入院、治療の措置を責任をもって確実に行うことを求める。

二、PCR検査の結果を踏まえ、陰性者については、貴局収容場での更なる感染拡大を防ぐため容態観察ののち、速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。なお、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。

 

申入れの理由

我々支援者は、昨年4月30日付本庁宛申入書(添付資料)でも強く求めたように、新型コロナウイルス感染症の感染者が拡大する中で、疾患を抱える者も多くいる貴局収容場での感染拡大を大変危惧し、被収容者の生命と健康を守ることを第一優先とし、被収容者全員の仮放免を求めてきた。今回、最悪の形で危惧していた状況が起きたことは、重大な問題である。

更に言えば、昨年、貴局収容場で感染者が出た際、感染経路は不明であった。つまり、貴職には感染経路を解明する能力がないということが明らかとなっている。今回起きた事態に対し、貴職は責任を持って対処に当たらなければならず、何よりも人命を守ることを最優先に考えるべきである。被収容者の生命と健康を軽視し、蔑ろにするようなことは決して許されない。

これ以上の感染拡大を防ぐため、貴局収容場の被収容者全員を、陰性者については容態観察ののち速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免すること、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを強く求める。

 

以 上



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

添付資料

申入書

2020年4月30日

出入国在留管理庁

 佐々木 聖子 長官殿

 

 以下につき申入れます。

一、貴庁の収容場、及び収容所(各センター)の被収容者全員を直ちに仮放免、もしくは在留資格を付与して放免すること。

二、退去強制手続き中につき、在留特別許可を求めるものには全て在留特別許可を付与すること。及び退去強制令書が発付されている全ての仮放免者に1年以上の在留資格を付与すること。

 

 申入れの理由について

(1)貴庁の収容場、及び収容所(東日本入国管理センター、大村入国管理センター)の被収容者は、お互い濃厚接触が避けられない環境で換気の悪い密閉施設に拘禁されている。しかも、被収容者は十分な医療を受けられず、油物を中心とする栄養バランスの悪い支給食等の劣悪な処遇下にある。このような処遇下において、人間の時間的空間的感覚を奪う密閉施設に長期間収容され、心身ともに疲弊し、多くの被収容者はうつ病を患い薬漬け状態にある。さらに、高血圧症、糖尿病、心臓疾患、呼吸器疾患等の基礎疾患を有する被収容者も多数いる。

 このような貴庁の収容施設での被収容者の新型コロナウイルス患者の発生は、集団感染と重症化を引き起こし、多くの犠牲者が出るのは目に見えて明らかである。それゆえ被収容者の中に、新型コロナウイルスの感染者を発生させることは、絶対避けなければならない。

 摘発、再収容を止めている現在において、被収容者への感染源となるのは、主に貴庁職員(主に処遇部門の職員)、ガードマン、支給食業者などとなるが、これら職員等に対し、PCR検査を行っていない。仮にPCR検査をして陰性だったとしても次の日に感染することもあり得る。しかも感染を恐れ職員との社会的距離を求める被収容者の部屋の中に職員が入ってきて毎日点呼をする、大阪入管においては支援者の要請を無視し、大阪入管局長判断として被収容者と職員が三密状態で面会するよう職権を用いて強要する(4月27日からは弁護士・領事以外は面会禁止となる)、さらには制裁目的の隔離処分をした際には、多数の職員が被収容者と濃厚接触して連行するなど、被収容者を感染から防御する措置を行おうという意志も行動も貴庁には感じられない。

 こうした貴庁のずさんな対応に対し、すでに多くの被収容者から不安や貴庁に対する抗議の声が支援者に寄せられている。

 私たちは非常に憂慮している。貴庁収容施設内において新型コロナウイルスの感染が拡大してからでは遅い。被収容者の人命を守るためにも直ちに仮放免、あるいは在留資格を付与して放免する措置を講じることを強く求める。

(2)仮放免者は、働く権利を奪われ、健康保険等の社会保障制度から排除されている。生存権を奪われた仮放免状態で新型コロナウイルスが蔓延する危機が進行する社会に放置しておくことは人道上許されるものではない。緊急避難措置として、全ての仮放免者に対し、1年以上の在留資格を付与することを求める。その中において、帰国希望以外のものには、在留特別許可の基準を大胆に緩和し、永続的に日本在留を認めるよう求める。

