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Thursday, August 18, 2016

またもやイスラム教徒の被収容者の食事に豚肉混入――謝罪も具体的な再発防止策もなし(東京入管横浜支局)



  マスコミ報道がいくつか出ていますが、東京入管横浜支局が、イスラム教徒の被収容者に豚肉の混入した食事を提供していたことがあきらかになりました。




  この問題について、8月17日(水)、仮放免者の会として、東京入管横浜支局に申入れをおこない、以下の申入書を提出しました(申入書原文に記載した被収容者の名前は、以下では「Aさん」「Cさん」と表記し、ふせました)。


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申 入 書
2016.8.17.
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東京入国管理局横浜支局長 殿
関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川
被収容者の抗議の拒食について 
 8月17日現在、横浜支局Aブロックに収容中のパキスタン国籍Aさんが、給食に豚肉が入っていたことをきっかけとして、2週間拒食を続けている。私たちが本人および同室の被収容者に聴き取りを行ったところでは、イスラム教徒であるAさんの8月3日の夕食に豚肉(ベーコン)が入っており、職員もそれを認め、Aさんに謝罪した。Aさんはその後、給食を食べることを拒否している。
 改めて言うまでもないことだが、貴支局は、2015年8月12日、Bブロックに収容されていたパキスタン国籍Cさんに豚肉(ベーコン)入りの給食を提供し、Cさんはその後長期間抗議の拒食を行った。それについて当会は8月27日に申し入れを行い、またこの件は8月28日の朝日新聞など、複数のメディアで報道された。貴支局はCさんの拒食を知りながら2週間以上ほとんど何もせずに放置し、またこの件をメディアの報道があるまで自ら公表しなかった。私たちは、貴支局が出来事の重大さを認識していないのではないかと思わざるを得なかった。しかも、それから一年後、パキスタン人収容者に豚肉(ベーコン)入りの給食が提供される、というまったく同じ事件が今回起こったのであり、私たちは驚きを通り越して呆れる他はない。貴支局は、昨年8月の朝日新聞の取材に対して「不適切な食材が入らないよう、業者と連携して再発防止に努めたい」とコメントしているが、結局再発が起こった。いったいどのような再発防止の努力が行われたのだろうか。Cさんによると、Cさんが今年5月に収容されてから、これまでも給食に髪の毛やゴキブリが入っていることがあったという。こうしたことからも、貴支局の収容者への給食の管理体制には根本的な問題点があるとしか考えられない。
 昨年8月27日の申し入れ書に書いたことの繰り返しになるが、イスラム教徒の収容者に豚肉入りの給食を提供し、しかもそのことを軽視する、というのは、法務省令である「被収容者処遇規則」第二条(入国者収容所長及び地方入国管理局長(以下「所長等」という。)は、収容所等の保安上支障がない範囲内において、被収容者がその属する国の風俗習慣によって行う生活様式を尊重しなければならない)の違反であるだけでなく、イスラム教徒の収容者にとって大変な屈辱を与えることであり、重大な人権侵害である。
 私たちは、貴局に対し、以下を申し入れる。
(1)  Aさんの健康に対して十分に留意すること。
(2)  Aさんに対して、支局としての謝罪を行い、適切な対処を行うこと
(3)  給食への豚肉混入の原因を調査し、再発防止の具体的な対策を、Aさんはじめ全収容者に対して早急に示すこと。
以  上

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  申入書にもあるように、東京入管横浜支局は、ちょうど1年前にも、イスラム教徒の被収容者の食事に豚肉を混入させるという、今回と同様の事件を起こしています。




  東京入管横浜支局は、1年前の事件を教訓化せず、ほとんど同じようなあやまちを2度にわたってくり返したことになります。そして、今回もまた、横浜支局の事後の対応はひどいものでした。

  NHKの報道によると、横浜支局は取材に対して、「このような事態となり、遺憾に思っています。原因を早急に調べたい」と述べているようです。「早急に」と言いますが、豚肉がAさんの食事に混入されたのは8月3日です。現在それからすでに2週間がすぎており、この間、Aさんは拒食を続けています。「原因を早急に調べたい」などというコメントをしてよい時期は、とっくに過ぎています。

  今回の17日の申入れで、問題発覚後になにか再発防止策をとっているのかと問う支援者に対して、横浜支局の職員は「対策はしています。しかしそのすべてをあなたたちにお話しすることはできません」「本人には説明しました。あなたたちは本人に聞いたんですか?」と発言しました。それならばとAさん本人に面会して聞くと、Aさんは職員からは「今後、気をつけます。よく確認します。」と言われただけで、具体的な再発防止策についての説明はなにもなかったといいます。Aさんによると、収容されている2か月弱の間に、Aさんの食事には、髪の毛やゴキブリなどが混入していることが何度もあり、そのたびに、職員はAさんに「気をつけます」と言ったということです。Aさんは「結局口先だけではないか、約束を守らないではないか」と言っています。

  イスラム教徒にその宗教的な禁忌である豚肉の混入した食事を出すという重大な問題を、1年もまたずに2度も起こしたあげく、その再発防止策が「気をつけます。よく確認します」なのだそうです。「まじめにやれ!」としか言いようのないデタラメな事後対応です。

