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Thursday, December 17, 2020

長期収容問題と勤務医の不適切な言動について(12月3日、東日本入管センターに申し入れ)

  12月3日(木)、東日本入国管理センターに口頭での申し入れをおこないました。


 前回記事で述べたように、コロナ禍にあっても、長期収容問題は改善されずに残っています。


いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年12月13日)


 あとで述べるように、この長期収容にかかわる2点のほか、センターの勤務医の問題についても申し入れました。被収容者たちから面会などを通じて、勤務医がの不適切な言動が多数報告されています。これらについて、抗議するとともに、入管として勤務医を適切に監督・指導するよう申し入れました。


 申し入れ内容は、以下のとおりです。



(1)11月6日に早期仮放免を申し入れた3名について

 前回11月6日の申し入れでは、拒食状態にある4名の被収容者について、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めていました(→参照)。このうち1名はすでに仮放免されましたが、他の3名は依然として収容が継続しており、心身の状態が悪いことから、前回に引き続き、早期仮放免するよう申し入れました。



(2)自殺未遂をした被収容者について

 11月の下旬に40歳代の被収容者(「Kさん」とします)が自殺をはかりました。Kさん本人に面会して話を聞いたところでは、睡眠薬や痛み止めなどの処方薬が停止されて不眠が続き、イライラもひどく、精神的に限界だと感じて自殺しようとしたとのことです。睡眠薬等が停止されたのは、10月中旬です。このときKさんは極度の食欲不振のため拒食状態にあり、勤務医が食事をとらずに薬を飲むと胃が荒れるからと言って処方をとめたということです。


 Kさんに限らず、入管施設では、近年の収容長期化傾向のなかで、睡眠薬や精神安定剤のかなり強いものが処方されている被収容者が多くなっています。長期間の拘禁のなかで強い精神的なストレスや不安をかかえ、本来は収容に耐えられないような状態の人を、無理に収容しているということ。そうした無理な長期収容を、入管は薬物の力を使っておこなっているということではないのでしょうか。


 すくなくともKさんについては、睡眠薬が服用できないことでイライラが高じて自殺未遂におよんでしまうような精神状態にあったのであり、そもそも収容にたえられる状態ではなかったことはあきらかです。したがって、Kさんの収容をこれ以上継続すべきではなく、早期に仮放免すべきだということを申し入れました。



(3)勤務医の言動について。

 勤務医の言動が医者のものとは思えないという訴えが、複数の被収容者から寄せられています。たとえば、ある人は診察中に「日本人の税金をあなたたちに使うのはムダ」という暴言をあびせられたと言います。


 また、ハンガーストライキをおこなっている、あるいは体調不良で拒食状態にある被収容者に対して、勤務医が懲罰的に処方薬を中止しているとみられる事例を、複数確認しています。たとえば、先述のKさんは、睡眠薬とともに、湿布(運動で負傷した足首に使用していた)や目薬も、医師の指示により止められています。睡眠薬については、Kさんが食事をとっていないという理由で処方中止することがありうるとしても、湿布・目薬を出すのをやめるのは不可解です。懲罰あるいはKさんに対する嫌がらせを目的にしているとしか考えられません。


 同様に、Mさんという別の被収容者は、それまで処方され服用していた19種類の薬が、7月におなじ勤務医の指示ですべて止められました。Mさんの持病である糖尿病や高血圧症、心臓の病気を治療するための薬もふくめてです。


 こうした勤務医の言動は、患者の健康上の利益を尊重するという医療従事者の倫理規範に反しており、こういった行為を改めるよう入管から指導・監督すべきです。なお、Mさんについては、糖尿病等の持病の投薬が4か月以上も停止しているという深刻な状況にあるので、べつの医師が診察するなどして、治療を再開するための措置を早期にとるよう申し入れました。


 東日本入管センターに申し入れた内容としては、以上です。


 再三指摘してきたことですが、問題の核心は、入管が「送還忌避者」と呼ぶところの人びとに対する帰国強要のために、長期の収容という手段をもちいているところにあります。とくに、2015年以降、入管はそれまでは例外的であった2年をこえるような超長期収容を常態化させ、「送還忌避者」に対するきわめて強硬な送還方針をとってきました。人間に対して長期間にわたり自由をうばい監禁しようとすれば、それだけ管理・統制を強めざるをえなくなります。それが、一方では、懲罰的な隔離処分や職員による「制圧」行為の増加となってあらわれ、他方では、睡眠薬や向精神薬を多くの被収容者が服用せざるをえないという状況としてあらわれているのです。医療従事者の倫理的荒廃も、おなじ要因によるものでしょう。


 問題の根幹は、帰るに帰れない事情をかかえる人びとに対して、長期収容で自由をうばい苦痛を与えることで帰国に追い込もうという入管のやり方であり、これをあらためることなしには、収容されている人の人権と生命を守ることはできません。




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Sunday, December 13, 2020

いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)

  全国の各入管収容施設は、3~5月ごろにかけて、仮放免許可を積極的に活用することで、多くの被収容者を出所させました。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、施設内の密集を回避するためです。東日本入管センターでも、昨年12月4日時点で252名だった被収容者数(入管庁発表)は、現在では100名程度まで減っているとみられます。


 しかし、以下の記事でも述べたように、6月以降、仮放免の拒否判断はふたたび厳格化され、超長期の被収容者の仮放免申請が不許可になるケースがあいついでいます。


東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年11月14日)


 こうして、被収容者数は全体として大きく減少したものの、収容長期化はますます進行しているというのが現状です。


 こうした状況のなかで、東日本入国管理センターの被収容者たちが連名での「嘆願書」を作成しています。「嘆願書」は、早期の仮放免や帰国できない事情のある者への在留資格の付与などを求めたもので、国会議員などに送付しているとのことです。当会としても、「嘆願書」作成者たちから、収容所内の、あるいは仮放免されている仲間たちのおかれている問題を日本社会の多くの人に知らせてほしいということで、これを公表するよう要請されました。


 以下に「嘆願書」の全文を掲載します。長期収容問題は過去の問題ではなく、いまも進行中の問題であることを多くの人に知ってほしいと思います。


 「嘆願書」の署名欄には、署名者65名の名前のほかに、各人の国籍、収容期間、日本在留期間が記されていました。このうち国籍、収容期間、在留期間を集計したものをこの記事の末尾に資料としてまとめました。約100名の東日本センター被収容者全体のデータではないですが、これらの資料をとおして、常軌を逸して収容が長期化した状況が現在も続いているということ、またそのような状況に置かれても送還を拒否せざるをえないのはどのような人たちなのかということが、ある程度想像できるのではないかと思います。


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嘆願書


 茨城県牛久市の東日本入国管理センターに収容されている者を代表し、この嘆願書を書いています。


 長期の収容は心身にダメージを与え、仮放免後の後遺症が長く尾を引き、その後の人生にも大きく影響を及ぼす事になります。一日も早い仮放免が望まれます。

 また、仮放免後は仕事が禁止されていたり、移動の自由が制限されていたりと、人間として生きる権利が阻害されています。仕事をしなければ生きていく事は困難を極めます。

 我々は以下の事をお願い申し上げます。


  • 収容されている全ての人達の早期の仮放免を求めます。
  • 仮放免後は、自力で生活できる様、就労禁止という規則を撤廃し、仕事に就けるようにしてほしい。また、病気や怪我を負った時の為、医療保険に加入出来る様にしてほしい。
  • 日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人には在留資格を認めて欲しい。
  • 難民を含む、日本に庇護を求めて来た人、長年日本で生活している人や幼少期から日本で生活している人にも在留資格を認めてほしい。


以上です。


 どうか、我々にこの日本にもう一度住むチャンスを与えて下さる様、お願い申し上げます。


東日本入国管理センター収容者一同

令和2年12月1日


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【資料】署名者65名の国籍、収容期間、日本在留期間

1.国籍

国籍

人数

スリランカ

8

ブラジル

7

ペルー

4

ナイジェリア

4

ミャンマー

4

バングラデシュ

3

イラン

3

  そのほかに、ラオス、パキスタン、フィリピン、ベトナム、中国、ギニア、ネパール、カメルーン、コンゴ、インドが各2名、タンザニア、インドネシア、ウガンダ、トルコ、カンボジア、セネガル、米国、台湾、リベリア、ボリビア、ケニア、ジャマイカが各1名です。




2.収容期間

















 収容期間が何か月になると「長期収容」と呼ぶべきなのか、明確な答えがあるわけではありません。しかし、被収容者当事者や支援者の多くは、6か月以上の収容を「長期収容」として問題視することでだいたい見解が一致します。私たちも、会を結成した2010年以来、6か月をこえる「長期収容」をやめるよう、入管にくりかえし申し入れ等をおこなってきました。収容期間が6か月ほどになれば、ほとんどの被収容者は拘禁反応を発症するのであり(もちろん、もっと早く発症する人もいます)、これをこえて収容を継続するのは人権・人道の点から許容できないからです。

