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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Tuesday, July 16, 2019

大村入管センターでも20人以上がハンスト 長期収容に抗議して


 全国の入管施設で常軌を逸した長期収容がつづいていますが、長崎県にある大村入国管理センターでも、長期収容に抗議しての集団でのハンストがおこっております。

 大村センターでは、6月24日に40歳代のナイジェリア人被収容者が死亡するという事件がありました。センターは、このかたの死亡した経緯や死因についていまだ公表しておらず、被収容者たちにも説明していませんが、亡くなったかたは3年7か月ものあいだ入管施設に収容されていました。

 亡くなる直前の大村センターの対応に問題はなかったのか、これから厳しく問われなければなりません。しかし、いまの時点ではっきりと言えることがあります。それは、長期収容を回避するということに入管当局がまじめに取り組んでいれば、このかたが入管施設のなかで命を落とすことはなかったということです。入管施設は、送還を目的とした収容施設です。3年7か月という途方もない収容期間は、入管にとっての収容の目的である送還の見込みが立たないにもかかわらず、まったく意味のない収容をだらだらと入管が続けてきたということを意味します。送還の見込みが当分立たないからと、入管がこのかたの収容を早期に断念し、仮放免によって出所させていれば、起きようのなかった死亡事件なのです。

 収容期間が3年以上、あるいは4年をこえることもめずらしくないという、「収容の超長期化」と言うべき状況において、仲間が命をうばわれたことにたいして、大村の被収容者たちのあいだで抗議のハンストがおこっています。7月15日には、大村センター3Bブロックの20人がハンストを開始したと、被収容者から私たちに連絡がありました。他のブロックでも、これに先立ってハンストをおこなっている被収容者が複数名いるということも聞いています。

 3Bブロックでハンストをおこなっている被収容者たちは、センターにたいしてつぎの2点を要求するとのことです。

  1. 長期収容をやめること。仮放免を許可せよ。
  2. 大村入管センター所長の荒川満は、ナイジェリア人を死亡させた責任をとって辞任しろ。

 私たちとしては、他団体とも連携して大村での動向を注視し、今後とも情報を発信していきたいと思いますが、非正規滞在外国人の人権に関心をよせるみなさまにも、これを注視し情報を拡散していただくよう、お願いします。また、報道関係者のみなさまには、ハンストの参加者をふくむ、入管施設の被収容者に取材し、その声を報道していただくよう、お願いします。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



関連ページ

 大村入管センターの長期収容問題については、6月26日に私たちをふくむ5団体でこれを是正するようにとの申し入れをおこないました。「申入書」にて、収容が長期化するなかで生じている深刻な人権侵害の事例をいくつか具体的にあげていますので、そちらも参照してください。


 以下の記事は、当会の立場から、「長期収容」とはなにか、また、それがなぜ問題なのか、概説したものです。

 
 つぎの記事では、2015年9月の法務省入管局長による通達を契機にして収容長期化が顕著になってきた経緯をおさえつつ、収容長期化などにあらわれている強硬方針を入管当局がどのような目的意識のもとに進めてきたのか、批判的に分析しました。

 また、茨城県牛久市にある東日本入管センターにおいても、長期収容に抗議するハンストが広がっております。そうしたなかで書かれた、長期収容による人権侵害を告発する同センターの被収容者からの手紙を、つぎの記事では紹介しています。


Tuesday, July 9, 2019

入管施設での長期収容をめぐって(大村での死亡事件/法務大臣の発言/牛久からの手紙)


 6月24日に大村入管センターでナイジェリア人被収容者が死亡した事件を受けて、山下貴司法務大臣は7月2日の記者会見で、つぎのように述べたとのことです。

「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです。」(注1)

 法務大臣発言のこの部分は、注目すべきものです。

 先月に大村センターで亡くなった方は、3年半をこえる超長期被収容者でした。大村をはじめとして、現在、全国の入管施設で2年や3年をこえる超長期収容はめずらしくなくなってしまっていますが、2011年から14年ごろまでは収容期間が2年をこえるような被収容者は例外的といってよいものでした。

