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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Thursday, June 7, 2018

長期収容の回避等7項目を申し入れ(大阪入管に対して)

 6月5日(火)、大阪入国管理局に対し、難民支援コーディネーターズ関西、WITH、TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)、仮放免者の会の4団体で、申し入れをおこないました。今回の申し入れは、長期収容の回避や医療・食事・衛生環境等の処遇の改善などを求めたものです。

 大阪入管については、昨年7月に職員らの暴行によって骨折したトルコ人被収容者が、国家賠償請求訴訟を先日提起したところでもあります。


 この裁判の推移もふくめ、今後とも大阪入管の問題に注目のほどお願いします。



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申入書
2018年6月5日
法務省大阪入国管理局長 殿
難民支援コーディネーターズ関西
仮放免者の会
WITH
TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

1、長期収容問題
 大阪入国管理局入国者収容場(以下大阪入管)における収容の長期化が深刻となっている。
 村上史好衆議院議員を通じた入管からの資料によると、2017年12月19日時点の「各収容施設における収容期間別総被収容者数」は大阪入管において3ヵ月未満が42名、3~6ヵ月が24名、6~12ヵ月が19名、1~1年半が15名、1年半~2年が5名、2年~2年半が2名、2年半~3年が2名、3年以上が1名の、合計110名となっている。
 支援者が長期収容と呼んでいる半年以上の収容となる被収容者は、大阪入管では44名となり、40%を占めている。この割合は、他入国管理局と比較しても圧倒的に高い数字となっている。(東京入国管理局では約30%、名古屋入国管理局では約34%となっている。)
 東日本入国管理センターでは約56%、大村入国管理センターでは約52%となっており、長期収容を目的とした収容施設であるセンターほどではないものの、明らかに短期収容の目的を超えた期間の施設運用となっている。
 以上より、下記について申し入れる。
①収容期間が通算1年以上となる被収容者の仮放免申請を許可すること。
②病気などの体調不良者の仮放免申請を許可すること。
③日本人及び日本に在留資格がある配偶者や、子どもがいる被収容者の仮放免申請を許可すること。

2、大村収容所への移収について
 大阪地裁等で裁判中の被収容者、及び関西圏等に居住する家族がいる被収容者の大村収容所への移収を行わないこと。
 裁判中の被収容者の大村移収は、弁護士との面会を困難にさせる訴訟妨害である。また関西圏等に住む被収容者の家族は、大村移収されることで被収容者との面会が事実上出来なくなる。このような訴訟妨害、及び家族との面会を事実上不可能にさせる移収は、即刻中止すること。
 まして大村収容所に移収した被収容者の収容期間を大阪入管からの通算でなく、大村移収日から収容期間を計算することで、長期収容者の数、及び収容期間を低下させようとすることに大村移収を利用すべきではない。上記村上議員衆議院議員に提出した資料は、このような計算のごまかしがある。

3、隔離処分の問題
 上記同資料によると、2017年1月1日~同年11月30日までの「各収容施設における懲罰房の日数別運用件数」において、大阪入管の隔離件数は66件となっており、他入国管理局、入国管理センターの中でも最多となっている。
 隔離処分となった被収容者の話の中には、「食事に対して抗議したところ、突然6~7名の職員が動員されてきて、被収容者を引っ張ろうとした」など、過度の制圧行為ではないかと疑うような事例もある。また、2017年7月12日に起こった、トルコ国籍のM氏[申入書原文では実名掲載]に対する制圧行為も、保護室へ連行する際に起こっている。
 支援者が申請した行政文書開示請求においても、上記のような隔離処分の運用について、どのような判断と必要性があって隔離処分に至ったのかは明らかにならなかったため、説明を求める。

4、医療・衛生環境について
 1の長期収容化に伴い、体調不良者が増加している。そのためか、「受診希望を出してから、2週間近くたってからやっと受診できた」と言った声が聞かれている。また、歯科治療においても、「受診前に抜歯することに同意するサインを求められる」、「治療可能な病状であっても、抜歯や神経を抜くことしかやってもらえない」、「歯科外部受診において抜歯を拒否したら、隔離処分された。」等の声が聞かれる。
 貴局もご存知の通り、貴局の収容権は、被収容者の生命と健康を守るという事が前提にあって付与されている。よって、被収容者の診療希望については、最大限努力する義務が貴局にはあり、それが保障されないのであれば、収容を継続するべきではない。
 また、収容所内において、血液感染の恐れのある病気(HIV、B型肝炎等)を罹患している被収容者と、健康な被収容者が同じ髭剃り電気シェーバーを使用していた時期があった。このような衛生環境、設備について、感染リスクに対して最大限の注意を払うよう、申し入れる。
 さらに入管職員の見張り部屋等の換気口については業者に依頼して掃除しているが、被収容者の居室の換気口は掃除しないまま何年もほったらかしにしている。しかも被収容者が自ら換気口の掃除をするための掃除機の貸し出しを要求しても、それを拒否している。掃除機を貸し出すよう申し入れる。

