重傷を負ったB氏(フィリピン国籍)にたいする医療処遇問題に関して、7月31日(金)に東日本入国管理センター総務課にて再度の申し入れをし、申入書を差し入れました。前回の申し入れ(7月10日)については、以下の記事を参照してください。
入管医療の構造的欠陥については、以下の記事も参照してください。
以下、今回の申入書の全文です(申入書に記載した被収容者の名前と受診先の病院名は、匿名にしました)。
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申 入 書2015年7月31日法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東日本入国管理センター所長 殿
仮放免者の会(関東)BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
私たちは、これまで数度にわたり本人その他の被収容者に聴き取りを行った結果、6月28日(日)にB氏が二段ベッドの梯子段から落下して脊椎損傷の傷害を負った件における貴センターの医療処遇に関して、以下の点において看過しえない問題があると考える。
1.負傷(6月28日(日)午前10時ころ)から24時間にわたり、診療を受けさせずに放置した点。
2.初診時(6月29日(月))、医師(A病院)が「1か月ほど入院したほうが良い」と言ったのにも関わらず、付き添いの入管職員が断っている点。
3.医師からは無理をするなと言われている(但しリハビリはするように言われている)のに、7月6日(月)に面会に呼ばれたとき、B氏のベッドから遠くに車イスを置き、そこまで歩かせている点。
4.上記3の点ともかかわるが、医療専門職の指導なしにB氏に「リハビリ」を行わせていると思しき点。言うまでもないが、時間・方法等についての医療専門職の適切な指導なしに患者が自己判断で「リハビリ」を行うことなどあり得ない。
5.B氏に対し、処遇職員が「あなたは骨は大丈夫、筋肉が痛んでいるだけでしょう」と実際に医師から下された診断と異なることを言った点。
6.B氏が痛み止めの薬(ジクロフェナクナトリウム)が強すぎて目まいがし、酔っぱらったような症状になって困っていることを訴えているのに、処遇職員が「我慢するしかないだろう、飲まないと痛くなるだろう」などと言い取り合わなかった点。
7.B氏は腰の痛み緩和のため温湿布を用いていたところ、7月11日(土)に朝昼併せて4枚用い、夜にさらにもう2枚使用させるよう処遇職員に求めると、一日4枚までと言われ使用を許されなかった点。なお、B氏は、貴センターの看護師から一日10枚まで使っていいと言われていた。そのことをB氏が言っても処遇職員はそんなことは聞いていないと言って結局使用を許さなかった。
8.初診時に医師が「2週間たってまだ痛んだらまた来てください」と伝えているにもかかわらず、2週間たってまだ痛みが引かないので病院に連れて行ってほしいとB氏が処遇職員に伝えても病院に連れて行かなかった点。
上記の点のうち、1の点については、7月10日に既に申し入れた。
2については、医師の診療行為に対する介入である点で、3,4,6,7,8については、傷病者に対する虐待ないし収容責任に基づき被収容者に適切な医療を施す義務の懈怠である点で、5,6,7,8については、医療の専門家としての資格も能力も持たない職員が勝手に医療判断を行っている点で、それぞれ重大な問題であると考える。
これらの点は、既に私たちが貴センターの医療処遇における重大な問題として、何度も指摘してきているものである。したがって、上記の諸点は、これらの問題がなおも改善されないまま放置されてきていることを、如実に示すものであると私たちは考えている。
したがって、私たちは、貴センターに対し、以上の点につき調査し、以後、このようなことの起こらないよう、医療処遇体制の早急な改善を行うことを求める。
以 上
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