  8月3日に豚肉混入が発覚してから現在にいたるまで、Aさんに対して、入管側はいまだに支局としての謝罪すらおこなっていません。本来ならば、Aさんはじめ被収容者全員に事件とその経緯について説明をおこなったうえで、対策を具体的に示して再発防止を約束するのは、人を収容する施設として果たすべき最低限の責任であるはずです。ところが、Aさんひとりに対してすら横浜支局は、これをしていません。それどころか、謝罪すらない。

  そのくせ、マスコミの取材に対しては、「このような事態となり、遺憾に思っています。原因を早急に調べたい」などと臆面もなく言ってのけています。横浜支局は、このようにマスコミの取材者に対しては、問題を深刻に認識しているかのようなそぶりを示しているわけですけれども、まじめに「原因を早急に調べ」るつもりがあるのかは、Aさんへのこの2週間の対応をみれば疑わしく思わざるをえません。2週間ものあいだ、横浜支局はAさんに「このような事態となり、遺憾に思っています」などと発言することもなかったし、「原因を早急に調べたい」との約束をすることもありませんでした。Aさんは食事を拒否して抗議していたにもかかわらず、です。マスコミに対しては役所としての体裁が気になるようですが、被収容者に対してはこのようにバカにしきった対応を続けているのが東京入管横浜支局の事後対応です。

  1年前の記事でも述べましたが、そもそも、問題の重要さをかんがみるならば、入管側がみずからマスコミ等を通じて事実経過と再発防止策を一般に公開するべきでありました。ところが、1年前のときも、今回も、事件発生から2週間ほどたって、マスコミからの取材を受けてようやく事実を認め公表する、というのが、横浜支局の対応でした。テレビや新聞でどう報じられるのかは気にするけれど、収容された被害者当事者が拒食を続けて抗議をしようがそんなものは屁とも思わない、という姿勢が、横浜支局の対応には覆うべくもなくあらわれているわけです。被収容者にどんな扱いをしようが、世間にバレなければよいという姿勢です。

  今回のように短い期間のあいだに同じ問題がくり返される背景には、横浜支局の、ひいては入管組織全体の、被収容者を人とも思わない根深い差別的な体質があるのではないかと考えざるをえません。

Friday, March 18, 2016

横浜入管による無理やり送還に抗議する

 2月17日、フィリピン人仮放免者が東京入国管理局横浜支局(横浜入管)に再収容され、翌日無理やり送還されました。私たちはこれに強く抗議し、2月24日に横浜入管に申し入れを行いました。少し時間がたちましたが、そのことについて報告します。

 申し入れ書にもありますが、送還されたのは神奈川県在住のフィリピン人男性Aさんです。50歳代のAさんは、1990年代初頭に来日してから、日本での滞在は20年以上の長期にわたっており、同国人の永住者の妻と10年以上同居していました。また、AさんはC型肝炎と診断され、治療中でした。Aさんの再収容と無理やり送還は、次のような形で行われました。

 2月17日朝、Aさんは、仮放免の延長手続きで出頭するために横浜入管に出かけました。Aさんの妻は、いつもと違って夫が入管からなかなか帰ってこないと心配していました。すると、昼頃、数人の入管職員が、手錠に腰縄をつけられた夫とともに家にやってきて、ビデオカメラで撮影しながら荷物を運び出しました。妻はパニックに陥り「手錠をはずしてください!」と叫んだそうですが、すると職員は手錠ははずし、「明日横浜入管に来れば面会できる。保証金の返還手続きもできるので書類を持ってくるように」と言ったそうです。そしてそのまま夫を連れ去って行ったということです。

 その後妻から私たちに連絡があり、支援者二人は翌日の妻の面会に同行することになりました。翌2月18日午前10時、妻と支援者は横浜入管に行き、収容されているはずのAさんに面会申請をしたところ、入管職員から「ここには居ない」と言われました。入管職員は、「説明する」と言って、妻、夫妻の友人、支援者を別室に呼びました。しかし、説明としては、「ここにはいない。どこにいるかは言えない。本人から連絡があるだろうから待て」というだけでした。知っているのになぜ言えないのか、心配している家族に居場所を伝えるのは当然ではないか、と強く言いましたが、結局「保安上の理由」「気持ちは分かるが業務上言えないことがある」等の答えしかありませんでした。妻はパニック状態に陥り、「どこにいるか教えてください!昨日、今日来れば面会できると言ったじゃないか!」と問い詰めましたが、「その職員が面会できると言ったのは一般的な話で、状況は変わることもある」と言う返答でした。その後、夜になってから、妻に、フィリピンにいるAさんから電話があり、無理やり送還されたことが確認されました。

 のちにフィリピンにいるAさん本人と電話で話したところ、Aさんは17日に、横浜入管で、他の被収容者と接触できない個室に収容されていたそうです。そして18日早朝4時ごろ、複数の入管職員が部屋に来て、Aさんを連れ出したそうです。Aさんの話では、その際、職員の一人は「だから言ったでしょ!」*注「絶対にやるよ!」「暴れないで!」などと叫んでいたということです。そして、9:30の便で、成田空港からマニラに強制送還されました。東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中だったフィリピン人男性も一緒に送還されました。