 ところが、2015年・16年頃から収容の長期化が顕著になりはじめます。その背景には、以前の記事で述べたように(注2)、15年9月の法務省入管局長による「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について」と題された通達がありました。これは、仮放免を弾力的に活用することにより収容長期化をできるだけ回避するよう取り組むとした5年前の通達(注3)を取り消すという内容をふくむものでした。つまり、収容長期化が回避すべき問題であり、仮放免によってこれを回避していくのだというそれまでの公式の立場を入管として撤回したのが2015年9月。これ以降、仮放免が許可されにくくなっていき、現状の収容の超長期化をまねいているのです。

 さきの法務大臣発言が注目すべきなのは、この点についてです。山下大臣は、仮放免制度の弾力的運用と収容長期化の回避ということにふれています。入管が今後これを機に、超長期収容をまねいてきた2015年以降の運用の見直しにむかうのかどうか、注視していきたいと思います。

 ただし、「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,……仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応している」という大臣の発言は、現状での入管の運用を説明したものとしては、あきらかに事実に反するものです。たとえば、大村入管センターについて言えば、先月26日に、私たちふくめ5団体で提出した「申入書」(注4)は、以下のように指摘しています。

 貴センター[大村入国管理センター]で収容の長期化がいちじるしくなっている。私たちが大阪局で面会支援してきた被収容者のなかにも、貴センターに移収されたのちも長期にわたり収容がつづき、大阪局からの通算収容期間が4年をこえる人が5名いるほか、2年超3年超といったすでに超長期と言うべき被収容者がめずらしくない事態となっている。
 こうした異常な収容長期化は、貴センターが送還のための施設でありながら、送還の見込みの立たない被収容者の収容継続にかたくなに固執していることから生じている現状である。

 大臣が述べるように、健康上の問題などで速やかな送還が見込めない場合は仮放免制度を弾力的に運用して出所させているというのが本当ならば、このような常軌を逸した長期収容がおこるわけがないのです。

 「申入書」が具体的なケースをあげて指摘しているように、健康状態の悪化が深刻な被収容者の多くが、仮放免されずに長期にわたって収容されつづけています。他方で、大村センターは、ガンが見つかって医師から手術をしなければ命を落とす危険があると宣告された人や、脳梗塞で倒れて救急搬送され入院した人については、仮放免しています。ようするに、収容中に死亡する危険が大きいか、もしくは高額の医療費がかかるとみこまれるような重病人でなければ仮放免せずに収容をつづけるというのが、大村センターにおけるこんにちまでの運用であったわけです。こうした運用を続けるなかで、先日のナイジェリア人の死亡事件があったということは重要です。

 また、東日本入管センターにて、5月から長期収容に抗議してのハンガーストライキが、参加者を増やしながらつづいていることは、すでに報告したとおりです(注5)。現在も20名以上がハンストを続けるなか、同センターは、ハンストが長期化した人ら複数名に対して、仮放免を許可方向で検討しているということを伝えているようです。これについては今後の推移を注視しなければなりませんが、長期収容への抗議のハンストが東日本センターにおいて拡大しつづいているという現状は、「収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです」という先の大臣の発言を裏切るものになっています。

 以下では、法務大臣が「回避するよう柔軟に対応しているところです」としている収容の長期化について、東日本センターに収容されている当事者のひとりが書いた手紙を紹介したいと思います。

 手紙は山本太郎参議院議員に送られたものですが、「日本国民へ」あてられてもいます。筆者の承諾をえて、ここに公開させていただきます。(掲載にあたり、誤記などについて文意をそこなわない範囲で原文を一部修正したところがあります。また、いくつか文中に「注」をつけて、それぞれ関連するこのブログの記事へのリンクを示しました。)

