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Saturday, December 22, 2012

東日本入管センターの不当な検閲について改善を申し入れました

  昨日(12月21日)、仮放免者の会(関東)として、東日本入国管理センターに申し入れをおこないました。

  入管の収容施設は、被収容者の外部との通信を検閲していますが、その検閲においてとりわけ不当と言える3点について指摘し、改善を申し入れました。

  ひとつは、被収容者が弁護士と訴訟等のうちあわせのためにかわす書面の検閲です。入管の行政処分の取り消しなどを提起ないし準備している被収容者は多くいます。そうした入管の処分についてあらそう裁判での弁護士との通信を、裁判のもう一方の当事者である入管が検閲するのは、あきらかに不当です。

  第2に、検閲にともなう処分(書面の一部抹消や発信の保留・禁止など)が、その理由・根拠を明示することなく、恣意的におこなわれていることを問題にし、改善を求めました。

  第3に、上記検閲にともなう処分が、被収容者にたいして懲罰的・制裁的におこなわれている点を指摘し、改善を求めました。

  以下、申入書の全文です。


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申  入  書

2012年12月21日
東日本入国管理センター所長 殿
仮放免者の会(関東)


  日本国憲法第二十一条第二項は、「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」として、検閲の禁止と通信の秘密を規定しております。言うまでもなく、東日本入国管理センターは政府機関として、被収容者の通信の秘密を尊重する義務を憲法により課せられております。
  被収容者処遇規則第三十七条第一項は、被収容者が発信する通信文の検閲について、「収容所等の保安上支障があると認める部分があるとき」の通信文の訂正・まつ消の指示、または領置について規定しています。また、同第二項は、被収容者が受信する通信文の検閲について、「収容所等の保安上支障があると認める部分があるとき」の削除・まつ消または領置について規定しています。
  このように被収容者処遇規則は、通信文の検閲の権限を所長等に与えてはおりますが、憲法第二十一条第二項で保障された通信の秘密にかんがみ、検閲とこれにともなう削除・領置等の処置は必要最小限のものにとどめなければならないと考えます。
  ところが、東日本入国管理センターにおいて、職務上の必要を逸脱した、また恣意的な検閲等行為の濫用が行われているように見受けられます。

1.被収容者が弁護士から受け取る通信文について、その内容を見せるよう職員から強要されたとの証言を、複数の被収容者から得ております。
  被収容者のなかには、退去強制令書発付処分取消訴訟などの訴訟を提起中、あるいは準備中の者が多くおります。訴訟の一方の当事者にもなる入管の職員が、これらの者と弁護士のあいだでかわされる通信文を検閲するのは、日本国憲法第二十一条第二項に保障された通信の秘密の侵害にあたるのみならず、裁判の公平性をさまたげ、被収容者の利益を不当にそこなわせるものであって、とうてい容認できません。
  さらに、これは入管の収容関係において適用される法律ではありませんが、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」135条2項1号は、「未決拘禁者が弁護人等から受ける信書」について、同条1項に定める「検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする」と規定しています。同規定は、人権に対する重大な侵害となる刑罰権行使を争う刑事裁判において国家と直接対峙する被告人の特殊な地位にかんがみ、刑事弁護に関する弁護人との通信について、特に厚く通信の秘密を保護したものと解されます。ならば、退去強制という、ある意味で刑罰にも劣らない不利益をもたらす国家入管行政上の処分を訴訟において争う被収容者についても、同様の趣旨から訴訟代理人弁護士との通信の秘密は厚く保護されなければならないところです。まして、刑事手続と異なり、退去強制手続においては、訴訟の相手方と収容施設を管轄する主体が同じ入国管理局なのですから、通信の秘密はさらに厳格に保護されなければならないと考えます。このような意味において、なおさら貴職らが行っている検閲は許容しがたいものです。

2.検閲等の行為において、貴職らは「保安上の理由」「保安上の問題」を根拠にしますが、通信文のどの内容がどういう理由でそれにあたるのか、具体的かつ明示的な説明が十分になされているとは言えません。これが明示されなければ、通信文のいかなる記述についても「保安上の問題」を理由にした削除やその指示等の措置が可能になり、つまりは貴職らの恣意的な運用、職権の濫用が可能になってしまいます。具体的になにが「保安上の問題」にあたるのかのガイドラインを被収容者にも提示すること、および、通信文の削除やその指示にあたって「保安上の理由」とはその場合なにか当該の被収容者に十分に説明することが必要と考えます。
  なお、第三者の「個人情報」が記載されていることをもって、郵送や宅下げによる通信文の発信が許可されなかったという事例が、東日本入国管理センターにおいて生じております。たとえば、貴職らへの被収容者の連名の要求書・嘆願書に署名があることをもって、宅下げを認めないという措置がおこなわれています。また、ある被収容者が他の被収容者の東日本入国管理センターで受けた不当な扱いについて書いた通信文が、名前等の本人を特定しうる記述をしていないにもかかわらず、発信にあたりまつ消を指示された例もあります。
  もとより、通信文に記載された情報が第三者のプライバシー権を侵害しているかどうかは、通信文の発信者とそこに個人情報を記載された第三者のあいだの問題であって、貴センターが判断すべきことでもなければ、貴センターが削除・まつ消等の指示や発信を不許可にすることの根拠にもなりえません。被収容者処遇規則にのっとっても、これら処分はあくまでも「当該通信文の内容に収容所等の保安上支障があると認める部分があるとき」に貴職らに認められた権限にすぎません。

3.被収容者が発信した文書がインターネット上に公開されたのをもって、貴職は公開された文書の「修正」を要求し、「修正」が確認されるまでは当該被収容者のその後の発信を「保留」するという事例がありました。これは、貴センターが検閲をし一度は発信を許可した文書について、事後的にその内容を理由に当該被収容者に対し懲罰・制裁をおこなったものと解することができます。こうした事後的な懲罰・制裁措置は、被収容者処遇規則等で規定された権限を逸脱したものであり、また被収容者の言論活動を不当に妨害するものであって、容認できません。

  以上をふまえまして、以下、申し入れます。

  1. 被収容者が弁護士から受け取る通信文、また被収容者が弁護士に発信する通信文を検閲しないこと。
  2. 検閲およびこれにともなう処分については、「収容所等の保安上支障がある」とはどのような内容を指すのか、被収容者全体に具体的にガイドラインを明示すること。また、被収容者が通信文を発信するにあたり、削除の指示等の検閲にともなう処分をおこなう場合、どの記述がどのような理由で「収容所等の保安上支障がある」と判断したのか、当該被収容者に明確に説明すること。
  3. 被収容者の言論・表現の自由を尊重し、被収容者に対する通信の禁止・制限の処分をを懲罰的・制裁的にもちいないこと。
以  上

Tuesday, November 27, 2012

東日本入管センター9Bブロック被収容者による「申出書」

  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の9Bブロック被収容者による「申出書」を公開します。

  「申出書」は、9Bブロック被収容者の討議によって作成され、20余名の署名で11月7日に、福山宏所長あてで提出されました。回答期限は、11月30日に設定されております。

  なお、「申出書」提出の、職員とのやりとりをふくめた様子は、以下の被収容者のブログに記されております。


  法務省令である「被収容者処遇規則」では、被収容者からの申出があった場合の手続きについて、以下のように定めております。

第四十一条  入国警備官は、被収容者から処遇に関する申出(次条第一項の規定によるものを除く。)、その他法令に定める請求又は申出があつたときは、直ちに所長等に報告しなければならない。
2  所長等は、前項の報告のあつた事項について、速やかに処理し、その結果を当該被収容者に知らせるものとする。

  上記の被収容者のブログによると、「申出書」提出のさい、職員が「返答の義務はうちにはない」と発言したとの記述がありますが、見たとおり、被収容者からの申出についてはその結果を知らせるよう、「被収容者処遇規則」は定めています。




◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  以下に掲載する「申出書」は、1948年に国連総会で採択された「世界人権宣言」の前文と申出に関連する条文に依拠するかたちで書かれております。また、先述の法務省令「被収容者処遇規則」も引用され、参照されております。


  「世界人権宣言」が引用・参照されることで、東日本入国管理センターの被収容者に対する処遇が、いかに被収容者個々人の人権を無視しており、また差別にもとづいたものであるか、明瞭になっております。

  また、収容所内が(法務省の運営する施設でありながら!)いわば無法状態とも言える状態であることが、「申出書」の記述からはみてとれます。もとより、収容、そして違反調査や違反審査、口頭審理といった退去強制令書の発付への手続きは、入国管理局の独断でおこなわれており、裁判所や第三者機関によるチェックもなしにおこなわれています。被収容者は、このように一行政機関にすぎない入管の独断で身柄を拘束されたうえに、収容所での処遇(診療から、窓の開け閉め、部屋の温度調節にいたるまで)を事実上、職員の恣意に支配される状況におかれています。「ここには法はない」と言うほかないのが現状です。

  こうした人権侵害に対し、被収容者たちはこれまでも入管に対して処遇改善の要求をしてきました。これによって改善された部分もあるものの、ほとんどの要求は、「保安上」あるいは「予算上」の問題があるという理由でしりぞけられ、または要求そのものが無視されてきました。

  しかし、当然のことながら、「保安上」「予算上」の問題よりも、被収容者の人権こそが優先され、尊重されなければなりません。また、「申出書」も指摘しているように、予算や人員の不足を理由に基本的人権が侵害されるほどの処遇が放置されるならば、それは収容所の収容能力をこえた人数を収容しているということであって、ただちに仮放免等によって被収容者を出所させ、収容人員を減らすべきです。

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  以下に紹介する「申出書」は、原文では前半で抜粋されている「世界人権宣言」の各条文を、公判の個々の申出の項目ごとに付けるといった編集をしております。原文は、「申出書」のスキャン画像を記事末尾につけましたので、そちらをクリックしてご覧下さい。

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  「申出書」は、首尾一貫して、すべての人の平等と人権という普遍的な観点から書かれております。入管が侵害しているのは、個々の被収容者にとどまりません。入管は同時に、平和で個々人の人権が尊重される世界秩序を作ろうと努力してきた先人たち、いま現在そう志しているすべての人、またそうした人々が築き上げてきた理念にケンカを売っていると言えるのではないでしょうか。
  人権週間をまえに、この問題についてみなさんと共有したいと思います。




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申出書
東日本地区入国者等視察委員会
施設名:入国者収容所東日本入国管理センター


東日本入国管理センター所長 福山 宏 殿

  私達は9Bブロックの者で、「人権」を皆平等に受けたいもので、現在の貴センターはこのかけらもなく、だたの管理対象としか取り扱われてないので、速やかに私達の人権と権利を保障される為、訴えさせて頂きます。
  又、世界人権宣言を載せますので、右手を心の前に当てて頂いて読んでもらい、私達の申出等について前向きな措置と速やかな対応願います。
  私達はこの書面に対しての返答を、同じく書面で要求しますので、11月30日までにその誠意をみせて下さい。


世界人権宣言

前文
  人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎であるので、
  人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし、言論及び信仰の自由が受けられ、恐怖及び欠乏のない世界の到来が、一般の人々の最高の願望として宣言されたので、
  人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権保護することが肝要であるので、
  諸国間の友好関係の発展を促進することが、肝要であるので、
  国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の同権についての信念を再確認し、かつ、一層大きな自由のうちで社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、
  加盟国は、国際連合と協力して、人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守の促進を達成することを誓約したので、
  これらの権利及び自由に対する共通の理解は、この誓約を完全にするためにもっとも重要であるので、
  よって、ここに、国際連合総会は、
  社会の各個人及び各機関が、この世界人権宣言を常に念頭に置きながら、加盟国自身の人民の間にも、また、加盟国の管轄下にある地域の人民の間にも、これらの権利と自由との尊重を指導及び教育によって促進すること並びにそれらの普遍的かつ効果的な承認と尊守とを国内的及び国際的な漸進的措置によって確保することに努力するように、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として、この世界人権宣言を公布する。


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1.世界人権宣言第一条「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」


被収容者処遇規則

第一条(目的)
この規則は、出入国管理及び難民認定法 (昭和二十六年政令第三百十九号)により入国者収容所又は収容場(以下「収容所等」という。)に収容されている者(以下「被収容者」という。)の人権を尊重しつつ、適正な処遇を行うことを目的とする。

となっていますが、ほとんどの処遇に適正さはなく、貴職の職務に対しての都合が尊重され、私達被収容者に対しての人権の尊重は非常に薄いです。
  ですのでこれから申出る事項は本来なくてはならない私達の権利であるので、速やかに尊重し、実行して下さい。
  貴職に度々言われています、保安上の問題、予算上の問題があるのなら、収容オーバーになっている証拠であるので、被収容者を減らしてこの問題に速やかに対応して頂くか、予算を十分に取って頂いてからの十分な説明を一人の人間として頂きたいのでお願いします。

一.シャワーを午後だけでなく、午前にも浴びさせて下さい。
  現在当収容所ではシャワーを使用する際に貴職の都合でボイラでの使用でしていますが、私達が午前中にも浴びれるようして下さいと申出ても予算上出来ないとしか返答が来なく、短いフリータイム(開放時間)に大人数に限られたシャワー室で使用するのは配慮が一切無く、今後冬期が来て午前中に運動時間や、自室等での運動が重なると不衛生であり、貴職の都合の良い管理対象としかなっていません。
  至急、この問題を解消して下さい。

一.冷暖房等の温度調整の徹底管理について。
  現在当収容所の温度調整ですが、日中は良く管理されているのですが、夜間10時過ぎから翌朝9時頃までは一切これらの運用はされてなく、予算上の問題で私達の人権に対しての配慮と尊重がされていません。
  私達の申出があった時に対しては温度調整をして下さい。

一.テレビ視聴の自由について。
  現在当収容所のテレビ視聴時間ですが、朝8時半過ぎから夜10時までとなっていますが、法のどこにも視聴時間の制限等はなく、私達の自由について考慮はされていません。
  至急にテレビ視聴の時間を少なくとも12時までに延長して下さい。

一.郵送差し入れ(一般的日常品、家電製品、飲食料等)の自由について。
  現在当収容所の郵送での差し入れですが、少ない数点のみでほとんど全ての物が入らず、とても不都合が生じております。
  このままですと始めに経済的余裕のない人達、日本食が極度に食べられず栄養が足りておらず、栄養失調で健康、メンタル面で害が生じてる人たち、又は少量の食事で前の2つの事情が重なりとても困ってる人達がたくさん出てきて、貴職に多大な負担が出てきて互いにデメリットです。この人達に対して申出等があった時に特別な配慮があればこの限りではないですが、何も無ければ飲食料等の自由を保障して下さい。
  又、一般的日常品、家電製品の使用も必要な物に対して自由に使わせて下さい。

