PRAJ (Provisional Release Association in Japan): Who We Are
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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Wednesday, August 31, 2011

東日本入管でのハンスト、29日に解除

  すでにお知らせしたとおり、東日本入管センター(茨城県牛久市)の7Aブロック収容者33人が、8月22日(月)の朝から、ハンガーストライキをおこなっていました。


  嘆願書への回答を求めて始まったこのハンストは、東日本入管からの一定の回答があったことから、今後の推移を見守ることとし、29日(月)の昼食から全員が摂食を再開しました。病状が特段に悪化した人はいません。
  回答といってもさしたる前向きな内容があるわけではなく、食事については改善するようにしてるという程度のものです。しかし、ともかく、嘆願書(要求書)に基づいて7Aブロック全員の意見を聞く場がもたれ、形式的なものでしかないにしても回答が出されたということは期待が持てることでもあります。実際に何らかの改善がされるのかどうかは今後を見守る必要がありますが、重病の収容者もおり、いつまでも摂食せず薬を服用できない状態を続けるわけにもいかないので、いったんは収束しようとの判断になりました。
  仮放免者の会(関東)、各支援団体としても、7Aブロックおよび全ブロックの仲間たちと力を合わせ、7Aブロックの要求内容の実現に取り組んでいきます。
  多くの皆さん、支援団体からの激励、カンパ、東日本入管センターへの抗議などいただき、大きな力となりました。ありがとうございました。これからも、ご支援ご注目のほど、よろしくお願いします。

Thursday, August 25, 2011

東日本入管センター2Aブロック収容者の意見書

  ひとつ前の記事でおしらせしたとおり、東日本入管センター7Aブロックの収容者全員、33人がハンガーストライキをおこなっております。7Aのハンストは、これに先だって提出された「嘆願書」にたいする入管側の回答がいっさいないことへの抗議として、おこなわれています。



  7Aブロックにかぎらず、収容者たちの処遇改善への要求・要望は、しばしばおこなわれています。ところが、入管側はこうした要求・要望にたいしてまともにとりあおうとはせず、回答すらしないという姿勢をとってきました。回答の「内容」がどうかという以前に、回答を「しない」というのは、収容者をおなじ尊厳をもった人間として見ない、きわめてごうまんな入管の姿勢があらわれています。
  このような入管の姿勢・体質にたいして、不満と怒りをもっているのは、7Aブロックの収容者だけではありません。
  今回紹介するのは、東日本入管センターの2Aブロックの収容者たちが処遇改善を要求した文書です。この文書は、7月23日づけで、東日本入管センター所長あてで提出されています。(画像はクリックするとおおきくなります)


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親愛なるセンター長殿:
2011.7.23
  こんにちわ!
  今日はセンター長殿にいろいろお願いがあってこの手紙を書きます。
  お願いをする前になでしこジャパン女子サッカーの勝利をおめでとうございます!
  日本が今いろいろ大変な時期にこんなおめでたな事ができて本当に真心から嬉しいです。
  地震があってからニュースを見てても震災の被害で家もなく避難所で暮らしている人たちを見て本当に辛かったです。
  でも最近はサッカーで盛り上がってる日本はいつもの日本に戻ったみたいに活気があります。
  こんないい事もあった状況の中で我我牛久市東日本入国管理センターの中に収容されている人たちにも希望と明かりを分けて欲しいです。
  ぜひ耳を傾けてわれわれのお願いを聞いて欲しいです。

  • 今われわれの部屋の窓は全部密閉状態です。今は暑いし、もっと息苦しいから、いちばん上の小さい窓でも開けて、少しは空を見せてください。
  • タダご飯を食べながらお食事に文句があるわけないけど、もうちょっと料理に味付をお願いします。(蒸しとりの料理は生臭いんです。)
  • 収容されてる人の中で病気が掛かってる人がいます。***号室***[国籍]****さんは、血圧高いし、腰痛いし、小便も出ないし、体がフラフラしていて危い状態です。
  • 収容所に収容されている人人は時間とともに段段ストレスで体の病気と精神の病気になっていきます。半年以上の長期収容は柔軟に出して欲しいです。
  • 裁判が終わったら、また再収容される不安を常に抱えているんで、再収容はしないで欲しいです。
  • 仮放免保証金をできるだけ下げて欲しいです。