 10年以上一緒に暮らしていた人が、ある朝突然大勢の人に拉致され、どこにいるのか尋ねても、教えられない。結局その人は国外に無理やり連れ去られていた……これがどんなに酷い犯罪的行為であり、とてつもない人権侵害であるかということは、説明の必要がないでしょう。日本で働き、大切な人と一緒に暮らしてきたAさんが、このような仕打ちを受けるに値する、いったい何をしたというのでしょうか。どのような理屈や言葉を重ねてみても、こうした行為を正当化することはできない、ということを入管は認めなければなりません。Aさん夫妻が突然奪われてしまったものを取り返すことは不可能ですが、二度とこのような悲しみを生まないためには、入管行政そのものを根本的に変える他はありえません。

 最後に2013年7月のフィリピン人に対する一斉無理やり送還の際の当ブログの抗議声明の一部を再掲します[入管による一斉無理やり送還に抗議します - 仮放免者の会(PRAJ)(2013年7月6日)] 。

 入管は、ひとの生活、ひとの安全、ひとの人生をなんだとおもっているのでしょうか。日本社会が、非正規滞在のひともふくめて外国人の働き手を利用してきたこと、そのことに法務省の入管行政もいわば加担し共犯関係をむすんできたこと、そして、日本政府はご都合主義的な方針転換のもと、これらの非正規滞在者への摘発を急遽強化して、追いだしにかかったことについては、以下の記事でくわしく述べております。
  「労働力」として必要とみなしているうちは、「不法」状態に置いて利用するだけ利用し、不要とみなせば、まるでゴミでも捨てるかのように飛行機につめこんで追放しにかかる。このような、ひとをモノか家畜のようにあつかうような入管行政を、おわらせなければなりません。

注)「だから言ったでしょ!」
 仮放免者は毎月あるいは隔月などで入管に出頭し、仮放免期間延長の許可を得なければならない。その際、入管は『あなたには退去強制令書が出ているから、いつでも入管はあなたを飛行機に乗せることができるよ!あきらめて自分で帰りなさい』などと仮放免者に対して脅しをかけてくる。そういう仮放免者に対する入管行政のヤクザまがいの脅しが日常的にあるなかでの職員の発言。実際にこの職員自身が、出頭の際にAさんに脅しをかけていた可能性も高いと思われる。



 以下は申し入れ書です(申し入れ書原文にある個人名は変更してあります)。

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申 入 書
2016.2.24.
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東京入国管理局横浜支局長 殿
関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川
フィリピン人仮放免者の強制送還について
 フィリピン人仮放免者、Aさんが、2月17日、横浜支局への仮放免延長出頭時再収容され、翌日の2月18日、強制送還された。
 2月18日の朝、Aさんの妻が横浜支局に面会に訪れたが、「ここには居ない」とだけ告げられ、「保安上の理由」として、夫の居場所が教えられなかった。Aさんの妻は、夫が入管職員とともに一時帰宅してそのまま連れ去られてから、フィリピンから夫が電話してくるまで、まる一日以上夫の安否を確認できないという非常に不安な状態におかれた。
 私たちは、本人の意思に沿わない強制送還に反対であるが、とりわけ、Aさんは、20年以上の長期滞在者であり、10年以上同居していた妻がいた。今回の強制送還は、Aさんが長い間日本で築いてきた生活基盤を破壊し、愛する家族との関係を引き裂く、きわめて残酷な行為である。
 また、Aさんは、C型肝炎の診断を受け、フィリピンでの治療が困難であるという医師からの意見書も入管に提出されていた。送還は、生命に関わる重大な疾患の治療を強制的に中断させるものである。

 私たちは以下強く申し入れる。
(1)本人の意思に沿わない強制送還は行わないこと、とりわけ、Aさんのような日本に長期にわたって滞在しているもの、日本に家族がいるもの、日本で病気治療が必要なものの強制送還は絶対に行わないこと。
(2)被収容者の安否を、家族に速やかに確認させること。
以上

Monday, August 31, 2015

イスラム教徒の食事に豚肉が混入(東京入管横浜支局)


  いくつかマスコミ報道がなされていますが、東京入管横浜支局で8月12日、イスラム教徒であるCさん(パキスタン国籍)に、豚肉(ベーコン)の入った食事が出され、以降、Cさんは19日間にわたり入管の給食を拒否しています。

  この事件について、8月27日(木)に仮放免者の会として横浜支局にて申し入れをおこない、以下の申入書を提出しました(申入書原文では記載していた被収容者名を、「Cさん」として公開します)。


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申  入  書
2015.8.27.
法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿
東京入国管理局横浜支局長  殿