5、同時面会を許可すべきである
 大阪入国管理局では、弁護士や支援者の面会において、被収容者の同時面会が許可されていない。通訳を目的とした同時面会も許可されず、訴訟準備等のための円滑なコミュニケーションの著しい障害となっている。
 他入国管理局では、同時面会が可能であるのだから、大阪入管でも当然、同時面会は許可されるべきである。

6、食事の問題
 被収容者に支給されている弁当の量と質について、これまで何度も被収容者が連名で改善要求を出している。2017年10月3日には、夕食時、イスラム教徒のスーダン人男性に支給された弁当のおかずに豚肉が混入されていたとして、被収容者が抗議し、ハンガーストライキを起こしている。これは、以前にも異物混入(腐ったゆで卵等)が度々あったことから、被収容者が不信を募らせて抗議したものである。
 このような異物混入だけでなく、日常的にも支給弁当については「ご飯の量が少ない。」「おかずの大きさが小さい。」「おかずがいつも同じ。(コロッケやから揚げなどの揚げ物に偏る)」「野菜が少ない。(キャベツばかり)」などの被収容者の声が多く聞かれる。
 支援者にて行政文書開示請求を行ったところ、大阪入管と給食業者との平成29年度の契約書において、「供給する食事の価格は、普通食及び特別食いずれも次のとおりとする
1人1日3食当たり 824円
(内訳 朝食274円 昼食275円 夕食275円)」と一定以上の質量を確保する
ためには安価な契約内容となっている。
 そのため、被収容者がこの契約内容に抗議したところ、今年度の給食業者と大阪入管との契約内容については、
「供給する食事の価格は、普通食及び特別食いずれも次のとおりとする
1人1日3食当たり 1200円
(内訳 朝食400円 昼食400円 夕食400円)」となった。
 しかしながら、4 月時点の新しい給食業者が支給する給食は、4月当初は質が高かったものの、徐々に質が下がっているとの被収容者の声がある。大阪入管は給食業者への業務改善の指導責任をきちんと果たすべきである。

7、収容場内での物品購入と食品の差し入れについて
 収容場内で購入できる食品、生活用品の価格と品目について、被収容者から大きな不満が上がり、被収容者は連名で要求を出している。すべての商品の価格がコンビニと同等価格であること。品目が限られ、しかも小さいサイズしかないことなどが問題となっている。
 ただでさえ、被収容者は限られた品目から購入しているのだから、購入品目については被収容者の要望を取り入れること。
 上記のような問題を起こすのなら、大阪入管をはじめとした各入国管理局においては、センターと同様に食品の差し入れを許可するべきである。
以 上

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Wednesday, May 30, 2018

大阪入管職員らの暴行で骨折、トルコ人被収容者が国賠訴訟


 5月29日(火)、大阪入国管理局に収容されている男性が、職員らによる不法な暴行を受けたなどとして、国を相手取って損害賠償を請求する訴訟を、大阪地方裁判所に提起しました。訴訟を提起したのは、34歳のトルコ人の男性(「Mさん」とします)です。2015年1月に日本に入国しようとしたものの認められず、いまなお大阪入国管理局に収容されており、その収容期間は3年4ヵ月をこえています。

 提訴のあった29日には、大阪地裁司法記者クラブにて、弁護団による記者会見がおこなわれました。この会見の内容と訴状などから、この事件についての事実関係と問題性を以下にまとめたいと思います。



1.事件の概要・経緯

 この裁判であらそわれることになる事件は、昨年の7月12日におきました。

 単独室に収容されていたMさんの服薬確認をおこなう職員が、侮辱的な態度をとったためにMさんは腹を立て、持っていた本を壁にむかって投げつけたといいます。服薬確認とは、被収容者が薬をほんとうに飲んだかどうかを確認する作業であって、処方された薬をためこんで自傷行為などに使用されるのを防止するためなどにおこなわれるものです。

 Mさんが本を投げつけたといっても、それは壁に向かってのことです。職員を危険にさらすような行為ではなかったはずです。ですから、入管側がこのMさんの行為を問題視するとすれば、その理由は、被収容者が職員に対し「反抗的な態度」をとったからということぐらいしか考えられません。もちろん、入管には被収容者の「反抗的な態度」に懲罰をくわえる権限はありません。

 ところが、このあと、7~8名の職員がやって来て、単独室からMさんを連れ出し、保護室へと連行しました。保護室とは、被収容者が自傷行為をおこなったさいなどに隔離をするための部屋です。職員たちはMさんをこの保護室に入室させたあと、訴状によると、つぎのような行為におよびます。