 ところが、現状は、1年、2年をこえるような収容が常態化し、4年をこえるようなすさまじい収容期間であっても入管が仮放免を許可しないというケースもめずらしくなくなっています。東日本センターの現状については次回の記事で追って報告しますが、強力な睡眠薬や精神安定剤を処方され、それなしには過ごせないとか、あるいは、拘禁ストレスからくる高血圧症に苦しんでいて、処方された降圧剤を服用しても血圧が下がらないとか、あきらかに心身が収容にたえられない状態にある人が長期間にわたって収容されているのです。



3.日本在留期間

















 過酷な長期収容にあっても送還を拒否せざるをえない人たちのなかには、日本での在留歴の長い人が相当数いるということが、グラフからうかがえるのではないかと思います。国に帰るに帰れない事情は人によってそれぞれですが、長年日本で暮らしてきてこの地にすでに定着しているということも、帰国できない事情として深刻なものなのです。

 先にみた苛烈な長期収容の状況は、それぞれに帰れない事情のある人たちを帰国に追い込むための手段として、入管が戦略的・意図的につくりだしている状況です。嘆願書にあげられている「日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人」「難民を含む、日本に庇護を求めて来た人」「長年日本で生活している人」「幼少期から日本で生活している人」。こうした人たちを、出国に「同意」させるための手段として、「心身にダメージを与え」る長期収容がもちいられているのです。






Saturday, November 14, 2020

東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました


 11月6日(金)、東日本入国管理センター総務課に口頭での申入れをおこないました。


 世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になるなか、3月から5月ごろにかけては入管の各収容施設は仮放免許可を積極的に活用し、その結果、どの施設でも被収容者数は大きく減少するにいたりました。入管庁が5月1日に公表したタスクフォースによる「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」においても、密集回避などのために仮放免を積極的に活用することが方針として打ち出されています。


 ところが、6月ごろになると、前月までは仮放免が許可されていたようなケースでも不許可があいつぐようになり、現状、深刻な体調不良のある人の一部しか仮放免されないという、コロナ禍以前の状況に逆戻りしてしまっています。収容期間がもともと長くなっていた人たちも、こうして仮放免が許可されずに依然として施設にとどまることになっています。長期収容問題はコロナ禍の現在にあっても、まったく解決にむかっていないのです。


 東日本入管センターでも、長期間心身の状態の悪化がますます深刻になっている被収容者が多くいます。今回の申し入れでは、第1に、私たちが面会したなかで、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めました。この4名は、いずれも母国での危険や日本にしか生活基盤がないなど帰国できないきわめて深刻な事情のある人たちで、にもかかわらず2年半から4年7か月という常軌を逸した長期間収容が続いている人たちです。とくにこの4名の被収容者について、生命尊重の観点から健康状態も考慮してなるべく早期に仮放免してほしいということを申し入れました。


 第2に、拒食している被収容者について人権を尊重した対応をすることを求めました。私たちはハンストをおこなっている人からの面会での聞き取りで、シャワーを5日間許されなかった、また運動場に出ることを許可されていないということを聞きました。この人は、4日に訪問した新聞記者との面会の直前、突然職員からシャワーをあびるようすすめられたとのことです。したがって、それまでのシャワー禁止の措置は、たとえば転倒の危険があるからといった安全上の理由からのものではなく、懲罰的な目的でおこなわれていたとしか考えられません。


 シャワーが被収容者の衛生上、また健康維持や精神的ストレスの軽減のうえで必要なのはもちろんですし、1日50分の運動時間も、収容生活において日の光をあびることのできる貴重な時間です。ハンストが被収容者の心身に危険なのは確かですが、懲罰的に入浴や運動の機会をうばってこれをやめさせようとするのは問題です。


 また、ハンスト者に対する職員らによる暴言の事実が被収容者から報告されていることを指摘し、ハンスト者および拒食症的な症状で食事のとれなくなっている人たちに対して、人権を尊重した対応をするよう申し入れました。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 早期仮放免を6日に申し入れた4名のうち1名は、その後11日にぶじ仮放免されました。心身の衰弱がいちじるしく、生命の危険すら心配せざるをえないような状態の人だったので、収容を解かれたことにひとまず安堵することができました。


 いっぽうで、東日本入管センターには、いまもおよそ100名の人が長期間収容されたままでいます。


 10日には、牛久警察署が同センターに収容されている人を建造物損壊の容疑で逮捕したという報道もありました。報道によると、この人は、センターの診療待合室で自身の糞尿を天井や壁などにまきちらしたのだといいます。


 逮捕される前に私たちはこのかたと同センターで面会しましたが、4年以上にもわたって入管施設に収容されていた人です。超長期の収容によるストレスにくわえ、このかたは、センターに勤務する医者から暴言を受けたことをきっかけにして、極度の食欲不振におちいっていました。体が食べ物を受けつけない拒食症のような症状がでて、4か月ほど食事をほとんどとれない状態が続いているとのことでした。このような状態になるきっかけとなった医者の暴言とは、「薬も食べ物も日本人の税金だ。あなたたちのために使うのはムダだ。気にくわないなら出て行け」というものだったそうです。患者の利益を第一にするという医療従事者としての責任をなげうった、ゆるしがたい発言です。このような外国人への差別主義と敵意をかくそうともしない人間が、患者の生命にかかわる医療行為に従事しているということは、見過ごせません。そして、この医者の行為は、長期収容によって被収容者を出国に追い込むという、心身を破壊する虐待を手段としている現在の入管の退去強制業務のやり口を忠実に体現するものでもあります。


 逮捕された人に報道されているような行為があったのが事実だとしても、そこまでの状態に被収容者を追い込んでいる入管の長期収容、その虐待・拷問とも言うべき実態こそが問われなければならないはずです。



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Sunday, February 16, 2020

ハンスト抗議者の再収容をやめるよう申し入れ、東日本入管センターに(2月5日)


1.ハンスト抗議者への懲罰的な再収容

 これまで数多くの報道もなされ、このブログでも報告してきたとおり、茨城県牛久市にある入管施設、東日本入国管理センターでは昨年5月より長期収容に抗議しての被収容者たちのハンガーストライキ(ハンスト)が断続的におこなわれてきました。昨年6月に長崎にある大村入管センターで食事を拒否していたナイジェリア人被収容者が餓死するという事件があり、これ以降、東日本と大村の両センターでは、ハンストで体調の悪化した被収容者を「仮放免」という制度で出所させる措置をとるようになりました。ところが、こうしていったん仮放免された人を、入管は2週間といった異例の短期間で再収容していることも、報道等が出ているとおりです。

 2週間だけ仮放免して再収容するという、この入管のやりかたは、前例のないきわめて奇妙なものです。しかも、抗議のハンストをおこなった人については、仮放免中の居住地がどこであるかにかかわらず、出所した元の施設に再収容するというこれもまた異例なやり方を入管はとっています。たとえば大村センターから出所した人は、仮放免中の住所が関東地方であっても、東京入管で拘束しながらもそこで収容せず、わざわざ飛行機にのせて長崎の同センターまで移送して再収容しているのです。たんに再収容するだけならば東京入管でもよいものを、わざわざ護送する職員のぶんもふくめて航空券代をかけて長崎まで移送しているわけです。

 こうした入管のやりかたに対しては、抗議者本人および周囲の被収容者を威圧・恫喝する見せしめのためのものだとして、被収容者たちの抗議をさらにまねくことにもなっています。短期間の仮放免後に再収容されても、またハンストを再開するひとも少なくないのです。

 2人のイラン人、マジドさん(52歳)とサファリさん(51歳)(※注)は「ハンスト→2週間の仮放免→再収容」を3回くりかえし、現在、3たび東日本センターに収容されています。マジドさんは1月16日、サファリさんは同21日に東京入管に出頭したところ仮放免期間更新を許可されずに収容され、その日のうちに東日本センターに移収されました。

 ふたりとも、くりかえしのハンストのため、心身ともに衰弱しています。私たちは、 2月5日(水)にマジドさん、サファリさんに面会して体調などを聞いたうえで、東日本入管センター総務課に、ふたりを再収容前提ではない仮放免をするよう口頭で申し入れをおこないました。



2.マジドさんとサファリさんの健康状態

 5日に面会したさい、マジドさんは車いすを押されて面会室にやって来ました。腰から左足にかけてしびれがあり、その部分の感覚もあまりないのだといいます。医師の診察を求める申出書を入管に提出したが、まだ受診にはいたっていません。