 ちなみに、山本議員は、この手紙を受け取って、7月1日に東日本センターをおとずれ、手紙の筆者をふくむ4人の被収容者に面会し、その話を直接に聞いたとのことです。



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参議院議員 山本太郎様
 こんにちは。
 入国管理施設の長期収容問題についてこの書簡をおくります。
 2014年、牛久の東センターで、胸痛を訴えるカメルーン人治療が無視され、死去(注6)2017年にもベトナム人の頭痛と胸痛に治療として、たくさんの痛み止めをのませても死去となり(注7)、収容施設管理体制への不十分な衛生と医療状態に対して、不満が高まり、集団的な抗議を行うと、抗議の中心メンバーたちは たたみのみの小部屋に隔離され、衛生医療や長期収容にはかわりがなく、翌年2018年4月13日難民申請者のインド人長期収容の間 自殺して死去のあと、海外メディアのニュースになるほど集団ハンストや抗議がひろがると(注8)、当時法務大臣は、国会で議員さんの質問に対して、入管にいる外国人収容者の事を強制送還待ちと述べ、外国人の何年間も人生は収容所で奪われる事実をメディアや国民におしえず、今だに入管のトリック箱のふたが押し閉めたまま、今だにテレビによって、外国人のあげあしをとる映像を捜して、不法就労や、ごみすて、白タクなど意図的な番組を遣い、毎週のように、社会や国民のマインドに、外国人の事は、犯罪! 敵! 危険……というイメージを映すとも言わざるをえない。
 入管に収容される外国人は、犯罪人でも、日本の敵でもありません。入管で収容されている外国人は、様々な理由で、帰国が出来ず、たとえビザがなくても、仮放免でも日本滞在を希望している外国人の中:
*日本生まれ多国籍の人、
*家族の一部は日本人や日本住まいの人、
*母国への政治的問題と社会や宗教など、様々な理由で亡命、日本への難民申請をしている人など、
入管の施設に何年間も収容されています。
 そして、帰国や強制送還出来る見込みの立たない人びとを、非人道的ないたずらに、長期間にわたって収容を、「自殺や病気で、死者が出るほど」被収容者に苦痛、「即拷問」をあたえ、体と精神の健康をはかいする入管に対して、集団的ハンストや自殺未遂の人びとは自らひきこもりになるのは、今だに続いています。今年5月15日から、水だけのむハンスト中の5人は、体調が悪くなり、病室へ移動されましたが、病室も全て満杯となり、2019-6-18の現在、16人のハンスト中の人々は、いっぱんのブロックからはなされ、隔離ブロックへ移送されています。ほかにも、長期収容問題に対しての抗議行動はひろげないように、外国人の緊張を収める狙いか?! 入管は去年から収容者らに、大量の安定剤と眠剤を「RELAXくすりとして」意図的な大量投与を行い、外国人を収容施設でねむらせています。長期収容や非人道的な強制送還のような入管の一方的な場当たり政策でのけっかは、毎年のように死者が出る事です。この手紙を、助けをもとめる外国人収容者らの方から、山本太郎さんはじめ、日本国民へおくります。
2019年6月20日 東日本センター収容者の一人

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 この手紙を書いた方からは、送還の見込みのない人や深刻な体調不良・病気をかかえている人を長期にわたり収容している具体的なケースを説明した書面もあずかっております。次回以降の記事でそれらも紹介していきたいと思います。





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注1 法務大臣閣議後記者会見の概要(7月2日) - 法務省

注2 入管にとって長期収容の目的はなにか? - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年6月27日)

注3 2010年7月27付法務省管警第172号「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について(通達)」

注4 大村入管センターに対して申し入れ(6月26日) - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年7月1日)

注5 東日本入管センターでのハンスト、50日近くになる人も - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年6月25日)

注6 【抗議のよびかけ】東日本入管センターで被収容者2名があいついで死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2014年4月4日)

注7 「痛い、痛い」と訴えるも放置――東日本入管センターでベトナム人被収容者が死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年3月30日)、友人Vさんの手記――入管でのNさんの死について - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年4月3日)

注8 【抗議の呼びかけ】インド人被収容者の死と集団ハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月19日)、【ひきつづきの抗議の呼びかけ】インド人死亡事件とハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月22日)、東日本入管センターに申入れ(Dさんの死とこれを契機としたハンストについて) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月25日)

Monday, July 1, 2019

大村入管センターに対して申し入れ(6月26日)

 6月26日(水)に、仮放免者の会をふくむ5団体の連名で、大村入国管理センターに対して、長期収容をやめるように求める申入書を提出しました(申入書はこの記事の最後に掲載しております)。

 一部報道が出ていますが、大村入管センターでは24日、ナイジェリア国籍の被収容者が死亡するという大変に悔やまれる事件がありました。

 私たちは、生前のこのかたと面会したことがあり、それだけになおさら痛恨のきわみでありますが、このかたは2015年11月から通算3年半以上にわたって入管施設に収容されていました。現在の入管施設における「収容の超長期化」と言うべき状況のなかで起きてしまった死亡事件です。亡くなった経緯の事実関係はもとより、被収容者に対するセンター側の態勢・対応に問題はなかったのか、きちんと解明されなければなりません。

