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Tuesday, June 17, 2025

地獄の幕開けとなる「不法滞在者ゼロプラン」 改悪入管法施行1年に対する反対声明

  6月10日、2023年に国会で可決・成立した改悪入管法が施行されてから1年がたちました。

 これに先立つ5月23日、法務大臣記者会見にて、入管庁の「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」なるものが発表されました。


「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」について | 出入国在留管理庁(2025年5月23日)


 この「ゼロプラン」とは、「退去強制が確定した外国人」について、無理やりの送還の強化などもっぱら国外への排除によって、2030年末までの半減を目指すというものです。

 私たち仮放免者の会は、さまざまな事情で帰国できない仮放免者当事者の組織であり、2010年以来、在留資格の付与を求めて闘ってきました。送還によって仮放免者らを徹底的に排除しようという改悪入管法、またこれにもとづいて策定された「ゼロプラン」には反対していきます。

 私たちも構成団体として参加している入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合として反対声明を出したところです。これを以下に転載します。


◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 


地獄の幕開けとなる「不法滞在者ゼロプラン」
改悪入管法施行1年に対する反対声明

 

2025年6月10日
入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合
代表 指宿 昭一


 これまでになく広範な世論の反対の声を押し切って成立した2024年施行改悪入管法は、1年が経過します。改悪入管法の施行以降、入管収容施設の現場では次々と問題が起こっている中で、出入国在留管理庁(以下、「入管」という。)は、2025年5月23日に、「国民の安心・安全のための不法滞在者ゼロプラン」(以下、「ゼロプラン」という。)を発表しました。これは、「退去強制が確定した外国人数」を2030年末までに半減を目指すことを目標に、「難民認定申請の審査の迅速化」や「護送官付き国費送還の促進」などの方針を打ち出したものです。

 2024年施行改悪入管法は、①自国に送還されれば命の危険がある難民申請者の強制送還を可能にする送還停止効の例外規定、②監理措置制度によって収容を解いた外国人に対する監視と管理の強化、③送還拒否に対する罰則規定などを定め、入管にますます強大な権限と権力を与えました。この「ゼロプラン」こそ、改悪入管法の最大の目的であり、2015年~2018年の法務省省入管内部通達によって起こった各収容所施設での地獄が新たな形で再現されようとしています。


 2024年施行によって運用が開始された監理措置制度は、家族などを監理人にして収容を解かれる人がいる一方で、監理人を見つけられない人々は収容解除の可能性を断たれ、絶望感から次々にハンガーストライキを試みています。監理措置制度が、監理人を見つけられない被収容者をハンガーストライキに追い込んでいるのです。支援者が把握しているだけでもすでに10人以上がハンガーストライキ後に仮放免されています。2018年から2019年にかけて、牛久入管センター、大村入管センターで起こった悲劇的事態が、施行開始からわずか1年で再現しつつあります。

 現在、入管は被収容者から「仮放免」の出口を狭め、長期収容に追い込み、送還のプレッシャーをかける形で監理措置制度を運用しています。入管は、現在のところは、監理人に生活支援状況などの報告を求めていません。この制度が持続可能なものであるかのようにマスコミや国会議員、世論に誤解させるためです。しかし、この制度が収容を解いた人を帰国に追い込むための管理強化を目的にしているという本質を見落とすわけにはいきません。


 上述した「ゼロプラン」の対象となる「退去強制が確定した外国人」や、監理人を見つけられない被収容者とは、大部分が「送還忌避者」と入管の規定する人です。入管は、もっぱら送還の促進によって減らしていこうという方針をとってきました。この「送還一本やり」と呼ぶべき方針の強硬化が、改悪入管法と「ゼロプラン」なのです。

 2023年に改悪入管法案が国会で審議されていた当時、難民審査参与員への事件の振り分けが不適正であることが分かり、「申請者に難民がほとんどいない」という難民審査参与員の発言の信ぴょう性が揺らぎました。さらに、ウィシュマさん事件後に入管の医療体制の改善が進んでいるという報告が大阪入管酩酊医師事件を隠ぺいしていたことが発覚して崩れ、これまで隠匿されていた入管の不都合な真実が暴露され、立法事実が崩壊しました。

 改悪入管法が、隠されてきた情報が次から次へと明らかになりながらも審議が打ち切られ、送還忌避者数の増減や送還ノルマの問題等の重要な立法事実が不明瞭なままに強行採決されたことが、もはや忘れ去られています。


