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Tuesday, August 28, 2012

東日本入管センターにおけるハンスト9日目 / センターと法務省入管への申し入れ





  東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の長期収容に抗議する被収容者のハンガーストライキが、8月20日の開始から9日たちました。120人が参加して始まったハンストは、いま現在も70人強がつづけております。

  東日本入管センターの被収容者のほとんどは、日本への在留希望者です。帰国した場合に身の危険が予想される難民申請者、パートナーや子どもなどが日本にいるひと、日本で暮らし働いてきた期間が長期間にわたり国籍国にすでに生活基盤のないひと。入管が在留資格をみとめず、退去強制令書が発布されたものの、こういった、いわば帰るに帰れないひとたちが、半年以上、長いひとになると1年半あるいは2年以上、この牛久市の収容所にとめおかれております。

  体調不良をおぼえて診療をもとめても1ヶ月以上待たされることも珍しくないという、劣悪な医療状況。職員による硬軟とりまぜた帰国強要にはじまり、窓ガラスにフィルムを貼って外の景色を見せない、あるいは仮放免申請をいっさいの理由の説明なしにくりかえし不許可にする、といった周到かつ意図的な精神的圧迫。このような劣悪な収容施設に、いつ外に出られるともわからず、長期間にわたって監禁されれば、だれもが(←まったく誇張ではありません)心身の健康をそこないます。

  東日本入管センターの被収容者は、例外なく、拘禁反応とみられる心身の不調になやまされています。高血圧、不眠、動悸、極度の食欲不振、めまい、生理不順などなど。その他、重病にかかっている被収容者も、じゅうぶんな治療を受けられずに、監禁されています。

  こういったひとたちが70人以上、10日たとうとしている現在も、ハンストを続けているのです。

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  センター側は、こうした被収容者のたたかいに対して、分断と切り崩しをはかる工作をしかけてきています。

  あるブロックでは、ハンスト参加者のまとめ役のひとりに、ハンスト開始数日後に仮放免不許可を通知してきました。私たちが観察している、最近のセンターの運用からみて、ほぼ許可が出ているケースでした。その一方で、他のブロックでは、ハンストに参加してないひと、特にそのなかでも途中からの参加合流を計画していた被収容者に対し、たてつづけに、仮放免許可を出す用意があるということを示唆してきました。

  また、他のブロックのあるハンスト参加者は職員から「このままハンストを続けると、これまでみんなが要求して改善してきたものが、全部ダメになるかもしれない」とのおどしを受けたとのこと。これに対し、この被収容者は「処遇を改善しないと、このハンストのようなみんなの抗議は今後もずっとつづくだろう」と応じたそうです。

  こうしたセンター側の対応の意図が、「ハンスト参加者には入管は不利なとりあつかいをするぞ」というおどしを通じて、被収容者間の団結・連帯を分断することにあるのだろうということは、私たちが面会したハンスト参加者たちも話しておりました。また、ある程度、そうしたセンター側の出方も予想していたようです。

  私たちとしては、東日本入管センターが、ハンスト参加者や入管に強い姿勢で抗議する被収容者に不利なとりあつかいをすることのないよう、監視していく必要があります。それは、収容が長期にわたるひとから差別なく順次、仮放免許可を出していくようセンターに求めていくことであり、つまり、長期収容反対という今回のハンストにおける被収容者たちの要求に合致することです。

  みなさまがたにも、東日本入管センターの長期収容問題と被収容者たちのたたかいに、いっそうの注目と情報拡散をおねがいいたします。

【抗議先】

東日本入国管理センター

  • 電話: 029-875-1291
  • FAX: 029-830-9010

【カンパの送金先】

     ゆうちょ銀行  記号10560  番号  22655891
    口座名  カリホウメンシャノカイ

  郵便局以外から振込する場合は、
    店名  〇八五(読み  ゼロハチゴ)    店番 085
    普通預金  口座番号  2265589


◇        ◇        ◇        ◇        ◇

  以下、本日8月28日づけで提出した「申入書」2通(それぞれ、東日本入管センターにあてたものと、法務省入国管理局にあてたもの)を、転載します。


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申  入  書
2012年8月28日

東日本入国管理センター所長  殿

仮放免者の会(関東)                              
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