 私たちとしても、亡くなった方を知っている被収容者たちとの面会などをとおして、事実関係の把握につとめているところです。今後とも、この点について、他団体支援者等と協力していきたいと考えています。

 26日の申入書提出にさいしては、このたびの死亡事件について、以下3点を大村入管センター総務課にて口頭で緊急に申し入れました。

  1. 死亡した経緯・原因についてさかのぼって検証すること。
  2. 仲間の死にショックを受け強い不安をおぼえている被収容者たちに、死亡の経緯についてきちんと説明すべきであること。
  3. 懲罰的な隔離処分はすべきでないこと。

 3は、入管側が被収容者3名を隔離処分としたことに対して抗議したものです。

 25日に事件の報道を受けてショックを受けた一部被収容者たちと職員らのあいだでもみ合いがありました。目撃していた人によると、被収容者と職員の身体が接触する場面はあったものの、意図的にたたくというような暴力的なものではなく、けが人もいなかったということです。入管は、その翌日の26日になって、被収容者3名を隔離処分としました。

 入管は、自損行為や職務執行の妨害を理由として被収容者を隔離することが「被収容者処遇規則」で認められていますが、懲罰的な隔離をおこなう権限はありません。ところが、今回のように、ことが起こった翌日になってから隔離をするというのは、懲罰とみなさざるをえません。かりに25日の時点で隔離をおこなうべき理由があったのだとしても、その理由・必要性がすでになくなっているであろう翌26日になって隔離するというのは、どういうことなのでしょうか? この隔離処分が、「職員に反抗したら痛い目にあわせるぞ」「規律を乱した者は狭い部屋に閉じ込めるぞ」という脅し・懲罰をとおして、被収容者の行動をコントロールしようという意図にもとづいていることはあきらかでしょう。

 とりわけ、このときの被収容者たちは、仲間の死に悲しみ動揺しているところであったのだから、こうした暴力的な手段でおさえつけようとするのは、なおさらやめるべきであると考えます。これが、口頭で申し入れた3点目の趣旨です。

 以下に、「申入書」として提出した書面を掲載します。なお、掲載にあたって、被収容者の実名はふせました。


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申 入 書

2019626

大村入国管理センター所長殿

申し入れ団体
難民支援コーディネーターズ関西
Save Immigrants Osaka
TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)
WITH
仮放免者の会


 関西で入管施設被収容者への支援をおこなっている団体・支援者の有志として、以下申入れます。


 貴センターで収容の長期化がいちじるしくなっている。私たちが大阪局で面会支援してきた被収容者のなかにも、貴センターに移収されたのちも長期にわたり収容がつづき、大阪局からの通算収容期間が4年をこえる人が5名いるほか、2年超3年超といったすでに超長期と言うべき被収容者がめずらしくない事態となっている。

 こうした異常な収容長期化は、貴センターが送還のための施設でありながら、送還の見込みの立たない被収容者の収容継続にかたくなに固執していることから生じている現状である。

 以下の理由から、仮放免制度を弾力的に運用することにより、貴センターにおける収容長期化を是正するよう申入れる。


1.長期被収容者の健康状態の悪化

 収容長期化にともない心身の状態がすでに限界と言える被収容者が多数いる。

 たとえば、Aさん(イラン国籍、収容期間43ヶ月)は、収容後に精神の状態が悪化し、精神科に通院している。Aさんは昨年1031日、処方されていた抗うつ薬と睡眠薬を飲んだ直後に全身の激しいふるえがとまらなくなり、貴センター職員が測定したところ収縮期血圧が210であった。このとき救急搬送された病院の医師の診断書によると、「興奮状態、易怒的、高血圧(薬物の副作用の可能性)」とのことであった。

 収容前には健康だった人間が、長期収容の過程で、抗うつ薬・睡眠薬が必要とされるまでに精神状態が悪化し、しかも強い副作用の生じる可能性のある強力な薬が処方されている。病気を悪化させる要因である収容(身体拘束)は継続したまま薬を投与しても、治療の効果が期待できないばかりか、収容のストレスと薬の副作用とで心身はますますむしばまれていくよりほかない。