  以上、センター長にわがままな願いを求めています。ここで収容されている人たちは、みんなそれぞれ違う問題を持っているかも知らないが、同じ人としてみんな人権を持っています。
  みんなの希望ができるだけ早く一日でも自由を持って日本で真面目に生活できるよう願っています。
  どうかセンター長様、我我の夢が早く叶えるようによろしくお願いいたします。

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  上に紹介した意見書を提出した2Aは、女性が収容されているブロックです。この意見書でも指摘されている、長期の収容がもたらす深刻な健康上の問題、また収容所内の医療のずさんさ(重病者が放置されている)については、おなじ女性のブロックである2Bからも、要求書が提出されています。

  また、食事の質がとんでもなくひどくなっているということは、とくに3月の震災以降、東日本入管のあらゆるブロックの収容者が口をそろえて指摘するところです。その一例として、これも以前紹介した3Bブロックの意見書をあげておきます。

Tuesday, August 23, 2011

東日本入管センター収容者33名がハンストを開始

  8月22日(月)の朝から、東日本入管センター(茨城県牛久市)の収容者たちがハンガーストライキをおこなっています。ハンストに参加しているのは、同センター7Aブロックの収容者全員、合計で33人です。参加者の国籍は13国、その内訳は、スリランカ6名、ペルー6名、フィリピン5名、イラン4名、トルコ3名、タイ2名、モンゴル、ブラジル、バングラデシュ、カンボジア、中国、ベトナム、香港各1名です。
  これまでも、各地の入管収容施設では、入管側の人権をかえりみない不当なあつかいにたいし、収容者たちがハンストによって抗議することはありました。しかし、ブロックの全員が参加してのハンストというのは、きわめて異例のことです。それだけに、今回のハンスト参加者たちの怒りの強さを想像せずにはいられません。
  先日このブログでおしらせしたとおり、7Aブロックでは、8月上旬に法務省と東日本入管センター所長あてに連名で「嘆願書」を提出しております。


  「嘆願書」の要求項目をまとめると、以下のとおりです(詳細については、上のリンク先をごらんください)。

  • エアコンの温度設定をさげるか、窓をあけること
  • 食事の内容の改善
  • 病人を外部の病院につれていき、診療を受けさせること
  • 刑期終了者の不当な長期収容をやめること
  • 再収容者・長期収容者の早期仮放免
  • 仮放免保証金の減額

  こうした要求項目をみるだけで、収容者にたいする人権侵害の実態がいかにひどいものなのか、わかります。しかし、今回の7Aブロックのハンスト参加者が第一に要求しているのは、「嘆願書に回答すること」です。
  嘆願書にたいし、いまもって入管側からの回答はいっさいありません。入管は収容者のうったえを完全に無視しているわけです。これまでもお知らせしてきたとおり、東日本入管センターや東京入管の各ブロックでは、収容者自身が連名で処遇改善をもとめる嘆願書や意見書を出すうごきがありました。ところが、入管側はこれらの嘆願書・意見書にたいし、なんら回答をしていません。
  食事や医療、再収容・長期収容といった問題もさることながら、7Aブロックの収容者が今回ハンストにふみきったもっとも大きな要因は、「要求に回答すらしない」という入管側の姿勢です。こういった姿勢に、外国人を対等な人間とみなさない入管側の差別体質があらわれているからです。
  わたしたち「仮放免者の会」は、東日本入管センター所長が、7Aブロックをはじめとする収容者たちの嘆願書・意見書等に誠意をもって回答することをもとめます。
  また、この記事をお読みになったみなさまに、東日本入管センターへの抗議を呼びかけます。

東日本入国管理センター
  • 電話番号: 029-875-1291
  • ファクシミリ: 029-830-9010

  あたらしい動きがありましたら、またこのブログで報告いたします。今後も7Aブロックのたたかいへのご注目のほど、よろしくお願いいたします。

Sunday, August 21, 2011

7A BLOCK収容者の嘆願書――東日本入管センター

  東日本入管センター7A BLOCKの収容者の嘆願書を公開します。画像の下につけたテキスト・データは、じゃっかん表記をあらためたところがあります。
  嘆願書は、8月上旬に法務省と東日本入管センター所長あてで提出されました。入管側の誠実な回答をもとめます。
  この記事の末尾に、嘆願書にかんして解説めいた文章をつけました。よろしければ、そちらもあわせてお読みください。