 貴庁は、2016年4月ころから退令仮放免者を減らすという方針のもとに、極力仮放免しない方針に転換し、その一方で在留特別許可の基準を厳しくし、帰国忌避者を増大させた。その結果、長期被収容者が激増し、被収容者と貴庁職員との対立を増長させ、収容場、収容所においては数々の職員による暴行事件を多発させた。大村入国管理センターにおいては、仮放免を求めて完全絶食をするナイジェリア人を外部病院に搬送することなく、餓死させる事件も起こした。

 また、この間、日本国籍者や在留資格を有する幼い子どもからも親を奪い再収容した。貴庁がこの間やってきたことは、①仮放免しない、②仮放免者を再収容する、③在留特別許可の基準を厳しくし在留特別許可件数を激減させる、③難民在特を激減させることである。こうして以前なら在留特別許可を得て救済されていた人さえ、新型コロナウイルスが蔓延しつつある日本社会に、在留資格のないまま(働くことも健康保険に加入することもできないまま)放置されている。

 公衆衛生の危機のさなかに、仮放免者を放置すべきではない。日本人配偶者、永住者・定住者の在留資格のある配偶者、日本に子どもや家族がいる仮放免者、難民申請者、日本に生活基盤のある長期滞在の仮放免者などについては在留特別許可を大胆に緩和し、在留資格を付与し救済するよう求める。また帰国希望であっても新型コロナウイルスによって帰国できないものは、帰国できるまでの間、特定活動の在留資格を付与し、救済するよう求める。

以 上

全国仮放免者の会

WITH(西日本入管センターを考える会)

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

START(外国人労働者・難民と共に歩む会)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



関連ページ

東京出入国在留管理局収容施設における新型コロナウイルス感染の状況 | 出入国在留管理庁

東京出入国在留管理局の収容場における新型コロナウイルスのクラスター発生に対し申入れを行いました | BOND~外国人労働者・難民とともに歩む会~(2021.02.23 17:03)


Sunday, February 14, 2021

東京入管に収容されているミャンマー人の手紙


 東京入管に収容されているミャンマー国籍の方おふたりから、3通の手紙のコピーをあずかりました。インターネットで公開してもよいとの承諾をいただいたので、ここに掲載します(執筆者おふたりの名前や個人を特定できる記述はマスキングしております)。












 3通の手紙は、それぞれ日本の外務省、法務省、駐日ミャンマー大使館におふたりが連名で送ったものです。


 外務省・法務省あての手紙は、クーデターをおこなった軍に対して日本政府と日本の国民が圧力をかけるよう要請しています。また、入管に収容されている人もふくめ、日本にいるミャンマー出身の難民たちを助けてほしいと求めています。


 手紙の送り主の2名は、2月8日から10日までの3日間、収容されている東京入管にてハンガーストライキをおこないました。


 ハンストの目的は、ミャンマーでの軍によるクーデターの動きに抗議し、外で抗議活動しているミャンマー人たちへの連帯の意思表示をおこなうことだとのことです。あわせて、今回のクーデターであきらかになったように、難民申請している自分たちはいよいよ帰国できる状況ではないので、仮放免を許可し、難民として認めるようアピールすることも、ハンストの目的であるとのことでした。


 2名のミャンマー国籍の被収容者は、14日(日曜)20:30からの24時間、おなじ趣旨で2度目のハンストをするとのことです。


 報道等からも、ミャンマーの現状が、難民として保護を求めている人を送還してよい状況ではないことは、火を見るよりもあきらかです。入管が、こうした人たちを退去強制の対象者として収容しつづけることは、とうてい許されないことです。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【外務省・法務省あての手紙の文面】

日本政府の日本の国民皆様に心から助けを求めるのお手紙です。


1.現在ミャンマー国内に起こした軍のクーデターに関してアウン・サン・スーチ氏と一緒に拘束されたほかの国民の解放のために日本の政府からミャンマーの軍人に強く圧力をするようにお願いをいたします。