一.娯楽品の自由について。
  今後、以下の物に対して自由に使用させて下さい。
 (1人で観られるDVDプレーヤー、パソコン、プリペイド携帯(カメラなし)、各種の音楽プレーヤー、ライト、ゲーム機)

一.他のブロックの者との共同面会実施について。
  現在私達の面会は、同ブロックの人達としか面会出来ず、面会人に時間を取らせたり、以前は出来て今は出来ないなど、待遇が悪くなってる所があるので、そのうちの1つであるこの共同面会については至急出来るようにして下さい。
  品川の入管では出来てここでは出来ないのは統一性がないのでここの所から実施して下さい。

一.窓の開放、銀色のフィルム除外について。
  現在当収容所では運動時以外、外の景色や天気の確認すら出来ておらず、地下に閉じ込められている心理状況で多大な精神ストレスを強いられてる生活です。
  これに限らず当収容所で精神的苦痛を強いられてる結果、同収容者同士での突発的なケンカは数えきれないほどあり、自殺未遂、自殺等の原因になり私達はもちろん家族や友人、知人の他に貴職に深刻な問題となっており、貴職が一番分かっているのは現状で即刻に改善の措置が必要です。

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2.世界人権宣言 第二条「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。」
被収容者処遇規則
第二条(生活様式の尊重)
入国者収容所長及び地方入国管理局長(以下「所長等」という。)は、収容所等の保安上支障がない範囲内において、被収容者がその属する国の風俗習慣によつて行う生活様式を尊重しなければならない。

  このようになっていますが、私達は差別を受けないよう言われて、生活様式を尊重されなければいけません。
  これに関しては1つだけ言いたい事があります。
  なぜ入管職員はID番号だけの身分証で、私達のは氏名等全て把握されて接していかなければならないのでしょうか。


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3.世界人権宣言 第三条「すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。」

被収容者処遇規則
第八条(健康診断)
所長等は、新たに収容される者について、必要があると認めるときは、医師の健康診断を受けさせ、り病していることが判明したときは、病状により適当な措置を講じなければならない。

第三十条(傷病者の措置)
  1. 所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない。
  2. 収容所等には、急病人の発生その他に備え、必要な薬品を常備しておかなければならない。

第二十八条(運動)
所長等は、被収容者に毎日戸外の適当な場所で運動する機会を与えなければならない。ただし、荒天のとき又は収容所等の保安上若しくは衛生上支障があると認めるときは、この限りでない。

  特に以上の3点が当収容所では軽視され、予算上、保安上の問題で未だに解消されず時間だけが過ぎて何もしてくれません。
  ここまでヒドいのは日本の入管だけと言っても過言ではない位、他国の入管収容所では人権とその権利が優先され、収容者に対しての扱いも日本の入管と比べ断然違い、人間としての人権と権利が尊重されています。

一.体調不良時の速やかな対応について。
  私達は体調不良、負傷又はり病になった時には入国警備官にしか申込めずその都度体調の不良等を訴えていますが、毎回警備官には、「様子観てから」としか言われず、肝心な医師の診療は受けさせてもらえず、病状の苦しみを我慢して待っていますが貴職の都合で患者の順番待ちの理由で受診が大変遅れたり、又は出来ていません。
  この問題は人権上深刻な問題となっていますので、至急改善して下さい。

一.カウンセリングについて。
  私達には様々な治療が必要であり、ストレス等からもくる精神障害もその1つであり、多数の者が被っているこの現状で、当収容所の精神科の月2回だけの受診は今の収容人数上間に合ってなく、これらも深刻な問題となっています。
  至急、毎週受診できるようにして頂き、カウンセラーも専門的な人達にしてもらい、医療面では特にしっかりした運営を願います。

一.健康診断の実施と健全体の確保について。
  現在当収容所では入所時の健康診断をはじめ、定期的な健康診断もなく皆不安と不満で生活し、実施の期待もしていましたがその気配はなく自身の身体が心配です。
  私達がどこにいても必要な行為であり、ましては入所時の者達には必要不可欠であり、長期収容者に対しては優先的であり、収容者全体に必要な措置でその権利を求めます。
  一般社会同様の健康診断の実施と、健全体の確保に務めて下さい。

一.毎日戸外の運動実施について。
  現在当収容所の運動の実施ですが、平日と日曜の40分のみで、土曜日は戸外運動が実施されていません。
  又、休日が平日に重なりますとその日は貴職の職員人員不足の為実施されず、ただでさえ短い運動時間がさらに減り、私達のストレス発散にについては考えられていません。
  私達は無茶は言いません。
  毎日1時間の戸外運動だけ要望します。


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4.世界人権宣言 第五条「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。」


被収容者処遇規則
第六条(適法な収容)
所長等は、新たに収容される者を収容所等に収容するときは、その収容が適法であることを確認しなければならない。

第十九条(戒具の使用)
所長等は、被収容者が次の各号の一に該当する行為をするおそれがあり、かつ、他にこれを防止する方法がないと認められる場合は、必要最小限度の範囲で、入国警備官に、当該被収容者に対して戒具を使用させることができる。ただし、所長等の命令を受けるいとまがないときは、入国警備官は、自ら戒具を使用することができる。
一  逃走すること。
二  自己又は他人に危害を加えること。
三  収容所等の設備、器具その他の物を損壊すること。


第二十条(戒具の種類)
戒具は、次の四種類とする。
一  第一種手錠
二  第二種手錠
三  第一種捕じよう
四  第二種捕じよう

  私達は以上のように適法な収容を望み、職権乱用としてとらえられる言動は受けたくないので、以下の事項を参考にして、徹底した指導を願います。

一.当収容所内の生活上のルール詳細の明記について。

   現在当収容所で生活していく上で私達と入国警備官との間でルールの問題で度々トラブルになっており、互いの都合で衝突しているのが現状です。
  そして、入国警備官の職員も人によっては違う措置を取る者もおり、全職員の統一がありません。
  細かい所では職員の職権で決められる所もあるので、今後小さなルールも含め生活していく上で必要なルールの詳細の明記を提示して下さい。
  非人道的な若しくは屈辱的な扱いを受ける時が一般生活上度々ありますので、今後職員の徹底した指導と教育をお願い致します。

一.外部の病院等への手錠装備連行の中止について。
   私達は何かしらの理由等(り病や重傷名病状等)で外部の病院等へ診療に行きますが、本来付けなくても良い手錠での連行が義務化されており、病人に対してこのような違法な行為があるのは人道的な問題でもあり病状の悪化とその配慮も人権の尊重がないです。
   さらには病院等への連行直前には手錠装着の同意を求められ、この装着を拒めば病院への連行が取り消され、私達への病状の事は考えてもらえず保安上の理由で連行されません。
   どちらも悪質で違法な行為であるので、こちらも至急して頂き、今後、非人道的な扱いがないよう徹底して下さい。

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5.世界人権宣言 第六条「すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。」
被収容者処遇規則
第四十条(外出)
  1. 所長等は、被収容者から外出の申出があつた場合には、やむを得ない事由があると認めるときに限り、これを許可することができる。
  2. 所長等は、前項の許可により被収容者を外出させるときは、入国警備官に看守させなければならない。

第四十一条(被収容者の申出に対する措置)
  1. 入国警備官は、被収容者から処遇に関する申出(次条第一項の規定によるものを除く。)、その他法令に定める請求又は申出があつたときは、直ちに所長等に報告しなければならない。
  2. 所長等は、前項の報告のあつた事項について、速やかに処理し、その結果を当該被収容者に知らせるものとする。

第四十一条の二(不服の申出)
  1. 被収容者は、自己の処遇に関する入国警備官の措置に不服があるときは、当該措置があつた日から七日以内に、不服の理由を記載した書面により所長等にその旨を申し出ることができる。
  2. 所長等は、前項の規定による申出があつたときは、速やかに必要な調査を行い、その申出があつた日から十四日以内に、その申出に理由があるかどうかを判定して、その結果を書面により前項の規定による申出をした者(以下「不服申出人」という。)に通知しなければならない。ただし、不服申出人がその通知を受ける前に出所している場合には、第一項の申出があつた日から十四日以内に、その者が出所前に所長等に届け出た出所後の住所、居所その他の場所に通知を発することができる。
  3. 前項の規定による通知に係る書面には、不服申出人が収容中である場合に限り次条第一項の規定による異議の申出をすることができる旨を記載しなければならない。

第四十一条の三(異議の申出)
  1. 前条第二項の規定による判定に不服がある被収容者は、同項の規定による通知を受けた日から三日以内に、不服の理由を記載した書面を所長等に提出して、法務大臣に対し異議を申し出ることができる。
  2. 所長等は、前項の規定による申出があつたときは、速やかにその申出に係る書面及び前条第二項の調査に関する書類を法務大臣に送付するものとする。
  3. 法務大臣は、第一項の規定による申出があつたときは、速やかにその申出に理由があるかどうかを裁決して、書面により所長等を経由して第一項の規定による申出をした者(以下「異議申出人」という。)に通知するものとする。ただし、異議申出人がその通知を受ける前に出所している場合には、その者が出所前に所長等に届け出た出所後の住所、居所その他の場所に通知を発することができる。

第四十一条の四(所長等の処置)
所長等は、第四十一条の二第一項の不服の申出が理由があると判定したとき、又は法務大臣が前条第一項の異議の申出が理由があると裁決したときは、その申出をした被収容者の処遇等に関し必要な措置をとるものとする。

  以上のように私達にはこの権利が保障されていますが、ほとんどのものの人権と権利が剥奪されており、貴職の管理対象としか扱われておらず保安上、予算上の問題で人として認められるべき権利を侵害されています。
  私達の申出等については、人権と権利を優先に認めて下さい。
  又、不服の申出については、何かしらの理由で所長等に公平な助けを求めているけれど、どれも「理由なし」としか返答の結果が来ないので、調査の結果をまず説明されてからの判定を今後実施して頂き、被収容者に証人がいる場合、こちらの調査も公平にして下さい。今の所、これらの調査は消極的に感じられ、私達の訴え等についての調査も十分ではなく、入国警備官への調査とその者達の付けたレポート(報告日誌)のみです。
  今後、いかなる場所においても人としての権利を認めて下さい。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

6.世界人権宣言 第七条「すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言に違反するいかなる差別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、平等な保護を受ける権利を有する。」

  私達は貴職に様々な理由な在留資格(ビザ)の事情で拘束され、無期限な収容を余儀なくされて今現在に至っています。
  理由は様々ですが、生活していく上で最低限必要な保護を受け、個人の事情で数ヶ月から数年で仮放免という制度で出所していきます。
  しかし、その中でも刑務所に務めていた者に対しての仮放免の許可が消極的であり、偏見と差別的な対応を受け、他の者に比べ断然期間がかかっています。
  刑務所に入った者に関しては社会で罪を犯してきたのを認めますが、平等に日本社会の法律に基づいて処罰されており、皆その罪を償って出所してきています。
  ですので、その罪は償われており、仮放免の判断材料に左右されているのは不公平であり、今後この仮放免の許可の判断を皆公平に願います。
  又、当収容所を含め東日本の施設と西日本の施設の仮放免をはじめ被収容者処遇規則の待遇も大幅に違い、地域の違いだけで平等な保護が受けられていません。
  これらの事情に関しては今後皆平等で、差別なくして下さい。

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7.世界人権宣言 第九条「何人も、ほしいままに逮捕、拘禁、又は追放されることはない。」

  私達は現在、様々な理由な在留資格(ビザ等)の規則等に欠けてしまった為に強制的に逮捕され、拘禁生活を強いられています。
  ルールを守れない為にここまでヒドい非人道的な扱いを受けないといけないのには理解を苦しみますし、牛久の、東日本入国管理センターまで来て収容されているからには特別な事情を持って母国に帰れないからであります。これらの理由は大きく分けて、日本に生活基盤があるから(日本に家族や配偶者等がいるから)のと、日本という国まで難民で来国しているからであり、多くの者がどうしても帰国出来ず、助けを求めているからです。
  その中には、裁判等の訴訟を起こしている者達や、在留資格や難民認可の為の手続きを進めている者達が多くいます。
  これでも私達を追放されるという事では人道的に欠けており、残虐な扱いと認識しなくてはなりません。
  皆、正当な理由と事情があって今に至っているので、今後弾力的な仮放免をまず許可して下さい。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


8.世界人権宣言 第十三条「1  すべて人は、各国の境界内において自由に移転及び居住する権利を有する。/ 2  すべて人は、自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利を有する。」

  今の私達にはこの条の人権が剥奪され、その権利も同様です。
  私達は個々の事情で様々な理由で今まで日本で生活してきており、特別な理由で今後も日本で居住する権利を求めているまでで、それ以上でも以下でもありません。
  今後その事情をもっと真摯に調査して頂き、その権利を認可して下さい。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


9.世界人権宣言 第十四条「1  すべて人は、迫害を免れるため、他国に避難することを求め、かつ、避難する権利を有する。/ 2  この権利は、もっぱら非政治犯罪又は国際連合の目的及び原則に反する行為を原因とする訴追の場合には、援用することはできない。」

  この条には特に認めて、難民認可して頂きたいです。
  難民申請をしている人達は、母国に帰国したら命の危険があり、どうしても帰国したくても出来なかったり、又はその国から脱出してきた者で、当収容所にこの者達がいるという事は違法に逮捕されたり、拘束されている証拠の1つであります。
  母国では命の危険があって避難してきたけれど、日本政府をはじめ入国管理局はこれらをなかなか認めず、他国と比べると難民認可率は愕然に低いです。
  もちろん難民等に提出する証拠物が不十分という点もありますが、拘束されてはこの証拠物を十分に集めて提出するには難しい所です。
  難民認可はもちろん、これらの証拠物を集める為に自由に集めれるよう第一に仮放免の許可を下さい。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


10.世界人権宣言 第十五条「1  すべて人は、国籍をもつ権利を有する。/ 2  何人も、ほしいままにその国籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を否認されることはない。」


  私達の中の一部には、帰化する者がいたりして日本国籍を取得したい、又はその手続きをしている者がいます。
  今後、この手続きを申請している者に対して、帰化を拒まないよう要望します。

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11.世界人権宣言 第十六条「1  成年の男女は、人種、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることなく、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びその解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する。/ 2  婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する。/ 3  家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。」

  私達の中には外に妻や子供が待っている者も多数います。
  もちろんその中には日本国籍の者もいれば、他国の国籍の配偶者がいますが、だからといって差別され、違う対応をされたくはありません。
  日本で婚姻し、家庭をつくっているからには平等な保護を求めます。
  今の現状ですと、配偶者が日本国籍でないだけでその者の在留資格が左右され、平等な保護とは受け取れず、日本でその家族と生活基盤を作っていたのに考慮されていません。
  今後、これらの事情等も重く受けとめてもらい、あらゆる判断材料にして平等な保護を下さい。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