 マジドさんは、昨年6月上旬、この時点で収容期間が2年4か月という超長期におよんでおり、これに抗議してハンストを開始。7月9日に仮放免されたものの、2週間後に再収容。ふたたびハンストをして、10月16日に仮放免されますが、同28日に再々収容。またハンストをおこない、12月26日に仮放免され、翌1月16日にまたまた収容されて現在にいたります。食欲はあまりないが少し食べているということで、今はハンストを停止しています。

 くりかえし3度ものハンストをしたあとでは、ハンストをやめても体調がなかなかもどらないということで、表情や顔色にも深く疲労し衰弱した様子がうかがえましたし、自力での歩行が困難であるマジドさんが収容にたえられる状態とはおもえません。

 サファリさんも、マジドさん同様、ハンストをして3度(昨年7月と10月、今年1月)仮放免されましたが、いずれも2週間ほどの短期間で再収容されています。昨年12月ごろから、固形物を食べようとすると嘔吐するようになり、現在もコーンスープと栄養ドリンクといった流動物がかろうじてとれる状態です。仮放免中にうつ病と診断されており、またうつ病に起因する拒食症との診断もされています。

 サファリさんは面会室で腕をまくって左前腕を見せてくれました。固いもので引っかいたような細長い傷が複数走っていました。自分で傷つけたと思われるものの、本人はその記憶がないのだといいます。2月2日の夜中に居室で自分のひたいを壁にぶつける行為をくり返していたのはおぼえているが、その後の記憶がなく、翌日目が覚めてから、腕の傷に気がついたとのことです。記憶がとんでいるのは、サファリさんが相当に強力な睡眠薬など向精神薬を処方されて服用しており、その副作用ではないかと思われます。これほど強い作用のある向精神薬を必要とし、本人の記憶がとんでいるあいだに自傷行為をしてしまうのは、収容可能な心身の状態とは言えないでしょう。



3.医療態勢の不備

 サファリさんは、3度目の2週間仮放免ののち1月21日に収容された東日本センターで精神科医の診察を受け、1週間点滴による栄養補給をするように指示されました。診察の翌日の24日(金)から点滴治療が開始されましたが、つぎの25日(土)と26日(金)はセンターに医師や看護師が不在であるという理由で点滴がされませんでした。点滴での栄養補給が必要だと医師が判断した患者が、2日間これを受けられずに放置されたわけです。サファリさんについて、その病状に対応する医療態勢が東日本入管センターには欠けているのであり、この点でも収容を継続できる状態ではないと言うべきでしょう。

 マジドさんは、うえに述べた腰から左足にかけてのしびれの症状について、医師の診察を求める申出書を入管に提出しましたが、それから4日以上経過した5日(水)の時点でまだ受診にはいたっていませんでした。自力での歩行が困難で移動に車いすを必要とする状態になってすら、すぐに診療を受けられずに何日も放置される。マジドさんの健康状態からみても、東日本センターが医療態勢の面でこれに対応する能力を欠いているのはあきらかです。



4.なんのための収容か?

 マジドさんとサファリさんの収容は、入管業務の観点から言ってもまったく無意味に身体を拘束してその自由をうばうものと言えます。

 入管の収容は、送還のための身体拘束を目的にしたものです((「出入国管理及び難民認定法」第52条第5項)。したがって、送還の見込みがたたないひとを収容し続けるのは、入管の退去強制業務の観点からしても意味がありません。

 マジドさんの場合、2017年2月に入管施設に収容され、その直後に難民認定申請して以来、いまだ難民調査官からのインタビューもおこなわれず、審査は進んでいません。難民審査中は、入管法で送還が禁じられています。したがって、マジドさんは、3年ものあいだ送還不可能なことがあきらかな状態で、収容され続けていることになります。しかも、現在一次段階にある難民審査においてかりに難民として認めないという決定が出ても、この決定に対してマジドさんは法務大臣に審査請求をおこなうことができます。審査はまだまだ時間がかかることが見込まれます。

 サファリさんも、昨年8月に難民申請し、まだインタビューも実施されておらず、審査はまだ一次段階。建前上は送還を目的とした収容でありながら、送還は不可能です。なんのために収容されているのか、わけがわからないのです。

 なお、難民であることの立証は難民申請者みずからがおこなわなければなりません。外部との通信が困難で行動のいちじるしく制約された施設に難民申請者を入管が長期間収容するのは、この立証作業を妨害するものと言えます。

 また、マジドさんとサファリさんに関しては、長期でなくても、そもそも収容して身体を拘束することに意味があるのか、はなはだ疑問です。マジドさんサファリさんとも2010年から16年まで、仮放免されていました。ふたりとも6年間の仮放免中は、東京入管に求められたとおりに1~2か月ごとの出頭に応じてきました。昨年7月以降、ハンストをおこなって2週間ほどの仮放免で出所した際も、再収容されることは十分に予想されましたが、マジドさんもサファリさんも3度にわたって出頭して収容されたわけです。

 さきに述べたとおり、送還のための身体拘束(法務省らの用語では「身柄の確保」といいます)が入管法上の収容の目的です。つまり、「送還までのあいだ逃げないように拘束しておく」ための収容です。ところが、マジドさんやサファリさんに関しては、「逃亡のおそれ」があるとはとうてい言いがたいわけです。しかも、入管にとって、当面送還できないこともはっきりしています。

 このように、マジドさんとサファリさんの健康状態が悪化していることにくわえ、ふたりを収容しつづけているのは、入管が法律によって与えられている収容の権限を逸脱したもので、心身をいたぶることを目的としているとしか考えられないとして、再収容を前提としない通常の仮放免を早期にするよう、東日本入国管理センターに申し入れました。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 アムネスティ日本が、法務大臣と収容・送還に関する専門部会に対し、以下3点を要請する署名をつのっています。

  1. 抗議活動を行う収容者を仮放免で釈放し、短期間の後に再収容するのはやめること
  2. ノン・ルフールマンの原則をいかなる場合でも遵守すること
  3. 出入国管理上の収容は送還の準備に必要な短期間に限るよう、収容期間に上限を設けること

 賛同される方は、リンク先から署名をお願いします。期間は3月31日までとのことです。




◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


※注
 マジドさんについては、当ブログの以下の4つの記事で「Aさん」として紹介したことがあります。マジドさん本人から名前を公表してもよいとの承諾をえて、今回記事で本名で表記します。サファリさんについて、本人の承諾のもと、本名で表記します。



Monday, January 13, 2020

【傍聴呼びかけ】大阪入管暴行事件(第10回口頭弁論)


 2017年7月に大阪入管の職員たちが、当時収容されていたトルコ人男性に集団で暴行をくわえ、右腕を骨折する重傷を負わせた事件。被害者のMさんが、国に損害賠償を求めた裁判のご案内です。

 裁判は、2018年5月の提訴から1年半以上が経過し、第10回の弁論となります。

◎日時:2020年122日(水)1315分~ 
◎場所:大阪地方裁判所810号法廷
(→地図

 都合のつく方は、傍聴をお願いします。

 また、裁判後には、原告Mさんと弁護団も出席しての報告集会もおこないます。ぜひ、こちらもご参加ください。

 事件の詳細については、以下の記事をごらんください。





◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇





 入管職員による集団暴行事件は、他の収容施設でも起きております。

 2018年1月に東日本入国管理センターで、クルド人被収容者がやはり職員たちから集団での暴行を受けるという事件がありました。こちらも被害者が国家賠償請求訴訟をたたかっており、その裁判の過程で国側が提出した映像が報道されたことで、世論の大きな関心を集めています。

 2つの事件とも、職員たちのふるった暴力は、被収容者たちや職員自身の生命・安全をまもるための必要最小限の実力行使とはとうてい言えるものでありませんでした。公開された映像やあきらかになっている事実経過からみて、威嚇して自分らの優位を示して相手を服従させる、そういった目的でこれらの暴力がふるわれたのは、疑いようがありません。

 以下のTBSのニュースでは、東日本入管センターと大阪入管、2つの施設での暴行事件の映像(動画)が報じられています。このような入管職員による違法な暴力は、やめさせなければなりません。被害者自身が声をあげ、たたかっている2つの裁判に注目していきましょう。




【news23】衝撃の内部映像、収容者“暴行”入管施設で何が?(TBS NEWS 2019/12/24)


Tuesday, October 29, 2019

【抗議のよびかけ】人命をもてあそぶ入管による再々収容について


  10月28日(月)、東京入管はわずか2週間前の10月16日に仮放免したばかりのAさん(50歳代のイラン国籍の難民申請者)を収容し、同日中に茨城県の東日本入国管理センターに移収しました。Aさんが、仮放免期間2週間での再収容というきわめて非人道的な仕打ちを受けるのは、この7月に続いて2度目のことになりますから、これはいわば「再々収容」ということになります。