 そもそも「送還忌避者」が、過酷な長期収容を経て、また無権利状態と言える仮放免での生活を強いられてもなお帰国を拒まざるをえないのは、自国に帰れば命の危険がある難民申請者、あるいは家族が引き裂かれる配偶者、生活基盤がもはや出身国にはないなど、それぞれ帰国できない深刻な理由があるからです。そうした人々に対して、入管は自由を奪い精神的肉体的な苦痛を与えることで帰国を強要する目的で、収容を長期化させてきたのです。入管は従来からこうした人権侵害をともなう犯罪的手法によって送還を促進しようとしてきたのであって、それでも帰国しない人を「送還忌避者」と呼んでいるのです。  国際法や国際基準からかけ離れ、極めて狭い範囲でしか日本での在留を認めず、徹底的に送還によって排除しようという入管の方針は、実現不可能であることがすでに明らかです。

 「ゼロプラン」を、過去の惨劇を繰り返す地獄の幕開けにさせないためには、入管を送還一本やりの方針から転換させなければなりません。つまり、入管が「送還忌避者」を、もっぱら送還によって排除しようとしている現在の方針を断念し、より広範にその在留を正規化していくことで問題を解決していこうという方向に転換するよう、私たち市民が連帯して働きかけることです。入管の制度運用を変えさせる、あるいは正常化させる闘いが、改悪入管法下ではいっそう必要になります。


 この「ゼロプラン」について、入管は「昨今、ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の間で不安が高まっている状況を受け、そのような外国人の速やかな送還が強く求められていた」と広報しています。昨今の悪質なヘイト言論・ヘイト報道を根拠に「ルールを守らない外国人に係る報道がなされる」という極めて抽象的な言葉を用いて、「国民の間で不安が高まっている状況」と扇動し、まるでそのような外国人を「駆除」する対象かのように想起させる「ゼロプラン」という名称を掲げて、その正当性を呼びかけています。

 過去の日本は、アジア諸国の人々に対して残虐な植民地侵略と支配を行い、内地においても、植民地の人々を差別し、管理・抑圧してきた歴史があります。1923年関東大震災において、朝鮮人が放火、投毒、暴動、略奪等を行ったという流言(デマ)によって関東一円で朝鮮人が大量虐殺されたという惨劇を起こしましたが、この流言の源流には「不逞鮮人」というヘイト・スピーチがありました。戦後80年経った2025年にあっても、入管はウィシュマさんという痛ましい犠牲を生み出しながら、民族差別、人権の無視、命の尊厳を踏みにじる「ゼロプラン」によって戦後入管体制の本質を露わにして、強化しようとしています。


 入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合は、2024年施行改悪入管法から約一年で「ゼロプラン」という強硬方針を打ち出した入管に対し、強い抗議と危機意識を表明します。地獄の幕開けを食い止め、入管行政が送還一本やり方針から脱却し、在留を認められるべき人たちが在留資格を得て安心して暮らしていけるようになるために、私たちは今まで以上に、難民などの当事者、そして全国各地で展開された入管法改悪反対アクションを共に闘った様々な分野の支援団体、市民、学生、専門家と手を取り合い、入管の人権侵害と闘っていきます。連帯して共に取り組みましょう。


Friday, April 4, 2025

【院内集会のお知らせ】入管難民制度の改善を求めて~国連アジア太平洋経済社会委員会の参加報告~


 【院内集会のお知らせ】
日本から世界に声を!
入管難民制度の改善を求めて
~国連アジア太平洋経済社会委員会(UN・ESCAP)の参加報告~


開催日時:2025年4月10日(木)17:20~19:00

開催場所:参議院議員会館 102会議室(東京都千代田区永田町2丁目1-1)

申  込:Googleフォーム https://forms.gle/uvSutDTNsVSNwZ488


 当会のミャンマーリーダーであるミョーチョーチョーさんが、今年の2月はじめにタイのバンコクで開催された「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクトの実施状況に関する第2回アジア太平洋地域レビュー」に参加しました。そこで日本の難民認定や入管の収容、仮放免の状況にどのような課題があり、どう改善されるべきかを報告しました。今回開催する集会では、ミョーチョーチョーさんの報告をはじめ、エリザベスさん、ミルトンさん、仮放免の子どもたち、今も継続して入管難民法改悪反対アクションを行っている市民の方たちにもスピーチをしてもらう予定です。国会議員の方や、メディアの方に私たちの声を届け、日本の入管難民制度が改善されるよう、一人でも多くの方にご参加いただきたいです。皆様のご参加をお待ちしております。