関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川
被収容者の抗議の拒食について
  8月26日現在、貴支局Bブロックに収容中のパキスタン国籍Cさんが、給食に豚肉が入っていたことをきっかけとして、2週間拒食を続けています。わたしたちが本人およびその家族、また同室の被収容者に聴き取りを行ったところでは、イスラム教徒であるCさんの給食は、豚肉抜きのものが別に提供されているはずでしたが、8月12日の夕食の際、Cさんは、豚肉を気が付かずに食べてしまいました[赤字部分につき、訂正あり。下に付けた文章を参照してください]。違和感を感じたため他の被収容者の食事を確認したところ、まったく同じものが入っていたので、Cさんが職員を呼んで確認してもらったところ、職員も豚肉が入っていることを認めました。Cさんはショックを受け、これまでも豚肉を知らないまま食べさせられてきたのではないか、という怒りもあり、抗議の意味をこめて、その後貴局から提供される給食を食べることを一切拒否しています。その結果、体重は、8月12日以前には67.1kgだったものが、8月21日には57kgと、10キロも減っています。わたしたちは、Cさんの健康状態の悪化を憂慮しています。
  ところが、Cさんのこの行動を知りながら、貴局が、ほとんど何もせずこれを放置し続けたことは、大きな問題であると私たちは考えます。私たちがCさんの拒食を知ったのは8月17日でしたが、8月19日に拒食開始後初めて面会した際、Cさんは、「一週間たつが、偉い人は一回も来ていない。すぐに偉い人に謝罪されていたら止めていた。もう一週間たつ。今から謝罪されてももう遅い」と言っていました。また、同じ時期、貴局の職員はCさんの妻に「本人が勝手に食べていないだけ」というようなことを言い、妻も大きなショックを受けています。必死の思いでの行動がほとんど無視されたことに対して、本人が強い憤りを持つことは、十分に理解できます。8月21日には、職員による何らかの謝罪があったということですが、これはあまりに遅すぎる対応であり、Cさんは、その後も抗議の拒食を続けています。
  こうした経緯を踏まえると、貴局が、今回起こった出来事の重大さを認識していないのではないかと思わざるを得ません。豚肉を食べる、というイスラム教徒にとって重要な宗教的な禁忌を犯させ、しかもそのことを軽視する、というのは、法務省令である「被収容者処遇規則」第二条(入国者収容所長及び地方入国管理局長(以下「所長等」という。)は、収容所等の保安上支障がない範囲内において、被収容者がその属する国の風俗習慣によつて行う生活様式を尊重しなければならない)の違反であるだけでなく、イスラム教徒であるCさんにとって大変な屈辱であり、重大な人権侵害です。2000年、インドネシアで、「味の素」の原料に豚肉が使用されている疑いがあるという噂が流れ、この問題はインドネシアで大きな社会問題となりました。こうした事例を上げるまでもなく、今回のことが重大な問題であるということは、容易にわかるはずです。Cさんによると、今回の給食に入っていた豚肉は、生まれて初めて食べてしまった豚肉です。そのショックの大きさは想像できるのではないでしょうか?
 また同時に、今回Cさんは、自分だけの尊厳がないがしろにされたことだけに怒っているのではありません。彼は他の被収容者の仲間のことを考え、収容所の劣悪な状況を改善するために行動してきました。Cさんもサインしている、8月5日に提出された(いまだに貴局からの返答すらない)要求書の中では、食事の劣悪さと、その改善が訴えられています。Cさんによると、彼が収容されてから、給食に髪の毛が入っていたことが5回もあったということです。そして、Cさんの夕食に豚肉が入っていた8月12日の昼食にも髪の毛が入っており、Cさんは昼食も食べていません。髪の毛が何度も混入するというようなありえない状況が放置され、何度訴えても改善されなかったこと、そうしたことも、Cさんの怒りの背景にはあります。
  Cさんは「いつもの入管職員の人たちは悪くない、謝ってくれたし私の体を心配してくれている」と普段接している担当職員たちをかばう発言も何度もしています。「他の収容者が、自分だけ食べるのが心苦しい、と言ってくれるので、この問題はイスラム教徒の自分だけの問題でみんなに迷惑を掛けたくないので、一人部屋に移してくれるように頼んだ」とも言っています。こうしたCさんの考え方の倫理性には心打たれます。私たちは、貴局に対し、以下を申し入れます。
(1) まずはCさんの健康に対して十分に留意し、そして、Cさんに対して改めて真摯に対応し、適切な対処を行うこと
(2) 食事の問題を含めて、8月12日付で私たちが申し入れた内容について速やかに対応すること。
(3) Cさんが、今回のこと、妻への入管のひどい対応のことなどを被収容者申出書に書いて提出しようとしたが、コピーをとらせないと言われ、出すのをやめて手元においている。Cさんに速やかにコピーをとらせること。
以上


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  上の申入書で「Cさんは、豚肉を気が付かずに食べてしまいました」と述べましたが、事実は、Cさんがベーコンを口に入れたものの味に疑問を感じたため吐き出し、職員を呼んで確認したところ、職員が豚肉の混入した食事を出してしまったことを認めた、とのことです。しかし、以前にも横浜支局で同種のサラダが出ていたため、Cさんはそのたびに自分が豚肉を食べてしまっていたと認識しており、このことに大きなショックを受けているということです。以上、訂正いたします。