 しかも、Aさんは、7月22日に再収容されたのち、長期収容や、わずか2週間の仮放免からの再収容という入管の仕打ちに抗議してハンガーストライキ(ハンスト)をおこなっており、長期の収容とハンストによって衰弱した身体が回復していない状態でした。 今回の「再々収容」は、このような状態のAさんにとり、単に非人道的な仕打ちというにはとどまらない、残酷きわまりない虐待、拷問というべきものです。

 Aさんについては、以下の3つの記事でもおなじ「Aさん」というイニシャル表記で紹介してきたところです。




  仮放免者であったAさんが2017年に入管に収容され、今回の再々収容にいたるまでの経緯を以下にまとめておきます。
 Aさんは難民申請者であり、自身が難民であることの立証作業をする必要があることから2010年から仮放免許可を受けて関東地方で暮らしていた。
 2017年2月に難民認定申請が却下されたことを理由に東京入管に収容されたが、帰国すれば迫害される危険性が解消されたわけでないので、ふたたび難民申請した。同年10月に東京入管から東日本入管センターに移収された。
 2019年6月上旬、この時点でAさんは収容期間が2年4か月という超長期におよんでおり、これに抗議してハンストを開始。同年7月9日に仮放免された。
 ところが、このわずか2週間後の7月22日、仮放免期間更新申請のために東京入管に出頭したが更新は許可されずに再収容され、ただちに東日本入管センターに移収された。
 再収容後にもAさんは抗議のハンストをおこなった。
 10月16日にふたたびの仮放免。ところが、10月28日に仮放免期間更新申請が許可されず、東京入管に再々収容され、ただちに東日本入管センターに移収された。

 2年5ヶ月間の収容→仮放免→2週間後の再収容→3か月後に仮放免→2週間後に再収容、というのが、この2年8ヶ月あまりのAさんの経験してきたことです。このくり返しの収容は、きわめて不当なものです。

 まず、入管法が規定する収容の目的から完全に逸脱しています。入管法が入管当局に収容を認めているのは、あくまでも強制送還が可能になるまでの身体拘束としてです(「出入国管理及び難民認定法」第52条第5項)。Aさんは送還の禁じられた難民申請者であり、入管にとって送還の見込みが当面たたない人です。2年半をこえるAさんの収容期間の長さは、入管が送還の見込みがないにもかかわらず、不当にも収容継続に固執してきたことの証左でもあります。しかも、Aさんの場合、「逃亡のおそれ」がなく、したがって身体拘束の必要がないことはあきらかです。というのも、Aさんは仮放免されていた2010年から17年までの期間、入管の指示する1~2か月ごとの出頭日に欠かさず出頭していましたし、再(々)収容が予測された今年7月と10月にも「逃亡」することなく出頭し、その結果、収容されたのですから。

 入管にとって収容の目的をはたせる見込みがなく、しかも「逃亡」しないとわかりきっている相手を医療もまともに受けられないような施設に閉じ込め、自由をうばいつづける必要がどこにあるのでしょうか?

 Aさんにかぎらず、7月以降、東日本と大村の両入管センターでハンストをおこなって健康をそこなった被収容者について、入管は2週間ほどの短期間だけ仮放免したのち再収容するということをくりかえしています。これら一連の再収容は、被収容者の抗議をおさえこむための見せしめ・恫喝を意図したものとしか理解しようがありません。このように人間の身体を見せしめの道具としてもちい、人の生命と尊厳をもてあそぶやり方は、けっして許されるものではありません。

 また、このくり返しの収容は、入管当局の意図はどうであれ、被収容者たちのハンストをあおり助長する結果になっています。長期収容とハンストで衰弱・疲弊し、心身がぼろぼろになった人をいったん仮放免しては短期間で再収容するということを入管はおこなっていますが、Aさんふくめこうして再収容された人の多くが、ふたたびハンストを再開する結果になっているのです。

 ハンストを何度もくり返すのは、心身にきわめて負担が大きく、言うまでもなく生命を危険にさらすものです。ところが、入管はAさんに対し、まるで魚釣りの「キャッチ・アンド・リリース」のような仕打ちを、1度ならず2度までもおこないました。こうしたくり返しの収容が、現に被収容者による危険なハンストを助長しているという事実があるにもかかわらずです。

 Aさんの再収容は、入管施設において今後死亡者がまた出かねない状況を入管みずからが選んで作っているという点で、人命軽視もはなはだしく、絶対に容認するわけにいきません。

 東日本入管センターに対し、10月28日に再々収容した人をただちに仮放免するようになどと抗議・意見提示をおこなうよう、よびかけます。また、多くの報道関係者にぜひともこの問題を取材・報道していただくようお願いします。


抗議先
東日本入国管理センター(総務課)
 電話:029-875-1291
 FAX:029-830-9010


 なお、今回の問題に関しては、抗議の声、批判的な意見があるということを入管の組織のなかで共有・検討してもらうことが重要だとおもいます。電話で対応する職員に対し「所長につたえてください」「抗議の内容を文書にして上に報告してください」などと要請するかたちで、抗議として十分意義があると考えています。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇





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Tuesday, August 27, 2019

再収容および長期収容について抗議の申し入れ(8/21、東日本入管センターに)

1.見せしめ目的の再収容

 5月以来、東日本入国管理センターでは長期収容への抗議のハンストが広がっています。同センターは7月上旬からハンストで衰弱した被収容者を仮放免というかたちでつぎつぎと出所させています。

 ところが、7月22日、東京入管(東京出入国在留管理局)はたった2週間前に仮放免されたばかりのイラン人2名を再収容し、ただちに東日本入管センターに移収しました。長期収容とハンストによって疲弊した心身が回復するいとますらあたえず、わずか2週間の仮放免ののち再収容するというような措置は、前例のない異常なものです。また、この再収容は、東日本入管センターなどで広がっているハンストをおさえるための見せしめ・恫喝を目的としていることはあきらかであって、こうした入管当局のやり方に対しては、問題視する報道がいくつか出ており、弁護士会や支援者・支援団体からも批判があいついでいるところです。

 私たちとしても、7月29日に抗議声明を発表するとともに、同日、東日本入管センターに対して抗議・申し入れをおこないました。




 しかし、このような異常な再収容を、入管当局はいまだ中止せずくり返しています。

 長崎県にある大村入国管理センターから仮放免されていた人も、8月8日に名古屋入管(名古屋出入国在留管理局)で再収容され、ただちに入管の車両に乗せられて大村センターに移収されました。この人も、長期収容に抗議して50日間ほどのハンストをおこない、1か月前に大村センターから仮放免されたばかりでした。

 関東でも、ハンストをおこなったあとに東日本入管センターから仮放免で出所していた2名を、8月14日と16日に東京入管があいついで再収容し、その日のうちに東日本入管センターへと移収しました。



2.入管の姿勢が命がけのハンストを助長している

 こうした一連の再収容に対して、私たちは前回の7月29日にひきつづき、8月21日にも東日本入管センターに対して抗議の申し入れをおこないました。今回の申し入れは、当会の事務局から3名のほか他団体等の支援者ふくめ6名でおこないました。

 申し入れした内容については、当日東日本入管センター総務課に提出した申入書をこの記事の末尾に掲載しておりますので、参照してください。

 ハンストをしての仮放免後に再収容された人は、今回の申し入れの時点で東日本入管センターに5名収容されていましたが、その全員が再収容後ただちにハンストを再開しています。再収容された人びとのいきどおりと絶望感はすさまじいものです。なかには、水を飲むことすら拒否し、支援者の懸命な説得でようやく水と塩分だけは摂取することにしたという人もいます。一連の再収容は、命がけともいえる強い覚悟のもとでのハンストを助長する結果になっています。ハンストをおさえこもうという意図とは反対に、入管の強硬な姿勢が危険なハンストをまねいているのです。

 現在の強硬姿勢を入管がとりつづければハンストによる死亡者が出かねない危機的な状況であることを述べ、7月22日以降に再収容した5人全員をただちに仮放免することを求めました。



3.重病の被収容者への対応がますますおろそかに

 今回の申し入れでは、ハンストをおこなっていない人もふくめて、重病人と超長期の被収容者をただちに仮放免することも求めました。

 ハンストをしていない重病者としては、被収容者2名の事例を具体的に説明しました。

 ひとりは、カメルーン国籍のLさんです。Lさんの収容期間は2年10ヶ月。6月9日以来、食事がとれなくなり、固形食はもとより牛乳やおかゆ、液体の栄養補助食品(エンシュアリキッド)すら摂取しても吐いてしまう、ポカリスエットがかろうじて飲めるぐらいという状態が現在までつづいているそうです。ストレスが原因の神経性胃炎と診断されたLさんは、6月上旬に88kgあった体重が2か月あまりのあいだに67.1kgと20kg以上落ちており、現在では自力で立ち上がるのも困難なほど衰弱しています。