Notice of In-House Rally
Rise Our Voice to the Global from Japan!
Calling for Improvements to the Migration and Refugees System
-United Nations Ecnomic and Social Commission for Asia and the Pacific-


Date and Time: April 10, 2025 (Thursday) 17:20-19:00

Place: Meeting Room 102, House of Councilors Building (2-1-1 Nagata-cho, Chiyoda-ku, Tokyo)

Application: Google Form https://forms.gle/uvSutDTNsVSNwZ488


 Our Myanmar leader, Mr. Myo Kyaw Kyaw, participated in the “Second Asia-Pacific Regional Review of the Implementation of the Global Compact for Safe, Orderly and Regular Migration” held in Bangkok, Thailand in early February this year. There, he reported on what issues exist in the situation of refugee status, immigration detention, and provisional release in Japan, and how they should be improved. At the meeting to be held this time, in addition to Mr. Myo Kyaw Kyaw's report, we plan to have speeches from Ms. Elizabeth, Mr. Milton, children with provisional release, and citizens who are still continuously taking action against the revision of the Immigration Control and Refugee Recognition Act. We hope that as many people as possible will join us so that our voices can be heard by members of the Diet and the media, and so that the immigration refugee system in Japan can be improved. We look forward to your participation.



Tuesday, May 9, 2023

「5/17(水) 入管法改悪反対 国会前アクション」のお知らせ


 5月17日(水)、国会で審議中の入管法改悪案に反対するアクションをおこない ます。

 政府がいまおこなおうとしている入管法改悪は、難民をみとめないで、ビザをださないで、家族をばらばらにして、もっと仮放免者を強制送還するための ものです。

 この 入管法改悪に反対し、仮放免者に在留資格(ビザ)を だせと もとめるスタンディング・アクションを、国会前でおこないます。


日時:2023年5月17日(水) 14:00~

場所:国会正門前(→Google map)

主催:仮放免者の会(PRAJ)

共催:BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)



入管による人権侵害問題に関心をよせるみなさまへ

 このたびご案内しているスタンディング・アクションは、入管問題の当事者である仮放免者たちが声をあげるためにみずから企画し、実行するものです。入管法改悪によって帰国を強く強いられても、刑罰を科されても、どうしても帰国できない当事者からの切実な、真剣な心からの訴えを聞いてください。可能なかたは、ともに国会前に立って、あるいはすわって、当事者との連帯を表明してください。

 また、このアクションの告知・宣伝にご協力ください。下に載せたチラシの画像は、SNSへの転載などに自由に活用してください。

 

連絡先:

  1. 宮廻(Miyasako) (090-6547-7628 日本語にほんご○)
  2. ミョー(Myo) (080-1620-0594 日本語にほんご○英語えいご○)
  3. BOND (bondnanmin2008@gmail.com)



! WARNING
※取材(しゅざい)する 時間(じかん)と しない 時間(じかん)を わけます。取材(しゅざい)して よい 人(ひと)は カメラの 前(まえ)で 話(はな)してください。
カメラに うつることは できないけど 話(はな)したい人(ひと)、参加(さんか)する だけの 人(ひと)も ぜひ 来(き)てください。
※We will make sure that those who do not show up can also have a safe voice.
We divide the time into time for coverage and time not for coverage


517アクション告知

517アクション参加呼びかけ(漢字かなまじり)

517アクション参加呼びかけ(かな)

517アクション参加呼びかけ(romazi)

517アクション参加呼びかけ(English)

517アクション(アクセス)




Tuesday, December 28, 2021

大阪入管の裁判妨害について抗議・申し入れ

 


 12月27日(月)に大阪入管に申し入れをおこないました。6日に大阪入管が、裁判中の被収容者を遠方の茨城県の東日本入管センターに移収したことに抗議し、申し入れたものです。申入書の全文は、この記事の最後に掲載していますので、ぜひご参照してください。


 デリックさん(タンザニア国籍)が移収された経緯と問題点を、以下に述べます。なお、ご本人からは、お名前・国籍、入管から受けた被害の内容について公表する許諾をいただいています。