2.1962年から今の時代までミャンマー国内、国外から軍人政権に抗議してました。軍人政権を限定されるように頑張りました国民や政治活動家、軍隊に暴力受けた少数民族(Ka chin, Ka yin, Rohingya...)迫害されてることなどに助けをよろしくお願いいたします。


3.2020年11月にミャンマー国内に行った総選挙の結果をミャンマーの軍人は認めるように強く圧力をするようにお願いをいたします。


4.日本の助けを待っていました日本国内に居る苦しんでいるミャンマーの難民たち、ミャンマーの軍人とさまざまなトラブルに巻き込で[巻き込まれて]国に帰れないから入管に収容されていました私難民たちにもお助けを求めます。助けてください。


ほんとにこころからお助けを求めてございます。


よろしくおねがいいたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Thursday, December 17, 2020

長期収容問題と勤務医の不適切な言動について(12月3日、東日本入管センターに申し入れ)

  12月3日(木)、東日本入国管理センターに口頭での申し入れをおこないました。


 前回記事で述べたように、コロナ禍にあっても、長期収容問題は改善されずに残っています。


いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年12月13日)


 あとで述べるように、この長期収容にかかわる2点のほか、センターの勤務医の問題についても申し入れました。被収容者たちから面会などを通じて、勤務医がの不適切な言動が多数報告されています。これらについて、抗議するとともに、入管として勤務医を適切に監督・指導するよう申し入れました。


 申し入れ内容は、以下のとおりです。



(1)11月6日に早期仮放免を申し入れた3名について

 前回11月6日の申し入れでは、拒食状態にある4名の被収容者について、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めていました(→参照)。このうち1名はすでに仮放免されましたが、他の3名は依然として収容が継続しており、心身の状態が悪いことから、前回に引き続き、早期仮放免するよう申し入れました。



(2)自殺未遂をした被収容者について

 11月の下旬に40歳代の被収容者(「Kさん」とします)が自殺をはかりました。Kさん本人に面会して話を聞いたところでは、睡眠薬や痛み止めなどの処方薬が停止されて不眠が続き、イライラもひどく、精神的に限界だと感じて自殺しようとしたとのことです。睡眠薬等が停止されたのは、10月中旬です。このときKさんは極度の食欲不振のため拒食状態にあり、勤務医が食事をとらずに薬を飲むと胃が荒れるからと言って処方をとめたということです。


 Kさんに限らず、入管施設では、近年の収容長期化傾向のなかで、睡眠薬や精神安定剤のかなり強いものが処方されている被収容者が多くなっています。長期間の拘禁のなかで強い精神的なストレスや不安をかかえ、本来は収容に耐えられないような状態の人を、無理に収容しているということ。そうした無理な長期収容を、入管は薬物の力を使っておこなっているということではないのでしょうか。


 すくなくともKさんについては、睡眠薬が服用できないことでイライラが高じて自殺未遂におよんでしまうような精神状態にあったのであり、そもそも収容にたえられる状態ではなかったことはあきらかです。したがって、Kさんの収容をこれ以上継続すべきではなく、早期に仮放免すべきだということを申し入れました。



(3)勤務医の言動について。

 勤務医の言動が医者のものとは思えないという訴えが、複数の被収容者から寄せられています。たとえば、ある人は診察中に「日本人の税金をあなたたちに使うのはムダ」という暴言をあびせられたと言います。


 また、ハンガーストライキをおこなっている、あるいは体調不良で拒食状態にある被収容者に対して、勤務医が懲罰的に処方薬を中止しているとみられる事例を、複数確認しています。たとえば、先述のKさんは、睡眠薬とともに、湿布(運動で負傷した足首に使用していた)や目薬も、医師の指示により止められています。睡眠薬については、Kさんが食事をとっていないという理由で処方中止することがありうるとしても、湿布・目薬を出すのをやめるのは不可解です。懲罰あるいはKさんに対する嫌がらせを目的にしているとしか考えられません。