12.世界人権宣言 第十九条「すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。」

  まずは、下記を御覧下さい。

  当センターで支給される給食は、管理栄養士がカロリー計算をし、栄養バランスを考えて献立されており、健康を維持するためにも規則正しく給食を摂ることが大切です。
  正当な理由もなく、給食を摂らないということは、自分で健康を害することとなりますので、厳に慎んで下さい。
  また、給食を摂らないよう、他の被収容者を強要したり、そそのかしたりしてもいけません。
  集団による抗議行動は、その方法によっては収容所の安全と秩序を乱すこととなり、決して良い方法ではありません。[*註:11月5日から収容所内に掲示されている貼り紙]

  私達は今まで様々な表現でたくさんもの意見を伝えてきましたが、貴職の対応や措置には誠意が伝わらず、そのたびにいくつも抗議してきました。
  その中のハンガーストライキでの訴えも含まれており、私達個々の体調を第一に考えますと、当然決して良い方法ではないのも認識しています。
  しかし、この抗議がなければ、私達は自分たちの人権と権利の保護を求められず、真摯に受け止められません。
  上記の収容所の安全と秩序について主張されていますが、私達の人権と権利の保護はどこにありますでしょうか。
  私達は他国のように、人権と権利の保護さえあれば、抗議する必要も要望もありません。
  現在の当収容所では、あらゆる面での安全がなければ、安心もなく、人道的な秩序も保たれていません。
  卑劣な環境と待遇の改正、改善をもちろん、人権と権利を求めて、保護されるまで永久的に抗議していきますが、以下の事を第一に参考して頂き、実施されるよう願います。

  一.特別在留資格[在留特別許可]、難民申請者に対して弾力的な認可を。
  二.仮放免許可を弾力的に。
  三.長期収容反対。(6ヶ月から長期収容になってきます)
  四.再収容反対。
  五.被収容者に対しての医療行為の保護を徹底的に。
  六.仮放免者に生きる権利を。
  七.仮放免者に医療保険と労働の保護を。
  八.被収容者の要望等に真摯な対応を。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

13.世界人権宣言 第二十条「1  すべての人は、平和的集会及び結社の自由に対する権利を有する。 / 2  何人も、結社に属することを強制されない。」

  私達は全ての抗議活動への自由があり、活動する、しないはその人本人の決める事であり、強要も強制されません。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


14.世界人権宣言 第二十二条「すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を有する。」

  私達は仮放免で放免された後、日本社会でその社会保障を受けられるよう、身分証明の発行とその権利の保護を求めます。
  現在、仮放免で放免されてもなお、その権利がありません。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


15.世界人権宣言 第二十五条「1  すべて人は、衣食住、医療及び必要な社会的施設等により、自己及び家族の健康及び福祉に十分な生活水準を保持する権利並びに失業、疾病、心身障害、配偶者の死亡、老齢その他不可抗力による生活不能の場合は、保障を受ける権利を有する。/ 2  母と子とは、特別の保護及び援助を受ける権利を有する。すべての児童は、嫡出であると否とを問わず、同じ社会的保護を受ける。」

  私達は仮放免後、衣食住を保証人の力のおかげでなんとかその保護を受けられています。
  しかし、医療面になってきますと、その保護は経済的な事情が発生しますと難しいもので、日本政府も入国管理局は何の援助もありません。
  私達はただ、医療保険の加入と、労働の保障が欲しいだけですので、その認可を願います。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇


最後に。

  今まで述べてきたように私達はこれらの権利が欲しいだけであり、人権の尊重があれば何もしたくもない抗議で表現もしません。
  又、保安上、予算上の問題がある場合にはこれらの説明を具体的にお願いします。
  貴職の職員人員不足の問題がある場合には、被収容者の収容オーバーとなっていますので、この問題の解消を至急して頂き、人道的な対応をお願いします。
  そして、当収容所の安全と秩序の運営をしっかり管理するに至っては、当収容所の所長(福山 宏 殿)の、最低月1回の巡回も必要になってきますし、視察委員会の巡回時だけでは現場の把握は出来ないものだと思います。
  同時に所長自ら被収容者に対して要望等の聞き入れ、意見交換があればその誠意も伝わり、平和的な解決にも繋がってきます。
  これらは、運営上必要な事ですので、その対応も待っております。
  そして今後、改正、改善されるよう願います。

以上

平成24年11月6日


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Sunday, November 11, 2012

「仮放免者の会 第3回大会」のおしらせ(11月25日)

  「仮放免者の会(関東)」は、結成から3年をむかえることになりました。

 これまで、入管収容施設の処遇改善、長期収容や再収容への反対にとりくみ、仮放免者の在留資格取得をめざしてたたかってきました。

  現在、退去強制令を受けた仮放免者の数は全国で2000人を超えました。そのほとんどは、日本の社会にすでに根づき、あるいは国籍国に「帰る」ことのできない者たちです。

  仮放免者は、入管の収容施設での、人権侵害としか言いようのない苛酷な収容にたえぬき、仮放免許可で外に出ることができたものの、在留資格がないために健康保険をはじめとして公的な制度から排除されています。今年7月の新しい在留管理制度スタートにより、仮放免者をめぐる状況はますますきびしくなっています。

  11月25日(日)の大会では、仮放免者をめぐる現状や仮放免者の会のこれまでの活動の報告や、今後の課題と方針などについて、話し合われます。

  仮放免者はもちろんのこと、仮放免者や入管の問題、日本の国家と社会における差別の問題に関心をもつすべてのかたの出席を歓迎いたします。


  以下、大会のビラの画像と文面です。




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【English】

Provisional Release Association in Japan presents
3rd Conference


November 25th SUNDAY 2012
PM 12:00 Ooyama Station (TOKYO)
@ITABSHI KURITSU BUNKA KAIKAN


Wait for Visa ? or Go for Visa?
It’s now third year since we started up Provisional Release Association in Japan. Our life have been better with your courage and action, however, we still have many problems to be solved. After the new residency management system was introduced, we seemed to be cleared out from Japanese society but HOW LONG WILL THEY MAKE US LIVE AS a KARIHOUMEN ?? Soon it will be facing a critical moment then so…

NEED YOUR ADDITIONAL TEAMWORK TO GET VISA!




We’ll meet at OOYAMA STATION @12PM.
Our friend will be guiding you to the building.
*FREE ADMISSION
But your Membership fee is helpful.
*Parking available

More info:
MASUDA 080-3421-4060
MIYASAKO 090-6547-7628
Elizabeth 080-4163-1978



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【にほんご(ひらがな・カタカナ)】

かりほうめんしゃの  かい(PRAJ)
だい3かい  たいかい


「かりほうめんしゃの  かい」は  けっせいから  3ねんめを  むかえました。
これまで  さいしゅうようや  ちょうきしゅうように  はんたいして  たたかって  きました。
ふえつづける『かりほうめんしゃ』と  しょうらいの  みえない『かりほうめん』の  もんだいを  かいぜんすべく、わたしたちと  いっしょに  ビザを  めざしませんか?
いま、さらなる  あなたの  ちからが  ひつようです。



11がつ 25にち(にちようび)
いたばしくりつ  ぶんか  かいかん
*4がつの  はるの  つどいと  おなじ  ばしょです
しゅうごう: とうぶ とうじょうせん おおやまえき
ごご 12じ

でんわ:
ますだ 080-3421-4060
みやさこ 090-6547-7628
Elizabeth 080-4163-1978




しゅさい
かりほうめんしゃの かい(PRAJ)




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【日本語(漢字かなまじり)】

仮放免者の会
第三回大会


仮放免者の会は結成から3年目を迎えました。
これまで再収容や長期収容に反対して闘ってきました。
増え続ける『仮放免者』と長期化する『仮放免』を改善すべく、私たちと一緒にビザを目指しませんか?
今、さらなるあなたの力が必要です。




11月25日(日曜日)
板橋区立文化会館
*4月の春の集いと同じ場所です
集合: 東武東上線 大山(おおやま)駅
午後 12時

連絡先:
ますだ 080-3421-4060
みやさこ 090-6547-7628
Elizabeth 080-4163-1978


主催
仮放免者の会


Monday, September 24, 2012

10月9日(火)、東京入国管理局にたいしデモをおこないます!





【にほんご(ひらがな・カタカナ)】

かりほうめんしゃに  いきる  けんりを!
かりほうめんしゃに  ざいりゅうしかくを!



  わたしたちは  にゅうかんに  より  しゅうよう  され、こころも  からだも  きずつき、やっとの  ことで  かりほうめん  されました。しかし、いつまた  しゅうよう  されるかも  しれません。それに、かりほうめん  されても  はたらくことも  みとめられて  いません。ほけん  にも  はいれません。えんちょうに  いけば  「かえれ  かえれ」と  おどかされます。このような  じょうたいで  どうやって  いきて  いけば  いいのでしょうか。

  また  ざいりゅうカードが  はじまり、がいこくじん とうろくしょうが  なく  なりました。わたしたちは  じぶんが  だれで  あるかを  しょうめい  する  もの  まで  なくなって  しまいます。かりほうめんしゃの  なかには  おさないこどもが  いるなど、かぞく  そろって  かりほうめん  という  ものも  います。こどもたちの  がっこう、しょうらい、みらいは  どうなって  しまうのでしょうか。わたしたちは  にゅうかんから  がいこくじん とうろくしょうを  10がつ  9にち  までに  かえせと  いわれて  いますが、わたしたちの  IDを  とりあげるならば、かわりに  ざいりゅうしかくを  だせと  いいたいです。

  かりほうめんしゃは  ぜんこくに  2000にん  いじょう  いますが、わたしたちの  いきる  けんりは  うばわれて  います。わたしたちは  にゅうかんにたいし、
  1. かりほうめんしゃに  ざいりゅうしかくを  だせ
  2. かりほうめんしゃを  さいしゅうよう  するな
  3. かりほうめんしゃの  いきる  けんりを  みとめろ
これらの  ことを  ようきゅうし、とうきょう にゅうかんに  デモンストレーションを  おこないます。ぜひ、みなさん、さんか  して  ください。

ちょうきしゅうようを  やめろ / さいしゅうようを  やめろ
かりほうめんしゃに  いきる  けんりと  ざいりゅうしかくを

2012.10.9 13:00 gathering at Shinagawa Station Bus Stop for Nyukan

2012ねん10がつ9にち  13:00 しながわえき にゅうかん ゆき バスてー まえ しゅうごう

しゅさい  かりほうめんしゃのかい
れんらくさき  ますだ 080-3421-4060  みやさこ 090-6547-7628  Elizabeth  080-4163-1978



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【English】

We Are Human! Give Us Visa
Instead of Provisional Release!


    We had suffered both mentally and physically from Immigration detention for a long time, and then were finally released. Yet we are always afraid of getting detained again, since our release is determined as "provisional". This also means that we can neither get a job, nor have social insurance. The officers of Immigration Bureau always put pressure on us to go back when appearing in the Bureau to prolong our status of provisional release, which we are obligated to do every month. How can we survive under such circumstances described above?

    Moreover, we will lose or have already lost our ID (Alien Card) because of the new Immigration-ID (Zairyu Card) System which started in this July. Some of us live here with their whole family who are all under the status of provisional release. What do we do for children's education and future? If the Immigration Bureau forces us to give back old IDs by 9th October, then we in turn demand visa.

    We are over 2000 people who live in Japan under the status of provisional release, and entirely deprived of our basic rights to live. So we demonstrate in front of Tokyo Immigration Bureau demanding the following:
  1. To give us visa instead of provisional release.
  2. Not to detain again those have ever get detained.
  3. To ensure the basic social rights to those under the status of provisional release.
    Join us!

No More Detention, Release Friends Right Now!
Provisional Release, That's No Need!
We Will Fight for Our Right to Stay
!



On 9 October 2012,
Gathering at 13:00 in front of the Bus Stop for Immigration Bureau
(3 Minute Walk from the Konan Exit of JR Shinagawa Station)
Provisional Release Association in Japan (PRAJ)
Contact: 080-3421-4060 (Masuda), 090-6547-7628 (Miyasako),
080-4163-1978 (Elizabeth)

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【日本語(漢字かなまじり)】

仮放免者に生きる権利を!
仮放免者に在留資格を!


  私たちは入管により収容され、心も体も傷つき、やっとのことで仮放免されました。しかし、いつまた収容されるかもしれません。それに、仮放免されても働くこともみとめられていません。保険にもはいれません。延長に行けば「帰れ、帰れ」とおどかされます。このような状態でどうやって生きていけばいいのでしょうか。

  また在留カードがはじまり、外国人登録証がなくなりました。私たちは自分がだれであるかを証明するものまでなくなってしまいます。仮放免者のなかには幼い子どもがいるなど、家族そろって仮放免という者もいます。子どもたちの学校、将来、未来はどうなってしまうのでしょうか。私たちは入管から外国人登録証を10月9日までに返せと言われていますが、私たちのIDをとりあげるならば、かわりに在留資格を出せと言いたいです。

  仮放免者は全国に2000人以上いますが、私たちの生きる権利はうばわれています。私たちは入管にたいし、
  1. 仮放免者に在留資格をだせ
  2. 仮放免者を再収容するな
  3. 仮放免者の生きる権利をみとめろ
これらのことを要求し、東京入管にデモンストレーションをおこないます。ぜひ、みなさん、参加してください。

長期収容をやめろ  再収容をやめろ
仮放免者に生きる権利と在留資格を


2012.10.9 13:00 gathering at Shinagawa Station Bus Stop for Nyukan

2012年10月9日  13:00 品川駅入管行きバス停前集合

主催  仮放免者の会
連絡先  増田 080-3421-4060  宮廻(みやさこ) 090-6547-7628  Elizabeth 080-4163-1978

Sunday, September 23, 2012

【ご支援ありがとうございました】ダニロさんに在留特別許可が出ました!!


