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Monday, July 30, 2018

【傍聴報告】大阪入管職員による暴行事件(第1回口頭弁論)


 7月27日(金)、大阪入管職員による暴行事件について、国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。大阪地裁の809号法廷には、約30人が傍聴に集まりました。

 この日は、入管職員による集団暴行の被害者であり、原告であるMさんが出廷し、意見陳述をおこないました。Mさんは、ちょうど2日前の25日に仮放免を許可されて大阪入管を出所したばかり。2015年1月に入国をみとめられず、以来じつに3年半にもわたって入管に収容されていたことになります。

 Mさんは、意見陳述を「残念なことに大好きな国である日本の政府を訴えることになりました」との言葉ではじめ、大阪入管に収容されているあいだに職員から暴力を受けて右肩を骨折したこと、リハビリの治療を大阪入管から許可されず受けられなかったこと、このために右肩に不自由になってしまったことなどを訴えました。

 また、Mさんは、「裁判で賠償金をもらっても健康な身体は戻らない」「残りの人生を大阪入管に奪われた」としつつ、「これから外国人に入管職員が暴力をしないように判決をお願いします。こんな思いをすることがないようにしてください」と述べて意見陳述をしめくくりました。

 さて、5月29日の提訴から約2ヶ月たってむかえたこの日の公判ですが、訴状に対する国側の具体的な反論はなされず、次回の期日に持ち越されることとなりました。

 公判後は、弁護団も出席して、支援者ら傍聴した人たちが参加して報告集会をおこないました。

 次回の公判は以下の日時と場所で開かれます。次回以降も、傍聴と注目、情報拡散をお願いいたします。

 日時:9月12日(水) 15:00~
 場所:大阪地方裁判所 810号法廷



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 第1回口頭弁論については、以下、報道も出ております。



 この暴行事件についての当ブログ記事としては、以下を参照してください。



Sunday, July 8, 2018

大村入管センターから届いた絵



 画像は、大村入国管理センターに収容されている方が描いた絵です(クリックすると大きくなります)。5月に、この絵の作者から公開してほしいと託されたものです。

 さまざまな問題がマスメディアで報道され、日本社会で関心を集めていますが、入管施設における収容の問題にも関心をむけてほしいとの意図をこめて描いた絵だということです。

 現在(とりわけ2016年以降)、各地の入管収容施設で、収容の長期化が深刻な問題になっています。

 長期収容問題のひとつのあらわれとして、被収容者による集団ハンガーストライキがそれぞれの入管施設で続発しています。2016年6月から7月にかけて大阪入管で、2017年5月には東京入管で、集団ハンストがありました。2018年になってからは、被収容者の自殺事件を契機とするかたちで、東日本入管センターにて、4月に120人超が参加する史上最大規模のハンストがあったところです。

 各施設でのハンストとその経過については、以下の記事でそれぞれリンクしている記事等を参照してください。


 長崎にある大村入管センターにおいても、収容長期化は深刻です。被収容者が入管当局に対し、長期収容の回避をもとめる要望書を連名でくり返し提出するという事態になっており、また、先月には九州弁護士会連合会が収容長期化を問題にする理事長声明を出しています。


 入管による「収容」とは何か、また、その「収容」の長期化がなぜ問題なのか、ということについては、たとえば以下の記事で述べたとおりです。


 昨今の収容長期化が顕著になったのは、「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について」と題された2015年9月の法務省入管局長による通達が出されて以降です。この通達には、長期収容と再収容をつうじて非常に強硬に送還をおこなっていこうという入管の現在の方針があらわれています。法務省・入管当局がこの強硬方針にいたった経緯は、以下の記事で述べております。


 この記事でみたとおり、法務省は、仮放免者をふくむ「送還忌避者」を「大幅に縮減する」という目的で、長期収容と再収容をおこなっています。2015年9月ごろから、法務省は入管の各入管局・入管センターに対し、収容を長引かせ、また仮放免者の再収容を積極的におこなうように指示をしています。難民審査や行政訴訟中のため当面送還の見込みのない人びとも、長期間にわたり収容を解かれていません。というか、送還の見込みがないにもかかわらず収容を継続するからこそ、現在の収容長期化という問題が起きるのです。

 前掲の記事で分析しましたように、この現在の長期収容・再収容は、あきらかに、帰国強要の手段としておこなわれているものだといえます。つまり、長期収容・再収容によって、被収容者および仮放免者の心身を痛めつけて、日本への在留を断念させ、送還に応じさせよういうことを、法務省は自覚的におこなっているわけです。他者の意思に働きかけ、自分の思うような行動を他者にとらせるために、拘禁症状を発症するほどの長期間にわたり他者の身体を拘束しつづけ、精神的な圧力をくわえているのです。

 他者の意思と行動をコントロールをするための手段として、心身に苦痛を与えるということ。これは、まぎれもなく拷問と呼ぶべき行為です。先日紹介した被収容者からの手紙は、「私達は、今ここ東日本入国管理センターで入管による拷問を受けています」と書き出されていました。この「拷問」という表現は、誇張でもなければ、比喩でもありません。


 長期収容、そしてくり返しの収容は、法務省という国の機関がおこなっている拷問にほかならず、けっしてゆるされることではありません。

Tuesday, July 3, 2018

【傍聴の呼びかけ】大阪入管職員による暴行事件(第1回口頭弁論)


 大阪入国管理局に収容されたトルコ国籍のMさんが、昨年7月に同局の職員らの暴行で右上腕部を骨折した事件。

 Mさんが国に対し賠償をもとめて訴訟を起こしたことは、多くのメディアで報道されました。裁判所が証拠保全した大阪入管の監視カメラの映像が、いくつかのテレビニュースで放送されました。映像には、職員たちが無抵抗のMさんをうつぶせに転倒させ、その右腕をひねりあげるなどの暴行をくわえている様子がうつっていました。

 7月27日に、Mさんが原告となった国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が、ひらかれます。ぜひ傍聴して、人権侵害と差別を許さないという意志を示しましょう。




日時・場所
2018年7月27日(金)13時15分~
大阪地方裁判所 本館809号法廷
集合:12時45分に大阪地裁正面入口付近

終了後には、弁護団も参加しての報告集会を予定しています。

お問い合わせ
TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)
メールアドレス:try★try-together.com (★をアットマークにかえてください)






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暴行事件の経緯とその問題性については、以下の記事を参照してください。

大阪入管の収容長期化と処遇問題については、以下記事をごらんください。