  さて、イスラム教徒の食事に宗教的な禁忌である豚肉を混入させ、これに気づかなかったという過失も重大ですが、横浜支局の事後対応もきわめて問題のあるものです。

  Cさんに豚肉入りの食事が出されたのが、8月12日(水)。横浜支局からCさんにようやく謝罪があったのが、10日近くも経過した21日(金)。この間、Cさんが摂食を拒否して抗議をつづけていたにもかかわらずです。

  豚肉を食べることがイスラム教徒にとってきわめて重要な宗教的な禁忌であることは、一般的によく知られていることでもあります。日々入管業務にたずさわりそのための研修も受けてきたはずの者ならばなおのこと、この重要性を認識していないとは、およそ考えられません。申入書で述べたように、ことの重要さは「容易にわかるはず」のことがらなのです。したがって、今回の横浜支局の対応の遅さ・ずさんさの背景には、イスラム教徒の慣習・文化に対する無理解・認識不足というよりも、組織としての横浜支局の差別的体質があるのではないかと考えざるをえません。退去強制の対象となっている外国人が相手ならば、どんなあつかいをしてもかまわない、という差別的な人権軽視の発想が根深くあるものと考えないかぎり、このずさんな対応は理解しがたいものです。

  横浜支局の事後対応のありようからは、その組織的な隠蔽体質もかいまみえます。今回の問題が明るみにでたのは、Cさんが自身の被害事実を私たちをつうじて報道機関につたえたことによるものです。横浜支局は事件から15日も経過した8月27日、報道各社からの取材を受けてようやく事件を公表した、というのが事件の報道にいたる経緯です。

  宗教的禁忌にふれる食事を出していたという問題の重大性をかんがみるならば、Cさん本人にすみやかに謝罪と説明をおこなうことはもとより、入管みずから事実経過を一般に公表したうえで、再発防止への取り組みを約束すべきであったはずです。入管には、イスラム教をふくめ食にかんする禁忌のある宗教を信仰する多数のひとびとが収容されているのであって、今回の問題は横浜支局にとどまらず、全国の入管の収容施設全体についてその給食の信頼性をゆるがす事件だからです。

  横浜支局は、原因究明をふまえた再発防止策をすみやかにCさんにつたえるとともに、その内容を公的にもあきらかにすべきです。Cさんの食事への豚肉の混入が、今回の件にかぎったことなのか、さかのぼって可能なかぎり調査し、その結果をCさん本人に誠意をもって説明することも必要です。

  Cさんは、8月30日現在も、入管の食事を拒否しています。25日か26日ごろに横浜支局はCさんを外部の病院に連れていき、以来、Cさんは医師の指示で出された栄養剤を飲んでいるものの、拒食をはじめた12日から20日になろうとしており、その健康状態が心配されます。横浜支局は、Cさんが摂食を再開できるよう、本人とご家族に誠意をもった説明をおこないすみやかに信用回復につとめるべきです。

  横浜支局については、申入書でもふれているとおり、被収容者が食事もふくめて処遇改善をもとめた要求書を連名で出しており、また、職員が被収容者の私物を勝手に破損するという事件も起きています。




こちらの記事も、あわせて参照してください。

Wednesday, August 26, 2015

東京入管横浜支局職員が被収容者の私物を損壊/被収容者による処遇改善の要求


  8月12日(水曜日)、東京入国管理局横浜支局にて申入れをおこないました。

  横浜入管では、7月上旬に、職員(入国警備官)が被収容者Aさんの私物を故意に損壊する事件がありました。また、8月5日には、被収容者から処遇の改善を要求する連名の要求書が出ています。

  これらを受け、仮放免者の会としても横浜支局にて、処遇の改善(開放処遇の時間延長、被収容者間の情報交換に対する不当な制限をやめること、医療・食事の改善)と、Aさんへの謝罪をもとめる申し入れをおこないました(申入書は、この記事の最後に掲載しています)。


◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  被収容者による要求書は、横浜支局のBブロックに収容されているうちのほぼ全員にあたる18名の連名で提出されています。かれらは、これまでも処遇について各人それぞれに意見をのべたり改善をもとめてきたりしてきたものの、いっこうに聞き入れられず、検討すらされないため、集団での要求書提出にいたったとのことです。

  要求書の原文(日本語ローマ字表記)と、これを漢字かなまじり表記にしたものを、以下に掲載します。


【原文】
YOKOHAMA IMMIGRATION NI NEGAI KOTO.
2015-8-5
1. YASUMI NO HI NO FREE TIME ASA 9:30AM KARA 11:30AM MADE TO 13:30
KARA 16:30PM MADE NEGAI MASU. YASUMI NO HI ZUTO HEA NAKA DE TSUTERESU
THAMARU TO IRONA SHITO URUSAI SHIMASU. ATO MINA SHOWER SURU JIKAN
DENWA SURU JIKAN TOBACCO SU JIKAN SENTAKU MONO SURU JIKAN TSUKU
NAKUTE, TAIHEN DESU.
2. MINA JA NAKUTE NAN NI GA SHITO FRIDAY TV NO JIKAN YORO 11:00PM MADE
NEGAI-O-SHI MASU NO DE NANNKA MOSHIROI BANGMI GA ARU NO DE DEGIRU NARA
FRIDAY TV NO JIKAN YORO 11:00PM MADE NEGAI DESU.
3. ATO IRONA SHITO GOHAN NO KOTO OSHIKU NAI TE YUTE MASU NO DE, SONO
KOTO DE MO SOKOSHI KHANGAETE MURAITAI DESU. YOROSHIKU NEGAI SHI MASU.