裁判妨害の移収

 デリックさんが東日本センターへの移収を大阪入管職員から告げられたのは、2日(木)でした。デリックさんは、難民不認定処分に対する取消しを求める裁判を大阪地方裁判所でしているところです。デリックさんの代理人弁護士は、裁判所にデリックさん本人への証人尋問をおこなうよう求めております。デリックさんが遠方の茨城県にある施設に移収されてしまえば、証人尋問が不可能になります。また、大阪にいる弁護士とのあいだで面会して裁判の打ち合わせをすることも事実上不可能になります。


 したがって、翌3日(金)には、弁護士が大阪入管に対して、デリックさんの移収を取りやめるように申し入れをしています。複数の支援者も、この日に電話やファクシミリ、また大阪入管に直接出向いて、デリックさんを移収することは裁判の妨害であり、これを中止するように抗議・申し入れをおこないました。


 5日(日)には、AWCYouthの主催で移収反対の抗議行動が大阪入管前で40名が参加しておこなわれました。


 ところが、大阪入管は、こうした裁判を受ける権利を侵害するなという声を無視し、6日(月)にデリックさんの移収を強行しました。



視察委員会との面談も妨害

 大阪入管がデリックさんの移収を強行したことには、もう1点みすごせない問題があります。


 入管収容施設の適正な運営に資するため、視察等を行い、意見を述べる第三者機関として「入国者収容所等視察委員会」というものが設置されています。大阪入管がデリックさんを移収した6日は、この視察委員会による視察がおこなわれる日でした。


 この日に視察があることは大阪入管収容場に事前に掲示され、デリックさんは視察委員との面談を申し込んでいました。デリックさんが茨城に向かって大阪入管を出発したのはこの日の22時でした。視察委員との面談は可能でしたし、他の被収容者はこの日に訪問した視察委員と面談しています。デリックさん自身、自分はいつ視察委員と会えるのかと大阪入管の職員に再三たずねています。ところが、大阪入管は、デリックさんを視察委員と面会させることなく、移収してしまいました。


 デリックさんはこの日に先んじて、面会した複数の支援者に対して、自分が看守職員からセクシュアルハラスメントを受けていること、この被害を12月6日に視察委員に訴えるつもりであることを話していました。支援者との面会には、大阪入管は職員を立ち会わせてその会話の内容を記録しています。したがって、大阪入管は、デリックさんがセクハラ被害を訴える意思があることを知ったうえで、視察委員との面談をさせずに移収をおこなったということになります。


 このことは、デリックさんが視察委員と面談して自身の被害を訴える権利をうばったものであり、同時に、視察委員会を愚弄しその存在意義を否定したものであるとも言えます。収容施設を運営する大阪入管側が、視察委員と面談させる被収容者を選び、自分たちにとって都合の悪い被収容者をそこから排除するということが認められるならば、視察委員会による視察は形骸化するほかないでしょう。大阪入管が今回やったのは、まさにそういうことであるわけです。



大阪入管に申し入れた内容

 大阪入管の公権力を恣意的に使っての裁判妨害、また視察委員との面談の妨害はだんじて許すわけにはいきません。そういうわけで、7団体の連名で3点を大阪入管に対して申し入れました。


 第1に、裁判妨害の移収をおこなったことについて局長がデリックさんおよび代理人弁護士に謝罪し、デリックさんを大阪入管に戻すこと。


 第2に、視察委員に面談させなかったことを局長がデリックさんに謝罪すること。


 第3に、第2の点について局長はこれを承知した上でデリックさんの移収を決定したのか、期日まで回答せよということ。この3点目は、以下の申入書には書いていませんが口頭で申し入れました。


 以下に申入書の全文を掲載します。ただし、デリックさんのフルネームが記載されているところは、省略しました。




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抗議・申入書

2021年12月27日

大阪出入国在留管理局

局長  小出 賢三 殿


WITH(西日本入管センターを考える会)

AWC Youth(アジア共同行動関西青年部)

仮放免者の会

Save immigrants Osaka

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

PASTEL-難民支援・研究団体-



 大阪出入国在留管理局は、2021年12月6日(6日の22時に大阪入管を出発、翌7日に移収先に到着。)、大阪地裁に訴訟中のデリック氏(タンザニア国籍)を東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に移収した。デリック氏の裁判は証人尋問も近く、かつ弁護士がデリック氏と面会をして陳述書を作成しようとしていた矢先の移収である。