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【画像はクリックするとおおきくなります】
 



法務省
東日本入国管理センター所長様

7A BLOCKの収容者の嘆願書

  7A BLOCKでは、難民申請者、日系人、日本人の配偶者、家族の生活など、様様な理由はあっても、収容されているわたしたちのことを考えてみませんか。
  今外はとても暑いので東日本入国管理センター中にあるエアコンの温度は上っていますので、昼は窓も閉まっています。今の状況には暑くるしく、たおれた人もいましたので、エアコンの温度は下げて下さい。窓を開けて下さい。よろしくお願いします。
  収容中一年以上の人はたくさいんいますし、再収容者は一回目と二回目2年6ヶ月以上東日本入国管理センター内での生活をしていますが、その間一度も食事を変えたことがないのです。いつも同じ食べものばかりなので食事の類を変えて下さい。よろしくお願いします。
  東日本入国管理センターでは、収容中病気にかかっている人はたくさんいます。いくら診察お願いしても、診察を受けないです。収容中は痛みのがまん出来なくストレスにかかって自殺した人もいましたし、自殺ミスイの人もいました。病人は外の病院に連れて行って下さい。よろしくお願いします。
  7A BLOCKでは刑期終了収容者が多いのです。折角刑期は終了しじゅうぶん反省しているのに東日本入国管理センターは同じ刑のこと考え、刑期終了者について長期収容するようにしています。東日本入国管理センターは入管法より刑法のことを考えることで、刑期終了者は東日本入国管理センター内で自殺した人もいました。刑期終了者は早めに外に出せるようによろしくお願いします。
  再収容者は東日本入国管理センターでは、2年6ヶ月以上収容生活した今も何時まで収容されているかまだ分からないままです。本国に帰国することが出来ない理由は申し立てているのに再収容しています。一回め収容は何だっだでしょうか。再収容者は東日本入国管理センター内でもっとも長い再収容者の仮放免許可を認めるようにお願いします。
 仮放免の許可されても保証金は高すぎて外に出られなくこまった人はいます。保証人と保証金とは二の保障なのでどっちかにもないし、保証金をこまっていることについても本人から仮放免担当様あてに説明しても、保証金はやすくしてないので、収容生活はもっと長くなってストレスなどの病気にかかっていいますので、保証金をやすくして下さい。よろしくお願いします。
7A BLOCKの収容中のみな様より
以上


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【解説めいた文章】
  昨年5月の東日本入管センター収容者によるハンガーストライキ、その後、仮放免で外に出たハンストの参加者たちが中心となっての「仮放免者の会」結成(同年10月)をへて、関東でも、収容者および仮放免者どうしの連帯・相互支援の輪は、しだいに大きく、また強くなってきました。
  昨年のハンストと「仮放免者の会」結成は、在留許可をもたないひとたち自身が、国籍や立場のちがいをこえて連帯をつくりあげていった点で画期的なものでした。ただ、当初は、中心となって運動をひっぱっていた難民申請者の存在感が色濃く出たものではありました。たとえば、5月のハンスト参加者たちの声明には、つぎのように書かれています。

  わたしたちが日本にやって来たのは、出身国での迫害から逃れるためです。ところが、難民資格を申請中であるにもかかわらず、わたしたちは入管に収容されてしまいました。そしてこの施設では適正な扱いを受けていません。