 また、Bさん(スリランカ国籍、収容期間46ヶ月)は、通院先の病院の医師から昨年1115日付で「変形性頸椎症に伴う筋緊張性頭痛」との診断を受けている(添付資料参照)。診断書は、この病気は「心因的な影響が大きく」、ストレスのある「今の環境が変わらない限り良くなるとは考えられない」とし、「薬物療法を続けるだけ無駄である」と結論付けている。このように、収容された状態では効果の見込まれる治療はできないと医師が断じているにもかかわらず、貴センターはBさんの収容を続けている。

 上記の2人ように長期収容が心身の不調の原因であり、収容を続けるかぎり治療のしようのない病状にある人の収容を継続している一方で、貴センターは腸に癌のみつかった中国人被収容者を昨年9月に、また脳梗塞で倒れたミャンマー人被収容者を今年1月に仮放免した。ここには、貴センターにとって、長期収容によって被収容者の心身がどれほど破壊されようが知ったことではなく、高額な治療費がかかったり被収容者が収容所のなかで死亡したりする事態さえ避けられればよいのだという、人命・健康をいちじるしく軽視した姿勢がみてとれる。


2.収容長期化によって収容能力をこえた過剰収容がもたらされていること

 被収容者は身体を拘束され行動をきびしく制限されているため、自分自身の意思で病院に行って診察を受けることはできない。したがって、これを制限している入管には、被収容者処遇規則にも規定されているとおり、被収容者の安全や健康を守る責任義務がある。こうした責任義務を果たす能力を欠くならば、入管は人を収容してその自由を奪う資格がない。

 Cさん(ガーナ国籍、収容期間41ヶ月)は、昨年9月に外部病院を受診して、白内障と診断された。人の顔やテレビがぼやけてよく見えない状態だが、治療はなされず収容が継続している。

 Dさん(ブラジル国籍、収容期間32ヶ月)は、運動場で右手人差し指を骨折するけがをした。1ヶ月ほどして骨折は治ったものの、固定具を外したところ、負傷した指をまったく動かすことができなかった。19日に診察した外部病院の医師は、入院もしくは通院して理学療法士の指導のもと毎日リハビリをおこなうようにと指示した。ところが、貴センターは週2回しかDさんをリハビリに通わせなかった。この頻度では回復は保証できないと医師が述べたにもかかわらずである。そのリハビリも打ち切られ、Dさんは人差し指を動かせない状態にある。

 治療・リハビリを受ける機会を奪ったために被収容者が失明したり、あるいは生涯にわたって後遺症が残ったりした場合、貴センターはどうやって責任をとるつもりなのだろうか。

 また、貴センターでは、3ヶ月ごとに被収容者の血圧と体重を測定しているほかは、定期健診をおこなっていない。4年も5年も人間を収容している施設としては、ありえないことである。

 こうした事例からは、被収容者数に見合うだけの必要な医療体制を貴センターが欠いているということが言える。大村センターは、2015年から大阪入管・名古屋入管・東京入管からの移収が増え、さらに同時期から顕著になった収容の長期化傾向もあいまって、当時20名ほどだった被収容者数が現在では120名をこえるほどまで激増している。さきにあげた事例は、貴センターが過剰収容によって被収容者に対する健康管理義務を果たせていない現状を明らかにしている。


3.難民申請者への立証妨害

 貴センターに長期間にわたって収容されている人のなかには、難民申請者も少なくない。難民申請者は、みずから証拠を集めて自身の難民該当性を立証しなければならない。難民申請者を長期間収容してその通信をふくむ行動の自由をいちじるしく制限することは、その立証作業を妨害し、公正な難民審査を受ける機会を奪っているということにほかならない。


 以上述べてきた理由により、①1年を越える長期被収容者を仮放免すること、および②高血圧症や心臓疾患などの持病があり収容継続が危険な被収容者、収容による精神疾患者を即刻仮放免することを申入れる。


以 上


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関連ページ
 大村入管センターにおける長期収容については、以下の記事なども参照してください。