 同様に、Mさんという別の被収容者は、それまで処方され服用していた19種類の薬が、7月におなじ勤務医の指示ですべて止められました。Mさんの持病である糖尿病や高血圧症、心臓の病気を治療するための薬もふくめてです。


 こうした勤務医の言動は、患者の健康上の利益を尊重するという医療従事者の倫理規範に反しており、こういった行為を改めるよう入管から指導・監督すべきです。なお、Mさんについては、糖尿病等の持病の投薬が4か月以上も停止しているという深刻な状況にあるので、べつの医師が診察するなどして、治療を再開するための措置を早期にとるよう申し入れました。


 東日本入管センターに申し入れた内容としては、以上です。


 再三指摘してきたことですが、問題の核心は、入管が「送還忌避者」と呼ぶところの人びとに対する帰国強要のために、長期の収容という手段をもちいているところにあります。とくに、2015年以降、入管はそれまでは例外的であった2年をこえるような超長期収容を常態化させ、「送還忌避者」に対するきわめて強硬な送還方針をとってきました。人間に対して長期間にわたり自由をうばい監禁しようとすれば、それだけ管理・統制を強めざるをえなくなります。それが、一方では、懲罰的な隔離処分や職員による「制圧」行為の増加となってあらわれ、他方では、睡眠薬や向精神薬を多くの被収容者が服用せざるをえないという状況としてあらわれているのです。医療従事者の倫理的荒廃も、おなじ要因によるものでしょう。


 問題の根幹は、帰るに帰れない事情をかかえる人びとに対して、長期収容で自由をうばい苦痛を与えることで帰国に追い込もうという入管のやり方であり、これをあらためることなしには、収容されている人の人権と生命を守ることはできません。




関連記事


Sunday, December 13, 2020

いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)

  全国の各入管収容施設は、3~5月ごろにかけて、仮放免許可を積極的に活用することで、多くの被収容者を出所させました。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、施設内の密集を回避するためです。東日本入管センターでも、昨年12月4日時点で252名だった被収容者数(入管庁発表)は、現在では100名程度まで減っているとみられます。


 しかし、以下の記事でも述べたように、6月以降、仮放免の拒否判断はふたたび厳格化され、超長期の被収容者の仮放免申請が不許可になるケースがあいついでいます。


東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年11月14日)


 こうして、被収容者数は全体として大きく減少したものの、収容長期化はますます進行しているというのが現状です。


 こうした状況のなかで、東日本入国管理センターの被収容者たちが連名での「嘆願書」を作成しています。「嘆願書」は、早期の仮放免や帰国できない事情のある者への在留資格の付与などを求めたもので、国会議員などに送付しているとのことです。当会としても、「嘆願書」作成者たちから、収容所内の、あるいは仮放免されている仲間たちのおかれている問題を日本社会の多くの人に知らせてほしいということで、これを公表するよう要請されました。


 以下に「嘆願書」の全文を掲載します。長期収容問題は過去の問題ではなく、いまも進行中の問題であることを多くの人に知ってほしいと思います。


 「嘆願書」の署名欄には、署名者65名の名前のほかに、各人の国籍、収容期間、日本在留期間が記されていました。このうち国籍、収容期間、在留期間を集計したものをこの記事の末尾に資料としてまとめました。約100名の東日本センター被収容者全体のデータではないですが、これらの資料をとおして、常軌を逸して収容が長期化した状況が現在も続いているということ、またそのような状況に置かれても送還を拒否せざるをえないのはどのような人たちなのかということが、ある程度想像できるのではないかと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


嘆願書


 茨城県牛久市の東日本入国管理センターに収容されている者を代表し、この嘆願書を書いています。


 長期の収容は心身にダメージを与え、仮放免後の後遺症が長く尾を引き、その後の人生にも大きく影響を及ぼす事になります。一日も早い仮放免が望まれます。

 また、仮放免後は仕事が禁止されていたり、移動の自由が制限されていたりと、人間として生きる権利が阻害されています。仕事をしなければ生きていく事は困難を極めます。

 我々は以下の事をお願い申し上げます。


  • 収容されている全ての人達の早期の仮放免を求めます。
  • 仮放免後は、自力で生活できる様、就労禁止という規則を撤廃し、仕事に就けるようにしてほしい。また、病気や怪我を負った時の為、医療保険に加入出来る様にしてほしい。
  • 日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人には在留資格を認めて欲しい。
  • 難民を含む、日本に庇護を求めて来た人、長年日本で生活している人や幼少期から日本で生活している人にも在留資格を認めてほしい。