【漢字かなまじり表記】
横浜イミグレーション〔入管〕に願いこと
2015年8月5日
1. 休みの日のフリータイム、朝9:30AMから11:30AMまでと、13:30から16:30PMまで願います。休みの日、ずっと部屋のなかでストレスたまると、色んな人うるさくします〔補足:叫んだり、壁を叩いたりしてしまうこと〕。あと、みなシャワーする時間、電話する時間、タバコすう時間、洗濯物する時間少なくて、大変です。
2. みなじゃなくて、何人かの人、フライデー〔金曜日〕TVの時間、夜11:00PMまで願いをしますので、なんか面白い番組があるので、できるなら、フライデーTVの時間、夜11:00PMまで願いです。
3. あと、色んな人、ごはんのこと、おいしくない、て言ってますので、そのことでも少し考えてもらいたいです。よろしく願いします。


  要求の内容は、きわめてもっともなことがらです。

  入管の収容場は、本来、収容されたひとに苦痛をあたえるための施設ではありません。懲罰のための施設でもありません。入管法にさだめられた退去強制事由にかかわる審査のための収容、あるいは、退去強制令書が発付されたもののただちに送還を執行できない場合に送還可能のときまでの収容がみとめられているにすぎません。

  したがって、長時間せまい居室にとじこめて、運動もシャワーもできない状態で被収容者にいちじるしい不自由と苦痛をあたえてよい正当な理由など入管にありません。また、金曜の夜に映画を放映しているテレビを、途中で消して最後までみられなくするという、まるでいやがせのような措置も、認められるものでありません。

  これらの処遇の問題は、人員をふくめた施設の不備と、これを不備なままに放置してきた入管の怠慢によるものです。収容場が苦痛や懲罰をあたえることを目的とした施設(拷問施設)でないというならば、ただちに改善が検討され着手されなければならないものであるはずです。食事についても同様です。被収容者当事者からの要求・クレームが現にでているのですから、横浜支局は、支局としてこれをどう改善していくつもりなのか、すぐに改善できない部分については、なぜすぐできないのかを、被収容者全体に対して回答する義務があります。横浜支局が要求書に真摯に回答することをもとめます。


◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  さて、職員が被収容者の私物を破損した事件についてです。

  これは、Aさんが居室に貼ったチラシを、横浜支局の職員がAさんのシャワー中に無断で壁からはがし、くしゃくしゃにして持ち去ったというものです。警告もなしにです。あとで述べるように、チラシの内容が他の被収容者にとって好ましくないものであったとも考えられず、これを勝手にはがすという職員の行為に正当な理由があるとは考えられません。かりに、チラシをはがすという行為に正当性がみとめられるのだとしても、これをくしゃくしゃにして破損する行為にどんな正当性があるというのでしょうか。

  法務省入国管理局は、「出入国管理のしおり」と題されたパンフレット(リンク先PDF)を出しています。その4ページ目に、つぎのような記述があります。

正当な目的をもって来日しようとする人がスムーズに入国し安心して生活できるようにするとともに,日本での滞在を認めてはならないような外国人から日本国民の生命・安全や産業・国民生活上の利益を守ることも,また入管の仕事です。

  なにやらえらそうに「外国人から日本国民の生命・安全や産業・国民生活上の利益を守る」などと書いていますが、入管は、「日本での滞在を認めてはならない」とみなした外国人に対してであれば、監禁して虐待をくわえたり、その私物を無断で処分したりしてもよいということなのでしょうか。それも「入管の仕事」だというのでしょうか。

  私たちがこの職員による私物の破損について知ったのは、Aさん本人のうったえによってです。本来ならば、これは重大な不祥事であって、入管みずからがこの事実を公表して、再発防止につとめるのが筋でしょう。ところが、Aさんに対して、いまだに横浜支局としての謝罪すらなされていません。

  入管は、政府機関ですし、法務省下の組織なのですから、もうすこし法を尊重するという意識をもったほうがよいのではないでしょうか。

  ちなみに、横浜支局の職員がくしゃくしゃにして持ち去ったのは、Aさんに私たちが差し入れした“「仮放免者に在留資格を!」 9.9法務省デモ”の告知ビラでした。こちらデモのほうも、ご参加・ご協力のほど、よろしくお願いします。




◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆        ◇        ◆


  最後に、仮放免者の会として提出した申入書の全文を掲載します(申入書に記載した被収容者の名前と国籍は、以下ではふせてあります)。

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申 入 書 
2015.8.12
法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿
東京入国管理局横浜支局長  殿
関東仮放免者の会(PRAJ)神奈川