  ダニロさんが9月21日(金)、入国管理局(入管)から在留特別許可を認められ、「特定活動・1年」という種類の在留資格を取得できました。

  仮放免者であるダニロさんは、大腸ガンの手術が必要な状態で、しかし非正規滞在の外国人であるということで、市役所から国民健康保険への加入や生活保護の適用を認められず、このままでは高額な医療費を払う見込みが立たず、治療を断念せざるをえない状況にありました。


  しかし、このたび、入管から在留資格が認められたことで、在留カードを取得でき、住所のある春日部市の住民基本台帳に登録されるようになったことにより、市の住民サービスを受けられるようになりました。これでなんとか、入院・手術をはじめ治療を継続できる見込みが立ったところです。

  入管は、再審情願申立から1週間という早さでダニロさんの在留特別許可を認めました。今回、入管と法務省が、病状の重篤さ、緊急性を考慮して迅速な対応・決定をおこなったことを歓迎したいと思います。

  また、情報拡散やカンパの要請に応じていただいたみなさま、助言や激励、協力の申し出をよせてくださったたくさんの方に、心からお礼申しあげます。どうもありがとうございました。

  在留資格を取得できたことで、ダニロさんはようやく治療の第一歩をふみだせたというところです。これから入院と手術があり、その後も継続的な治療と療養を必要とすることが予想されます。みなさまからいただいたカンパは、ダニロさんの今後の治療と生活に活用させていただきます。

  また、ひきつづき仮放免者のおかれた状況へのご注目をお願いします。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  現在、日本全国で2000人以上、退去強制令書が発付されたのち収容を解かれた仮放免者がいます。この人たちは、厳しい収容生活と入管職員による帰国強要(これら自体にも人権上の問題がありますが)によっても帰国に同意しなかった人たちであり、それぞれにどうしても帰国できない理由をかかえている人たちと言えます。

   ダニロさんのように長期にわたって日本に滞在し(当然、納税者でもあります)、すでに国籍国に生活基盤のない人。帰国すると、パートナーや子どもなどと離ればなれになってしまう人。帰国した場合に身の危険を予想している難民認定申請者。

   事情はさまざまですが、それぞれ帰国できない事情のある人たちだと言うことができます。このブログでもくりかえし報告してきたとおり、入管による収容はきわめて厳しいもので、被収容者は長期収容によって例外なく拘禁症状(高血圧、頭痛、生理不順、めまい、不眠など)を発症します。ダニロさんのように重病をわずらう被収容者も少なくありません。このような厳しい収容生活において、多くの人は、いっそのこと帰国してしまうか、それとも在留の道を模索するかという葛藤にさらされます。いずれの道を選ぶにせよ、待っているのは茨(いばら)の道のりです。

   すくなくとも、仮放免許可が出て出所するまで耐えぬいた人については、どうしても帰国できない事情があるとみなすよりほかない状況があります。帰国可能ならば、すでに帰国しているはずです。それほどに入管での収容生活は厳しいものです。

   また、非正規であれ長く日本に滞在してきたということは、日本社会がその人を必要としてきたということでもあります。その多くは(難民申請者もふくめて)、日本人が働きたがらない条件のよくない労働現場で働き(滞在が非正規ゆえに賃金が低く抑えられてしまうという問題もあります)、また配偶者やその父母の介護・看護をになってきた人もいます。もちろん、日本で生活してきたということは、納税をしてきたということでもあります。

   ところが、仮放免者は、在留資格がないという理由で、社会保障から排除されている状況にあります。7月9日に入管法の改訂と外国人登録法の廃止にともなう新しい在留管理制度が施行されて以降は、外国人登録証が無効化し、これにかわる在留カードも発行されないため、市区町村において住民サービスを受けることがますます難しくなっています。

   実態として日本社会に必要とされ、ここで生活している、また日本に滞在するよりほかないにもかかわらず、社会保障をはじめとする住民としての基本的な権利をうばわれている。これが2000人をこえる仮放免者のおかれている現状です。

   この問題は、入管法にもとづいてかれら・かのじょらに在留資格を認め滞在を「正規化」する権限をもっている入管・法務省をはじめ、各自治体や日本の住民が全体としてとりくむべき人権問題であると考えます。今後とも、仮放免者のおかれた状況へのご注目とご支援をよろしくお願いいたします。

Tuesday, September 18, 2012

【緊急要請】仮放免者ダニロさんの大腸ガン治療のため、情報拡散とカンパのお願い

(訂正:本記事「カンパふりこみ先」にまちがいがありました。「郵便局以外から振込する場合」の店名・店番を「店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085」と記しておりましたが、正しくは「店名  〇五八(読み  ゼロゴハチ)    店番 058」でした。おわびして、訂正いたします。2012年9月19日)

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  大腸ガンの手術が必要なフィリピン人の仮放免者、ダニロさんについて、前記事以降の経過報告とみなさまへの支援要請を申しあげます。


  9月3日に春日部市役所で申請した生活保護は、9月6日付の文書にて却下の通知を受け取りました。却下の理由として「在留カードを有しない外国人である、受給資格を有しないことにより」とたった1行書かれているのみで、申請に対して通常おこなわれる生活状況等の調査はいっさいおこなわれないままの、事実上の門前払いでした。














  9月14日には、ダニロさんをはじめ12人の仲間(ダニロさんのほかの仮放免者もふくむ)で東京入国管理局をおとずれ、ダニロさんへの早期の在留特別許可をもとめました。このとき東京入管に提出したダニロさんの「再審情願申立書」は記事の末尾に転載しています。ダニロさんをめぐる現状を詳細に説明しております。お読みいただけると、さいわいです。

  さて、再審情願の申立は、結果が出るまでに1年以上の時間がかかるのが通例であり、法令によって審査の手続きが明記されているわけでもない「請願」にすぎません。私たちとしては東京入管に対し、ダニロさんの申立を緊急の事案としてあつかうよう、強く要請しています。しかし、これにどう対応するかは、結局のところ入管側しだいというところもあります。

  ところがダニロさんが一刻も早く入院と手術を必要としているのであり、病院はダニロさんに在留資格が出ないと入院・手術には入ることができないと言っています。病院側は、最大限、患者が必要な治療を受けられるよう努力してくれていますが、ダニロさんが生活保護を受給するなり国民健康保険に加入できるなりして、費用を回収できる見込みがたたないと、入院・手術はおこなえないという事情があります。したがって、可能なかぎり早期に在留資格を得ることが、ダニロさんが手術を受けられるための最善の道と言えます。

  そこで、みなさまに2つお願いがあります。

  第1は、本ブログに掲載しているダニロさんの状況について、情報拡散にご協力していただきたいということです。住民としてここに存在し、私たちの隣人として25年にわたり日本社会に暮らしてきた人間が、在留「資格」がないという、ただそれだけの理由で社会保障から排除され、生存権をうばわれるのは、あきらかに不当なことであり、不正義であると思います。なるべく多くのかたに、ダニロさんひいては仮放免者全体のおかれている無権利状態への関心をもっていただき、またその関心を目に見えるかたちで示していただくことを、私たちとしては希望しております。どうか、ツイッターやフェイスブック、メーリングリストなどで、情報拡散・転載してください。

  第2に、ダニロさんの治療のためのカンパをお願いいたします。ダニロさんは、まず喫緊に手術を必要としており、また、その後も長期加療が必要との診断が出ております。よろしければ、可能な範囲でのカンパにご協力いただけるとさいわいです。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

【カンパふりこみ先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇五八(読み  ゼロゴハチ)    店番 058
    普通預金  口座番号  2265589



【お問い合わせ連絡先】
    仮放免者の会(関東)
    e-mail: junkie_slip999@yahoo.co.jp





  以下、ダニロさんの再審情願申立書を転載します。

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再審情願申立書 

2012年9月14日

法務大臣  殿
東京入国管理局  御中



住所  埼玉県春日部市××××××
出身国  フィリピン
申立人  ×××× Danilo ××××
生年月日  1963年2月17日



1  申立の趣旨
  緊急に、×××× Danilo ××××の在留を特別に許可されたく、本申立に及びます。



2  申立の理由

1)  私の在留状況について
  私は1963年2月17日にフィリピンで生まれました。父は××××××、母は××××××です。父母ともに、すでに他界しております。
  私は、1987年2月18日に日本に入国し、観光ビザの期限が切れて以来、オーバーステイ状態にあります。25年間以上、日本に在住し、さまざまな現場で労働し、生計をたててきました。来日した当初は、茨城県、千葉県、東京都で、建築現場での土木や解体の作業員、飲食店の店員などの仕事をしていました。1990年ごろからは、フィリピン料理店でコックとして働き、技術と人望をみとめられて東京都内と埼玉県内の通算5つの店でチーフ・コックを、その後およそ5年間は店長をつとめておりました。1999年ごろからは、埼玉県に移り、やはり飲食店などで働き、2008年からは倉庫での仕分け・検品の仕事に従事していました。
  2011年5月27日に東京入国管理局に収容され、のち退去強制令書が発付され、同年9月27日に東日本入国管理センターに移収され、2012年2月27日に仮放免許可により出所し、現在にいたります。
  私は来日以来25年以上にわたって、入管法違反をべつとしましては1度も法令違反に問われたことはなく、税金もおさめ、まじめに仕事し暮らしてきました。この間、私は1度もフィリピンに帰国しておらず、父母もすでに故人となり、出身国には生活基盤がありません。


2)  大腸ガンの治療
  私は先述のとおり、2012年2月27日に仮放免許可により東日本入国管理センターを出所したわけですが、収容中からの体調不良は仮放免後もつづきました。
  息切れ、めまい、立ちくらみ、動悸、胸の痛み、手足のむくみなどがひどく、しかし、無保険で診療費を払うだけの貯蓄もなかったので、無料低額診療事業を利用して、同年3月21日、当時外国人登録の住所のあった東京都足立区内の××××病院を1度受診しました。レントゲン、心電図、採血、尿検査などの検査を受け、貧血状態にあることはわかったものの、心臓、肺、腎臓、肝臓に異常はみつかりませんでした。受診に先立って相談におとずれた足立区役所からは、無料低額診療事業による診療は1度きりしか認められない旨説明され、その後、継続しての診療を断念せざるをえませんでした。
  その後も体調は改善せず、埼玉県春日部市内の××××病院で検査を受けたところ、7月に大腸ガンと告げられました(添付した診断証明書参照)。3月に[足立区内の]××××病院の医師から指摘された貧血状態についても、ここにいたってようやく、大腸の腫瘍からの出血によるものと明らかになりました。××××病院からは、一刻も早い手術とこれにともなう2週間程度の入院が必要であり、手術は10月または11月に延期できない切迫した病状であると説明されております。
  同病院は、9月24日から入院と手術を実施するという前提でスケジュールを組み、すでに診療費の未払いが生じているにもかかわらず、手術に必要な諸検査等をおこなってくれております。しかし、同病院からは、250万から260万円かかると見込まれる入院・手術料の支払いの見込みがたたないかぎり、入院・手術の実施に移ることはできないと言われています。現在の無保険状態で私がこれだけ高額の費用を用意することは不可能です。
  そこで、同年7月、私の住所のある春日部市の国民健康保険課に、国民健康保険加入の相談をしました。ところが、春日部市から8月28日付で返ってきた回答は、加入資格の適用対象に該当しないというものでした(詳細は添付資料「春 国 保 第 1253 号」参照)。
  同年9月3日には、春日部市の社会福祉課に行き、生活保護の申請をしてきました。ところが、市の職員からは「県に照会したところ、適法に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者等の在留資格があることが生活保護の適用の要件であるという厚生省通知があるとの県からの回答があった」旨の説明があり、申請は受けるが却下になる可能性が高いと言われました。そして、春日部市社会福祉課からは、9月6日付で、保護申請却下の通知を受けました(添付資料「春福所発第 1569号」参照)。生活保護申請者に対して通常おこなわれるような、訪問等による生活状況の調査すら一切おこなわれず、「在留カードを有しない外国人であり、受給資格を有しないことにより」との理由による却下でした。
  ところで、7月9日に外国人登録制度が廃止され、新しい在留管理制度が施行されて以降、自治体の窓口の対応も目に見えてきびしい方向に変化しているよう、見受けられます。3月に足立区役所をおとずれたときは、職員は外国人登録証を提示した私に対し、せめて話を聞いて、法的・制度的な枠組みのなかで可能な運用を模索しようという姿勢がみられました。しかし、7月9日以後におとずれた春日部市役所では――自治体や対応した職員のちがいもあるかもしれませんが――国民健康保険課でも社会福祉課でも、あなたは加入資格あるいは保護の対象に該当しないとの一点張りで、事実上の門前払いのような対応を受けました。社会福祉課での生活保護の申請も、こちらから強く要求してようやく職員は「申請を受けないと申請権の侵害になってしまうので」と渋々申請書類を用意するというありさまでした。
  私が入院・手術の費用を準備して大腸ガンの治療を継続するためには、国民健康保険への加入、ないしは生活保護の受給がどうしても不可欠です。私は、1987年に日本に来て以来、現在にいたるまで独身です。家族もありません。したがって、援助を見込める身内はひとりもおりません。新在留管理制度施行後、在留資格なしには、国民健康保険への加入、または生活保護の受給等の相談に自治体をおとずれても、自治体側の対応はますます厳しいものになっております。
  また、私の大腸ガンの発覚・診断が遅れ、緊急の手術を要するにいたった一因に、東京入国管理局および東日本入国管理センター収容中の処遇の不備があることはあきらかです。とくに、東日本入国管理センターにおける収容中、私は2011年12月10日には血圧が急低下して収容所内で倒れたことがありましたし、排便時の肛門からの出血をはじめとした深刻な症状をセンターにくりかえし訴えてきました。しかし、センター側は、そうした症状と体調不良を認識しながら私を収容し続け、またその症状・体調不良の原因を究明する措置をとらないまま2012年2月27日に私を仮放免しました。
  出所後も、仮放免許可という現在の状態では、先に述べたとおり、私が生きるために緊急に不可欠な入院と手術を断念するほかなく、このままでは死を待つのみです。
 25年間にわたって、一度も帰国せず日本で暮らしてきた私は、出身国のフィリピンでは、生活はおろか、大腸ガンの手術を受けることのできるような条件がまったくありません。

  以上、緊急に再度の審査のうえ、可及的すみやかに在留特別許可を求める次第です。

Monday, September 17, 2012

牛久大規模ハンストへのご支援ありがとうございました


  長期収容に反対して、東日本入国管理センター(以下、牛久)の被収容者がブロックをまたいで大規模なハンストを8月20日から行い、全国の皆様からご支援いただきました。御礼申し上げると共に状況を報告させていただきます。

  ハンストから開始から10日も過ぎると、倒れる者が相次ぎ、あるブロックでは密閉空間での冷房による低湿度も影響してかハンスト参加者に風邪がはやり始めました。そのためハンストを継続するものは70数名に減少していました。ハンスト参加者と支援者で相談し、ハンストは止めて他の方法で引き続き長期収容に反対して行こうとなりました。そのため、8月末には大半の者が摂食を再開し始めました。しかし、入管の態度が変わらない限りはハンストをやめないと覚悟して続ける者もいて、9月11日に最後の一人が摂食を再開しました。

  すでにお知らせしているように、現在の牛久の長期収容問題は、東日本大震災以降の収容人員の半減を取り戻し、400人程度の収容人員を維持させるという狙いから来ているものと考えられます。これは法務省の省益に関することだけに、簡単に解決することとは思えません。牛久被収容者と仮放免者の会(関東)は、これからも粘り強く長期収容反対の運動を進めていきます。