Tuesday, June 25, 2019

東日本入管センターでのハンスト、50日近くになる人も

 東日本入管センター被収容者のハンガーストライキについて、あらためて抗議を呼びかけるとともに、報道関係者のみなさまに取材・報道をお願いしたいと思います。

 このハンストに経緯については、以下の記事でふれております。


 5月10日にBさん(イラン国籍)が長期収容に抗議して食事を拒否しはじめてから、これに呼応するように抗議が広がり、6月17日時点で8名、同19日には20名ほどにまでハンスト参加者が増えました。

 20日の毎日新聞は6か国の被収容者約20人がハンストに入っていると報じています。


 その後も、ハンストの人数は増えているようです。現時点での正確な人数を私たちはつかめていませんが、参加者のひとりから現在27名がハンストをしているとの報告があったところです。当初はイランが主であったハンスト参加者の国籍も、スリランカ、バングラデシュ、中国、ナイジェリア、インド、トルコと広がっています。

 心配なのは、ハンストの長期化です。前々回の記事で紹介したBさんは、5月10日に食事を絶ってからすでに47日め、5月26日から始めたCさんも1ヶ月をこえたところです。ふたりとも、水以外は口にしておらず、塩分すらもとっていません。

 自身の生命・健康をこうして危険にさらしてまでかれらが抗議しているのは、出口のまったくみえない長期収容に対してです。広く報道されたとおり、この長期収容によって、昨年4月に東日本入管センターは、被収容者の自殺者を出しています。入管の長期収容によって、「死んだ方がマシだ」と思わせるところまで追い込まれている被収容者は少なくないのです。現在、ハンスト者がじりじりと増えている背景には、長期収容がもたらす絶望的な苦しみがあるのだと思われます。

 これ以上の犠牲者を出さないために、入管の長期収容に対して、少しずつでも抗議の声をとどけるよう、お願いします。

抗議先
東日本入国管理センター(総務課)
 電話:029-875-1291
 FAX:029-830-9010

 たとえば、電話に出た職員に「ハンストをしている人の体調が心配だ。長期の収容をやめてほしい。所長ら上の人にそう伝えてください」とひとことたくすのも、有効な抗議だと思います。

 時間と気力のあまっている人は、「2年も3年も収容して自由をうばわなければならない理由がいったいどこにあるのですか?」と質問してみてもよいかもしれません。まともな答えが返ってくることはないはずです。入管の収容は、犯罪などに対する罰・制裁として科されているものではなく、あくまでも送還(退去強制)までのあいだのいわゆる「身柄」の拘束にすぎません。長期間にわたって拘束して被収容者にはなはだしい苦痛を強いてよい理由などないのです。あなたたちのやってることの根拠はなんなのかと「問う」ということそのもの、相手方の行為にほんとうに正当性があるのか考え向き合ってもらうことも、ひとつの抗議のあり方といえます。

 報道関係者のみなさまへ。ハンストをおこなっている被収容者にぜひ取材して、その声を聞いてください。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


(参考)

 長期収容がなぜ問題なのかについては、以下の記事などをごらんください。いくらか参考になるかもしれません。


 また、全国の入管施設において収容の長期化が顕著になったのは、とくにここ3年ほどですが、その経緯については、以下の記事がすこし参考になるかもしれません。

Monday, June 17, 2019

ひきつづきの抗議をお願いします(東日本入管センターのハンストにかんして)

 以下の記事で被収容者6名が長期収容に抗議してハンストをおこなっているとおつたえした東日本入管センターですが、あらたに2名(イラン人とスリランカ人)がくわわり、8名でハンストを継続しているとのことです。


8人のなかで最初にハンストを始めたBさんは、食事を絶ってから40日になろうとしています。Bさんはじめ8名の体調が心配です。

 ひきつづき、東日本入管センターに対し、「期限のさだめのない長期収容は人権侵害である」「監禁を帰国強要の手段にすべきでない」など、抗議の声を届けていただくよう、よびかけます。

 くわしくは、上にリンクした記事を参考にしてください。

抗議先
東日本入国管理センター(総務課)
 電話:029-875-1291
 FAX:029-830-9010

Friday, June 14, 2019

長期収容への抗議を!(東日本入管でのハンストをめぐって)

 東日本入国管理センターの被収容者6名(いずれもイラン国籍)がハンガーストライキをおこなっています。ハンストは、長期収容に抗議し、「仮放免」による収容からの解放をもとめるものです。