  私たちは、本年8月10日の全国統一一斉面会に際しても、貴職に「長期収容者などへの仮放免許可」を申入れました。それは昨年夏季以降、貴センター被収容者数が増大し、それにつれて長期収容者数が増大し、ついには自殺未遂者が相次ぐ状況にまで至っているからです。私たちが面会する被収容者たちからは、何度仮放免申請しても不許可が続き、不許可理由も教えてもらえず、これからどうしたら良いのかわからない、病気で願箋を出しても医者に診察してもらえるまで一ヶ月もかかる、などの深刻な訴えを聞かされます。自殺未遂以外にも、3B・8Aなどでのハンスト、死を覚悟した無期限の拒食、多発するケンカなど、支援者側も心を痛め、対応に追われる事態が相次いでいます。また、納付不可能な保証金額が提示され、結局、仮放免不許可処分となる例もあります。

  そういうなかで、本年8月20日からは大規模なハンストが発生しました。このハンストは、当初約120名で開始され、一週間が過ぎた昨日段階でも70名以上が続行しています。各ブロックのハンスト参加者間では緊密な連携を取りにくいため、面会して聞くと要求項目や要求の仕方などについてそれぞれなりの意見を持っていました。一昨年5月や昨年8月、10月などのハンスト時には見られなかったことですが、ハンスト参加者名が私たちに知られないようにと貴職が妨害されたため、私たちはより多くのハンスト参加者と面会してより多くの者の意見を聞くことができません。しかし、昨日までの面会を通じて、ハンスト参加者たちの要求の最大公約数としては、長期収容反対の一点にまとめることができます。

  私たちとしても、ハンスト参加者たちの要求としてある長期収容反対との見解に全面的に賛同します。私たちは退令収容から6ヶ月を越えたら長期収容であると認識して、これまでも繰り返し、貴職に対して6ヶ月以上の収容を行わない旨を申入れてきました。ところが貴センターには現在、退令収容1年を超える者が増大しています。

  退令収容から6ヶ月のころには誰もが拘禁反応に苦しんでおり、それが1年も続くと、このまま無期限に収容され続けるのかと人生に絶望するようになっています。そうした状態が、ハンスト、自殺未遂、ケンカの多発などを生み出しています。

  すでに一昨年7月30日、法務省入国管理局は「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と報道発表をしているのであり、これを履行し、長期収容を回避していただくことを申入れます。

以  上

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申  入  書
2012年8月28日


法務大臣  殿
法務省入国管理局長  殿


仮放免者の会(関東)                              
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

  今月20日から、東日本入国管理センターにおいて寮・ブロックをまたがっての同時多発的な大規模なハンガーストライキが被収容者によって行われています。本日付の東日本センター所長あての申入書も添付しますのでご参照ください。

  貴職らは、一昨年7月30日に「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について」との報道発表を行い、そのなかで「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」と入管行政における方針を明らかにされました。

  しかるに東日本センターでは、昨年より収容の長期化傾向が見受けられます。私たちは、東日本センターの運用全般への申入れや個別案件での申入れ時にいくども、なぜ本省報道発表と違う事態になっているのかと東日本センターに質問しました。その答えとしては、常に「本省報道発表では長期収容とする期間が具体的に明示されていない」「本省の報道発表も仮放免許否審査において総合的に判断する際の一つ」などと返ってきます。貴職らから入国者収容所各センターには、報道発表と同趣旨の方針が指示されていると認識していましたが、そうではないのでしょうか。また、東日本センターの現在の収容状況を貴職らはどのように認識されているのでしょうか。私たちとしては、東日本センターとのやり取りを通じて入管行政への不信が深まるばかりです。

  東日本センターにおいては現在、ハンスト、自殺未遂、ケンカなどが多発しています。貴職らが東日本センターの収容状況を掌握し、改善させられなければ、被収容者はますます追い詰められていきます。東日本センター被収容者がおかれた深刻な状況に御理解いただき、これ以上の悲劇を招かないよう適切な対処をしていただくよう申入れます。

以  上

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参考資料

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