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Thursday, September 1, 2011

「外国人をイジメるのが楽しい」(入管職員CH115の発言)

  東日本入管センターに収容されている趙星晨(チョウ シンチェン)さんから、意見書をあずかりました。インターネットで公開してほしいとのご依頼でしたので、ここにその全文を公開します。職員の収容者にたいする差別的・侮蔑的な言動を告発する内容で、PRAJ(仮放免者の会)、SYI(収容者友人有志一同)、BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)あてに書かれております。
  趙さんは、以前、わたしたちに入管による人権侵害の実態を報告・告発する文書を寄せてくださった鈴木啓三ロベルトさんの友人でもあります。


  なお、鈴木さんからは、もう1通、入管批判の文書をあずかっております。これも近日中にこのブログで公開する予定です。
  では、まず趙星晨さんの意見書をお読みください。


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意見書

外国人保護団体
PRAJ: 団体長殿
SYI: 団体長殿
BOND: 団体長殿

  私は中国籍の趙星晨(チョウ シンチェン)と申します。私は、鈴木啓三ロベルトさんから、皆様の多大なご活動を聞きました。私も心から賛同致しました。
  何回かに渡って意見書をインターネットに公開をしましたことを存じております。前回、鈴木さんの意見書を読ませていただきました。自分も是非自分の意見書をネットに公開していただきたいと思ってます。
  つきましては、2011年8月4日、午後10時頃、東日本入国管理センターの担当者CH115番は、私に対して、外国人をイジメるのが楽しい、とくにチョウさんをイジメるのが楽しいとはっきり言ったのです。私は中国籍であり収容者でもあります。担当の職員からこの様なことをなぜ言わなければならないのか、すごく怒りを持っています。この担当者(CH115)の発言は、私と同室に居る、ブラジル国籍の鈴木啓三ロベルトさんや、又、ラオス国籍のサイペンシモンコンサオーさんもはっきりと担当者(CH115)が発言した所、彼ら二人は、はっきりと、聞いていたのです。ですから、担当者(CH115)の発言は間違いなくされたものであります。

  私は、外国人として、このような発言をされたことにより、今現在、心がひどく傷付けられています。又、私だけではなく、同室に居る皆も大変な不愉快で、私のブロック全体がそう思ってます。私と同じ気持ちで日々を過ごしています。
  これは、私だけの問題ではありません。この東日本入国管理センターに収容された外国人を差別した行為で、現在に至るまで、何の謝罪もありません。自分としては、誠に許す事が難しいことと存じます。
  この様な行為は法務省の管理下にある東日本入国管理センターで起きた事は、全く信じ難い事実であり、又、人間性が欠落しています。誠に遺憾であり、許し難い行為であると存じます。今なお憤りを感じずには、おられません。私はこのような発言された担当者(CH115)に対し、一生心から許すことが出きないと存じます。
  私といたしましては、すべての外国人に書面にて、謝罪文を提出すべきと存じます。これは、公務員としてではなく、一人の人間として、やらなければならない事であると思います。
  彼(CH115)がやった事は、誰が考えても、人種差別の行為である。これは明らかに大変な問題であります。法務省の管理の下でこの不祥事が黙認されないことを、心から、信じたいと思います。又、このような不祥事を、しかるべきの対応をとっていただきたいと存じます。

  その又、次の当直日、又、CH115が、私の薬の使い方に対しバカと言われました。私といたしましては、この担当者(CH115)の発言は、ぼう言であり、公務員としては、あるまじき発言と存じます。又、2回連続され、本当に心に怒りが溜っております。
 私と致しましては、誠に許し難い発言であり、外国人を差別していると強く感じました。誠に遺憾であり、私としましては、断じて許しません。

  私は、8月9日診察を希望しましたが、その日私は、診察をしっかりと受けました。同室のサイペンシモンコンサオーさんは、診察を受れなく、看護師に呼び出され、サイペンシさんに対し、医師のH先生が休み中と言われまして、断られました。その後、サイペンシさんは、夜寝れず、苦しんでおります。私は、受けたのに、サイペンシさんは受けられないのか、不審です。これは、あきらかに、入管は、私たちにうそをついています。本当に許せることではありませんと思っています。
  私が書いた事は、すべて事実であります。ぜひインターネットに公開をしていただきたいです。全国の外国人に知って欲しいです。