 ハンストを始めてからの期間は、現時点(6月13日)で3日間から長い人では35日間におよんでいます。私たち支援者としては、健康状態の深刻な悪化を心配しないわけにはいかず、食事を再開するよう説得したいというのが正直なところではあります。しかし、あとでみるように度をこえた長期収容への強いいきどおりと絶望がこのハンストの動機としてあります。この長期収容問題をそのままにして、食事をとってほしいと説得しようとしても、ハンストをされているかたがたにはその言葉が届くことはないでしょう。

 そこで、東日本入管センターに対して、電話やファクシミリなどで、長期収容をやめるよう抗議の声をあげていただくように呼びかけます。たとえば、ハンストを続けているひとたちの健康状態が心配されることをつたえたうえで、長期間にわたってひとを閉じ込めて出国をせまるような今の入管のやりかたは人権・人道上問題があるのではないかと指摘するなどしていただけるとよいかと思います。お手すきのときがありましたら、ひと言ずつでも人間の権利と命を大事にした意見をつたえることが、ひいては人権侵害をやめさせる力になると思います。

抗議先
東日本入国管理センター(総務課)
 電話:029-875-1291
 FAX:029-830-9010


◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 12日(水曜)に私たちは、ハンストをおこなっている6名のうち3名に面会し、なにに対して抗議しているのかなどについて話を聞きました。聞き取った内容をもとに、仮放免者の会およびBONDとして、東日本入管センター総務課にて以下の内容の申し入れを口頭でおこないました。

 ハンストしている被収容者のうち何人かと面会して話を聞いたかぎりでは、入管側は、ハンストをおこなっている理由を聞き取り、食事を再開するようにとの説得をこころみているとのことであった。また、ハンスト者の健康状態についても、体重・血圧を測定し、必要に応じて病室に移して見守るなど、一定の配慮をしているようにみうけられる。昨年の東日本センターでのハンストにおいては、ハンストが起こっている事実をあえて無視した対応を職員がとったり、体重すらはかろうとしなかったりといったことがあり、私たちとしても批判・抗議をした(参考)。今回はこれらの点での対応は改善しているように思う。
 私たち支援者としては、ハンストという、非暴力とはいえ自身の心身を危険にさらす抗議の方法を被収容者がとることについては、できることならやめるよう説得したいと考えている。しかし、度をこした長期収容が、今回のようなハンストや、あるいは被収容者による自損行為が頻発する現状の要因としてある。長期収容が被収容者の心身の健康をすでに悪化させている状況があるにもかかわらず、「ハンストは体によくないからやめてほしい」などと言ったところでそこに説得力などあるはずがない。入管がこの長期収容をやめる以外に、被収容者の健康・生命を守るすべはない。
 退去(送還)の命令が出ている以上、送還できるまでのあいだ施設に収容せざるをえないのだという入管の立場は理屈として理解している。しかし、だからといって2年も3年も収容するなどというのはあきらかに度をこしている。こうして収容が長期化しているという現状自体が、送還の見込みの当面たたない人を入管がいたずらに収容し続けてしまっているということの証左ではないのか。
 今回ハンストをおこなっている被収容者の個別の状況をそれぞれみても、難民申請や法的な手続き等の面で、いずれも本人の意思に反して送還するということが現状では事実上不可能であるというケースばかりである。どうして入管は、そうした送還不可能だということがわかりきったケースについてすら、収容の継続に固執しているのか。私たちからみれば、入管がそうした行為をするのは、収容・監禁によって被収容者の心身を痛めつけて、帰国へと追い込むためであるとしか考えようがない。心身に打撃をあたえて相手の意思・行動を変えさせようとする行為は、「拷問」と言うべきものである。国の機関がこのように拷問を手段とした業務をおこなっている現状はけっして許されるものではない。収容が長くなっている人を仮放免によって出所させるよう求める。

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 ハンストをおこなっている被収容者が、今回の私たちとの面会でそれぞれ語っていたことがらを紹介しておきます。

Aさん
 50歳代。難民申請者。2010年から仮放免されていたが、2017年2月に難民申請が却下されて再収容された。収容期間は2年4ヶ月になる。
 先週火曜日(4日)から食事をとるのをやめた。今日で9日めになる。
 ブロックの班長(職員)が、なぜご飯を食べないのかと聞いてきた。3つの理由で抗議するためにハンストをやっていると答えた。ひとつは、人権の問題。入管施設では、すべてについて人権がない。2つめは、収容が長いこと。3つめは、収容期間に上限がないことだ。
 むだな長期収容にみなさんの税金を使ってほしくないという気持ちもあって、入管のご飯は食べたくない。