 貴局は、裁判を公正に受けるために牛久に行きたくないという本人の意思を無視し、また牛久に移収されたなら打合せもできなくなり証人尋問を含めた十分な立証活動が阻害されるとの弁護士の移収反対の強い要請を無視し、さらに支援者の「裁判を起こす権利を侵害するな、訴訟妨害するな」との抗議を無視し、牛久への移収を強行した。今年の10月、貴局ら入管が難民不認定の取り消し訴訟を起こす機会をスリランカ人男性2人から奪い、強制送還したのは違憲とする東京高裁判決が確定した。その違憲判決の確定後の、何の反省もない今回の訴訟妨害、牛久移収強行である。


 加えて、移収した当日は前々から本人の申請に基づく視察委員との面談が予定されており、本人も視察委員との面談を強く希望していた。にもかかわらず、貴局は面談の見通しについて本人の再三の問い合わせに回答することなく移収を強行し、視察委員と面談する被収容者の権利をはく奪した。


 2016年、大阪入管の処遇の企画統括は、被収容者に「要求の権利はない」と口封じしようとした。そして今回の被収容者には裁判を起こす権利がないと言わんとばかりの貴局入管の訴訟妨害は、貴局ら入管は治外法権という特権を有するかのような思い上がりがあるとしか言いようがない。私たちは貴局入管の裁判を起こす権利の侵害、訴訟妨害を断じて許すことはできない。


 私たちは貴局局長に対し、以下要求する。



 大阪入管局長は、訴訟妨害をしたことをデリック氏本人及び同氏の弁護士に謝罪し、直ちにデリック氏を牛久から大阪入管に戻すこと。

 大阪入管局長は、視察委員と面談させなかったことについて、デリック氏本人に対し謝罪すること。

以上


Sunday, September 19, 2021

【日時・集合場所のまとめ】9.25ビデオの全面開示を求める全国一斉行動(名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件について)

 

追記(9月22日19:25) 

札幌でもスタンディングが予定されているとのことで、その日時と場所を以下に追記しました。また、北海道の小樽でも行動の企画があるようです。


 名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件について、ビデオの全面開示を求める一斉行動が呼びかけられています。呼びかけに呼応して、すでに仙台、高崎、東京、名古屋、京都、大阪、高知にて、9月25日にデモやスタンディングなどの行動が予定されています。


 ここでは、「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」による呼びかけ文とともに、各地での行動の予定をまとめます。各地域でのあらたな行動予定がわかりしだい、追記していきます。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


【呼びかけ文】

2021年8月10日、当初の提出期限を大幅に過ぎて、入管庁から「調査報告書(最終報告書)」が提出されました。翌々日には、ウィシュマさんご遺族のみに対して(遺族代理人の同伴は認められず)、二週間分を二時間に加工したビデオも開示されました。入管側に都合の良い部分を切り取ったビデオでさえも最終報告書には書かれていないような職員による虐待行為、非人道的行為の場面がいくつも記録されており、入管庁報告書が真相隠しの報告書であることが明らかになっています。


私たち日本社会の責任を果たしていくために、必ずウィシュマさん事件の真相究明と再発防止を追及していかなければいけません。そのためには、この事件の客観的証拠であるビデオを、ウィシュマさんご遺族・国会議員に対して全面開示することが不可欠です。より強く、広範な世論をもってこの要求を実現化していくために、9月25日に東京、名古屋、大阪、京都でのデモ、スタンディングアクションを計画しています(※詳細が決まり次第告知します!)。9月25日、全国でも一斉行動の取り組みを企画して行なっていきましょう!


全国各地方でも実行委員会などを立ち上げて、上記の趣旨に基づいたデモ、スタンディングアクション等を同日に企画してください。各地でメディアでの宣伝を行って開催してください。


各地で実行委員会ができれば、下記呼びかけ人にご連絡ください。


なお、『主旨に賛同して、一斉行動に企画・参加したいがどうしたらよいだろう?』といったお問い合わせも、ぜひご連絡ください。


呼びかけ人:「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」

連絡先:(担当)BOND~外国人労働者難民と共に歩む会~(bondnanmin2008@gmail.com)


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


【札幌】

スタンディング・デモ

日時:9月25日(土) 14:00から2時間

場所:札幌駅の西側、紀伊國屋前



【仙台】

入管によるスリランカ人女性殺害事件に対する、9.25全国統一アクション

日時:9月25日(土)13:00~14:00

場所:藤崎ファーストタワー館前(〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町3丁目2-17)