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【補足】

  以下、趙星晨さんの意見書について、いくつか補足説明などをします。

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  まず、「CH115」というのは、問題の担当職員のID番号です。収容者と直接せっする入国警備官は、名札をつけずに、かわりに、こうしたID番号をしるしたプレートを首からさげています。警備官のなかには、この番号のプレートすら、上着やシャツのなかに隠しているひともよくいます。収容者、あるいは面会におとずれるその家族や支援者にID番号を知られるのが、よほど後ろめたいのでしょうか。
  番号すら見えないようにかくすという一部職員の行為の意味を考えると、入管という組織(職員にとっての職場)の荒廃ぶりを想像せずにはいられません。もしかりに、ほかの役所と同様に、入国警備官が名札をつけることを義務づけられており、その名札を収容者や面会者に見られたくないというのであれば、まだ理解はできます。在留資格のない外国人を収容し、国籍国へと送還するという、かれら・かのじょらの仕事は、いわば「うらみを買う」という可能性を排除しきれないものだろうからです。
  ところが、「名前」ではなく、「番号」をかくすということになると、その意味あいはかわってくるようにおもいます。ID番号から職員個人の名前を容易に特定することができるのは、法務省という組織の内部にいる人間だけです。したがって、かれ・かのじょがおそれているのは、「自分の言動について、収容者や面会者から、上司に報告されること」なのだろうと推測できます。
  もちろん、入管収容施設内での人権侵害の責任は、それぞれの収容施設および法務省全体に(もっといえば、現在の日本国の入国管理制度をさまざまなかたちでささえている者たちそれぞれにも)あります。ところが、IDプレートをかくす職員たちは、職務中のじぶんの言動について告発・非難を受けたときに、上司や組織がその負うべき責任を負わずに逃げ出すことを予想しているのではないでしょうか。いわば、自分たちは「現場」のいわば「にくまれ役」を担いながらも、いざというときには上司や組織から「トカゲのしっぽ」のように切り捨てられる存在である、と。
  すくなくとも、現場の警備官の一部がID番号を見られないようにしながら仕事をしていることに、上司や組織を信頼しきれないという心情をよみとることはできるようにおもいます。

◇       ◇       ◇        ◇         ◇        ◇       ◇

  さて、趙さんが報告しているCH115による「外国人をイジメるのが楽しい」という発言ついては、わたしたちも複数の収容者から、たしかな事実であるとの証言をえています。当然ながら、CH115の責任を追及していく必要があります。
  同時に、こうした暴言やおなじCH115による「バカ」という発言、みえすいたウソを言ってはばからない看護師のふるまいには、かれとかのじょ個人の資質や性格には還元できない、東日本入国管理センター全体の体質が背景にあると考えざるをえません。CH115にしても、面会におとずれる日本人支援者などにたいしては、面とむかっての「バカ」などという発言は、さすがにひかえるのではないでしょうか。そうだとすれば、「収容者にたいしては公然と侮辱しても許容される」という差別意識、見くだした意識が、CH115のみならず、かれのまわりの同僚たちにも共有されているということでしょう。
  したがって、東日本入管センターには、CH115はもちろんのこと、所長からも、趙さんに誠意をもって謝罪するよう、わたしたちとしても求めていきます。
  また、意見書で趙さんがおっしゃっているように、CH115の「外国人をイジメるのが楽しい」という暴言は、趙さんのみならず、東日本入国管理センターに収容されているすべての「外国人」、また今後あらたに収容されるすべての「外国人」むけられたものと言えます。しかも、こうした外国人にたいする虐待の意思を公然と表明するような行為が、組織のなかで黙認されつづけるのだとすれば、それはすべての収容者にとっての脅威にほかなりません。
  したがって、東日本入管センターには、つぎの2点ももとめていきます。
  • CH115にたいして厳正な処分をくだすこと
  • CH115にたいする処分内容と処分にいたった経緯(問題の暴言の内容もふくむ)を東日本入管センター内すべてのブロックに掲示し、すべての収容者に告知すること
◇       ◇       ◇        ◇         ◇        ◇       ◇

  ところで、 趙さんの意見書中の「医者のH先生」は、原文では実名が明記されていましたが、公表にあたってイニシャル表記にあらためました。
  この「H先生」についても、わたしたちは非常に問題があると認識しております。東日本入管センターの収容者や収容経験者に「収容中の医療はどうでしたか?」と聞くと、ほとんど例外なく、みなさん「H先生」のさまざまなおどろくべき言動をまっさきにお話ししてくれます。医師としての診療技術のみならず、医療従事者としての倫理をうたがわざるをえないような証言を多数すでにえております。
  今後も改善がみられないようであれば、このブログで「H先生特集」をくむことも検討しているところです。

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