  実際には、このハンストに難民申請者ではないひとも参加していましたし、この声明文自体、いわゆる「難民」ではない日系ブラジル人の刑期終了者が自殺に追いこまれたことにもふれています。しかし、この昨年5月の声明文が、難民申請者の視点がつよく反映されたものであることは否定できません。
  これにたいし、上で紹介した「7A BLOCKの収容者の嘆願書」が特徴的なのは、「難民申請者、日系人、日本人の配偶者、家族の生活など、様様な理由」をかかえて「収容されているわたしたち」というふうに、難民申請者にとどまらない立場をこえた連帯が明確かつ意識的に表現されていることです。
  さらに、「7A BLOCKの収容者の嘆願書」は、「刑期終了者」が入管収容所でうけている不当な仕打ち(他の収容者よりも収容が長期化していること)についても、問題化しています。入管収容施設には、刑事事件(多くは薬物使用)を起こして、在留資格を取り消されたひとも収容されています。
  しかし、すでに刑務所での刑期を終えたひとに対し、収容によって自由をうばい、退去強制を命じるのは、あきらかに不当です。まず、日本国籍者ならば、刑事事件をおかしたからといって、日本から追放されることもなければ、刑期を終えたあとに無期限に収容されることも、当然ながらありません。外国人の場合のみ、こういった処置を受けるのですから、これは外国人差別・国籍差別にほかなりません。
  また、入管には、懲罰・刑事罰をあたえる権限を法的にみとめられていません。入管法上の「収容」とは、「退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで、その者を入国者収容所、収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができる」と規定されるものにすぎません(「出入国管理及び難民認定法」第52条5)。つまり、入管は、国外への送還の手続き・準備のために収容をみとめられているにすぎません。ところが、刑事事件をおこした外国人たいし、入管は特別に収容を長びかせる処置をとっております。これは、入管が、懲罰機関でもないにもかかわらず、犯罪をおかしたひと、しかもすでに刑期をつとめあげたひとにたいし、事実上の二重三重の懲罰を勝手にくわえているようなものです。
  もちろん、刑事事件をおかしたひとであるかどうかにかかわらず、「嘆願書」で指摘されているような劣悪な処遇によって収容者を身体的・精神的に追いこむのは、先述の入管法上の「収容」の位置づけからみて、入管の権限をこえた越権行為であるのは言うまでもありません。すべての被収容者が、基本的人権の観点から不当であるのみならず、入管法からみても違法なあつかいを受けています。
  「嘆願書」は、「刑期終了者」もふくめたさまざまな立場をこえ、被収容者すべての問題として、入管による人権侵害を指摘し、改善をもとめています。こういった連帯は、7Bブロックにとどまらず、東日本入管センターの他のブロックや、東京入管の各ブロック、さらに仮放免で外に出ているひとたちのあいだでも、いま形づくられつつあります。
  私たち「仮放免者の会」に、Eさんというナイジェリア人リーダーがいます。彼女は、収容されるまえから、被収容者たちに面会し、支援する活動をおこなってきました。東日本入管センターに収容されているいまも、他の収容者に助言し励ましたり、精力的に支援をおこなっています。
  Eさんが面会時にくりかえし語っていたのは、「難民もオーバーステイのひとも、日本人と結婚しているひとも、みんなおなじ外国人だ」ということです。彼女が指摘しているのは、日本人と外国人のあいだに差別があるだけではなく、「おなじ外国人」のあいだに差別と分断の線が現にひかれているということ、外国人の運動は外国人差別とのたたかいであると同時に、「外国人」のあいだの差別と分断をも のりこえていくものでなければならない、ということだと思います。
  このようにして、収容中および仮放免中の在留資格をもたないひとたちが、おたがいの出会いと議論をとおして、強力な連帯と相互支援の輪をつくりだしつつあります。ご注目とご支援のほど、よろしくお願いいたします。

Friday, August 19, 2011

女性収容者の要求書――東日本入管センター

  東日本入管センター(茨城県牛久市)の2Bブロックの収容者たちの要求書を公開します。2Bは、女性が収容されているブロックです。要求書は、8月5日に収容所内のオピニオン・ボックスに投函されました(画像はクリックすると大きくなります)。

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2011年8月5日
  私たち東日本入国管理センターに収容されている収容者です。みんないろいろな病気を持って過酷な収容生活を送り続けている。体の痛み、腹痛、頭痛、眩暈、食欲不振、不眠、皮疹、無月経、イライラ感など症状が現れてきていました。これらの症状は収容による心因反応として収容が長くなれば症状がさらに悪化する可能性が高いでしょう。しかし常駐医師はおらず、収容自体が病気の原因悪化させている事から入管内での治療はまず無理です。ですから外の病院で受診してもらって、それとも長時間の収容によるショックとストレスが受けて早めに仮放免の許可をもらいたいと願います。どうかよろしくお願いしたいです。