主催:仙台弁護士会の弁護士有志およびNPO法人POSSE仙台支部

詳細は、以下のリンク先を参照してください。

入管によるスリランカ人女性殺害事件に対する、9.25全国統一アクションのお知らせ - NPO法人POSSE仙台支部



【群馬(高崎)】

「本当の勝負はこれから。」アピール第2弾

9月25日(土) 11:00~約1時間程度

JR高崎駅西口(ペデストリアンデッキ)


※マスク着用、ディスタンスをとりつつお集りください!


群馬行動呼びかけ人:

みんなの法律事務所(館林市代官町10-34-102)弁護士 船波恵子・高見智恵子

交通ユニオン(高崎市下和田町5-4-3)



【東京】

9・25ビデオの全面開示を求める一斉行動 "東京デモ"

9月25日(土) 14時半集合、15時出発

集合場所:日比谷公園霞門


詳細は、リンク先を参照してください。また、参加される方は、以下に示されたガイドラインに則り、感染防止対策にご協力ください。

9・25ビデオの全面開示を求める一斉行動 "東京デモ" | BOND~外国人労働者・難民とともに歩む会~

ツイッターでの告知(BOND (外国人労働者・難民と共に歩む会))



【名古屋】

9・25「ビデオの全面開示」を求める全国一斉行動@名古屋 名古屋スタンディングデモ

9月25日 11:00~12:00

名古屋駅桜通口 名古屋駅交番付近

内容:

  1. START、ご遺族、弁護士からの報告
  2. ビデオ開示を求める署名の呼びかけ

ツイッターでの告知(START(外国人労働者・難民と共に歩む会))



【京都】

黒塗りはがせ! ビデオみせろ! 名古屋入管死亡事件の真相究明を! 入管の人権侵害を許さない! 全国一斉9.25デモ@京都

集合場所:仏光寺公園(四条木屋町下る)

日時:9月25日(土) 15:30集合 16:00デモ開始(京都市役所前まで)

※マスクの着用などの感染対策、水分補給などの熱中症対策をお願いします

呼びかけ:AWCYouth(アジア共同行動関西青年部)

ツイッターでの告知(AWC Youth)



【大阪】

「ビデオの全面開示」を求める全国一斉行動9.25大阪デモ

2021年9月25日(土)

13:00集合 13:30出発

集合場所:中之島公園女神像前広場

ツイッターでの告知(TRY神戸市外大支部)



【高知】

入管施設での死亡事件「ビデオの全面開示」を求める9.25全国一斉行動 高知スタンディング&署名

日時:2021年9月25日(土) 13時~14時 

行動:街頭でのスタンディング、および署名活動

高知行動主催:橋人(はしんちゅ)

場所:高知中央公園北口(帯屋町商店街)

橋人(はしんちゅ)ホームページでの告知

ツイッターでの告知(橋人(はしんちゅ)@高知)



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



 ウィシュマさん死亡事件の真相究明、再発防止のためのビデオ開示を求めるオンライン署名も取り組んでいます。以下のサイトより、賛同、拡散をお願いします!

#JusticeForWishma 名古屋入管死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めます(change.org)



Monday, September 13, 2021

がん治療の必要なペルー人仮放免者が在留資格を認められました


 すい臓がんにおかされた関西在住の仮放免者ブルゴス・フジイさん(ペルー国籍)が、9月13日に法務大臣より在留特別許可が認められ、在留資格を得ることができました。これで、健康保険に加入して治療を開始することができます。


 多くの方がブルゴスさんのおかれた状況に関心を向け、法務省や大阪入管に対する要請をおこなっていただいたり、SNSなどで話題にしてくださったことが、こうした結果につながったのではないかと思います。ありがとうございます。


 ただ、ブルゴスさんのように日本に家族がいたり、日本での生活が長期にわたるために、国籍国には帰れないという仮放免者はほかに多数います。あるいは、帰国すれば迫害の危険のある難民であるにもかかわらず、在留資格を認められずに仮放免状態にある人もいます。


 入管庁によると2020年末時点で3,061人いるという退令仮放免者は、健康保険に入れず、また就労も禁止された状態におかれています。この3,000人超の仮放免者は、医療へのアクセスが困難なため、病気の発覚が遅れがちですし、高額な治療費を要する病気にかかってしまえばブルゴスさんがそうだったように治療を開始できないという状況におちいってしまいかねません。