1. フリータイムについて
  被収容者によると、横浜支局でのフリータイムは、平日は午前9:30-11:30と午後13:30-16:30ですが、土日は半分しかなく、土曜日は午前9:30-11:30のみ、日曜日は午後13:30-16:30のみです。この間の横浜支局での被収容者への聞き取りによると、フリータイムの短さ、特に土日のフリータイムが半日しかないことは、多くの被収容者に極めて大きなストレスとなっています。フリータイムについては、東京入国管理局、東日本入国管理センターでは、土日、祝日も午前午後と全日あります。被収容者たちは、他の収容施設と違ってなぜ横浜ではフリータイムが短いのか、と職員に再三問いかけていますが、これまでのところその理由は全く明らかにされていません。フリータイムの制限は、被収容者の行動の自由を著しく侵害するものです。横浜支局におけるフリータイム時間を延長すること、特に、土日のフリータイムについては、少なくとも他の収容施設と同様に、平日並みの午前・午後全日に変更することを、強く申し入れます。
2. 被収容者のブロック間情報交換の不当な制限について
  現在、横浜支局では、ブロック間で被収容者が手紙のやりとりをすることを禁じられていますが、これは通信の自由の侵害です。東京入国管理局、東日本入国管理センターでは被収容者がブロック間で自由に手紙のやりとりを行うことができます。横浜支局における、被収容者のブロック間情報交換の不当な制限をただちにやめるように申し入れます
3. 被収容者への医療の改善について
  被収容者からの聞き取りによると、現在の横浜支局での医師の定期診察は、短時間でかつ怠慢なものです。聴診器も持たず、顔を見ただけで決まりきった薬を出すだけ、といった診察では、被収容者への適切な医療が行われるとはとても思えません。被収容者への診察の改善と、病気の被収容者に対するすみやかな外部診療の許可、仮放免を行うように申し入れます。
4. 食事の改善、衛生管理の徹底について
  被収容者からは、「食事がまずい」「少ない」という多くの声が上がっています。また、髪の毛が入っていた、など、衛生管理に問題があることを疑わせる証言も聞いています。被収容者への食事の改善、衛生管理の徹底を申し入れます。
5. 被収容者の私物の職員による器物損壊について
  7月上旬、横浜Bブロックに収容中のD国籍Aさんが、チラシ(当会のデモのチラシ)を自室の壁に貼っていたところ、職員に断りなく剥がされ、くしゃくしゃにされて持ち去られるという事件が起こりました。その後チラシ自体は返却されたということですが、被収容者が掲示した物を、正当な理由なく、また事前の警告などなくいきなり剥がし、くしゃくしゃにする、というのはとんでもない行為です。剥がした職員によるAさんへの謝罪と、支局として、また入国管理局全体として、こうした人権侵害の再発を防止する取り組みを行うことを申し入れます。
以上
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【参考】

  横浜支局の職員が、おもわず壁からはがしてくしゃくしゃに丸めずにいられなかったのは、このチラシ(↓)です。


Monday, July 14, 2014

関東での面会ボランティア募集

 関東仮放免者の会(PRAJ)では、私たちといっしょに入管に収容されたかたがたとの面会活動に参加してくださるボランティアを募集しています。
  当会は、仮放免者による当事者団体であって、支援者は、当事者が討議によってきめた活動方針にそって、活動しています。面会ボランティアも、原則的には、仮放免者当事者がきめた方針にのとって支援者として面会活動をおこなっています。

  関東仮放免者の会の理念と活動目標については、以下のリンク先の「宣言」を参照してください。



1.面会活動の目的と内容

  入管の収容施設に収容されている方々(以下、「被収容者」といいます)には、大きく分けて、入管法違反に問われて審査中の方と、審査の結果、退去強制令書を発付された方がいます。

   当会が面会等をつうじて支援対象にしている被収容者は、おもに後者の、すでに退去強制令書の発付を受けたひとです。退去強制令書の発付を受けたひとの大多数は、入管の決定に服して、帰国していきます。しかし、これに服さずに在留をもとめるひとも、一定数います。

   退去強制令書をだされているにもかかわらず、在留をもとめ、当会などのボランティアに面会を依頼してくる被収容者たちの多くは、難民であったり、日本に家族がいたり、日本滞在が長期にわたるために生活基盤が日本にしかなかったりといった、帰るに帰れない事情をかかえています。

   このブログでも報告してきたとおり、入管の収容施設での処遇は、医療放置をはじめとしてはなはだしく人権を侵害したものというほかなく、そこでの収容はきわめて過酷です。被収容者にとっては、人生の貴重な時間(2年をこえる超長期収容を強いられている人すら多数います)を、いつ外に出られるともわからないこの苛烈な環境で過ごすことをしいられているのであって、それは国籍国に帰れるひとならば、とっくに帰っているような環境です。じっさい、退去強制令書発付処分に服さずに、私たちに支援要請してくる被収容者のほとんどは、帰るに帰れない事情をかかえ、拷問とよんでも言いすぎでないような収容をしいられている人たちです。