  牛久の状況として、ハンスト開始以降、少し仮放免許可件数が増えました。それは、ハンスト参加者がいるブロックでハンストに参加していない者への仮放免許可を出してハンスト参加者の動揺を誘うためのものです。具体的には8Aブロックでこういう露骨な事例がありましたが、8Aブロックのハンスト参加者たちは、仲間がたくさん出られてよかったと歓迎しています。ハンストに参加したかどうかを問わず、長期収容と医療放置による苦しみはみんな同じだからです。

  逆にハンスト参加者に対しては報復・見せしめ的な仮放免不許可処分が相次いでいます。たまたま3Aブロックのイラン人のAさんは仮放免申請を本人申請していました。各ブロックから、仮放免不許可理由の説明を求めているなか、牛久は、場合によっては仮放免申請者にいくらかの説明をすることがあります。そしてAさんに仮放免審査を行う総務課職員が説明してきた不許可理由は、「『この中でルールを守られない人は外に出ても守られない』と上の人が言っている」というものでした。Aさんは自分が牛久内のルール(被収容者処遇規則・牛久処遇細則)を守らなかったと思い当たる点がないので、「私がルールを守らないというのはどういうことか?」と質問したところ、「自分で考えてください」とのことだったそうです。

  3Aブロックは今回の大規模ハンストに最大の人数が参加していたブロックであり、Aさんも参加していました。「ルール違反が仮放免不許可処分理由だ」と言いながらそのルール違反の具体性について「自分で考えろ」と言うのは、行政処分のあり方としても不当ですし、聞く者からするとハンスト参加を理由にして不許可処分を行ったものかとも思われます。ルール違反とは、明示されたルールがあり、それに対する違反行為があって成り立つものですが、ハンストは処遇規則でも処遇細則でも禁止されておらず、牛久入管としても明確にルール違反とは指摘できないので「自分で考えろ」としか言いようがなかったのでしょう。

  しかしそれでは「俺がルールだ」と言う独裁政治の世界です。「上の人」とは誰なのか、仮放免担当の総務課職員なので、係長‐課長補佐‐課長‐次長‐所長が考えられますが、課長補佐に聞いたところ、「私は『上』ではありません」との事だったので、総務課長、次長、所長の3人に絞られます。その3人の誰かの頭にある「ルール」に違反したことがAさんの仮放免不許可処分の理由だというわけです。

  また、今回のハンスト参加者については、牛久入管の方が実際の参加者数よりも多い数字を公表するという奇妙な現象もありました。それは8月20日のハンスト突入時の参加者数をめぐってです。私たちは、8月20日にできるだけ多くのブロックと面会して参加者数を聞こうとしましたが、約120人というところでした。のちに改めて正確な数を各ブロックから聞いて合算した115名でした。しかし、1Bブロックから報告された16名というのはウソであり、1Bからは誰もハンストには参加していないということがわかってきました。とすると20日段階のハンスト参加者は99名です。ところが、ハンスト開始から10日以上が過ぎた段階で、牛久入管は報道機関に対してハンストは100名以上の参加者で開始されたと伝えたのです。

  1Bブロックは、昨年の被収容者の増大のなかで昨年12月から使用が再開されたブロックで、これまであまり団結していませんでした。8月に入って急にHが目立ち始め、自分が中心になってハンストをやると言いだしました。そして8月20日に支援者がHと面会したところ、1Bでは16人が参加していると報告してきました。面会時には複数の被収容者と面会しますが、リーダー格になっていたHの発言に、他の被収容者は「それはウソだ」とは言えなかったそうです。私たちは、皆さんからカンパを募り、ハンスト参加者には多少の食品を差し入れました。みんなが拘禁反応や持病の悪化に苦しめられているなか、食後服用の薬を飲んでほしいからです。1Bにも16人分のクラッカーなどを差し入れました。すると、1Bの被収容者の何人かから、1Bは誰もハンストは行っていないとの報告が私たちにもたらされました。

  H以外の1Bの被収容者が言うには、8月中旬に確かにHを中心としてハンストの話が持ち上がり、18名が参加の意志を表明していたそうです。しかし直前になってHが「ハンストをすると仮放免が許可されないからやめよう」と言いだしたそうです。中心になって呼び掛けたHがそういうので、みんなハンスト参加はやめたそうです。しかし、ハンストに参加するしないは自分の問題だから良いとして、支援者や仮放免者の会の仲間をだまして差し入れまでしてもらうのは許されないと考えて、事実を私たちに伝えてきてくれました。Hはひきょう者として1Bブロック内で孤立し、9月12日には10万円の保証金で仮放免されて出ていきました。

  私たちは当初、Hからの報告を信じて1Bを16人と認識して全体で約120名と公表していました。皆さんから頂いた貴重なカンパや仮放免者の会(関東)の会費からウソに基づく差し入れをしてしまい申し訳ありません。

  それにしても、Hのウソが発覚し、ハンスト参加者は当初は99名だったとわかった頃に、牛久入管が報道機関に100名以上でハンストが始まったと伝えたのは、Hを守ろうとしての事としか考えられません。通常、私たちがつかんで公表するハンスト参加者数よりも、牛久入管が公表する数は少ないものです。Hが、自分の仮放免のために仲間を翻弄し、入管にあれこれの情報をもたらしたり指示を受けて画策したりして、それで孤立したがために早々と仮放免許可を出して出所させたというのはわかりますが、ハンスト参加者数を実際よりも多く公表するとは、よほど牛久入管はHを大切に考えていたのでしょう。それにしても、Hは去り、1Bには団結が生まれてきています。

  牛久入管による被収容者数の確保、それに伴う収容の長期化、それに伴う病状の悪化と医療放置とはこれからも闘い続けねばなりません。引き続き、ご注目いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。


仮放免者の会(関東)




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支援者の皆様へ

  今回、私達は長期収容に対し BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)の皆様をはじめ全国の支援者やサポートなしでは頑張ることが出来なかったと思っております。

  外部からのサポートがあったからこそ私達も中でひっしで頑張れた事です。あたたかいサポート、心から感謝しております。

  今後とも頑張りますので宜しくお願い申し上げます。


東日本入国管理センター内  全収容者
平成24年8月28日



【関連リンク】

Wednesday, September 12, 2012

【転載】東日本入管センターでのハンストについて、ジャパンタイムズ記事



  8月20日に始まった、長期収容に反対しての東日本入国管理センター被収容者の大規模ハンストについて、9月1日付で『ジャパンタイムズ』の記事が出ております。これを転載し、日本語訳をつけました。

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Deportee center hunger strike abates, detentions drag on

By MINORU MATSUTANI
Staff writer

Almost all of the detainees at the East Japan Immigration Control Center in Ushiku, Ibaraki Prefecture, have ended an 11-day hunger strike to protest their long detentions, a Tokyo-based volunteer group member said Friday.

About 120 detainees began refusing the center's food Aug. 20, said Mitsuru Miyasako of the support group Bond. About 60 people were still continuing the hunger strike as of Thursday, Miyasako said.

All but two women ― a South Korean and a Peruvian ― and six men ― three Brazilians, a Peruvian, a South Korean and a Senegalese ― decided to quit Friday.

Immigration official Hiroshi Hayashi confirmed the detainees had been refusing to eat the meals provided to them, but added they are free to buy food and beverages from a convenience store in the center and may have been eating food from the store.

The Ushiku center holds about 400 illegal foreign residents who have received deportation orders. They will either be deported or continue in detention until authorities decide whether to grant them a temporary release.

Those who participated in the quasi hunger strike are from Sri Lanka, Ghana, the Philippines, Myanmar, Pakistan and other countries, and included Kurds from Turkey, according to Miyasako.

The detention period was shortened in 2010 as the Justice Ministry, which supervises the Immigration Bureau, said in a news release in July that year that the bureau will try to avoid long detentions, but the period became long again in 2011 and continues to be the case this year, Miyasako said.

"Six months should be the maximum out of consideration for their physical and mental health," Miyasako said. But some detainees have been in the center for more than two years and there is no legal limit on such detentions.

"The main reason for long detentions is that they refuse to go back home," Hayashi said.

Miyasako countered that those who don't want to go home have legitimate reasons to stay in the country, such as having a Japanese spouse and children who can only speak Japanese, or that they are likely to be persecuted and are seeking asylum in Japan.



【日本語訳】

入管センター、ハンガーストライキ衰え、収容は長期化

松谷実記者

  茨城県牛久市の東日本入国管理センターの被収容者のハンガーストライキの参加者のほとんどが、長期収容に抗議した11日間のハンガーストライキを終えたと東京をベースとするボランティア・グループが金曜日に語った。

  約120名の被収容者が8月20日から、入管の官給食の拒食を始めたと支援団体BONDの宮廻満は述べた。約60名が木曜日現在なお拒食を続けていると宮廻は言った。

  韓国人とペルー人の2人の女性と3人のブラジル人、1人のペルー人、1人の韓国人、1人のセネガル人の男性を除き金曜日でハンストを止めることに決めた。

  法務省入国管理官林博は、被収容者が彼らに提供される食事を拒否していたことを確認したが、彼らは入管の中のコンビニで食料と飲料は摂っていたとし、店から食糧を食べていたかもしれないと付け加えた。

  牛久入管は、退去命令を受けた非正規外国人を約400名抱えている。彼らは、入管当局が仮放免を認めるまで強制退去されるか、被収容を続けるかのいずれかになる。

  ハンガーストライキに参加した人々は、スリランカ、ガーナ、フィリピン、ミャンマー、パキスタン、他の国の人々で、宮廻によるとトルコからのクルド人も含まれていたという。

  収容期間は、2010年7月の入管局を監督する法務省の入管局の長期収容を回避すると言う報道発表で、短縮された。しかし、2011年になって再び収容期間は長くなり今日まで続いていると宮廻は言った。

  「6カ月は、肉体的、精神的健康を考慮して最大限の期間だ」と宮廻は言った。しかし、牛久入管の中には、2年以上収容の外国人も数人おり、このような収容には何の法的制限もない。

  「長期収容の主要な理由は、彼らが帰国を拒んでいることにある」と林は言った。

 これに対し、宮廻は、帰国したくない外国人は、日本人配偶者や日本語しか話せない子供を持つ外国人のように合法的理由のある外国人、あるいは本国で迫害され、日本に庇護を求めている人もいると反論した。

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【関連リンク】


Friday, September 7, 2012

【緊急要請】ダニロさんがガンの手術を受けられるよう、ご支援おねがいします




  私たち「仮放免者の会」の仲間であり、大切な友人であるダニロさんが、非常に深刻な病状にありながら、必要な医療を受けられずにいます。みなさまの支援をお願いしたく、この場でうったえます。



(1) 9ヶ月の収容と体調悪化
  ダニロさんは、埼玉県春日部市在住、フィリピン国籍の49歳の男性です。入管が在留資格を認めておらず、オーバーステイ状態にあるとはいえ、1987年の来日以来、25年間、日本で働き、生活し、また納税してきた住民です。

  昨年の5月に入管に収容され、今年の2月に東日本入管センターから仮放免されるまで、9ヶ月にわたって収容されました。その間、体調はいっかんしてすぐれず、排便時の出血などの症状をダニロさんは、入管センターにうったえてきました。昨年12月10日には血圧が急低下して収容所内で倒れるということもありました。収容中にダニロさんはすでに深刻な病状にあったと考えられますが、東日本入管センターは必要な検査等を受けさせて体調悪化の原因を究明することなく、2月にかれを仮放免し出所させました。



(2) 仮放免後に大腸ガンの診断
  2月末の仮放免後、3月下旬には一度、東京都足立区内の病院で受診するも、原因は特定できず。そして、その後も体調不良がつづき、春日部市内の病院で検査を受けたところ、7月に大腸ガンと告げられました。

  病院からは、一刻もはやく手術が必要、その手術は10月11月まで待てるような状況ではないと言われております。また、手術にともなって2週間程度の入院が必要で、無保険状態では、入院費も込みで250万から260万円の費用が必要と見込まれるとのこと。

  ダニロさんは、入管による収容のためにアパートと家財道具のいっさいをうしない、仮放免後になんとか生活を立て直そうと努力しているところでもあり、200万円以上の治療費を用意できるような状況ではありません。かれは独身で援助してくれる家族もなく、公的な扶助なしには大腸ガンの治療を断念せざるをえません。



(3) 国民健康保険の加入をことわられ、生活保護を申請中
  そこで、7月、住所のある春日部市の国民健康保険課に、国民健康保険加入の相談をしました。ところが、春日部市から返ってきたのは、加入資格の適用対象に該当しないとの回答でした(以下の画像参照。クリックすると大きくなります)。



  そして、9月3日、春日部市のこんどは社会福祉課に行き、生活保護の申請をしてきました。ところが、市の職員からは「県に照会したところ、適法に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者等の在留資格があることが生活保護の適用の要件であるという厚生省通知があるとの県からの回答があった」というむねの説明があり、申請は受けるが却下になる可能性が高いと言われました。

  そこで2日後、埼玉県庁をおとずれ、春日部市からの照会を受けた県側の担当者に説明をもとめたところ、「自分たちは実施機関である市町村から、疑義などがあって照会が来た場合に、国の基準にもとづいた法解釈などをお答えするだけ」とのこと。

  つまり、市は市で、県側の回答を根拠に申請却下を示唆し、もう一方の県は県で、決定するのは実施機関である市の側であると言っているわけです。



(4) なんのための「法律」であり「通知」なのか?
  春日部市の職員も、また埼玉県の職員も、厚生労働省の「通知」を理由に、ダニロさんが制度の適用外であることを言います。また、自分たちの仕事が法律にもとづき、国の制度のわくぐみのなかでおこなわれているのだということを言います。

  なるほど、行政が法律や一定の手続きでさだめられた規則にもとづいておこなわれることは重要なことです。それはもっともなことです。

  しかし、このダニロさんをめぐって、この私たちの社会の不正義と不公正があらわになっているということもまた、あきらかではないでしょうか?

  一方には、病気にくるしみ、治療を必要とする患者が存在しています。そのかれが自宅アパートから歩いてゆける距離に、立派な設備のある病院があり、高い技能をもった医者や看護師らがいます。病院には、患者が必要とする医療を受けられるよう、適用可能な制度を模索して懸命に動いてくれているソーシャル・ワーカーもいます。

  手術の必要な患者が存在し、そのすぐ近くに、その必要とする手術を受けられる医療機関があるのに、「法律」や「通知」がそれをはばんでいるのだとしたら、それは公正や正義と言えるでしょうか? その「法律」や「通知」はなんのためにあるのでしょうか?