 原告を保護室に入室させた直後、本件入管の職員3名程が、足をかける、腕を掴む等して原告を転倒させた。転倒後、床にうつ伏せの状態になった原告に対し、本件入管の職員7人程が覆いかぶさるように制圧した。本件入管の職員のひとりが、このうつ伏せ状態にある原告の右手をつかみ、捻り上げた。捻り上げられた時、骨が折れるような大きな音が鳴り、原告は激しい痛みを感じた。
 それにもかかわらず、本件入管の職員らは、原告の両手を背中側に回し、後ろ手に手錠をかけて拘束した。原告は、本件入管の職員らに対し「痛い」「痛い」と訴えかけたが、5分~10分程度は手錠をかけられて拘束されたままであった。

 Mさんは、この職員らの暴行によって右上腕部を骨折し、外部の病院で入院して手術を受けました。ところが、術後のリハビリを十分にできず、現在でも可動域制限(右肩が重く、思うようにあがらない)などをうったえています。



2.4つの不法行為

 Mさんは、以下の4点について入管の不法行為があったとして、それぞれについて損害賠償を請求しています。

(1)保護室への隔離
(2)職員らによる暴行
(3)手錠をかけて放置したこと
(4)リハビリ等適切な措置を講じていないこと

 記者会見では、この4点について弁護団の弁護士たちからそれぞれ説明がありました。

 (1)(2)(3)については、隔離処分や制圧行為、戒具の使用にあたっての法令(被収容者処遇規則)にさだめられた要件をみたしていないという弁護団の指摘がありました。

 (4)については、外部病院での診療で医者からリハビリをするようにとの指示はあったものの、通訳人を介さない診療だったため具体的にどういうリハビリをしたらよいのかが本人に伝わっていないこと、また、理学療法士の関与がまったくなかったことが指摘され、現在にいたるまでMさんが十分なリハビリができていないという説明が弁護団からありました。なお、5月17日には、原告代理人から大阪入国管理局長に対し、専門職による継続的なリハビリ治療を、通訳を介して、可及的速やかに実施するよう申し入れたが、いまだ大阪入管はこれに回答すらしてきていないそうです。



3.監視カメラの映像

 記者会見では、2つの監視カメラの動画映像が公開されました。1つは、保護室の天井に設置された監視カメラの映像で、職員らにMさんが室内に連れ込まれ、一連の暴行を受けるようすが記録されているものです。もうひとつは、保護室の外の通路に設置されたカメラの映像で、Mさんが8人ほどの職員に連行され保護室に入室させられる様子がうつっていました。

 両方の動画から、Mさんが抵抗しようとしているそぶりはまったくみられませんでした。ひとつめの動画には、無抵抗のようすで保護室に入室させられたMさんに対し、職員たちが足をかけてうつぶせに倒し、腕をひねりあげるようすがうつっていました。その後、すでにぐったりして身動きしていないMさんに職員がなんの必要があってか後ろ手錠をかけるところも確認できました。

 動画にうつった一連の職員たちの行動は、なんのためにやっているのか、理解しがたいものでした。記者会見の質疑でひとりの記者も指摘していましたが、「制圧」ということであれば、Mさんを入室させたあとに職員が退室して保護室のとびらを閉めてしまえば、その目的は達せられるはずです。無抵抗のMさんを転倒させ、腕をひねりあげ、さらに後ろ手錠までする必要がどこにあったのでしょうか。弁護団によると、証拠保全で閲覧した大阪入管の内部文書(報告書)では、保護室内での職員たちの一連の行為を「制圧」行為としているそうです。「制圧」の必要な状況は、カメラの映像からはまったくみてとることができませんでした。

 おそらくMさんが右肩を骨折する原因となった行為だろうと思われる、職員が右腕をひねりあげる様子は、むごたらしいものでした。職員のひとりが、うつぶせのMさんの背中に自身の体重をあずけながら、つかんだMさんの右腕をひねりあげていたのです。Mさんの腕は、天井を向いてほぼ垂直になるぐらいまで曲げられていました。映像からは、柔道の関節技の腕挫腋固(うでひしぎわきがため)のようにもみえます。
すでに大人数の職員におさえつけられ、体を動かしようもないMさんに対して、大阪入管の職員らは柔道の技をもちいてまで、いったいなにを「制圧」する必要があったというのでしょうか。

 弁護団からは、Mさんを保護室に隔離したこと自体が、本来認められない懲罰目的での隔離であったことが推認されるとの指摘がありました。保護室入室後の一連の暴行については、なおさら懲罰目的としか思えないものです。以上のべてきたような映像から知ることのできる事実経過にてらして、大阪入管の職員たちの行為は、暴力によって威嚇して自分らの優位を示して相手を服従させる、いわば「シメる」とか「ヤキを入れる」とかの言葉で表現されるようなものだったと判断してよいと思います。