以上です。


 どうか、我々にこの日本にもう一度住むチャンスを与えて下さる様、お願い申し上げます。


東日本入国管理センター収容者一同

令和2年12月1日


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





【資料】署名者65名の国籍、収容期間、日本在留期間

1.国籍

国籍

人数

スリランカ

8

ブラジル

7

ペルー

4

ナイジェリア

4

ミャンマー

4

バングラデシュ

3

イラン

3

  そのほかに、ラオス、パキスタン、フィリピン、ベトナム、中国、ギニア、ネパール、カメルーン、コンゴ、インドが各2名、タンザニア、インドネシア、ウガンダ、トルコ、カンボジア、セネガル、米国、台湾、リベリア、ボリビア、ケニア、ジャマイカが各1名です。




2.収容期間

















 収容期間が何か月になると「長期収容」と呼ぶべきなのか、明確な答えがあるわけではありません。しかし、被収容者当事者や支援者の多くは、6か月以上の収容を「長期収容」として問題視することでだいたい見解が一致します。私たちも、会を結成した2010年以来、6か月をこえる「長期収容」をやめるよう、入管にくりかえし申し入れ等をおこなってきました。収容期間が6か月ほどになれば、ほとんどの被収容者は拘禁反応を発症するのであり(もちろん、もっと早く発症する人もいます)、これをこえて収容を継続するのは人権・人道の点から許容できないからです。

 ところが、現状は、1年、2年をこえるような収容が常態化し、4年をこえるようなすさまじい収容期間であっても入管が仮放免を許可しないというケースもめずらしくなくなっています。東日本センターの現状については次回の記事で追って報告しますが、強力な睡眠薬や精神安定剤を処方され、それなしには過ごせないとか、あるいは、拘禁ストレスからくる高血圧症に苦しんでいて、処方された降圧剤を服用しても血圧が下がらないとか、あきらかに心身が収容にたえられない状態にある人が長期間にわたって収容されているのです。



3.日本在留期間

















 過酷な長期収容にあっても送還を拒否せざるをえない人たちのなかには、日本での在留歴の長い人が相当数いるということが、グラフからうかがえるのではないかと思います。国に帰るに帰れない事情は人によってそれぞれですが、長年日本で暮らしてきてこの地にすでに定着しているということも、帰国できない事情として深刻なものなのです。

 先にみた苛烈な長期収容の状況は、それぞれに帰れない事情のある人たちを帰国に追い込むための手段として、入管が戦略的・意図的につくりだしている状況です。嘆願書にあげられている「日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人」「難民を含む、日本に庇護を求めて来た人」「長年日本で生活している人」「幼少期から日本で生活している人」。こうした人たちを、出国に「同意」させるための手段として、「心身にダメージを与え」る長期収容がもちいられているのです。






Friday, November 20, 2020

【傍聴呼びかけ】11/25 ペルー人Bさんの国賠訴訟 第2回口頭弁論(大阪入管暴行事件)


 2017年におきた大阪入管職員による被収容者に対する2つの暴行事件。このうち、トルコ人Mさんが国に賠償を求めていた裁判は、9月29日に大阪地裁にて和解が成立しました。和解の条件は、大阪入管局長がMさんに謝罪し、同局に収容されている人の人権を尊重した処遇につとめることを確認すること、また国がMさんに和解金を支払うことなどです。


制圧行為による骨折等について入管が謝罪!再発防止も約束! - 暁法律事務所【大阪】(2020年10月2日)


 もうひとつの大阪入管での暴行事件は、Mさんの事件から5ヶ月後の2017年12月におきました。Bさん(ペルー国籍)が、大阪入管の職員たちから14時間以上にわたって後ろ手錠により拘束され、その間、トイレに行くことも食事をとることも許されず、また、後ろ手錠をつけた状態で右腕をねじりあげられ、骨折させられたという事件です。