(5) みなさまへの協力要請
  ダニロさんは、25年まえに25歳でフィリピンから日本にわたり、以来、関東地方の建築現場や飲食店、倉庫での仕分けや検品などの仕事をになってきました。フィリピン・レストランが景気のよかった90年代には、かれは熟練したコックとして腕をふるい、つぎつぎと引き抜きの声がかかり通算5つの店でチーフ・コックをつとめ、またフィリピン・パブで5年間店長をつとめたこともあります。

  ダニロさんが建設にたずさわった道路にはおびただしい数の人や車が行き来し、またダニロさんが解体にたずさわった土地にはあらたな建物がたち、多くのひとがダニロさんの料理を食べたことでしょう。

  かれは――あらゆる、いま存在している、あるいは存在してきた者がそうであるのとおなじく――いやおうなく私やあなたと関係している存在です。かれもまたひとりのメンバーとして関わり、つくってきたこの社会から、一方的にかれが排除されて見殺しにされてよい理由などありません。

  法や規則が重要なのはいうまでもありません。しかし、法や規則を、ひとりの存在を助けずにその命の危機を見すごす口実に使いたくはありません。「厚生労働省の通知があるので」というような理由でひとりの命をあきらめることはできません。「何卒、ご理解をいただきますようお願い申し上げます」と言われても、ダニロさんを見殺しにすることを「ご理解」するわけにはいきません。

  むろん、入管に対する働きかけも最大限おこなっていきますが、まずはみなさまに春日部市への要請と激励を呼びかけます。「残念だがしかたがない」と、あきらめ見すごすための口実としてではなく、ダニロさんが必要な治療を受けられるために、法や決まりをどう活用できるのか。それを模索する努力を続けるよう、春日部市に要請(とまた激励)をしていただきたいです。

【要請先】
  春日部市 社会福祉課 保護担当
  • 電話:048-736-1111
  • 内線:2518
  • ファックス:048-733-0220

  なお、この要請の呼びかけは、春日部市の他の重要な業務をさまたげる目的でおこなっているのでは、もちろんありません。また、ダニロさんが公共の制度から疎外され、基本的人権が侵害された状態にあるのは、役所のみに帰せられる責任ではなく、こうした法制度と行政をこれまで温存してきた私たちの不作為も問われるべきことです。ここで責任を問われるのは、外国人支援にたずさわってきた者たちも当然ながら例外ではありません。極力、穏当なかたちでの要請(あるいは市職員へのあたたかい激励)をどうかよろしくお願いいたします。


仮放免者の会(関東) 連絡先
  • e-mail: junkie_slip999@yahoo.co.jp

Saturday, September 1, 2012

東京入管でも被収容者のハンスト――50名以上が参加



  東日本入国管理センターでのハンストについて、その経過と現状の報告はいますこしお待ちください。

 

これまでのハンスト報告記事


  このハンストへのご支援・ご注目をいただいているみなさまに、心より敬意を表します。

  さて、東京入国管理局(東京都港区)でも、8月30日・31日と被収容者によるハンガーストライキがおこなわれたことが、被収容者からの連絡でわかりました。各ブロックの被収容者たちとの面会などをとおして確認したところ、5ブロックにわたり50名以上が参加したとのことです。

  東京入管のハンスト参加者は、マスコミによる報道等で、長期収容に反対する東日本入管センターでの大規模ハンストを知り、これに連帯する意味もあって、ハンストを始めたそうです。

  ハンスト参加者たちの要求は、長期収容をやめてほしい、仮放免申請の審査期間の短縮、仮放免不許可の場合に不許可理由を説明すること、処遇の改善などです。ブロックによっては、これまで再三にわたり提出してきた、連名の要求書に回答することも要求しております。

  東京入管の被収容者たちは、処遇の改善や仮放免不許可の理由説明、帰国者への便宜供与など、さまざまな項目にわたって、これまでも連名で要求書を出し、また話しあいの機会をもうけることを要求してきました。ところが、東京入管側は、これに対し、誠意ある回答をすることはなく、事実上の無視という対応をとってきました。

  処遇の問題はもとより、入管側が被収容者をたんに管理対象とみなし、対話を拒否してきたことに対して、東京入管の多くの被収容者たちは強い怒りをもっています。そういった入管側のこれまでの不当なあつかいが下地にあって、東日本入管のハンストに呼応し連帯するかたちで、東京入管でも集団ハンストがおこなわれたものとおもわれます。

  東京入管の被収容者のうち、退去強制令書が発付されたものの、帰国できない事情をかかえた人たち、また帰国しないことを選んだ人たちの多くは、いずれ東日本入管センターに移収される可能性が高いです。その意味でも、東京入管の被収容者たちもまた、東日本入管センターでのたたかいを注視しています。

  入管による人権侵害の問題に関心をよせるみなさまがたにおかれましても、東京入管ならびに東日本入管センターの被収容者たちのたたかいに、ひきつづきのご支援とご注目のほど、よろしくお願いいたします。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇
 
  以下は、東京入管の被収容者たちが、7月に提出した連名での「申し出書」です。東京入管の処遇問題、また被収容者に対する差別的なあつかいについて、くわしく書かれた文書です。ぜひ、お読みください。

  また、東京入管被収容者による、同様の「申し出書」等を提出し、入管側に交渉を呼びかける動きは、その後もねばり強く続けられており、このブログで今後とも報告していきます。今後とも、いっそうの注目をお願いします。

Friday, August 31, 2012

東日本入管センターでのハンストについてのマスコミ各社報道





  7月20日からおこなわれている、東日本入管センターの被収容者によるハンガーストライキについて、いくつか報道が出ているようです。




20ヶ国の120が入管でハンスト / 仮放免求める
  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中のパキスタンやフィリピンなどの20カ国の男女約120人が、長期収容者の仮放免などを求め、無期限のハンガーストライキを始めたことが20日、支援団体「BOND」(外国人労働者・難民と共に歩む会)への取材で分かった。
  BONDによると、センターには約350人が収容されている。センターが必要と認めた場合に仮放免されるが、申請が不許可になるケースが多いことや不許可の理由が説明されないことについて改善を求めている。
  センターは「ハンストが行われていることはまだ確認していないが、意見や要望があれば回答したい」としている。
『東京新聞』2012年8月21日


「長期収容やめて」70人がハンスト / 牛久入管センター
  牛久市久野町の法務省東日本入国管理センターで、収容者の一部によるハンガーストライキが起きていることが28日わかった。ハンストは20日に開始。支援団体によると、長期収容を止めるよう訴えている。開始時点から参加者は減っているが、依然約70人の男女がセンター側から提供される給食を食べていないという。
  ハンストを受け、支援団体の「BOND」は、センター側に1年以上の長期収容中止を申し入れた。同センター収容者数は約400人。(橋本ひとみ)
『常陽新聞』2012年8月29日

入管施設60人が食事拒否 / 茨城 難民認定長期化 抗議か
  法務省の「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市久野町)で、難民認定を求めるなどして収容されている外国人の一部が、提供される給食を食べるのを拒否していることが29日、わかった。
  同センターによると、28日現在、約400人の収容者のうち約60人が給食をとっていないという。
  外国人労働者や難民の支援団体「BOND」(高根淳代表)によると、難民認定手続きが長引くなどの理由で同センターに長期間留め置かれているスリランカ、ガーナなど約20か国の120人が20日からハンガーストライキを始めた。入所者は、面会した同団体メンバーに「長期収容をやめてほしい」と訴えたという。長期収容者の多くは半年以上留め置かれ、2年以上収容されている人もいるという。
  同団体の宮廻(みやさこ)満副代表は「長期収容者らは精神的に追いつめられている」として、早期に状況を改善するよう求めている。
  同センターは「給食を拒絶している入所者がいるのは事実だが、要求は出ておらず、ハンスト(が行われているとの認識)はない」としており、給食を食べるよう説得しているという。
『読売新聞』2012年8月30日


  茨城県牛久市にある法務省の入国管理施設で、不法滞在や不法入国などで収容されているおよそ60人の外国人が、給食を拒否していることがわかりました。
  「東日本入国管理センター」によりますと、施設に収容されているおよそ400人のうち、ガーナやイラン、フィリピンや中国、韓国などおよそ20か国の100人以上が、今月20日から一斉に給食を拒否し始めたということです。29日の時点でもおよそ60人が拒否を続けていて、一部は処遇の改善や仮放免を求めています。
  給食を拒否している収容者は、差し入れや自費での物品購入などで食事をとっているということですが、東日本入国管理センターは「施設内での規律の維持や保安に影響を与えかねない」として、収容者の説得を続けています。(30日11:28)
TBS  2012年8月30日


  茨城県の東日本入国管理センターで、長期間の収容に不満を持つ外国人の一部が給食を拒否していることが分かりました。
  法務省などによりますと、センターに収容されている約400人の外国人のうち、スリランカ人やガーナ人など約60人が給食を拒否しているということです。この外国人の多くは、強制退去が命じられても帰国を拒否していて、収容が半年から2年に及んでいます。長期間の収容に不満を持っていて、一時的にセンターから解放される「仮放免」や、難民として保護されて日本での一定の権利を得る「難民認定」を求めています。外国人労働者や難民を支援する団体によりますと、外国人は仮放免などを求めて給食を拒否していますが、団体が差し入れたクラッカーなどは食べているということです。この団体は28日、法務省に仮放免などを求める申し入れをしました。法務省は「内容を精査して検討する」としています。
テレビ朝日  2012年8月30日





Tuesday, August 28, 2012

東日本入管センターにおけるハンスト9日目 / センターと法務省入管への申し入れ





  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の長期収容に抗議する被収容者のハンガーストライキが、8月20日の開始から9日たちました。120人が参加して始まったハンストは、いま現在も70人強がつづけております。

  東日本入管センターの被収容者のほとんどは、日本への在留希望者です。帰国した場合に身の危険が予想される難民申請者、パートナーや子どもなどが日本にいるひと、日本で暮らし働いてきた期間が長期間にわたり国籍国にすでに生活基盤のないひと。入管が在留資格をみとめず、退去強制令書が発布されたものの、こういった、いわば帰るに帰れないひとたちが、半年以上、長いひとになると1年半あるいは2年以上、この牛久市の収容所にとめおかれております。

  体調不良をおぼえて診療をもとめても1ヶ月以上待たされることも珍しくないという、劣悪な医療状況。職員による硬軟とりまぜた帰国強要にはじまり、窓ガラスにフィルムを貼って外の景色を見せない、あるいは仮放免申請をいっさいの理由の説明なしにくりかえし不許可にする、といった周到かつ意図的な精神的圧迫。このような劣悪な収容施設に、いつ外に出られるともわからず、長期間にわたって監禁されれば、だれもが(←まったく誇張ではありません)心身の健康をそこないます。

  東日本入管センターの被収容者は、例外なく、拘禁反応とみられる心身の不調になやまされています。高血圧、不眠、動悸、極度の食欲不振、めまい、生理不順などなど。その他、重病にかかっている被収容者も、じゅうぶんな治療を受けられずに、監禁されています。

  こういったひとたちが70人以上、10日たとうとしている現在も、ハンストを続けているのです。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  センター側は、こうした被収容者のたたかいに対して、分断と切り崩しをはかる工作をしかけてきています。

  あるブロックでは、ハンスト参加者のまとめ役のひとりに、ハンスト開始数日後に仮放免不許可を通知してきました。私たちが観察している、最近のセンターの運用からみて、ほぼ許可が出ているケースでした。その一方で、他のブロックでは、ハンストに参加してないひと、特にそのなかでも途中からの参加合流を計画していた被収容者に対し、たてつづけに、仮放免許可を出す用意があるということを示唆してきました。

  また、他のブロックのあるハンスト参加者は職員から「このままハンストを続けると、これまでみんなが要求して改善してきたものが、全部ダメになるかもしれない」とのおどしを受けたとのこと。これに対し、この被収容者は「処遇を改善しないと、このハンストのようなみんなの抗議は今後もずっとつづくだろう」と応じたそうです。

  こうしたセンター側の対応の意図が、「ハンスト参加者には入管は不利なとりあつかいをするぞ」というおどしを通じて、被収容者間の団結・連帯を分断することにあるのだろうということは、私たちが面会したハンスト参加者たちも話しておりました。また、ある程度、そうしたセンター側の出方も予想していたようです。

  私たちとしては、東日本入管センターが、ハンスト参加者や入管に強い姿勢で抗議する被収容者に不利なとりあつかいをすることのないよう、監視していく必要があります。それは、収容が長期にわたるひとから差別なく順次、仮放免許可を出していくようセンターに求めていくことであり、つまり、長期収容反対という今回のハンストにおける被収容者たちの要求に合致することです。

  みなさまがたにも、東日本入管センターの長期収容問題と被収容者たちのたたかいに、いっそうの注目と情報拡散をおねがいいたします。

【抗議先】

東日本入国管理センター

  • 電話: 029-875-1291
  • FAX: 029-830-9010

【カンパの送金先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085
    普通預金  口座番号  2265589


◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  以下、本日8月28日づけで提出した「申入書」2通(それぞれ、東日本入管センターにあてたものと、法務省入国管理局にあてたもの)を、転載します。


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申  入  書
2012年8月28日

東日本入国管理センター所長  殿

仮放免者の会(関東)                              
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


  私たちは、本年8月10日の全国統一一斉面会に際しても、貴職に「長期収容者などへの仮放免許可」を申入れました。それは昨年夏季以降、貴センター被収容者数が増大し、それにつれて長期収容者数が増大し、ついには自殺未遂者が相次ぐ状況にまで至っているからです。私たちが面会する被収容者たちからは、何度仮放免申請しても不許可が続き、不許可理由も教えてもらえず、これからどうしたら良いのかわからない、病気で願箋を出しても医者に診察してもらえるまで一ヶ月もかかる、などの深刻な訴えを聞かされます。自殺未遂以外にも、3B・8Aなどでのハンスト、死を覚悟した無期限の拒食、多発するケンカなど、支援者側も心を痛め、対応に追われる事態が相次いでいます。また、納付不可能な保証金額が提示され、結局、仮放免不許可処分となる例もあります。

  そういうなかで、本年8月20日からは大規模なハンストが発生しました。このハンストは、当初約120名で開始され、一週間が過ぎた昨日段階でも70名以上が続行しています。各ブロックのハンスト参加者間では緊密な連携を取りにくいため、面会して聞くと要求項目や要求の仕方などについてそれぞれなりの意見を持っていました。一昨年5月や昨年8月、10月などのハンスト時には見られなかったことですが、ハンスト参加者名が私たちに知られないようにと貴職が妨害されたため、私たちはより多くのハンスト参加者と面会してより多くの者の意見を聞くことができません。しかし、昨日までの面会を通じて、ハンスト参加者たちの要求の最大公約数としては、長期収容反対の一点にまとめることができます。

