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Tuesday, June 7, 2016

診療問題の改善等、東日本入管センターに申入れ(2016.5.11)

  5月11日に、東日本入国管理センターに申入れをおこないました。

  4月中に、同センターの被収容者が連名での要求書を提出していたのを受け、私たちとしても、診療問題の改善、および長期収容者・再収容者や重病者の仮放免などを申入れたものです。




  以下に申入書を掲載します。

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申 入 書
2016年5月11日

法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東日本入国管理センター所長 殿

            仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
一、 診療(医療)問題について
 4月8日に1寮Bブロック同25日に8寮Aブロックの被収容者が東日本入国管理センター(以下、貴センター)所長に対し要求書を提出し、その両方において医療体制の改善が求められている。ことに、医療専門家ではない貴センター職員により恣意的に医療上の判断がなされているという指摘が共通してなされている。この指摘に対し貴センターは、1寮Bブロックに対する回答において、投薬を含む医療的措置については医師等の医学的知見に基づき行われているものであり、入管職員の勝手な判断で行っているものではない旨、述べている。
  しかし、本当に貴センターの医療体制の運用は、この回答どおりに行われているだろうか。2014年7月24日付で貴センターに提出した申入書において、私たちは、貴センター職員が貴センター診療室や外部の医療機関にて医師に対し「この人はもうすぐ帰国する人ですから」などと話して適切な医療が施されることを妨害している旨の訴えが被収容者からなされていると指摘した。そしてその後も私たちは、医師の医療上の判断に対し貴センター職員が介入している事実を、被収容者からの聞き取りにおいて確認している。このようなことは決してあってはならない。貴センターは収容主体として被収容者の移動の自由、ひいては医療機関において適切な医療を受けることにより自らの生命と健康を維持するよう努める自由を奪っている。そうである以上、貴センターには当然に被収容者の生命と健康を守る義務があり、医師の医療行為に介入したり、(8寮Aブロック要求書にあるように)医師の診療を受けさせるか否かを本人ではなく非医療専門家である職員が勝手に判断したりするようなことは許されない。貴センターは収容施設として、職員に人権教育、管理責任義務についての教育を施し、今後、医師の医療行為に介入したり、診療を求める被収容者の意思を妨げたりといったことが決して起こらないよう、申し入れる。
  また、1寮Bブロック要求書における、常時医師がいないこと・医療体制の不十分さの指摘に対し、貴センター回答は、非常勤医師による診療が実施されている、休日等の医師不在時には外部病院への連行を実施している等と述べている。たしかに、私たちが面会における被収容者からの聞き取り等に基づいて把握する限りでは、土・日曜日、祝日等以外は基本的に非常勤医師が輪番体制で貴センターに詰めて診療にあたっていることを確認している。しかし、土・日曜日に負傷した被収容者を、月曜日まで外部医療機関での受診をさせずに待たせるケースも確認されており、到底回答のとおりに適切な医療体制が運用されているとはいいがたい。適切な人員の配置により、このようなことが二度とないよう、申し入れる。
  もう一点、1寮Bブロック要求書は、長期収容や帰国を強く求められることによる精神的苦痛などの原因により多くの被収容者がうつ病を患うなど精神的ケアを必要とする状態に陥っていることを指摘し、精神科医や心理カウンセラーによる施術により被収容者の心のケアに努めるよう貴センターに求めている。これに対し貴センターは、臨床心理士によるカウンセリングや精神科医師による診療を実施していると回答している。
私たちも、被収容者との面会において、1寮Bブロック要求書が訴えるような事実について少なくない数の報告を受けており、これは座視すべきでない異常な状況であると考えている。そこで、被収容者の精神疾患等に対するケアのさらなる充実を求めるとともに、より根本的な対策として、かかる状況の元凶というべき長期収容を改め、退令収容6ヶ月を超える者に対しては直ちに仮放免をすることを申し入れる。
 また、高血圧症、糖尿病、心臓疾患等の患者に対しては、収容状態の継続自体がその患者の健康ないし生命に対し著しい悪影響を及ぼすものである。したがって、被収容者のうちこれらの患者については直ちに仮放免をすることを申し入れる。

二、 長期収容者、再収容者、重病・慢性疾患患者への速やかな仮放免
 1寮Bブロック及び8寮Aブロックの要求書が指摘しているように、長期収容は被収容者に対し過酷な精神的・肉体的苦痛を与える非人道的なものである。私たちも、これまでの申し入れにおいて、貴センターが外界との関係を一切遮断し、人間の時間的、空間的感覚を奪う密閉施設であり、このような施設への無期限長期収容は人間的精神を破壊し、健康を著しく害するものであること、したがって長期収容が著しい人権侵害であることを繰り返し指摘してきた。すでに述べたとおり、退令収容6ヶ月を超える者に対しては直ちに仮放免をすることを申し入れる。
 同じくすでに述べたとおり、高血圧症、糖尿病、心臓疾患等の患者を把握し、その患者については直ちに仮放免をすることを申し入れる。
 さらに、いったん仮放免となった後に再収容されるものが後を絶たない。このような再収容、また再収容後の長期収容はいたずらに本人たちの心身を痛めつけるだけのものであり、裁量の範囲を著しく超えた権限濫用としか言いようがない。再収容者への即時の仮放免を申し入れる。
以 上

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