 事件の詳細については、以下を参照してください。


大阪入管暴行事件で和解成立 / 大阪入管でのもうひとつの暴行事件裁判にも注目を! - 仮放免者の会(PRAJ)(2020年10月3日)


 この2つめの暴行事件は、被害者のBさんが国に賠償金の支払いを求める裁判が現在おこなわれています。提訴は今年の2月でしたが、新型コロナウイルスの影響で弁論が延期されており、先月の7日にようやく第1回の弁論がひらかれたところです。


 前回の弁論は、コロナ対策として14席に減らされた傍聴席が満席となり、法廷に入れないかたが数名いました。原告のBさん本人と、弁護団の大森景一弁護士による意見陳述がおこなわれました(意見陳述の全文は、この記事の末尾に掲載しております)。


 Bさんは、入管の職員たち自分を動物のようにあつかい、「拷問のようだった」としつつ、入管のなかでほかの人も「同じような目にあいました」と指摘しました。Bさんは意見陳述の最後を「入管の担当さんは外国人に暴力をしないでください。虐待をしないでください。外国人に動物みたいなあつかいをしないでください」という言葉で結んでいます。


 大森弁護士も、先日和解の成立した同じ大阪入管でのMさんの事件のほか、東日本入管センターや東京入管でも被収容者が暴力的に制圧されたと訴えている同種の事案があいついでいることを指摘しています。そのうえで、裁判所が「もし仮にB氏に対する行為を適法と判断するようなことがあれば、このような行為は今後も繰り返され、さらにエスカレートしていきかねません」と述べました。この裁判がBさんの損害の回復にとどまらず、入管施設に収容される外国人たちの今後にも影響を与える重要な意義をもつのだということだと思います。


 「制圧」と称しての被収容者への暴行事件のあいついでいる入管の体質がこの裁判で問われるのはもちろんですが、そうした外国人への入管職員の暴力行為をゆるすのかという点で、日本の裁判所、ひいては日本社会のあり方もまた問われているのだと思います。


 Bさんの裁判の第2回の口頭弁論は、以下の日時と場所でひらかれます。ご都合のつくかたは、傍聴をお願いします。


日時:11月25日(水) 10時30分

場所:大阪地方裁判所 1006号法廷(→地図



 以下、原告のBさん、および大森景一弁護士の意見陳述の全文を掲載します(人名をイニシャル表記にするなど、原文を一部加工しております)。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【Bさんの意見陳述】