  私たちとしても、ハンスト参加者たちの要求としてある長期収容反対との見解に全面的に賛同します。私たちは退令収容から6ヶ月を越えたら長期収容であると認識して、これまでも繰り返し、貴職に対して6ヶ月以上の収容を行わない旨を申入れてきました。ところが貴センターには現在、退令収容1年を超える者が増大しています。

  退令収容から6ヶ月のころには誰もが拘禁反応に苦しんでおり、それが1年も続くと、このまま無期限に収容され続けるのかと人生に絶望するようになっています。そうした状態が、ハンスト、自殺未遂、ケンカの多発などを生み出しています。

  すでに一昨年7月30日、法務省入国管理局は「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と報道発表をしているのであり、これを履行し、長期収容を回避していただくことを申入れます。

以  上

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申  入  書
2012年8月28日


法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿


仮放免者の会(関東)                              
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

  今月20日から、東日本入国管理センターにおいて寮・ブロックをまたがっての同時多発的な大規模なハンガーストライキが被収容者によって行われています。本日付の東日本センター所長あての申入書も添付しますのでご参照ください。

  貴職らは、一昨年7月30日に「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について」との報道発表を行い、そのなかで「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と入管行政における方針を明らかにされました。

  しかるに東日本センターでは、昨年より収容の長期化傾向が見受けられます。私たちは、東日本センターの運用全般への申入れや個別案件での申入れ時にいくども、なぜ本省報道発表と違う事態になっているのかと東日本センターに質問しました。その答えとしては、常に「本省報道発表では長期収容とする期間が具体的に明示されていない」「本省の報道発表も仮放免許否審査において総合的に判断する際の一つ」などと返ってきます。貴職らから入国者収容所各センターには、報道発表と同趣旨の方針が指示されていると認識していましたが、そうではないのでしょうか。また、東日本センターの現在の収容状況を貴職らはどのように認識されているのでしょうか。私たちとしては、東日本センターとのやり取りを通じて入管行政への不信が深まるばかりです。

  東日本センターにおいては現在、ハンスト、自殺未遂、ケンカなどが多発しています。貴職らが東日本センターの収容状況を掌握し、改善させられなければ、被収容者はますます追い詰められていきます。東日本センター被収容者がおかれた深刻な状況に御理解いただき、これ以上の悲劇を招かないよう適切な対処をしていただくよう申入れます。

以  上

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参考資料

Monday, August 27, 2012

東日本入管被収容者、大規模ハンスト開始より1週間――ひきつづき情報拡散、カンパ、抗議をお願いします




  8月20日(月曜日)にはじまった、東日本入国管理センター被収容者による大規模ハンストは、ちょうど1週間たった今も継続中です。


  仮放免者の会では、ハンスト開始後、面会のできない土曜・日曜をのぞいて毎日、ハンスト参加者への面会・必要な物品の差入れ等をおこなっております。

  ひきつづき、みなさまには情報拡散、カンパ、東日本入国管理センターへの抗議にご協力お願いいたします。


【抗議・意見提起のあてさき】

東日本入国管理センター

  • 電話: 029-875-1291
  • FAX: 029-830-9010


【カンパの送金先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085
    普通預金  口座番号  2265589


  8月24日(金曜日)には、関東弁護士会連合会(関弁連)が、ハンストの調査に東日本入管センターをおとずれました。関弁連は、センターの被収容者処遇の問題に精力的に取り組んでおられます。7月には、センターの所長あてに「要望書」も提出されてます。



  以下の動画は、24日にセンターをおとずれた支援者と関弁連の弁護士の談話です。


Saturday, August 25, 2012

東日本入管センター、ハンスト参加者よりメッセージ(1)

  お知らせしているとおり、東日本入国管理センターの被収容者たちが、長期収容に抗議して大規模なハンガーストライキをおこなっています。


  東日本入管センターへの抗議にご協力していただいたみなさまに、心から敬意を表します。また、たくさんのかたがたが、ハンスト支援のカンパと情報拡散の呼びかけに応じてくださっています。あつくお礼をもうしあげます。

  このたびの集団ハンストに参加しているブロックのひとつ、3Aブロックの被収容者たちから、メッセージをあずかりましたので、その全文を公表します。

  ひきつづき、センターへの抗議とカンパにご協力ねがいます。また、ツイッターやフェイスブック、メーリングリストへの投稿などをとおしての情報拡散も、ひきつづきご協力ください。



【抗議・意見提起のあてさき】

東日本入国管理センター
  • 電話: 029-875-1291
  • FAX: 029-830-9010


【カンパの送金先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891

    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085
    普通預金  口座番号  2265589



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平成24年8月24日 
日本人の皆様へ

   私達は、東日本入国管理センターで収容されている外国人収容者です。今、入管内の状況がとても悪い事から体力とストレスの限界に至っております、私達は今まで何度も何度も長期収容をやめて頂く様、お願いをしてきましたが、この問題は今だに改善されていません。

  私達は、これ以上お願いしても何も変わらない事を分かり、平成24年8月20日付約120人を始め無期限のハンガーストライキを始めました。

  毎日体力の低下とストレスが大きなダメージとなって私達の体に押し掛かっています。中にはめまいや体力の限界を感じ、たおれる人もいます。しかし入管側は何もしようとしません。このままでは私達は死んでしまいます。。。

  1日も早くこの問題を真剣に考えて頂く様 心から祈って戦っています。

 以上





Wednesday, August 22, 2012

抗議・カンパ・情報拡散のお願い――東日本入管センター被収容者のハンストについて

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移民・難民問題にとりくむ全国の皆さまへ

2012年8月21日


仮放免者の会(関東)                               
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
    連絡先  宮廻(みやさこ)  090-6547-7628


  日頃のご尽力に敬意を表します。

  本日の東京新聞など各紙朝刊ですでにご存じの事と思いますが、昨日8月20日から、東日本入国管理センターの被収容者120名が、長期収容に反対してハンガーストライキを開始しました。


  長期収容問題と言えば、2010年3月に西日本センター、同年5月に東日本センターで被収容者による大規模ハンストがおこなわれ、国会でも取り上げられ、同年7月には法務省入国管理局が「長期収容をできるだけ回避するよう取り組む」と報道発表し、問題は基本的に解決したようにも思われてきました。しかし、東日本センターでは解決するどころかますます深刻化してきています。

  深刻化の起点は昨年3月の東日本大震災です。それまでは、退去強制令書発付処分を受けた者で、帰国する者、帰国できない事情があって残らざるを得ない者(家族が日本にいる者や難民など)の両方が地方局から東日本センターに移収され、帰国する者は成田へとさらに移収されていました。大震災後は、東京入管、同横浜支局で退令発付を受けた者で帰国する者は、直接、成田に移収されるようになりました。震源地と福島第一原発に近い茨城県に、帰国する者を東京や神奈川から移収することは当事者の生命・健康に危険性をもたらすことであり、東京・神奈川から成田空港に直接移収するというのは的確な判断だと思われます。しかしこのため、常時400人以上収容していた東日本センターの被収容者数は半減しました。そして現在、被収容者数は400名近くまでに回復してきています。東日本センターは、収容期間を長期化させることによって被収容者数を回復させたのです。

  関東の支援者は、長期収容を回避するために、仮放免保証人がいなければ保証人を引き受け、仮放免後の住居がなければ探してきました。そして仮放免許可申請をし、許可がおりれば喜び、不許可になれば当事者を励まして次の仮放免申請を準備してきました。そうした出来事のすべてが、大震災以降、東日本センターの被収容者総数の数合わせのなかでの事でしかなかったのです。私たち関東の支援者は、東日本センターの意図を見抜けなかったふがいなさを真摯に反省しなければなりません。その結果、被収容者数は増大し、それにつれて長期収容者も増大し、最近の相次ぐ自殺未遂という事態まで招いてしまいました。

  一昨年7月の本省報道発表を反故にしても被収容者数を増大させる東日本センターの意図の背景についてはいまだにわかりません。次年度の予算獲得のためかとも思われますが、空港業務や本年7月の在留カード導入で人員不足の入管行政が、なにゆえ東日本センターに予算や人員を確保しづけようとするのでしょうか。ある被収容者が、差し入れできる品目を増やしてほしいと要求したところ、それに答えて東日本センター職員が言ったのは「そんなことをしたら売店が潰れるからできない」との事だったそうです。売店、給食業者、警備会社、清掃会社に黒字を確保させるために被収容者数を400名台に回復させなければならなかったのかもしれません。

  東日本センターの意図の背景はともかくとして、犠牲となるのは被収容者です。被収容者が置かれた甚大な人権侵害を是正するためには、もはや関東の当事者や支援者だけの力ではどうにもなりません。全国の支援者、被収容者・非正規滞在者に心を寄せていただいている皆さまの力をお借りしなければなりません。

  東日本センターによる被収容者の増大、それに伴う長期収容者の増大に対して、抗議・意見提起をお願いしたします。

  東日本センターの連絡先は以下の通りです。
  • 029-875-1291
  • 029-830-9010(FAX)

 どうしても食後服用の薬を飲まなければならない被収容者も今回のハンストに参加しています。彼らにはビスケットなどを差し入れ、何とか薬を飲み続けてもらう必要があります。今回のハンストの規模はいまだかつてない大規模なものなので、差し入れをするにも資金が必要です。カンパしていただけるかたは、以下の口座に送金をお願いします。

    ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085
    普通預金  口座番号  2265589
  にお願いいたします。

  今回のハンストに先立ち、あるブロックは以下の要求書を所長あてに提出しました。長期収容者が増えるなか、重病者も増え、切羽詰まった中で提出した文章です。



所長殿

  私達、全収容者は今まで何度も何度も、長期収容をやめて頂きたくお願いしてきましたが、この問題は今だに解決されていないにも拘わらず、この2ヶ月間に大勢な人の仮放免が不許可となっております。

  この問題は今、全収容者に多大なストレスとなっております。私達はこのままではストレスの限界にいたすと感じています。

  早急にこの問題を改善して頂くよう宜しくお願い申し上げます。



 東日本センター被収容者が置かれた苦境に御理解いただき、ご協力いただけるよう重ねてお願いいたします。

以 上

Tuesday, August 21, 2012

【速報】8月20日、東日本入管センターで大規模ハンスト開始

  8月20日(月)、東日本入国管理センターで、被収容者120名が長期収容に反対してハンガーストライキを開始しました。

  昨年3月の東日本日本大震災と東京電力の原発事故以降、東日本センターでは、帰国する被正規滞在者が東京入管などから移って来なくなり(東京入管などから直接、成田空港に移されるようになった)、被収容者は在留希望者のみとなり、被収容者数が激減しました。その後、東日本センターは収容人員確保のためというセンター側の都合としか言いようのない動機で仮放免許可を出しにくくし、長期収容者が増大しています。その結果、幾度も仮放免申請が不許可になり自殺未遂にいたるケースが相次いでいます。

  そういう絶望的状況のなか、被収容総数の3分の1が今回のハンストに参加しています。

  くわしい情報、また東日本センター側の対応をふくめた今後の推移について、報告していきます。注目のほど、よろしくお願いします。

  以下、関連する資料2つを掲載ておきます。ひとつは、この「ハンストにあたって東日本センターの被収容者たちが作成した要求書です。もうひとつは、8月10日の統一一斉面会で、私たち仮放免者の会(関東)が東日本センターに提出した申入書です。


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【資料1】東日本センター被収容者の要求書


所長殿

  私達、全収容者は今まで何度も何度も、長期収容をやめて頂きたくお願いしてきましたが、この問題は今だに解決されていないにも拘わらず、この2ヶ月間に大勢な人の仮放免が不許可となっております。

  この問題は今、全収容者に多大なストレスとなっております。私達はこのままではストレスの限界にいたすと感じています。

  早急にこの問題を改善して頂くよう宜しくお願い申し上げます。






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【資料2】仮放免者の会(関東)の申入書

申 入 書


2012年8月10日
東日本入国管理センター所長 殿
仮放免者の会(関東)


一、長期収容者などへの仮放免許可
  センターでの収容実態は監禁的収容であり、精神を破壊し健康を著しく害するものです。事実、ほとんどの被収容者には目まい、頭痛、吐き気、不眠、食欲不振などの拘禁反応が現れてきます。一昨年7月30日、法務省入国管理局は「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と報道発表をしました。これを履行していただきたい。これまでも「(1)退令収容期間が半年を越える者 (2)収容に耐えることの出来ない重病者 (3)難民申請者(難民該当性の立証を妨げる) (4)再収容者(再収容者は通算で長期収容にならざるを得ない)」への即刻の仮放免許可を申入れましたが重ねて申入れます。

  私たちも長期収容回避の実現に向けて、支援者は仮放免保証人・同申請人などを引き受け、仮放免者は被収容者の仮放免後の住居探しを手伝うなどしてきました。しかし、貴センターでの仮放免許否状況を見た時、330~340名程度の被収容者数の維持を第一において仮放免許否判断を行っているとしか思えません。貴センターには、昨年の東日本大震災までは地方局で帰国に同意した者も収容されていましたが、大震災後は基本的に帰国忌避者のみが移収されてきています。そのため昨年度の前半には被収容者数が大幅に減少しましたが、昨年12月には1Bブロックが再開され、被収容者数は330名ほどに増加しました。その後、本年4・5月には、品川・横浜などからの移収者が多く、その分、貴職から仮放免許可を受けて出所しました。しかし、移収者が減少した5月下旬から不許可件数が増え、しかも、6月には仮放免後に就労しない旨の確約書に被収容者が署名したにも関わらず不許可となるケースが相次ぎました。これについては被収容者からのハンガーストライキも含む抗議や家族からの抗議などもあってすでに是正されていますが、なぜ6月にあのような事態が生起したのかを考えると、貴職が被収容者数を330~340名程度に調整するためになしたとしか理解できません。人道的配慮から行われる仮放免の許否判断が、来年度の予算獲得のために左右されているとしたらゆゆしき事態です。そうでないのならば、なぜあのような事態にいたったのか説明いただきたい。