4.長期収容問題

 最初に述べたように、Mさんは3年4ヵ月もの超長期にわたって収容されています。記者会見において弁護団からも、長期収容のさなかにおこった暴行事件であるとのお話がありました。

 大阪入管に収容されているMさんとは、私たちも面会していますが、今後、仮放免許可をえて出所し、リハビリ治療を受けたいと希望しています。ところが、大阪入管は、Mさんを負傷させたあとも収容をつづけ、なおかつ、リハビリ治療を受けたいというMさんからの再三にわたる申し出も拒否しつづけています。ゆるされないことです。

 Mさんをはじめとする、長期間にわたり収容されている人の解放も、今後入管に求めていく必要があります。

 Mさんの裁判については、期日が決まりしだい、このブログで、あるいはTRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)などの支援団体から、お知らせと傍聴の呼びかけがあると思います。ご注目のほど、よろしくお願いいたします。


◇   ◇   ◇   ◇   ◇


今回の提訴についてのマスコミ報道



Friday, May 18, 2018

「東日本入国管理センターという場所は人の命を奪う場所」8Aブロック被収容者による要求書


 東日本入国管理センターで、インド国籍の被収容者Dさん死亡事件を契機にして、120人超の被収容者によるハンガーストライキがおこなわれていたことは、マスコミで広く報道され、このブログでも以下の記事で報告してきました。


 8Aブロックでは、30名超が参加していたハンストを4月20日(金)に解除し、この日の夕食より摂食を再開しました。この8Aブロックのハンスト参加者31名が、4月25日(水)、東日本センター所長あてで、連名で要求書を提出しました。要求書の直接のあて先は所長ですが、被収容者のおかれた苦境をひろく社会にむけてうったえた内容だといえます。入管施設で被収容者のおかれた状況にひきつづきの注視をお願いします。



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東センターの所長殿
 この要求書は、私達の要求を伝えたく書かせてもらいます。
 私達は、3月2日付けで所長殿宛てに嘆願書を出しました。その嘆願書に書かれた事がまぎれもない事実だということが証明されました。
 その証明のされ方は、自殺という形でひとりの命が奪われることになってしまったのです。その原因と責任は入管にあります。インド人の彼は2018年4月13日昼の12時ごろ、ここ東日本入国管理センターという場所に収容されていなかったらこの大切な命が亡くなってしまうことはなかったのです。
 彼は、この辛い生活、先の見えない長期収容に耐えられなくなり自殺をしました。シャワー室で首をつり…。
 入管は、私達の命で遊んでいるのでしょうか。私達の命は、そんな価値のないものなのでしょうか。どれだけ私達の人権がここで考えられているのか、このインド人が亡くなってしまったことでわかるはずです。
 大切な仲間の命が入管の収容が原因で亡くなってしまったことに対して私達は翌日の2018年4月14日からはじまり次々と他のブロックもハンガーストライキをはじめ、今では122人以上もの収容者が入管のご飯を食べず戦っています。
 これ以上、私達を長期収容しないで下さい。そしてこれ以上死者をだしたくないのです。
 こういった自殺を防ぐには、長期間の収容をすぐにやめるという方法しかありません。それ以外の方法では、何も変わらないのです。また死者を出すことになるのです。
 このように長期収容は、私達に対して精神的、肉体的に苦痛を入管から受けています。その結果が今回の自殺につながったのです。私達、外国人が苦しめられている証拠なのです。現在にも長期の収容のせいで精神的におかしくなり自殺をしようとしている人がたくさんいます。私達は、自殺をしようとしている人達を必死に止めています。「あきらめないで」「頑張って」「死なないで」等と声をかけたり、何度か実際に自殺をしようとした仲間を死んでしまう前に止めることができて未遂で終わった人もいます。こういうことが今、現在、東日本入国管理センターで起きているのです。
 私達は、また仲間の大切な命がなくなってしまうのではないか毎日脅えて生活しています。私達は死にたくありません。ここ、東日本入国管理センターという場所は人の命を奪う場所だということを私達は知って欲しいのです。
 私達を苦しめないで下さい。長期の収容をやめて下さい。私達を社会に戻して下さい。
収容者の皆より
平成30年4月19日

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 上に紹介した8Aブロックの要求書では、仲間の被収容者のなかに「現在にも長期の収容のせいで精神的におかしくなり自殺をしようとしている人がたくさんい」ることが報告されています。私たち支援者も、面会や電話を通じて被収容者から、自分自身も自殺を考えてしまうという訴え、あるいは仲間の被収容者が自殺をほのめかしているので心配だという声をたびたび聞きます。こういった訴えは、4月中旬の東日本センターでの死亡事件以後に、あきらかに急増しています。