意見陳述


わたしは、ペルーこくせきの、


Bです。


このさいばんで、わたしが、のぞんでいることは、


にゅうかんには、ほんとうのことを、いってもらいたいです。


ぜんぶ、びでおかめらに、うつつています。


しょうこが、のこっています。




にゅうかんの、たんとうさんは、わたしに、


げんどをこえて、ばつを、あたえました。


わたしは、くびを、しめられたり、


うしろでに、てじょうを、かけられました。


よなか、ずっと、てじょうをかけられたままでした。


それで、どうやって、トイレにいけるのでしょうか。


ごうもんのようでした。


せいしんてきにも、ごうもんでした。


わたしは、どうぶつみたいでした。




たんとうさんが、わたしを、ゆかに、うつぶせに、おさえつけているとき、


たんとうさんの、じょうしのひとが、


ちがう たんとうさんに、あいずを おくっていました。


そのとき、かめらを、とっているので、


かめらにうつらないように、


しょうこに のこらないように、


じょうしのひとが、あいずをおくって、


ちがう たんとうさんが、わたしを、つよく、おさえつけたり、


しめつけてきました。


わたしは「いたい いたい」といいました。


たんとうさんどうしで、こえをださずに、


あいずを、おくりあっていました。


たんとうさんは、みんなで、がいこくじんに、


うしろでに、てじょうをかけて、


ぎゃくたいをするれんしゅうをしています。




わたしのまえにも、にゅうかんのなかで、ほかのひとが、


おなじような、めに、あいました。


うしろでに、てじょうを、かけられたひとが、いました。


そのひとは、たんとうさんに、ぼうりょくをされて、


けがをさせられました。


にゅうかんのたんとうさんは、がいこくじんに、


ぼうりょくをしないでください。


ぎゃくたいをしないでください。


がいこくじんに、どうぶつみたいな、あっかいを、


しないでください。




2020年10月7日



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【大森弁護士の意見陳述】


令和2年(ワ)第1555号国家賠償請求事件

原告 B

被告 国


原告代理人意見隙述


2020年10月7日

大阪地方裁判所第17民事部 合議2F係 御中

原告訴訟代理人弁護士 大森景一



 1971年、アメリカ、スタンフォード大学の地下室で、心理学者フィリップ・ジンバルドー(Philip Zimbardo) によって、ある実験がおこなわれました。

 ジンバルドー教授は、学生21人を2つのグループに分けました。そして、一方を看守役に、一方を囚人役として、役割を与えて生活させました。すると、看守役は、指示されていなかったにもかかわらず、囚人役に対して徐々に権力的に振る舞うようになり、反抗する囚人役に対してトイレ掃除・独房監禁・断眠などの罰を与えるようになり、さらには禁止されていた暴力を振るうまでに至りました。看守役も、つい数日前までは、囚人役と同じ、普通の学生だったのにです。


 この実験が示唆するように、何も介入しなければ、権力関係はエスカレートしてしまう危険があるのです。入国管理局における収容についても同じような危険があるのではないでしょうか。


 日本の入国管理局においても、収容者に対する人権侵害事件は後を絶ちません。先日、大阪入国管理局rおけるM氏に対する暴行事件について、国が責任を認める和解が成立しました。この事案には、本件と同じ入管職員が関与していました。また、大阪入管以外でも、同種の事案が相次いでいます。現在、東日本入国管理センターに収容されていた、X人男性、東京入国管理局に収容されていたプラジル人男性やコンゴ人女性なども、入管職員に暴力的に制圧されたと訴えています。


 本件でも、ここにいるB氏が入管職員から暴力的な制圧を受けました。そして、B氏は、保護室に収容され、後ろ手に手錠をさせられた状態で放置されました。一晩中、14時間以上にわたってです。しかも、B氏は、その間、手錠を砲認するという名目で、朝まで1時間ごとにたたき起こされ、睡眠を取ることすらままならない状態におかれました。


 制圧行為と傷害結果との因果関係は、主要な争点ではありません。その後におこなわれた行為こそが主要な争点なのです。


 国は、保護室における対応は戒具の使用要領に従ったものであり、問題はない、と主張しています。確かに、戒具の使用要頒においては、「1時間に1回以上、手首、腰部等の緊縛部位について異常の有無を確認する」こととされています。しかし、この裁判で間われているのは、そのような法務省通達への当てはめの問題ではありません。


 日本国憲法においては基本的人権の保障がうたわれています。憲法36条は公務員による拷間を明確に禁止しています。憲法のほか、日本も批準している自由権規約や拷問等禁止条約、そして国連決議である国連被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラ・ルール)などの法規範も存在しています。この裁判では、B氏が受けた扱いが、これらに照らして許される行為なのか、その点こそが問われているのです。


 私が、海外に住んでいる人に日本の末決勾留や入管収容の実情を話すと、皆、驚きます。彼らは言います。「私たちが生きているのは中世じゃない。本当に日本でそんなことがおこなわれているのか。」と。


 好ましくない者、問題のある者に対して、どのような対応をするかという点には、人権感覚が如実に表れます。今回のB氏は、確かに模範的な行動をしていたわけではありません。入管からすれば、反抗的な被収容者であったでしょう。しかし、だからといって、このような状態に被収容者をおくことが、はたして許されてよいのでしょうか。


 この裁判の結果は、日本の裁判所が、どのような人権感覚を有しているかを示すとになります。そして、もし仮にB氏に対する行為を適法と判断するようなことがあれば、このような行為は今後も繰り返され、さらにエスカレートしていきかねません。この国がどのような国であることを望むのか、それを考えていただきたい。


 この裁判では、このようなことを念頭に、審理していただきたいと思います。


以上



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~