Bさん
 (職員に車いすを押されて面会室まで来た)
 30歳代。難民申請者。2016年11月に収容された。収容期間は2年7ヶ月になる。
 長期収容に抗議して5月10日からハンストを始めた。ハンスト期間は(面会した12日の時点で)34日になる。88kgあった体重が20kgへった。塩分や砂糖などもとっておらず、薬をのむときに水だけ飲んでいる。収容されてからストレスがひどく、精神安定剤、睡眠薬などふくめ27~8錠の薬を毎日飲んでいる。ハンスト中のいまも飲んでおり、胃がすごく痛い。また、胸や膝など全身に痛みがある。
 5月23日から、病室に移された。体重・血圧は毎日はかり、職員が記録している。職員が、ハンストの理由を聞きにきて、食べるように言ってくるが、食べたくない。


Cさん
(職員に車いすを押されて面会室まで来た)
 難民申請者。2014年から仮放免されていたが、2017年5月に再収容された。再収容理由を説明するよう入管にもとめたが、教えてくれなかった。
 5月26日にハンストをはじめ、今日で18日めになる。自由がほしいからだ。自分の収容期間は2年だけど、ここには4年の人がいっぱいいる。5年、6年という人もいる。かわいそうだ。
 ハンスト開始時に71~2kgだった体重が、今日はかったところ61kgだった。塩分、砂糖もとっておらず、水だけ飲んでいる。現在は、Bさん同様病室に移されている。
 自分のいる病室にはテレビがないので、テレビの見れる隣室に移してほしいとたのんだら、職員はごはんを食べたらテレビをみてもいいよと言った。こっちは真剣にやってるのに、子ども相手に遊んでいるかのよう。職員はいい人間もいっぱいいるが、プログラムされたロボットのように仕事している。気持ちがない。心を外に置いてきてここに来ているみたいだ。

Wednesday, June 12, 2019

【傍聴呼びかけ】大阪入管暴行事件(第7回口頭弁論)


 大阪入管職員による集団暴行事件について。前回の公判では、原告から後遺症障害等についての医師の意見書の提出などがありました。

 次回公判は、以下の日時にておこなわれます。

 日時:2019年6月21日(金) 13:30~
 場所:大阪地方裁判所809号法廷(→地図

 事件についての詳細は、以下の記事をごらんください。


 ぜひ法廷で傍聴をお願いします。


 また、公判後には、原告Mさんと弁護団も出席しての報告集会もおこないます。こちらもご参加ください。

Thursday, May 2, 2019

【傍聴呼びかけ】大阪入管暴行事件(第6回口頭弁論)


 大阪入管職員による集団暴行事件の次回公判のご案内です。

 日時:2019年5月17日(金) 午前11:30~
 場所:大阪地方裁判所809号法廷(→地図

 暴行事件は、2017年7月に起きました。当時、大阪入管に収容されていたトルコ国籍のMさんが、隔離処分のためとして保護室とよばれる部屋に連行される過程で、職員らの暴行を受けました。事件についての詳細は、以下の記事をごらんください。



 ぜひ法廷で傍聴をお願いします。

 また、公判後には、原告Mさんと弁護団も出席しての報告集会もおこないます。こちらもご参加ください。

Friday, February 22, 2019

【傍聴呼びかけ】大阪入管暴行事件(第5回口頭弁論)

 大阪入管職員による集団暴行事件の次回公判のご案内です。

 日時:2019年3月8日(金) 午前11:30~
 場所:大阪地方裁判所809号法廷(→地図

 
 被害者で原告のMさんも出廷します。
 都合のつくかたは、傍聴をおねがいします。
 前回の公判では、支援者ら20人ほどが傍聴しました。入管の暴力をゆるさないという意思表示としても、今後とも多くの人が裁判を傍聴して事件への関心を示していく必要があります。

 裁判のあとに、報告集会を予定しております。こちらも多くの人の参加をお待ちしております。

 事件についてくわしくは、以下の関連記事をごらんください。



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