 このような状態の人の収容を継続しているということ自体が不当ですが、職員らがハンストへの対応におわれることで、Lさんら病人への対応がいっそう行き届かなくなっているのではないかと思われます。Lさんは、7月24日にシャワー室でめまいがして昏倒しましたが、以後ようやく医者の診察を受けられたのは8月19日になってのことでした。これほど重篤な病人が、4週間ちかくも診療を受けられずに放置されたのです。

 申し入れでは、もうひとりの重病者として、スリランカ国籍のSさんの事例を示しました。Sさんは2年超の収容期間。入管施設に収容されてから左目がほとんど見えなくなり、昨年3月に白内障と診断されました。このときに眼科医からいずれ手術をしないと失明するおそれがあると言われましたが、その後1年半ほどにわたって目の治療をなんら受けられず放置されています。

 また、Sさんは10年ほど前から心臓に持病があり、ニトログリセリン(狭心症の胸痛時に服用する薬)を常備し使用してきました。収容後も、この薬を職員があずかり、必要なときに職員を呼んで薬を出してもらうというかたちでこれを使用しています。昨年4月末には心臓が苦しくなって病院に救急搬送されており、その後もこの症状のためにニトログリセリンを服用する機会が何度もありました。

 Lさんにしても、Sさんにしても、超長期にわたる収容のなかで、きわめて深刻な病状にあります。しかも、ハンストをおこなう被収容者があとをたたないなかで、こうした重病人への職員らの対応はますますおろそかにならざるをえません。こういった点でも、被収容者が死亡する危険性は高まっているのであって、状況が大変に危機的であるということを入管当局は認識すべきです。

 以下に、東日本入管センター所長あてで今回提出した申入書を掲載します。



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申 入 書

2019821

東日本入国管理センター所長 殿

仮放免者の会(関東)


 以下、申し入れる。


1.722日以降に再収容した人の全員をただちに仮放免すること

 722日に、貴職らはイラン人男性2名を再収容した。2人は長期収容に抗議してハンガーストライキ(ハンスト)をおこない、わずか2週間前の79日に東日本入国管理センターから仮放免されたばかりであった。

 以降、入管はハンストをおこなった人を仮放免し、2週間といった短期間で再収容するという同様のやり方をくり返している。貴職が仮放免した人たちは、ハンストによって衰弱しているばかりでなく、貴職がおこなった2年や3年をこえる超長期収容のために心身に深刻な健康問題をそれぞれにかかえている。そういった人びとを、回復するまもなく再収容するのは、前例のない異常なやり方であるだけでなく、人間の命と健康をいちじるしく軽視してもてあそぶ、許しがたい人権侵害である。

 このたびの一連の再収容は、5月以降東日本センターなど入管収容施設で広がっている被収容者のハンストを鎮静化・抑止するための見せしめ・恫喝を目的にしたものであることは、あきらかである。ハンストの広がりと長期化が被収容者たちの生命・健康を危険にさらすものである以上、これを収束させることが必要であるにしても、今回のような見せしめとも言うべき入管当局のやり方が許されるはずもない。

 そして、これら一連の再収容は、おそらくは入管当局の意図には反して、危険なハンストを助長する結果になっている。今回再収容された人の多くは、再収容されてただちにハンストを再開している。この結果は、そもそもなぜ現在東日本センターなどでハンストが拡大・長期化しており、またなぜなかなか収束しないのかという原因の本質をみるならば、十分に予想できたことである。

 201516年以降に顕著になった収容の超長期化と言うべき状況が、退去強制令書発付処分を受けながらも帰るに帰れない切実な事情をかかえている被収容者たちの多くを絶望に追い込んでいる。この絶望が多数の被収容者をハンストという危険な抗議手段に向かわせ、また、あいつぐ自殺未遂・自傷行為を引き起こしているのである。こうした状況のなかでこのたびの再収容をおこなったことは、被収容者たちに入管当局はこれまでの常軌を逸した長期収容を今後とも続けるつもりなのだというメッセージを与えることになったのである。こうした強硬方針の継続は、危険なハンストをますます助長し、被収容者を死亡させる事件を今後またくり返させるおそれがある。

 死亡事件をこれ以上くり返さないために、ハンストをおこなったのちに仮放免した人を再収容することをやめ、またすでに再収容した人の全員をただちに仮放免すべきである。



2.重病人および超長期の被収容者をただちに仮放免すること

 東日本センターでは、ハンストへの対応に職員らが追われることにより、病人に対する対応に十分に人手がまわらなくなっているとの報告を、複数の被収容者たちから受けている。ある被収容者は、ストレス原因の神経性の胃炎のため食事をとっても吐いてしまう状態が続き、通常の収容区画から病室に移されていたが、自身の病状が改善していないにもかかわらず元の通常の収容区画に戻された。職員からは、ハンストをしている人が増え、これに対応しなければならないからだと説明されたとのことである。

 もとより平時から、東日本センターは300人をこえる数の被収容者の生命・健康をまもるために必要な医療体制をそなえているとはとうてい言いがたい。そのうえハンストが拡大・長期化している現状では、その対応に多くの職員らをさかなければならないぶん、病人への対応がますますおろそかにならざるをえない。平時以上に被収容者を死亡させる危険が高まっているのであって、この現状を放置するわけにはいかない。

 死亡事件の再発をふせぐことを最優先すべきであり、重病人をただちに仮放免するべきである。

 また、717日にも貴職に対して文書で申し入れたとおり2年をこえるような超長期と言うべき収容の常態化が、多くの被収容者たちを絶望させ、命がけの危険なハンストに向かわせている。超長期の被収容者たちから仮放免することをもって、長期収容を回避していくという意思を貴職は行動で示すべきである。


以 上

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Tuesday, August 6, 2019

東日本入管センターに抗議しました――仮放免2週間ののちの再収容について

 7月22日、入管は2名のイラン人を仮放免期間わずか2週間ののち再収容しました。2人は東日本入管センターで長期収容対して抗議のハンストをおこなったのち、仮放免許可により出所しましたが、その2週間後に東日本センターに再収容し、ふたたびその自由をうばったのです。



 抗議声明で述べたように、この2名(Aさん、Bさん)に対する再収容は、ハンストなどで長期収容に抗議する被収容者たちに対する見せしめ・恫喝を目的としたものであることはあきらかで、私たちとしても絶対に容認できません。

 私たちは、7月29日(月)に、再収容されたAさんに面会したうえで、東日本入管センターに対して、抗議の申し入れをおこないました。




Aさんとの面会
 
Aさんは、22日の再収容直後からふたたびハンストを始めており、この日(29日)、すでに1週間経過したところでした。

 「自分の事は考えていない。入管のやり方は許せないから闘う」ということを語っていました。また、22日に逃げずに東京入管に出頭し再収容されたことについて、「再収容されるかもしれないと思ったが、一緒に闘った仲間や、保証人になってくれた人への裏切りになるので、逃亡はしなかった」とも話していました。



 もちろん、長期収容と再収容によって人の生命と人生をもてあそび、虐待をつづける入管当局のあまりに常軌を逸したやり方こそが非難されるべきであって、再収容におびえて「逃亡」したからといって責められるいわれはありません。ただ、一緒に闘ってきた仲間への裏切りになるからと「逃亡」はせず、再収容されてふたたびハンストを始めたというAさんの言葉を聞くと、これと対照的に入管の今回やっていることの浅ましさ・卑劣さがきわだちます。

 Aさんの体調はかなり悪そうに見えました。 表情もさすがに生気を欠いているように見え、面会終了後に立ち上がって部屋を出ていく足取りもふらついていました。




抗議の申し入れ
 Aさんら被収容者と面会したのち、当会の事務局員2名をふくむ支援者5名で、東日本入管センターの総務課におもむき、抗議の申し入れをおこないました。

 Aさんらの状況はきわめて深刻であってけっして放置できないと考えたので、総務課の部屋に入るなり私たちは「所長さんを出してください。(所長室のほうを向き)所長さん、いないんですかー? 出てきてくださいよー!!」などと大声を出しました。人命にかかわる緊迫した事態であるということをセンターの責任者である所長に直接つたえ、抜本的な方針転換をもとめたかったのですが、所長は出てきませんでした。渉外担当の職員が「大声は出さないでください」と言い、私たちは別室に通され、そこで話をすることになりました。

 私たちは、仮放免2週間での再収容について、これまでになかったような異常なやり方であり、許されない人権侵害であり、この状況が継続すれば、万が一のことも起きかねないのではないかといったことを述べました。