  上記本省報道発表には私たちは大いに期待しました。だから私たちも精いっぱい努力してきたのです。しかし貴職は、昨年6月には仮放免後の指定住居をめぐって制限を課し、10月には上記の不就労確約書へのサインを義務付け、さらに一部の保証人や住居提供者に対してまで当該被収容者が仮放免されたのちに就労させない旨の書面までとるようになりました。貴センターでの運用は、上記本省報道発表に明らかに逆行し、収容の長期化を招いています。帰国忌避者は、難民申請者であったり家族が日本にいたり生活基盤を日本に移していたりと、それぞれなりに理由があって帰国できない者たちです。退令収容が半年であれ1年であれ2年であれ、その苦難を耐え忍ぶしかありません。実際、昨年1年間を通じて常時300名以上の大量収容を続けた貴センターにおいて、長期に収容することによって送還された者は数えるほどしかいません。行政効果がほとんどなく税金を無駄に使い、被収容者には深刻な人権侵害を強いる長期収容は何のために行われているのでしょうか。あたかも、大震災後に帰国する者が移収されてこなくなった分、帰国忌避者の収容を長期化させて収容人員を確保しようとしているとしか理解できません。品川や横浜が頑張って非正規滞在者を摘発し、仙台も頑張って震災復興現場で働く非正規滞在者を摘発して牛久に大量に回してくれば「収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」ことができるとでも言うのでしょうか。



二、処遇の改善について
  処遇の問題に限りませんが各ブロックから要求書(申出書)が貴職宛に提出されています。私たちも被収容者に面会した際、不満・要望などがあればブロック内で討議して貴職宛に要求書を出すように助言しています。これについてはお伝えしているように、昨年2月の首から下が麻痺状態となった自殺未遂者のような悲劇を二度と繰り返さないように、昨年6月ころから牛久被収容者に呼びかけ始めました。被収容者処遇規則にも反する貴センターでの劣悪な処遇、しかも収容が長期化するなかで被収容者のストレスは高進し、時に昨年2月24日の9Aブロックの帰室拒否行動のような突発的な事態を生み出します。こうした事態への貴センターの対応がまずければ被収容者の怒りや興奮が高まり、再び三度と同様の悲劇をもたらすことが危惧されます。
  最近も自殺未遂や死を覚悟した長期の拒食がありましたが、こういう事態を無くしたいという点においては貴職と私たちが一致する所です。最近の2件の長期拒食に対しても、貴センターは適切に対処され、私たちとしてもできる限りの努力をして摂食再開にこぎつけることができました。当会に限らず、弁護士会、各支援団体などにも御尽力いただきました。多数かつ多様な被収容者がいる中、一つの方法で自殺未遂などを完全に防げるわけではありませんが、各ブロック内で討議し、要求をまとめて貴職に提出し、それに貴職が誠実に応えていただければ各ブロックの雰囲気は良くなります。今年度に入って、4月からの官給食の改善、同月29日からの日曜日の戸外運動、5月から窓を若干開けるようになったこと、7月からの午前中のフリータイムの延長、女性ブロックの古くなった畳を今年中には替えてもらえることなど、いずれも被収容者はとても喜んでいます。窓が数センチ開けられて、初めて観光名所の牛久大仏を見ることができたと喜ぶ被収容者もいました。被収容者からの要求に応えるには予算措置が必要となるケースも多々あるでしょうが、あまりに人権を侵害した状態から一歩ずつでも改善するために、また被収容者を絶望に追いやらないために、各ブロックからの要求に対しては誠意ある対応を申入れます。最近の自殺未遂や長期の拒食は、個人的な特質によるものだけではないようです。長期にわたる監禁的拘束、いつまでも診察してもらえない疾病による苦しみ、夏場を迎えて冷房は効くようにしていただいたものの密閉空間での低湿度による喉の痛みなど、被収容者のストレスは明らかに高進しています。
  引き続いての重大な問題は医療問題です。収容が長期化する中で持病は悪化し、健康だった者も拘禁反応に苦しめられます。また1日40分の戸外運動は被収容者がストレスを発散する第一の場であり、そこでの堅い壁と地面、運動シューズの未整備のためケガが絶えません。昨年度までの勤務医は最悪でしたが、彼女は辞めたものの今年度に入っての医師の勤務体制は整備されず、願箋を出してから2週間・3週間、ひどい場合は1ヶ月以上待たされます。現在の状況では、貴職が収容主体責任を果たしているとは思えません。貴センターが勤務医の求人に努力されていることは承知していますが、被収容者の生命・健康は、貴職らが努力しているからとすまされる問題でもありません。結核菌の排菌者が出れば該当者・同房ないし同ブロックの者や貴センター職員、牛久市民・茨城県民に対しても多大な犠牲を強いることになります。医師の増員あるいは被収容者数の減少をもって現状を早急に打開し、病人・けが人が速やかに診察・治療を受けられるよう申入れます。
以 上


Tuesday, August 14, 2012

「仮放免者の会 夏(なつ)のつどい」の ごあんない



さいしゅうよう  はんたい!
VISAを  かちとろう!

2012ねん 8月がつ 19にち(にちようび) 
午後(ごご)12:00  集合(しゅうごう)


  3か月(さんかげつ)に  一度(いちど)の  定期(ていき)  集会(しゅうかい)です。
  今回(こんかい)もまた  弁護士無料相談会(べんごし  むりょう そうだんかい)を  します!
  再収容(さいしゅうよう)  しない/されない  ために どうしたら  よいか  などを、はなしあいます。

  場所(ばしょ)は  「板橋区立(いたばしくりつ)グリーンホール」です。  大山駅(おおやま えき)から  あるいて  5分(5ふん)です。
  池袋駅(いけぶくろえき)から  東武東上線(とうぶ  とうじょうせん)で  埼玉(さいたま)方面(ほうめん)に  むかう  電車(でんしゃ)に  のり、「大山駅(おおやまえき)」で  おりて  ください。
  仲間(なかま)たちが  場所(ばしょ)を  案内(あんない)して  います。駐車場(ちゅうしゃじょう)  あります。

  ぜひ  みんな  きて  ください。仮放免者(かりほうめんしゃ)の  ひとは  もちろん、入管(にゅうかん)の  もんだいに  関心(かんしん)の  ある  みなさんの  参加(さんか)を  おまち  して  います。


連絡先(れんらくさき)
  • みやさこ:090-6547-7628
  • ますだ:080-3421-4060
  • Elizabeth:080-4163-1978


Friday, August 10, 2012

「今の時代、無期限収容所が許容されていいのか」牛久・趙さんより日弁連への人権救済申立て

  東日本入管センター(茨城県牛久市)8Aブロックに収容されている韓国人の趙さんは、牛久の長期収容に反対し、また仮放免不許可の際は不許可理由を説明することを要求して6月21日から1ケ月間のハンガーストライキをおこないました。同時に趙さんは、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済の申し立てをおこないました。その文書を、趙さんの了解を得て掲載します。

  すでに掲載しているように、8Aブロックでは今年3月9日に所長あての要求書を出し、その後も継続的に仮放免や処遇の問題について改善を求め続けています。


  趙さんの長期収容反対、仮放免不許可理由の開示要求という闘いは、被収容者全体の意見を代弁してのもの。しかし趙さん自身としてはより深く、収容、仮放免制度などについて根本的なところから考えています。以下に掲載する趙さんの文書は、収容や仮放免制度について被収容者自身が根本的なところから問いかけた訴えであり、私たちも学ぶべき点が多々あるように思われます。


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日弁連人権擁護委員会 人権救済申立てについて
2012年8月1日

牛久入管被収容者 趙××

  2011年9月26日、品川から東日本入国管理センターに移送されてきて初めて感じられた事は、人間として扱いは受けられない所なのかなという印象でした。施設ごとに違いがあっても、こんなに違うのかなと、初めて感じさせてくれました。これから、この施設に収容されている者の立場として、言える範囲内で具体的にいくつか分けて話したいと思います。

1.この施設の本来の目的は何でしょうか?
  入管側の説明によりますと、(1)退去強制出国命令が出ている限り国に帰るために準備をする所、(2)難民・家族・裁判等いろいろ手続きがある人は、一時的放免し済ませるため。

  (2)番の場合は、仮放免制度に該当するのですが、施設がある以上、付属ものとして考えられます。ほかにもあるのか分かりませんが、まともに説明してくれる担当官がいないので、自分なりに解釈します。

  (1)(2)をあわせても、個人の事情により帰ることができない人がいます。そういう人にはどういう対応をするのか疑問です。日本に住むことを、説得して諦めさせるのは見てきました。それでも帰らない人たちも沢山見てきています。こういう人たちのせいで、「長期収容」という言葉が出てきたと思います。つまり、結論から言いますと「長期収容」するために、この施設があるのと何ら変わりません。では、どのくらい収容されると「長期収容」になるのか気になりますね。担当官に聞くと、ちゃんと答えてくれる人は一人もいません。

  なぜなら、この施設は無期限収容所だからです。今の時代、無期限収容所が許容されていいのかどうか、国連の人権団体に問いかけてみたい気持ちです。



2.仮放免制度は何でしょうか?
  「無期限収容所」でありながら、無期限収容されている者はいません。その理由は、この仮放免制度があるからでしょう。ここで一つ、入管側に聞きたいのは、人道的な配慮で仮放免制度があるのか、人権的に「長期収容」ができないからあるのか教えてほしいです。しかし、どっちにしろ、中途半端な運用は人を欺くような事となりかねますので、ここでは人権侵害とも言えると思います。現在の仮放免制度の中途半端な運用では、「無期限収容所」というレッテルは消すことができないでしょう。
  一つ例を挙げて具体的に説明します。

  仮放免のマニュアルはありますが、ここで話したいのは、収容されている者としてもっとも基本的な事についてです。仮放免を申請するには、保証人、保証金、社会での住む場所が必要となります。帰れない人達の中では、これらが用意できない人達もいるのが現状です。つまり、仮放免の申請ができない限り、この施設から出るには、自分自身をすてて、あるいは自分の人生をすてて、すべてをすてて自分の国に帰るという究極の選択をしなければならなくなります。これが、本来のこの施設の目的なら、仮放免制度は必要ないし、そもそも初めから人道的な配慮はなかった事になります。では、住む場所もない、お金もない人をどうやって社会に出すのかという疑問が生じるでしょう。しかし、こんな疑問を持つのが不思議でしょう。解決するまで出さないのが人権的にも十分理由になると思います。本当の問題は、仮放免にあります。マニュアル通り書類を備えて申請しても、不許可になるのは当然のようにあります。審査の基準というのは、マニュアルに書いてありますので、収容されている者なら誰もが知っていると思います。つまり、申請する本人はマニュアルに書いてある事はクリアしたと思い申請しているので、不許可の理由が分からないのです。きちんとした不許可の説明もなしに、不許可の通知だけするので普通の人間なら納得できるはずがないでしょう。不許可の説明を求めても無視されるのがこの施設の現状です。「ビザがない人は人間として価値もなく人間失格だ」というのを強く感じさせてくれました。確かにビザがないことは反省する所だと思います。しかし、この施設の運用のやり方のおかげで生きる価値を失くした人は恐らく私だけではないでしょう。こんな理不尽な仮放免のシステムは、人間社会で許されるものではないと思うのが私の考えです。



3.日本の入管法は一つであるのに、なぜ入管の施設は統一性がないのでしょうか。
  入管法に基づいて立てられた施設なら、東日本だろうが西日本だろうが同じになるはずです。最初に立てられた時から保安を優先してしまったために、人権は無視されたというのは肌で感じられます。施設内での生活の面で違いがあっても、愚痴や不満が出るのは当たり前でしょう。まして、その違いが「収容期間」にあるとしたら、大きな問題になると思います。何が根拠で、東日本入国管理センターと西日本入国管理センターは、「収容期間」をもって差があるのかきちんと示してほしいです。虐待だけが人権侵害ではありません。きちんとした理由もなく、差別をするのも人権侵害だと思います。理由があっても説明がないなら人権侵害と何ら変わりません。



4.収容されている者としてではなく、一人の人間として私の意見を聞いてほしいです。
  入管の立場から言いますと、帰らない人達を人道的にもっと効率的に国に帰す方法を考えるべきではないでしょうか。中途半端な仮放免のシステムでは、私のように不満を持つ人も出てくるし、ビザを出すまで収容所から出て行かないと意地を張る人も出てきます。それから先が見えないことで命まで諦める人も出てくるのです。どう見ても現在の施設の運用は、人道的にも効率的にも見えません。かえって逆効果をもたらしているのだと思います。それで、私は「満期制度」はどうかと思います。無論、「満期制度」は初めて収容される人に限ります。それから帰らない、帰られない人達限定です。今の施設の運用だと、先が見えないようにして、日本に住みたい気持ちを諦めさせるのが目的のように感じます。しかし、どんな形であれ社会に出しているのが現状ではないでしょうか。それなら、「満期制度」にして一回チャンスを与えるのが一層人道的ですし、収容されている人にとっても大事にすると思います。それから一番大事なことは、収容されている間に被収容者たちは教育を受けることです。満期を終えて施設から出る時にも必ず誓約書を書くことです。誓約書は、もう一回収容されることがあったら必ず国に帰りますというものです。これで社会に出て日本に住むため自分なりにいろいろ手続きすると思いますが、ビザもしくは難民として認めてもらえなかった場合は帰る覚悟ができるでしょう。ここで「逃亡」については私なんかが語る必要はないと思うのでやめさせていただきます。今の不良外国人たちを皆各自の国に帰したとしても、新たな外国人労働者は受け入れると思います。もっと強化された管理システムで外国人労働者を受け入れたとしても、今と同じ事が繰り返されない保障はないと思います。
  一人の人間の意見として聞いてくれる事を強く願っています。
以上です。




〇名前:趙××

〇国籍:韓国

〇生年月日:19××年×月××日(××歳)

〇来日した日:198×年×月××日

〇来日した理由:×××××大学に入学するため

〇最初に収容された所:品川入国管理局(2011年6月2日)

〇茨城県牛久の東日本入国管理センターに収容された日:(2011年9月26日)

〇帰らなかった理由(ビザが切れてから):
  当時、韓国は開発途上国だったので国民の認識は海外に留学するようになると半分成功した目で見る時代でした。経済事情で大学を途中でやめた私は到底帰る勇気がなかったと思います。

〇帰られない理由:
  一言で言いますと帰る場所が無いからです。韓国は住民登録制度です。国民すべてが住民登録証を持っていて生活全般をするようになっています。仕事は勿論、家を買う、借りるにも必要となります。26年間、韓国に帰っていない私は抹消されているので新たに申請するとお金と時間がかかります。一般の人には大した事ではないと思うかも知れません。しかし、何もない私にとっては、 ただ一日の生活も不安なので帰ることは考えられません。
  家族のことを話しますと、韓国には高齢の母と弟がいると思います。日本には息子がいます。しかし、両方とも13年くらい連絡を取ってないので、向こうも私も生死さえ分からない状態です。息子の場合は、息子が5歳の時に日本人だった私の妻が病死して妻の実家に預けたままになっています。父として何もできなかった私です。息子に会う面目はありません。でも死ぬ前に一目見るのが私の希望です。



駄文ですが宜しくお願い致します。
「私はクリスチャンです。すべてを神様に委ねます。」