  そして、関東地方では、当会の支援者をふくめた面会ボランティアは、面会と支援を依頼してくる被収容者の数にたいして圧倒的に不足しているのが現状です。

   面会ボランティアは、そうした被収容者にたいして、個別には、面会をつうじて助言や、各種申請(難民申請や仮放免申請など)の手伝いをおこないます。在留をのぞむ被収容者は、入管からの説明がじゅうぶんになされていなかったり、説明がなされていても、言語的な問題などのために結果的にじゅうぶんに伝わっていなかったりするために、可能あるいは必要な手続きや手段について、また自身のおかれた状況について、面会ボランティアに質問したり助言をもとめたりしてきます。面会ボランティアは、その場でこたえられる質問にはその場で答え、答えられない質問ついては、持ち帰って調べたり、他の支援者に相談するなどして、次回の面会時に被収容者につたえるようにします。在留のみちを模索するにせよ、退去強制令書を受け入れて帰国するにせよ、それはあくまでも、被収容者自身が決定することです。支援者としては、被収容者本人の意思を尊重し、被収容者が方針を自分で決定するためのサポートをします。そのうえで、被収容者が決めた方針にもとづいて、可能な範囲で各種申請等の支援もおこないます。

   また、入管の収容施設は、医療をはじめとした処遇がきわめて劣悪であり、また明らかに施設の収容能力をこえた長期収容が常態化しています。そのため、このブログでもたびたび報じてきたとおり、被収容者たちが連名での改善要求を提出するなど、入管収容施設は、うばわれた人権を回復しようとする被収容者たちの闘争の現場にもなっています。面会ボランティアは、面会をとおして施設の処遇などの状況を把握し、必要におうじて入管の各局・センターに抗議・申し入れをおこないます。被収容者がみずから集団あるいは個人で、処遇等の改善要求をおこなっている場合は、被収容者にたいし入管が誠意をもって回答し、改善すべき点を改善するよう、支援者として申し入れることもあります。

   以上のように、当会の面会ボランティアは、退去強制令書を発付されたものの帰るに帰れない事情をかかえ、在留をもとめていくことを決意した被収容者ができるだけ早く仮放免許可をえられるための支援をおこないます。そのためには、個々の被収容者への個別の支援はもちろんのこと、被収容者全体について、長期収容をやめることや処遇改善を被収容者とともに入管各局・センターにもとめ、はたらきかけていくことも欠かせません。

  私たちの会は、仮放免者「全体」の権利獲得を目的として活動している団体です。したがって、帰るに帰れない事情をかかえ、苛酷な収容をしいられている被収容者(近い将来、「仮放免者」となるはずの人たちです)についても、その「全体」の利益向上をえられるべく面会等の活動をしています。とくに、劣悪な処遇のもとで長期にわたって収容するということは、被収容者それぞれの在留をのぞむ理由や事情(難民であるかどうか、日本での家族の有無など)をこえて、あるいは犯歴の有無にかかわらず、人権の侵害というべきことです。

  ですから、面会にあたっては、被収容者の個別の相談や質問におうじるといったことだけでなく、「どのような人にたいしてであれ、長期収容は不当な人権侵害であり、ゆるされない」という認識を被収容者と共有していくことも重要な課題であると私たちは考えています。被収容者たちは、日々、入管の職員から、退去強制令書に服して帰国するようにプレッシャーをかけられています。だからこそ、被収容者にたいして面会をとおして「不当なのは収容されているあなたたちではなく、入管のほうである」と私たちが考えているとつたえることは、面会ボランティアのはたしうる、なによりも大事な役割だといえます。



2.面会活動をおこなう収容施設と言語

  このたび、面会ボランティアを募集しているのは、関東地方にあるつぎの3つの収容施設での面会が可能なかたです。

(1)東京入国管理局(JR・京急の品川駅よりバス約10分)
(2)東京入国管理局横浜支局(JR新杉田駅よりバスで約15分)
(3)東日本入国管理センター(JR牛久駅よりバスで約25分)

  入管により面会が許可されている時間帯は、平日の昼間のみなので、その時間にお勤めのかたにとって定期的な参加はむずかしいかとおもいますが、月に1度、あるいは数か月に1度でも参加可能なかたも歓迎しますので、ぜひご相談ください。

  面会活動は、(1)~(3)の収容施設ごとに面会チームをつくっておこなっております。被収容者から面会でうけたさまざまな相談や質問、依頼などについては、面会チームで共有し、討議して、対応を考えていくことになります。

  なお、面会で必要な言語についてですが、当会の面会ボランティアは、日本語しか話せない者が多いです。収容されているかたは日本語を話すかたが多いですし、日本語での会話がむずかしいかたと面会するばあいでも、収容中の同国人などで日本語の得意なかたに通訳をおねがいするといった方法での面会も現にしばしばおこなっております。日本語以外の言語ができないから面会活動に参加できないというようなことはありません。

  もちろん、日本語以外の言語での会話が可能なかたの参加も大歓迎です。入管の被収容者には、さまざまな言語の話者がおり、そのおもな言語だけでも、英語、中国語、シンハラ語、タガログ語、タイ語、ペルシャ語、ウルドゥー語、バングラデシュ語、ネパール語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、韓国語(朝鮮語)、ベトナム語などがあげられます。

  当会の面会活動への参加をご検討いただけるかたは、以下のメールアドレスまでご連絡ください。


連絡先
大町(おおまち)
praj1031☆yahoo.co.jp (☆を@にかえてください)