 こうしたことから、東日本入管センターをふくむ入管収容施設で、自殺・自傷行為が連鎖的におこっていくことについて、私たちとしては非常に強い危機感をもっています。5月14日(月)には、不幸中のさいわいで一命をとりとめましたが、東日本センターで自殺未遂事件が起こりました。

 私たちは、16日(水)にこの方と面会したうえで、同センター総務課に口頭での申入れをおこないました。この自殺未遂事件は、収容の超長期化と言うべき状況の結果であること、また、われわれ支援者の感触としても、上記のような理由から、自殺や自傷行為が連鎖する危険性について強い懸念をもっているということを述べました。そのうえで、できるだけすみやかに、長期収容を回避する方向に運用をあらためるよう求めました。

Friday, May 4, 2018

【傍聴の呼びかけ】スリランカ人強制送還国賠「裁判受ける権利を侵害」(第1回口頭弁論)


 2014年12月18日、法務省はスリランカ人26人とベトナム人6人をチャーター機で強制送還しました。

 このときに送還されたスリランカ人2名が、この強制送還によって裁判を受ける権利をうばわれたなどとして、国を相手取って国家賠償請求訴訟を提起しました。

 この裁判の第1回口頭弁論が、つぎの日時と場所で開かれます。

日時:5月9日(水)10時15分から
場所:東京地方裁判所712号法廷

 原告2名は、難民認定申請をしていました。スリランカに帰国すると危険であるとして庇護を求めていたひとを、法務省が無理やりに送還したことは、言語道断の暴挙です。

 さらに、このふたりについては、難民申請の異議申し立ての棄却を告知された直後に無理やりに送還されました。難民として認定しないという処分は行政処分ですから、これを不服として裁判に訴えることができます。ところが、法務省は原告らの身体を拘束して無理やりに送還することで、憲法にも保障された裁判を受ける権利をうばいました。

 同様の手法での強制送還、裁判封じを入管当局はその後も現在にいたるまでくり返しています。こうした送還のやり方も問われる裁判であり、難民申請者等の今後の人権状況にも大きな影響をあたえる重要な裁判です。可能なかたは、ぜひ傍聴をおねがいします。






【関連記事】
1.今回の提訴についての報道

2.2014年12月のチャーター機送還について

Friday, April 27, 2018

仮放免者の会家族会が、東京入管違反審査部門仮放免係に申入れ


 仮放免者の会家族会(以下、「家族会」)は、3月1日、4月12日と、2回に渡って、東京入管違反審査部門仮放免係(以下、「仮放免係」)に申入れを行いました。申入れの趣旨は本記事末尾に掲載している「連名申入書」に書かれた通りです。1回目の3月1日には23名、2回目の4月12日には20名の連名申入書を仮放免係に手渡しました。

 2010年10月31日に当事者である仮放免者が団結して仮放免者の会を結成しました。こうした当事者たちの団結の反映から、2011年には東日本入国管理センターに収容されている人の配偶者が、面会待合室などで知り合いになり、被収容者家族会として連携し始めました。そして、被収容者が仮放免され、現在の家族会として活動を始めました。家族会のメンバーは、仮放免者や被収容者の配偶者である、日本人あるいは正規滞在外国人です。家族会の活動目的は、①配偶者への再収容及び強制送還(無理やり送還)への反対、②配偶者への在留資格の付与を求めるという2点です。

 2回の申入れで計43人が連名署名を仮放免係に出しました。その内訳としては、日本人34名、永住者などの正規滞在外国人9名です。この43人の配偶者のうち、大半は仮放免中ですが、7名は再収容中です。

 東京入管は、2015年秋から、退去強制令書発付処分取消訴訟などの裁判の終了を期に日本人や正規滞在外国人と結婚している仮放免者を再収容するようになりました。また、同時期から、難民手続きが終了した人の再収容も増大させました。2016年になると、「仮放免条件違反」の範囲を拡大し、住居や就労などをめぐって、前年までなら問題とならなかったケースも次々と再収容し始めました【注】。こうした、難民申請者や仮放免条件違反で再収容された中にも、日本人や正規滞在者と結婚している人がいます。

 こうした再収容の激増の中で家族会の配偶者の多くも再収容されました。そのなかで最も長い人は1年4ケ月以上もの長期に渡って2回目の収容をされたままです。連名申入書にもあるように、再収容された本人は「地獄のような収容生活」に戻ると共に、「夫婦が引き裂かれての生活に戻っていく」しかありません。夫婦双方が、再び、苦しい思いをしなければならないのです。

 2回に渡る申入れでは、現在、再収容されている人の夫や、夫の母親などから、再収容されている妻あるいは息子の妻の体調への心配、また引き裂かれた生活を強いられている自分たち自身の辛い生活、さらに、一度の収容だけでも大変な苦難だったのに、入管が再収容をすることの不当性への抗議などが、切々と語られました。