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  ごらんのとおり、要求書は、収容自体が収容者の病気・健康悪化の原因になっていること、また入管がこれに対してじゅうぶんな医療上の対処をとっていないことを指摘しています。そのうえで、外部の病院での診療、もしくは早期仮放免を入管センター側にもとめる内容となっております。
  上記の要求文の下には、プライバシーにかかわることがらなので割愛しましたが、以下のような収容者個々人ごとの病状や外にいる家族の事情が具体的に述べられています。
  • 半年以上、生理がとまっている。
  • 盲腸炎とおもわれる腹痛。
  • 不眠がつづいている。
  • 体の痛みと頭痛が毎日のように感じる。
  • 5ヶ月生理がこない。
  • 嘔吐・食欲不振・腹痛・お腹の張り。1年以上入管の医者が出す薬を飲んでいるが、同じ症状が続いている。
  • 養育している子どもに知的障碍がある。自分が収容されているため、施設にあずけられている。早く出て面倒をみたい。
  • 夫に持病があり、毎日通院している。心配だし面倒をみたいので、早く出たい。
  • 自分が十二指腸潰瘍ではないかと疑っている。
  収容者・収容経験者によると、入管収容施設の医療体制はどこも劣悪と言われますが、東日本入管センターはそのなかでも、医師の技能とモラルの両面においてすこぶる強い不信感をいだかれています。専属医師Hさんと東日本入管の医療体制については、今後わたしたち仮放免者の会としても徹底的な調査と責任追及をしていく考えです。

  以下、東日本入管の件ではなく、東京入管(品川)ですが、長期のしかも劣悪な環境での収容による健康被害について、今年4月に収容者じしんが連名で出した要請書についての記事をリンクしておきます。こちらもあわせてお読みください。

Wednesday, August 10, 2011

東日本入国管理センター収容者の意見書

  東日本入管センター(茨城県牛久市)の3Bブロック収容者たちが、所長あてに連名で提出した意見書の画像を公開します(画像はクリックするとおおきくなります)。画像の下に、テキストのデータをつけました(表記等、じゃっかんの修正をしております)。



東日本入国管理センター所長 殿

  私たちは3Bブロックの人たちのお願いごとについて説明します。地震の後から、毎日朝、食パンです。でもその前は、食パンとコッペパンと丸いパンが一日おきに出たけども、4月からいままで毎日食パンだけです。この前も食事のことにお願いごとにもしたけど、食事をもうちょっと良くしてもらえませんか。おかずもとても少ないので、いつも皆さんお腹がペコペコです。お金を持ってる人と持ってない人もいるから、買い物は出来ません。後エアコンが夜12時に止まって、暑くて寝れないです。お昼も暑くて、エアコンの温度は28度から25度に下げてもらいたいです。できればお願い致します。
  仮放免の手続きも2ヶ月、3ヶ月かかって、もうちょっと早めに結果を知らせてほしいと思います。もう少しできれば、早めて結果をお願いします。保証金に対して、私たちはとても大きな金額です。ここの中に、1年以上いる人もいるし、中の生活もお金がかかってるし、保証金は50万か30万か払うのがとても大変です。金額については少し下げてもらいたいです。
  私たちは入管の中に長く収容されて、色々不安があって、家族のことを心配したり、ストレスが貯まったり、体の全体あっちこっち痛くなったり、中の病院から出した薬は全然効かないので、本当にもう少し効く薬とかちゃんと身体検査をしてもらいたいと思います。いままで私たちは使ってのCDが10枚まで持ち込みしかできないので、できればi-podの許可のことは考えてもらえませんか。
  ここの話は私たち3Bブロックの皆さん、心からお願い致します。
よろしくお願いします。

以下署名(省略)――23名、10の国籍(パキスタン、タイ、インド、中国、ミャンマー、スリランカ。フィリピン、イラン、韓国、ナイジェリア)

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  3Bブロックでは、5月にも3Aブロックと共同で給食改善の意見書を提出しています。
  また、他の収容者から隔離されているMtFの収容者も、この意見書の作成と提出に参加していることが、署名をみるとわかります。
  こうして収容者自身が話しあって共同でつくった文面を読むと、入管の施設というものが、いかに生活のことこまかなことまで拘束し、すみずみにわたって自由をうばっているのか、思い知らされます。
  入管の収容所は、名目上「犯罪者を罰するための施設」ではありません。たんに、退去強制命令が出たひとを送還する「準備」のために収容しているにすぎません。収容は刑罰ではなく、行政処分です。したがって、上の意見書が問題にしているような、もろもろの厳しい制約には、入管法上の理屈から言っても正当性がありません。入管は、罰則をあたえる根拠もなく、またそのための公平な裁判の手続きもないままに、事実上の罰則を科しているようなものです。
  しかも、東日本入管センターの収容者は、ほとんどが長期収容者です。刑務所以上に苛酷といわれる入管での収容にたえ、また職員による執拗な帰国強要にたえてきた彼ら・彼女らは、それぞれに「帰国」できない事情をかかえています。そのようなひとたちに対し、十分な食事も医療もあたえず、エアコンの温度調整の自由すらうばい、i-podの所持まで禁止しなければならない理由とは、いったいなんなのでしょうか?