 東日本入管センターに7月17日に提出した申入書でも述べたとおり、収容の超長期化と言うべき状況が、被収容者たちの多くを絶望に追い込んでいます。この絶望が、多数の被収容者をハンストという危険な抗議手段に向かわせ、またあいつぐ自殺未遂・自傷行為を引き起こしているのです。Aさんらに対する再収容は、入管はこれまでの強硬方針を今後もつづけるつもりなのだというメッセージを被収容者たちにあたえ、そのことによって危険なハンストを助長しかねないものです。

 これ以上人命がそこなわれることをふせぐためには、仮放免制度を活用することで長期収容を回避していくのだという意思を、入管は行動によって明確に示すことが不可欠です。超長期の被収容者から、ハンストをしているかどうかにかかわらず、無条件に仮放免していくことをあらためて求めます。




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Monday, July 29, 2019

【抗議声明】入管による見せしめ・恫喝を目的とした再収容について


 7月22日に東日本入国管理センターは、2人のイラン人(「Aさん」「Bさん」とする)をふたたび収容した。2人はこのわずか2週間前の7月9日に、おなじ東日本センターから仮放免されて出所したばかりであった。この2人の再収容は、東日本センター等で広がっているハンストを弾圧するための見せしめ・恫喝を目的としたものであることはあきらかであり、当会としても断じてこれを容認することはできない。



1.事実経過
 超長期収容に対する抗議のハンストが、今年の5月以降、東日本入管センターをはじめとする各地の入管収容施設で広がっている。AさんとBさんも、東日本入管センターにおいてハンストをおこなっていた。Aさんは6月4日からおよそ25日間、Bさんは5月10日から50日間にわたり食事を絶ち、2人とも自力で歩くことができなくなるほどに衰弱していた。

 2人がようやく仮放免がみとめられ、収容所から出ることができたのが、7月9日。ところが、そのわずか2週間後の7月22日、入管はAさんとBさんの身体を拘束し、東日本入管センターに連行して収容した。



2.長期収容・再収容の不当性
 今回、入管当局は、2年をこえる超長期収容とハンストでぼろぼろになった心身が回復するまもなく、AさんとBさんを再収容した。しかも、いったん拘束を解いたうえでたったの2週間でふたたび拘束するというやり方、わずかな希望を与えてすぐさまこれを打ち砕こうとするサディスティックな入管のやり口には、強いいきどおりをおぼえずにはいられない。

 2人に対する長期収容、そして仮放免した直後の再収容の不当性をあきらかにするために、まず入管法にさだめられている収容の目的を確認しておこう。入管法(「出入国管理及び難民認定法」第52条第5項)は、「退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで」収容することができると定めている。あくまでも、送還にいたるまでの身体の拘束・逃亡防止が、法にさだめられた収容の本来の目的である。入管による収容は、懲罰や制裁を目的としたものではない。したがって、収容が長期化して被収容者の健康がそこなわれるようなことがあってはならないのはもちろん、身体を拘束して自由をうばう期間は極力みじかくなければならない。

 山下貴司法務大臣は7月2日の記者会見で、大村センターでのナイジェリア人被収容者が死亡した事件を受けて、つぎのように述べている。

「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです。」

 送還の見込みが立たないようなケースで収容が長期化することを回避するための制度として、仮放免制度が位置づけられていることに注意したい。この法務大臣の発言は、これまで法務大臣・入管当局が、国会答弁などでくりかえし表明してきた内容でもある。送還の見込みが立たないにもかかわらず収容を継続することは、入管法に規定された収容の目的に照らしても無駄かつ不当であり、そのような場合は仮放免によって長期収容を回避すべきなのである。

 この点で、まずAさんもBさんも2年以上という超長期にわたって収容されていたこと自体が、不当である。この収容期間の常軌を逸した長さこそ、入管が2人を送還の見込みが立たないことがあきらかであるにもかかわらず無駄に収容しつづけ、自由をうばい心身に苦痛を与えてきたことの証左なのであって、もっと早くに仮放免すべきであったのである。

 そして、入管は、あまりに遅すぎる仮放免許可を与えて2人を出所させたが、そのわずか2週間後に再収容した。このわずかな期間に、AさんおよびBさんについて送還の見込みが立つような状況の変化など生じていない。また、2人とも入管の指示したとおりに出頭したところを再収容されたのだから、「逃亡」の意思がなかったことはあきらかである。

 したがって、入管は、送還という法に定められた収容の目的を達せられないことがあきらかであり、しかも「逃亡」のおそれがなく身体拘束の必要性がないことがあきらかであるにもかかわらず、AさんとBさんを再収容したのである。

 とすると、なぜ入管が2人を再収容したのか、その目的はあきらかである。AさんとBさんはじめ、長期収容に抗議してハンストをおこなう被収容者たちに対して、「抗議しても無駄だ」「おまえたちの声を聞くつもりなどない」と恫喝するためである。このように、人間の生命をもてあそび、身体的・精神的に人を痛めつけてこれを見せしめにするような卑劣な行為を、われわれは絶対に許さない。



3.明確な悪意の存在
 さきにみたように、山下法務大臣は「速やかな送還の見込みが立たないような場合には,(中略)仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです」と発言している。

 しかし、この大臣発言は、入管当局の現におこなっている運用からみれば、まったく事実に反している。「速やかな送還の見込みが立たないような場合」に「仮放免制度を弾力的に運用」していたならば、2年や3年をこえる超長期収容が常態化しているという入管センターの現状は生じるはずがない。送還の見込みが立たないケースでも、仮放免せずに収容継続に固執しているからこそ、収容の超長期化と言うべき現状がもたらされているのだ。

 つまり、入管は、長期収容は回避すべきであり、送還の見込みが立たない場合は仮放免制度を弾力的に運用していると口先では言いながら、まったくこれと反する行動をとっているのである。問題は、入管はなぜこうしてウソをつくのか、という点である。

 入管は、この法務大臣発言がそうであるように、長期収容は回避すべき問題であるということを口先では一貫して表明してきた。そう言うことで、まるであたかも、この収容長期化という事態が入管にとって意図せざる不本意な結果であるかのようにふるまっている。しかし、その事態を回避する手段として仮放免制度にふれながらも、いっこうにこれを活用して収容長期化問題を回避しようとはしてこなかった。それは、入管が口先で言うのとはうらはらに、この収容長期化が意図されたものだからだ。

 入管は、ある明確な目的意識のもと、長期収容をおこなっている。それは、長期間にわたって身体を拘束し、自由をうばい、心身を痛めつけることによって、被収容者が送還に「同意」するように追い込むというものである。つまり、長期収容を帰国強要の手段として意図的におこなっているのである。

 したがって、今回のAさんとBさんに対する再収容は、入管がこれまでおこなってきたやり口の延長線上にあるものにすぎない、ということも言える。個人に苦しみを与え、また、そうして苦しんでいる様子をまわりの人びとへの見せしめにすることで、抵抗する者たちの意思をくじこうとする。こうした入管のやり方は、今回の再収容だけでなく、長期収容を帰国強要の手段としてきたことにもみられるものなのである。その意味で、入管のやり方は一貫しているとすら言える。

 ただし、今回のAさんとBさんへの仕打ちにおいて、入管幹部どもの陰湿で残虐な悪意、被収容者・仮放免者を虐待によって従属させようとする意図は、もはや隠しようがなくあからさまになった。AさんとBさんをはじめ、被収容者たちの闘争・抵抗が、これを暴露したのである。

 入管当局は、AさんとBさんらを即座に解放するとともに、長期収容と再収容によって人間をいたぶることをやめるべきである。

2019年7月29日
仮放免者の会(関東)

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Saturday, July 20, 2019

牛久からの手紙2

 東日本入管センターの被収容者から手紙をあずかりました。「収容所内の現実や辛さ、苦しい生活、痛み、ストレス、精神的虐待など本当の実態」について、被収容者の声を拡散してほしいとのことです。

 出入国在留管理庁長官の佐々木聖子氏や、国会議員、報道関係者、各支援団体にもおなじ手紙を送っているとのことですが、インターネット等でも広く拡散してくださいと託されましたので、ここに全文を公開します。(長崎の大村入管センターで亡くなった方のお名前だけはわからないよう修正しました)