 在留特別許可の基準緩和や国際基準での難民認定をおこなうことで、仮放免者の在留を大胆に正規化する方向に政策の舵を切らなければ、ブルゴスさんと同様の問題は今後ともひんぱんに起きてこざるをえません。コロナ禍もあり、ますます仮放免者の困窮は深刻になっており、私たちとしても今後ともこの問題を訴えていかなければならないと考えています。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 さて、ブルゴスさんが在留を許可されたことについて、弁護団声明が出されています。以下、転載させていただきます。


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弁護団声明


 本日、大阪出入国在留管理局長は、ペルー国籍の 日系 3 世の ブルゴス・フジイさん に対して、在留を特別に許可する旨の通知(疾病のための療養活動のための在留許可) を行 いました 。


 ブルゴスさんは、1991年に来日し、日本での居住歴は30年以上です。ブルゴスさんは、2017年に、入管に収容され、2020年5月に仮放免されました。その後、2021年初め頃より体調を崩すことが増えはじめましたが、健康保険に加入できないことから、病院を受診することができませんでした。2021年6月頃より、急激に体調が悪化したため、病院で検査したところ、8月に、画像所見で膵臓がん(ステージ2)と診断され、早急な手術と治療が必要であると告げられていました。


 弁護団は、8月23日に、大阪出入国在留管理局に在留特別許可を出すよう要請を行いました。また、ブルゴスさんの家族らが、記者会見を行い、ブルゴスさんの窮状を訴えました。


 記者会見後には、ブルゴスさんに関する報道がなされ、大勢の市民から励ましの声をいただきました。また、多くの支援者らが、実際に入管に電話をし、足を運んで、ブルゴスさんとその家族らを助けました。このような、大勢の市民の声が力となり、入管を動かしたことは間違いがありません。


 そして、法務省及び大阪出入国在留管理局は、本件が人道上の問題であること、ブルゴスさんの病状が深刻であり、一刻の猶予もないこと、医療スケジュールを把握した上で、本日、在留特別許可を出しました。申請から3週間での在留特別許可は、 異例の早さではないかと思います。弁護団としては、法務省が、一人の外国人の問題に真摯に向き合い、適切な考慮と早さで、在留特別許可を出したことを評価しています。


 ブルゴスさんは、本日、無事に、国民健康保険に加入することができ ました。今月末には、手術を受ける予定であり、当初の予定通りの医療スケジュールで、治療が受けられることに感謝しています。


 また、 ブルゴスさんに関する報道後、全国から(一部は、アメリカからも)ご寄付をいただきました。弁護団一同、心から感謝申し上げますとともに、皆様からいただきましたご寄付は、ご本人の治療費および支援者等の活動等寄付の趣旨に沿って活用する所存です。


 最後に、ブルゴスさんについては、大勢の市民の関心と声により、入管を動かし、解決を図ることができました。しかしながら、本件のような仮放免中の外国人の医療・生活問題は、本来、一個人が個別に勝ち取るべきものではありません。在留資格のない外国人であっても、生きていく上で最低限必要な保障については、それを権利として享受できる枠組みが構築されるべきであると考えています。


 今回、お力添えをいただきました市民の皆様には、改めて感謝申し上げますとともに、ブルゴスさんの闘いは、まだ続きますので、ご支援の継続をお願い致します。


以上


2021年9月13日

代理人弁護士乾彰夫、大森景一、川﨑真陽、高山良子、中井雅人、仲尾育哉、仲晃生、西川満喜


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関連記事



マスコミ報道

Tuesday, August 31, 2021

【緊急】医療費カンパの呼びかけ――ガン治療の必要なペルー人仮放免者について

  関西在住のペルー人仮放免者ブルゴス・フジイさんが、すい臓ガンにおかされ、一刻も早く治療を開始しなければならない状態です。しかし、国民健康保険に加入できない仮放免の状態では、高額な治療費を全額自己負担でまかなわなければならず、このため治療を開始できるめどがたっておりません。