Sunday, August 7, 2011

8.10全国一斉行動のおしらせ

入管被収容者と仮放免者の立ち上がりに支援を!
8.10全国一斉行動へ!



8月10日(水) 10:30 東日本入国管理センター集合
                     12:00 東京入管集合



  全国の支援者と仮放免者が、8月10日、関東、東海、関西で一斉面会と在留資格を得るための再審情願提出行動を行います。関東では二手に分かれ、東日本入国管理センター(牛久)で一斉面会および同センターに対して再収容者の即時仮放免、長期収容阻止と処遇改善を求めて申入れを行います。東京入管(品川)では、一斉面会と再収容阻止、仮放免者の在留資格獲得に向けての申入れを行います。多くの皆さんの一斉面会への参加を呼びかけます。

  一昨年から昨年にかけ、入管行政は難民・移民なの非正規滞在外国人に対して、残酷な追い出し政策を行ってきました。オーバースティなどで入管に摘発されると、大半の非正規滞在外国人は帰国します。しかし、難民として本国での迫害から逃れてきた人、日本で長く滞在し家族を形成している人など、帰るに帰られない事情を抱えた人たちがいます。その事情も承知の上で、入管は、狭い閉鎖空間への長期収容によって心身を痛めつけます。人道的配慮からの仮放免許可が出ても、事あるごとに再収容してきました。収容所内では、帰国することもできず、かと言って日本では身体を拘束され収容され、生きる場を見いだせずに自殺未遂が相次ぎ、さらには昨年2月と4月には牛久においてブラジル人と韓国人の自殺者が出てしまいました。3月にはその牛久で結核患者が出ましたが、劣悪な医療・居住空間に押し込められ、いつまた伝染病が発生するかもわかりません。さらに同じ3月には、日本人の妻がいるガーナ人のスラジュさんが成田で無理やり飛行機に乗せられそうになり、抵抗したところ職員によって死亡させられるという痛ましい事件まで起こりました。
  こうした過酷な状態におかれたなか、牛久に長期収容されている約60名が、長期収容への反対、重病者や未成年者の即時仮放免、仮放免保証金の減額などを求めて昨年5月に12日間に及ぶ大規模ハンストを行いました。「ハンストをしたら仮放免許可を出さないぞ!」「大村(長崎県にある収容所)に送るぞ!」という脅しをかけられながら、正に命がけの闘いとしてこの大規模ハンストが取り組まれました。この事態は多くの新聞が記事にし、参議院でも取り上げられました。先行して昨年3月には大阪府にある西日本入国管理センターでも同様の要求を掲げて約70名で大規模なハンストが行われていました。東西二つの収容所での大規模ハンストは世論を動かし、7月には法務省入国管理局が「収容長期化をできるだけ回避する」との報道発表を行いました。しかし、仮放免になっても2ヶ月後、3ヶ月後には再収容されて収容施設に逆戻りするという再収容問題は残りました。仮放免中の人たち、またすでに再収容された人たちが外と内とで力を合わせ、再収容反対の声を挙げました。そして今年2月から再収容件数は激減しました。完全になくなったわけではありませんが、仮放免者は、いくらかは安心して、長期収容で痛めつけられた心身の回復に臨めるようになりました。
  今回の一斉面会は、これまでの牛久や品川での被収容者の、また外にいる仮放免者の運動を引き継ぎ、帰るに帰られない事情を抱えた難民や移民への人権状況のさらなる改善に向けて取り組むものです。
  また、仮放免者は就労権もなく、健康保険にも加入できず、病気になれば治療費は全額負担しなければなりません。これでどうやって生きてゆくことができるでしょうか。生きていくための基礎的条件を剥奪された仮放免者の増大と仮放免状態の長期化が進行しています。ハンスト以降、関東では10月に、仮放免者自らが立ち上がって再収容阻止、在留資格獲得にむけて「仮放免者の会」を立ち上げました。今回、品川と名古屋では在留資格獲得に向けて再審情願一斉申立も取り組みます。多くの皆さんのご参加・ご支援をお願いいたします。 

仮放免者の会
連絡先:junkie_slip999@yahoo.co.jp




関連リンク