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 東日本入国管理センター(牛久市)で拷問的な毎日が続き、誰にも考えられない過酷な所になりつつ日々を送っている。入管での収容はきわめて過酷なものです。収容期間の上限が定められていない無期限収容であることの、ストレス、強制送還されるかもしれないという恐怖と不安。こうした極度の精神的な負荷のかかった状態にあって、ほとんどの人は収容されて遅くても半年もすれば拘禁症状を発症しはじめます。このような入管収容施設にあって2年以上の収容が常態化しているのは、まさに「異常事態」というべきなのです。
 現在私達は収容所において長期収容が余儀なくされています。1年は勿論のこと、3年以上の人も多々あり異常事態になっています。私達の中には高血圧症をはじめ、ヘルニアから様々な病や長期収容により精神的な損傷いわゆる拘禁症状を患い苦しい収容生活を強いられている者は少なくありません。病気があり、専門的な治療が必要とされているにも拘らず医療放置、そして仮放免を一切許可せず見て見ぬふりをしているのは収容所の姿勢ではありませんか。現下において収容所の運用方針は極めて非人道的なやり方を行っており、私達は納得できません。私達は犯罪者ではないのに、日々私達の生活が貴センターによって監獄化されいつまでも人生の大切な時間を奪われなければなりませんでしょうか。私達はこれ以上我慢することが出来ません。
 6月24日、長崎収容所で起きたナイジェリア国籍のAさんの死亡事件はご存じでしょうか。彼は「異常事態」の結果でもあり収容所が見殺しにしたのも同然である。そんな入管の運用方針が変わらなければ、このような事件はまだ続くでしょう。
 収容所内の現実や辛さ、苦しい生活、痛み、ストレス、精神的虐待など本当の実態は私達収容者にしか分からない事であり、なんとかして皆様に真実を伝えなければなりません。この文章をご覧になった皆様には、入管センターに収容されている私達の声を拡散するのにご協力下さい。
以 上

7月11日
サブッセベ イャマネ
(エチオピア)

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 SNSや報道などでも情報が出ているように、東日本センターでは長期収容に抗議するハンストが被収容者のあいだに広がっています。ハンスト者がすでに70名をこえるとみられることは前回の記事でお伝えしたとおりです。この手紙の送り主のイャマネさんも7月16日からハンストをおこなっています。

 ハンストは他の入管施設でも広がっています。大村入管センターでは、7月15日から被収容者20名以上が、長期収容をやめることとナイジェリア人被収容者を死亡させた責任をとって荒川満所長が辞職することをもとめて、ハンストをしています。東京入管でも、私たちが確認しただけでも、4名の女性被収容者がハンストをおこなっています。

 こうしてハンストが広がっている現状は、また死亡者がでかねない危険な状態であると言わざるをえません。このハンストを早期に収束させ、被収容者たちの生命・安全をまもるためには、入管が長期収容を回避していくという姿勢を言葉だけではなしに、行動で明確に示すしかありません。私たちは、こうした観点から、2年以上の超長期被収容者を、ハンストをしているかどうかにかかわらず、無条件で仮放免するよう、17日に東日本入管センターにたいして申し入れました。

 入管は、長期収容問題について、退令発付を受けた被収容者を出国させる(送還する)ことで取り組んでいくのだという方針をいまだに断念していないようです。しかし、その「送還」という手段での長期収容の回避が不可能であり破綻しているということこそ、「2年以上の収容が常態化している」どころか、4年や5年をこえる被収容者がいるという現状からはすでにあきらかなのです。

 まずは超長期の被収容者を無条件で仮放免していくこと。このことが長期収容問題を解決する唯一の手段であるばかりでなく、被収容者の死亡事件をこれ以上くりかえさないために緊急に不可欠なことです。

 今回紹介したイャマネさんの手紙の拡散にご協力をお願いします。





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Wednesday, July 17, 2019

収容期間2年以上の人を仮放免すること等を申し入れ 東日本入管センターでのハンストについて



 東日本入国管理センターでのハンストはますます広がっています。同センターで長期収容に抗議してハンストをおこなっている被収容者は、7月17日時点で70名をこえているものとみられます。

 あらたにまた死亡者の出かねない危険な状態であると考えられます。早期にこのハンストを収束させるためには、仮放免によって長期収容を回避していくという意思を東日本センターが被収容者たちに明確に行動で示す以外に方法はありません。こういった観点から、ハンストをしているかしていないかにかかわらず、「超長期収容」と言うべき2年をこえる被収容者を仮放免していくことなどを、本日、東日本センターに対して申し入れました。

 東日本入管センターに対して、収容が長い人、病気の深刻な人から仮放免せよ等、抗議・意見提示をお願いします。



抗議・意見提示先
東日本入国管理センター(総務課)
 電話:029-875-1291
 FAX:029-830-9010


 以下が、本日提出した申入書の全文です。



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申 入 書

2019717
東日本入国管理センター所長殿
仮放免者の会(関東)

 東日本入国管理センターにおいて、長期収容に抗議しての被収容者たちによるハンガーストライキ(ハンスト)が広がっている。そのなかで、ハンストが長期化して健康状態の悪化が深刻に憂慮される被収容者の一部について、貴職らが仮放免許可によって出所させていることは、適切な処置であると私たちは考えており、これを歓迎したい。

 しかし、ハンストはいまも収束しておらず、あらたにハンストを開始する被収容者もあとをたたないという現状である。

 周知のとおり、ハンストは抗議者自身の生命・健康を危険にさらしかねない抗議方法である。624日には、大村入国管理センターでナイジェリア人被収容者が亡くなったばかりである。私たちは、今後また入管施設で死亡者が出ること、あるいは死亡にはいたらないまでも、被収容者の出所後の生活・人生において支障が出るような健康被害・後遺障害が生じることを、強く危惧している。収容長期化が深刻化しているなかでハンストが広がっているという現状は、こうした危惧をいっそう強くいだかせるものである。

 このハンストを収束させるためには、長期収容を今後回避していくという姿勢を貴職らが明確に示す以外に方法はない。

 法務省の公式ウェブサイトによると、山下貴司法務大臣は72日の記者会見で、大村センターでのナイジェリア人被収容者が死亡した事件を受けて、つぎのように述べたとのことである。

「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです。」

 現在の収容長期化は、この大臣の発言とはうらはらに、「速やかな送還の見込みが立たないような場合」であっても貴職らが収容継続に固執してきたことから生じている問題であると私たちは認識している。退去強制令書発付処分を受けた人が、長期間にわたって収容されても日本での在留をあきらめられないのは、帰るに帰れない事情をおのおのかかえているからである。その事情とは、国籍国に送還されれば迫害等により身の危険が予想されること、送還によって家族と引き離されてしまうこと、あるいは日本での在留が長期間にわたり国籍国での生活基盤がすでに失われていることなど、それぞれに切実なものである。こうした切実な事情があるからこそ、きわめて過酷な長期収容にも耐えざるをえないのであって、そうでなければ、とっくに帰国しているはずなのである。

 そのような帰るに帰れない切実な事情をかかえている人たちを、「送還の見込みが立たないような場合」であっても貴職らが長期間にわたって収容しつづけているということこそが、現在ハンストが広がっている事態の根本的な原因としてあるのである。

 したがって、くり返し犠牲者を出してしまう前にこのハンストを収束させるためには、法務大臣の「送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応している」との言葉を、貴職らが明確に行動をもって示す以外にない。

 以上をふまえて、2点申し入れる。


1.2年をこえる超長期被収容者からすみやかに仮放免すること。

 私たちは、2010年に仮放免者の会を結成して以来、6か月以上の収容を「長期収容」と位置づけ、これに反対してきた。貴職らに対しても、この意味での「長期収容」をしないよう、これまで再三にわたり申入れてきた。

 6か月をこえるような収容は、高血圧・不眠等の拘禁症状を発症させるなど、被収容者の心身への負担がいちじるしく、人権・人道上の問題が大きい。また、こうして収容が長期化することは、送還の見込みが立たないにもかかわらず収容が継続されていることの証左でもある。送還という、収容のそもそもの目的を達する見込みがないのに長期にわたり収容をつづけるのは、いたずらに被収容者の心身に苦痛を与え、その健康をそこなわせることにしかならない。

 こうした観点から、私たちは6ヶ月をこえる長期収容に反対してきたが、こんにちではこれを大きくこえる「超長期」とも言うべき度をこした長期収容が常態化している。現在ハンストをおこなっている被収容者のなかにも、収容期間が4年をこえる人すらいる。このような超長期の収容が横行しているということこそが、帰るに帰れない被収容者たちの多くを絶望に追い込んでいる。この絶望が、多数の被収容者をハンストという危険な抗議手段に向かわせ、またあいつぐ自殺未遂・自傷行為を引き起こしているのである。被収容者の生命を守るための緊急の必要として、まずは2年をこえる超長期の被収容者たちから仮放免することをもって、収容長期化を回避すべき問題ととらえるこのたびの法務大臣発言を、貴職らが被収容者たちに行動をとおして明確に示すべきである。


2.高血圧症や心臓疾患などの持病があり収容継続が危険な被収容者、収容による精神疾患者を即刻仮放免すること。

 収容期間にかかわらず、こうした被収容者を即刻仮放免すべきであることは、入管施設における死亡者をこれ以上出すことを絶対に避けなければならないという観点から当然のことである。