 家族会としては、配偶者への再収容がストップするまで、また再収容された配偶者が再度の仮放免許可を得るまで、力を合わせて入管への働きかけを続けます。


【注】
 再収容の激増については、以下の記事を参照してください。




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連名申入書
2018年3月1日
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東京入国管理局長 殿
東京入国管理局主任審査官 殿
仮放免者の会家族会

 私たちは、仮放免者あるいは再収容された被収容者の配偶者です。また私たちは、日本人または正規滞在の外国人であり、生活基盤は日本にしかありません。
 私たちの配偶者は、入管法に違反し、退去強制令書を発付されました。それぞれの事情があるにしても、入管法違反については事実であり申し訳ありませんでした。しかし、結婚して夫婦としての安定した家庭を築いています。私たちの配偶者の多くは、退令発付後、長期収容され、夫婦が分断されたなかでの過酷な収容生活を送りました。自宅にいて、配偶者の帰りを待つ私たち自身も、寂しく辛い日々を過ごさざるを得ませんでした。収容生活が長引くにつれ、ストレスが増したり、やつれていったり、病気が進行したりと、配偶者の苦しみを思うと、わが身のごとくに辛い日々でした。
 長期収容にも耐えて仮放免許可をいただき、夫婦そろっての温かな家庭生活を送ることができるようになりました。しかし近年、東京入管においては、私たちの配偶者への再収容が次々と行われるようになりました。その多くは、退令取消訴訟敗訴確定や難民不認定異議申立(ないし審査請求)棄却通知を契機として行われています。裁判で負けても、難民手続きが終了しても、夫婦の愛情や生活実態に変化はなく、配偶者は帰国できません。他の方のケースから、次の仮放免延長出頭日には再収容されるとわかっていても、私たちの配偶者は逃亡することもできず、再びの地獄のような収容生活、かつ夫婦が引き裂かれての生活に戻っていくしかありません。
 私たちと各配偶者は真正な夫婦であり、再収容は、本人はもちろん、夫婦両方を不幸におとしいれます。貴職らが、それぞれの夫婦への人道的配慮をされ、配偶者への在特付与、少なくとも再収容はしないこと、また再収容されている配偶者を速やかに仮放免することを連名にて申し入れます。
以 上
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Wednesday, April 25, 2018

東日本入管センターに申入れ(Dさんの死とこれを契機としたハンストについて)

 インド人被収者Dさんの自殺をうけての東日本入国管理センターでのハンガーストライキ。私たちは、24日(火)、ハンスト参加者を中心に面会してその後の状況について聞き取りをおこないました。

 先週、ハンストをしていた5A、5B、7A、9A、8Aの各ブロック、遅れて合流した2Bブロックは、いずれも先週末から月曜日にかけてハンストを解除し、摂食を再開していました。いっぽうで、日曜日ごろからハンストを開始した人も、複数いるようです。

 東日本センターがどのような対応をとるのか、また、東日本センターはじめとする各入管収容施設において長期収容がどうなるのか、今後とも推移を注視したいと思います。このかん、同センターや法務省入国管理局に対してさまざまなかたちで抗議の意思を示されたみなさまに敬意を表します。

 なお、25日(水)午前、東日本入管センターにて、仮放免者の会として文書および口頭での申入れをおこないました。


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申 入 書
2018年4月25日
法務省入国者収容所東日本入国管理センター所長 殿

仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

 本年4月13日(金)、東日本センター5寮Aブロックに収容されていたインド人男性・Dさんは自ら命を絶たれた。Dさんは東京入管収容場から合わせて9ヶ月の長期収容となっていたが、直近の仮放免申請が3ヶ月近くたっても結果が出ず、周りの被収容者の経験から許可となる可能性が高いと期待していたが、自殺の前日、またもや不許可であったと知り、自殺に及んだと、同ブロックのDさんと親しい被収容者から私たちは聞いた。
 また、Dさんの死を契機に、彼の死を悼み、彼を死に追い込んだ長期収容に抗議し、ハンガーストライキがブロックを越えて広がった。先週から、私たちは5Aブロックを中心に各ブロックと面会し、ハンストに至る経緯、目的、状況などを聞いた。寮、ブロックを越え、国籍・在留理由などの違いを越えた大規模ハンストは、過去、2010年5月、2012年8月にも発生しており、これで3回目となるが、これまで以上に大規模であると同時に、Dさんの死という突発的な事件を契機に起こった今回のハンストは、開始日も収束日もバラバラであり、目的においても、各ブロック内においてもハンスト参加者の間で事前に統一されて始められたわけではない。特に、Dさんと日々の収容生活を共にしていた5Aブロックと他のブロックでは、ハンストをしてまで貴職に求める要求内容に差異がある。しかし、共通しているのは、長期収容という人権侵害に対する憤りであり、無期限の収容をやめるよう求めている。
 私たちが各ブロックから聞き取りしたところ、15日(日)~17日(火)にかけて、5つのブロックでハンストが始まり、最大で120人を越える被収容者がハンストに参加したとの事である。Dさんの死という、衝撃的な事件があったにしても、ここまでハンストが広がるには、その伏線があった。それは事前にも私たちは報告を受けていたが、本年3月の5寮A・Bブロック8A・9A・9Bブロックによる貴職らへの要求書(書面の表題はそれぞれ異なる)の提出であり、それに対する貴職からの、全面否定の回答である。
 ハンスト参加者の多くから意見として聞いたが、3月の要求書に応え、収容長期化を回避する方向に踏み出していれば、Dさんの自殺は防がれたはずである。
 私たちは、法務省入国管理局から各入国管理官署に、送還を忌避する被退令発付者の縮減が指示されていることは知っている。しかし、収容長期化をはじめとする退令業務の強化は、貴センターにおいて昨年3月にはベトナム人男性の病死を、そして今回の自殺を生み出してしまった。人間の命を絶つまでの退令業務は明らかに人権侵害であり、貴職が彼らを死に追いやったと言わざるを得ない。
 被収容者処遇規則は被収容者への人権の尊重を貴職に求めている(第一条「目的」)。人命の尊重は人権の尊重の最たるものである。本省の方針、政策がどうあれ、東日本センターにおいては、貴職が責任を負って運用にあたらなければならない。これにあたって、被収容者の人権を尊重し、これ以上の犠牲者を出さないよう、以下、申し入れる。

一、収容長期化を回避し、仮放免を弾力的に運用すること
 閉ざされた狭い空間への監禁的拘束は、被収容者の誰においてもストレスを高進させ、その収容が半年に及ぶころには拘禁反応を発症する。しかも、入管での収容は期間の定めのない収容であり、精神的拷問である。地方局・地方支局収容場での入所から通算して6ヶ月を越える収容は明らかに長期収容であり、そのような長期収容者については、仮放免を許可することを求める。
一、被再収容者の早期仮放免
 入管収容施設での収容に耐えて仮放免となった者は、帰国できない事情があるからこそ、耐えたのである。2016年以降、東京入管などは再収容を激増させた。難民手続きの終了や訴訟での敗訴確定、また就労や住居をめぐる仮放免条件違反を契機としてこれらの再収容が行われている。また、再収容は仮放免期間延長のための出頭時に行われるが、再収容される者たちの多くは、次の出頭時には自分は再収容されそうだと予感しながらも、逃亡することはできずに地方局に出頭して再収容される。こうした被再収容者は、本国に帰国できず、日本で在留を求めるしかない事情があるからこそ、再収容を覚悟して出頭しているのである。こうした者たちを再収容し、再び長期収容しても、ただ本人やその家族を苦しめるだけであり、人権侵害を引き起こすだけである。再収容された者については、とりわけて早期の仮放免を求める。
一、病気を訴える者を速やかに受診させること
 いまだに貴センターにおいては、病気を訴えてもなかなか受診させないとか、貴センター診療室に勤務する医師が専門外の病状について外部受診の必要性がないと判断するなど、診療問題が多々残されている。昨年3月のベトナム人男性の死亡事件はその最たるものである。看守職員が受診の必要性の有無を判断することは、無資格者による医療判断である。適切な診療ができないということは、被収容者が命と健康をおびやかされているということであり、一切の言い訳は許されない。予算、人員などの条件から適切な診療ができないのであれば、被収容者数を減少させるなど、できるための措置をとるべきである。貴職が、被収容者の生命と健康を守るための、具体的な改善をなされることを求める。
一、ハンスト発生時は、ハンスト者の体重を測ること
 先週から私たちは、貴センター総務課に何度も口頭で申し入れたが、ハンストをする者については、毎日、体重を測るべきである。無論、本人の意思を無視して体重を測ることはできないが、本人たちの体調管理のためにもハンスト時の体重測定は必須である。今回の大規模ハンストにおいて、面会したどのブロックでも、「なんでハンストをしているのかも聞かれない。体調はどう?とも心配されない。私たちは入管から無視されている」との訴えがあった。貴職が、ハンスト参加者に関して「健康を害する恐れがあり、中止するよう説得している」と報道機関にコメントしているのは全くのウソであることがわかる。だが、「中止するよう説得」することは、その方法によってはハンスト者への脅しともなり、慎重な対応が求められる。しかし、体重測定することは、貴職がハンストの発生を認知しており、ハンスト者の健康状態を気づかっていることをハンスト者に伝えることになる。一方、貴職は「一部ではカップラーメンや菓子などを食べている」とも報告されているようだが、そのような垣間見た情報ではなく、体重測定すれば、体重が減少しているのか否か、減少しているならどれくらい減少しているかなどの客観的な数字を報告することができる。ハンスト参加者が「カップラーメンや菓子など」を食べるのは、服薬のためであったり、過去のハンストで倒れた者がブロックチェンジさせられた経緯があるため仲間が倒れるのを防ごうとしてなど、理由がある。自らができる客観的な調査もせず、官給食を拒食していても自費購入の物を食べていると、ハンストの真剣さ、ハンストに及ぶ被収容者の切羽詰まった精神状態を茶化すような報告は差し控えられたい。
以 上