 そこで、以下のように、医療費のカンパが呼びかけられています。賛同いただけるかたは、カンパまたは情報拡散にご協力ください。


 また、ブルゴスさんがガンの治療を受けるためには、健康保険に加入することが必要であり、そのためには在留資格が必須です。ブルゴスさんの健康状態をかんがみると時間的な余裕はありません。早急な在留資格の付与が切実に必要なのです。どうか、ご注目と情報の拡散をよろしくお願いいたします。


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日系ペルー人ブルゴスさんの医療費カンパの呼びかけ


 1991年に来日した日系ペルー人ブルゴスさんが、すい臓がんという極めて進行の早い病魔に冒され、死の淵に立っています。彼には、子ども2人と奥さんがおり、家族が、弁護団、尾辻かな子国会議員とともに、ブルゴスさんが国保加入し手術を受けられる在留資格を求めて8月23日大阪入管に再度申し入れを行いました。


 ウィシュマさんは収容所内で医療を拒まれて亡くなりました。そして今、入管によって就労を禁止され収入を得て医療費を賄う、また健康保険への加入の機会を奪われた仮放免者であるブルゴスさんが、死の淵にたっています。


 ブルゴスさんには、何よりも、国民健康保険に加入できないためにかかる多額の医療費(既発生の医療費も含む)が必要です。在留資格を得て、国民健康保険に加入できたとしても、自己負担の医療費や交通費が必要です。弁護団と支援者の活動のための費用、例えば交通費・通信費・印刷費・通訳費用等の実費も必要です。

 こうした必要費のために、ぜひカンパをお願いいたします。ご賛同頂ける方には、下記までお振込みを頂ければ幸いです。


みずほ銀行 高田馬場支店

店番号 064

口座番号 2978861

弁護士 中井 雅人

ベンゴシ ナカイ マサヒト

※しばらくの間、本件専用口座として運用します。


以上



ツイートデモ

https://twitter.com/TRY_since2007/status/1429638984032940035


報道

「もう時間がない。治療のため在留資格を」日系ペルー人家族の訴え(毎日新聞)

「生き続ける機会を」仮放免のペルー人男性ががん治療受けられず 家族が在留特別許可求める(ABCニュース)

日系ペルー人男性『がん治療のため国保に加入したい』在留特別許可を求め国に申し立て(MBSニュース)

がん発症のペルー人、保険医療求めて在留特別許可を申請(朝日新聞)

がんのペルー人、在留請求 高額治療受けられず(共同通信)



問い合わせ

暁法律事務所(大阪) 電話:06-6948―6105

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会) メール:try@try-together.com


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要請書

2021年8月30日

大阪出入国在留管理局長 殿

WITH(西日本入管センターを考える会)

仮放免者の会

Save immigrants Osaka

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

PASTEL-難民支援・研究団体-

AWCYouth(アジア共同行動関西青年部)

START(外国人労働者・難民と共に歩む会)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


 ブルゴス・フジイ氏に対する在留特別許可付与につき、以下要請します。

 

 ブルゴス・フジイ氏はすい臓がんを罹病し早急に治療をしなければ死に至ること、同氏は国民健康保険への加入資格がない無保険者であること、そのことによって同氏のすい臓がん治療につき受け入れる病院がないこと、これらの理由から同氏に対して在留特別許可の付与が必須であること、等々について、貴局は承知のことだと思います。また、同氏に対する在留特別許可付与の審査は入管庁難民認定室、又は同庁審判課が行うと聞いております。その審査の為に、貴局は審査に必要な資料及び意見書を入管庁に進達する職責を負っていること、これも貴局は承知していると思います。


 ブルゴス氏及び家族、同伴した支援者が在留特別許可付与を書面でもって情願したのは8月16日です。にもかかわらず、貴局から入管庁への進達発送日が8月27日か本日になると聞いています。すい臓がんの進行は早く、在留特別許可付与はブルゴス氏の命がかかった時間との争いとなっています。入管庁へ速やかに進達するための業務遂行が貴局に求められています。これは貴局としての職責であり、その職責を一担当職員に帰させるものではありません。貴局の対応を鑑み、入管庁に対しても進達の遅れを貴局に問い質し、問題があれば直ちに改善するよう指示するなどの職責を果たしているのかという疑念を生じさせます。この間の貴局の対応から、私たちは進達予定日を守れるのか、という不安を持たざるを得ません。


 よって、以下、貴局に要請します。


要請内容

 大阪入管局長は、直ちに、先述した進達のための業務を遂行する数の特別チームを編成し、速やかに入管庁に進達すること。

以 上