以 上

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Tuesday, July 9, 2019

入管施設での長期収容をめぐって(大村での死亡事件/法務大臣の発言/牛久からの手紙)


 6月24日に大村入管センターでナイジェリア人被収容者が死亡した事件を受けて、山下貴司法務大臣は7月2日の記者会見で、つぎのように述べたとのことです。

「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです。」(注1)

 法務大臣発言のこの部分は、注目すべきものです。

 先月に大村センターで亡くなった方は、3年半をこえる超長期被収容者でした。大村をはじめとして、現在、全国の入管施設で2年や3年をこえる超長期収容はめずらしくなくなってしまっていますが、2011年から14年ごろまでは収容期間が2年をこえるような被収容者は例外的といってよいものでした。

 ところが、2015年・16年頃から収容の長期化が顕著になりはじめます。その背景には、以前の記事で述べたように(注2)、15年9月の法務省入管局長による「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について」と題された通達がありました。これは、仮放免を弾力的に活用することにより収容長期化をできるだけ回避するよう取り組むとした5年前の通達(注3)を取り消すという内容をふくむものでした。つまり、収容長期化が回避すべき問題であり、仮放免によってこれを回避していくのだというそれまでの公式の立場を入管として撤回したのが2015年9月。これ以降、仮放免が許可されにくくなっていき、現状の収容の超長期化をまねいているのです。

 さきの法務大臣発言が注目すべきなのは、この点についてです。山下大臣は、仮放免制度の弾力的運用と収容長期化の回避ということにふれています。入管が今後これを機に、超長期収容をまねいてきた2015年以降の運用の見直しにむかうのかどうか、注視していきたいと思います。

 ただし、「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,……仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応している」という大臣の発言は、現状での入管の運用を説明したものとしては、あきらかに事実に反するものです。たとえば、大村入管センターについて言えば、先月26日に、私たちふくめ5団体で提出した「申入書」(注4)は、以下のように指摘しています。

 貴センター[大村入国管理センター]で収容の長期化がいちじるしくなっている。私たちが大阪局で面会支援してきた被収容者のなかにも、貴センターに移収されたのちも長期にわたり収容がつづき、大阪局からの通算収容期間が4年をこえる人が5名いるほか、2年超3年超といったすでに超長期と言うべき被収容者がめずらしくない事態となっている。
 こうした異常な収容長期化は、貴センターが送還のための施設でありながら、送還の見込みの立たない被収容者の収容継続にかたくなに固執していることから生じている現状である。

 大臣が述べるように、健康上の問題などで速やかな送還が見込めない場合は仮放免制度を弾力的に運用して出所させているというのが本当ならば、このような常軌を逸した長期収容がおこるわけがないのです。

 「申入書」が具体的なケースをあげて指摘しているように、健康状態の悪化が深刻な被収容者の多くが、仮放免されずに長期にわたって収容されつづけています。他方で、大村センターは、ガンが見つかって医師から手術をしなければ命を落とす危険があると宣告された人や、脳梗塞で倒れて救急搬送され入院した人については、仮放免しています。ようするに、収容中に死亡する危険が大きいか、もしくは高額の医療費がかかるとみこまれるような重病人でなければ仮放免せずに収容をつづけるというのが、大村センターにおけるこんにちまでの運用であったわけです。こうした運用を続けるなかで、先日のナイジェリア人の死亡事件があったということは重要です。

 また、東日本入管センターにて、5月から長期収容に抗議してのハンガーストライキが、参加者を増やしながらつづいていることは、すでに報告したとおりです(注5)。現在も20名以上がハンストを続けるなか、同センターは、ハンストが長期化した人ら複数名に対して、仮放免を許可方向で検討しているということを伝えているようです。これについては今後の推移を注視しなければなりませんが、長期収容への抗議のハンストが東日本センターにおいて拡大しつづいているという現状は、「収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです」という先の大臣の発言を裏切るものになっています。

 以下では、法務大臣が「回避するよう柔軟に対応しているところです」としている収容の長期化について、東日本センターに収容されている当事者のひとりが書いた手紙を紹介したいと思います。

 手紙は山本太郎参議院議員に送られたものですが、「日本国民へ」あてられてもいます。筆者の承諾をえて、ここに公開させていただきます。(掲載にあたり、誤記などについて文意をそこなわない範囲で原文を一部修正したところがあります。また、いくつか文中に「注」をつけて、それぞれ関連するこのブログの記事へのリンクを示しました。)

 ちなみに、山本議員は、この手紙を受け取って、7月1日に東日本センターをおとずれ、手紙の筆者をふくむ4人の被収容者に面会し、その話を直接に聞いたとのことです。



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参議院議員 山本太郎様
 こんにちは。
 入国管理施設の長期収容問題についてこの書簡をおくります。
 2014年、牛久の東センターで、胸痛を訴えるカメルーン人治療が無視され、死去(注6)2017年にもベトナム人の頭痛と胸痛に治療として、たくさんの痛み止めをのませても死去となり(注7)、収容施設管理体制への不十分な衛生と医療状態に対して、不満が高まり、集団的な抗議を行うと、抗議の中心メンバーたちは たたみのみの小部屋に隔離され、衛生医療や長期収容にはかわりがなく、翌年2018年4月13日難民申請者のインド人長期収容の間 自殺して死去のあと、海外メディアのニュースになるほど集団ハンストや抗議がひろがると(注8)、当時法務大臣は、国会で議員さんの質問に対して、入管にいる外国人収容者の事を強制送還待ちと述べ、外国人の何年間も人生は収容所で奪われる事実をメディアや国民におしえず、今だに入管のトリック箱のふたが押し閉めたまま、今だにテレビによって、外国人のあげあしをとる映像を捜して、不法就労や、ごみすて、白タクなど意図的な番組を遣い、毎週のように、社会や国民のマインドに、外国人の事は、犯罪! 敵! 危険……というイメージを映すとも言わざるをえない。
 入管に収容される外国人は、犯罪人でも、日本の敵でもありません。入管で収容されている外国人は、様々な理由で、帰国が出来ず、たとえビザがなくても、仮放免でも日本滞在を希望している外国人の中:
*日本生まれ多国籍の人、
*家族の一部は日本人や日本住まいの人、
*母国への政治的問題と社会や宗教など、様々な理由で亡命、日本への難民申請をしている人など、
入管の施設に何年間も収容されています。
 そして、帰国や強制送還出来る見込みの立たない人びとを、非人道的ないたずらに、長期間にわたって収容を、「自殺や病気で、死者が出るほど」被収容者に苦痛、「即拷問」をあたえ、体と精神の健康をはかいする入管に対して、集団的ハンストや自殺未遂の人びとは自らひきこもりになるのは、今だに続いています。今年5月15日から、水だけのむハンスト中の5人は、体調が悪くなり、病室へ移動されましたが、病室も全て満杯となり、2019-6-18の現在、16人のハンスト中の人々は、いっぱんのブロックからはなされ、隔離ブロックへ移送されています。ほかにも、長期収容問題に対しての抗議行動はひろげないように、外国人の緊張を収める狙いか?! 入管は去年から収容者らに、大量の安定剤と眠剤を「RELAXくすりとして」意図的な大量投与を行い、外国人を収容施設でねむらせています。長期収容や非人道的な強制送還のような入管の一方的な場当たり政策でのけっかは、毎年のように死者が出る事です。この手紙を、助けをもとめる外国人収容者らの方から、山本太郎さんはじめ、日本国民へおくります。
2019年6月20日 東日本センター収容者の一人

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 この手紙を書いた方からは、送還の見込みのない人や深刻な体調不良・病気をかかえている人を長期にわたり収容している具体的なケースを説明した書面もあずかっております。次回以降の記事でそれらも紹介していきたいと思います。





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注1 法務大臣閣議後記者会見の概要(7月2日) - 法務省

注2 入管にとって長期収容の目的はなにか? - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年6月27日)

注3 2010年7月27付法務省管警第172号「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について(通達)」

注4 大村入管センターに対して申し入れ(6月26日) - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年7月1日)

注5 東日本入管センターでのハンスト、50日近くになる人も - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年6月25日)

注6 【抗議のよびかけ】東日本入管センターで被収容者2名があいついで死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2014年4月4日)

注7 「痛い、痛い」と訴えるも放置――東日本入管センターでベトナム人被収容者が死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年3月30日)、友人Vさんの手記――入管でのNさんの死について - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年4月3日)

注8 【抗議の呼びかけ】インド人被収容者の死と集団ハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月19日)、【ひきつづきの抗議の呼びかけ】インド人死亡事件とハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月22日)、東日本入管センターに申入れ(Dさんの死とこれを契機としたハンストについて) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月25日)