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関連記事


Monday, April 23, 2018

収容長期化の回避等をもとめる被収容者連名申入書(東日本入管センター)



 直前の2つの記事で、東日本入国管理センターで4月日に起こったインド人被収容者死亡事件、これを受けての120名超の被収容者による集団ハンガーストライキについて報告してきました。


 今回の記事では、時間をさかのぼって、これら事件が起こる1か月以上前の3月5日に東日本センターの5A, 5B両ブロックの被収容者25名が連名で入管側に提出した「申入書」を紹介します。この2つのブロックのうち、5Aは、13日に亡くなったDさんのいたブロックでもあります。

 いたましい死亡事件とこれを契機として広がったハンガーストライキが、どういう背景で起きているのか。この点を理解する上で、この「申入書」が手がかりのひとつになるものと思います。

 記事の末尾には、このたびの事件であらわになった入管の収容と送還をめぐる問題の背景を考えるうえで参考になればと思い、このブログの過去記事をいくつか紹介させていただきました。


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申 入 書
平成30年3月5日

法務大臣殿
法務省入国管理局長殿
東日本入国管理センター所長殿
5A, B寮被収容者
私達は以下要望し、かつ面接にて回答を求める。
1.長期収容は人権侵害であり、収容長期化の回避を求め、再び仮放免の弾力的運用をされることを強く求めます。
2.再収容の中止と再収容された者への即時仮放免を求める。
3.被収容者への医療放置をやめ、診療を求める者は直ちに診療させ適切な処置をとることを求める。
4.帰国忌避者に対する個別の送還やチャーター機による集団送還執行の中止を求める。
5.以上のもとで現在、東日本入国管理センターに収容されている人の中で、余りに長期間収容されている人や深刻な体調不良者等、直ちに仮放免許可等の措置をとるべき人達が居ます。
以 上

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【関連記事の紹介】

 上に紹介した「申入書」提出からすこしたった3月中旬に、東日本センターのべつのブロック(8A, 9A, 9B)で、長期収容をやめるよう求めた嘆願書が提出されています。こちらもあわせてごらんください。


 Dさんは亡くなる前日の4月に仮放免申請の不許可を知らされておりました。Dさんの死が自殺だったのだとすれば、ここ数年において顕著になっている入管施設における収容の長期化がその死に関係している可能性は高いといえます。入管施設における収容とはなにか、また長期収容がなぜ問題なのかについては、以下の記事で解説しております。


 今回紹介した5A, 5Bブロックの「申入書」は、「再収容の中止と再収容された者への即時仮放免」を求めています。「仮放免許可」と呼ばれる手続きで出所した人をふたたび収容することを「再収容」といいます。この再収容を急増させる運用を東京入管がとりはじめたのが、2016年の1月ごろでした。この再収容急増への反発として、昨年2017年の5月に東京入管で被収容者による大規模ハンストがおこりました。東京入管や名古屋入管で再収容されて東日本入管センターに移収されたひとが、今回のハンスト参加者にもすくなくありません。入管当局が再収容を急増させた意図・目的はなにか、またそうした運用変更がどういう点で問題なのか、解説したのが以下の記事です。


 5A, 5Bブロック「申入書」が3点目にもとめているのが医療処遇の改善です。東日本センターでは、被収容者が診療を求める申し出を書面で提出してから、医師の診察にいたるまで通常1ヶ月ほどかかるといいます。被収容者に必要な医療を提供できる能力が被収容者数に追いついていないわけです。そのうえ、収容の長期化傾向は体調不良をきたして診療を必要とする被収容者を増加させるわけですから、収容人数にセンターの収容能力がまったく追いついていないという事態にますます拍車がかかるわけです。

 こうして医師の診療を提供できる能力をこえて多すぎる被収容者をかかえてしまった施設では、どういうことがおきるでしょうか? 「医師による診察が必要か必要でないか」あるいは「どの人を優先的に受診させるか」の判断を、医療の専門的訓練を受けていない職員がおこなうことが横行する結果になります。以下の記事では、入管施設において、医療放置による被収容者の死亡事件があいついでいることの構造的な要因を考察しています。


 以下は、入管が医療放置によって被収容者を死に追いやった最近の事例についての記事です。



 上記「申入書」の4つめの要求項目に関連して。無理やりの送還、とりわけチャーター機を使った集団送還の問題については、以下の記事などで述べています。