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Wednesday, October 2, 2013

これがニッポンの「お・も・て・な・し」? 東京入管被収容者が給食拒否

  10月1日、東京入国管理局(東京都港区)の被収容者たちが、集団で給食拒否のストライキを開始しました。

  入管が出す給食を拒否しているのは、東京入管のIブロックに収容されている30名近くです。Iブロックの被収容者は、2週間ほど前に東京入管局長あてで食事改善の要求書を提出しており、「9月30日までに何の変化も見られなければ10月1日付けに入国管理局から供給される食事を全て拒否致します」と通告していました。この要求書は、Iブロックの被収容者約30人のうち29名の連名で提出されており、そのうちほとんどが今回の給食拒否ストライキに参加しているとのことです。

  要求書(この記事の最後に全文と画像を掲載しています)は、栄養バランス、食事の量、調理のあり方などについて、入管側が被収容者に対する配慮と真剣さを欠いていることを問題にしています。

  なお、今回の要求書では直接言及されていませんが、東京入管では、給食に髪の毛や虫などの異物の混入があいつぎ、これまでも被収容者たち自身が入管への改善要求や保健所への通報をくりかえしてきた経緯があります。異物混入がたびかさなり、いっこうに改善がみられないといったことは、通常であれば業者が致命的な信用をうしなう重大な事態というべきところです。ところが、異物混入はやまず、入管側もこれに十分な対処をしてきませんでした。

  以上のような経緯もあり、被収容者からは「『外』だったら業者がつぶれるようなことが、『ここ』だから通用しているし、入管もちゃんと対処していない」「入管は私たちをバカにしている」といった声があがっております。

  たしかに、虫や髪の毛の入った食事を出し続ける給食業者が営業をつづけられる場所はほかにないでしょう。入管がそのような業者の実態を認識しながら有効な対処をとっていないのは、被収容者に対する根深い差別と蔑視が入管という組織をおおっているからではないのか。被収容者たちがそう受け取るのも、もっともなことです。

  栄養バランスや量、調理といった給食の内容についても、被収容者からの改善の要求や嘆願が出されたのは今回がはじめてではありません。しかし、くり返される要求・嘆願に東京入管側がまともにとりあってこなかったことが、今回の被収容者たちの行動につながっています。入管側は、「我慢の限界に達してい」るという被収容者の言葉の意味するところをよく考えるべきです。被収容者たちは、すでにいままで我慢をしてきたのです。

  Iブロックの抗議に、他の複数のブロックの被収容者たちも呼応し、D、E、J、Kの4つのブロックでもすでに同様の要求書を提出しており、改善がみられなければIブロックにつづき10月7日から給食拒否をおこなうと入管側に通告しています。要求書に署名した被収容者の人数は、Iブロックの29名のほか、Dブロック30名、Eブロック22名、Jブロック31名、Kブロック21名、合計すると133名にのぼります。署名者の国籍も、私たちが確認できているだけで、25国籍におよびます(スリランカ、タイ、ガーナ、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナム、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、グアテマラ、フィリピン、ボリビア、ブラジル、中国、イラン、アメリカ、マリ、インド、韓国、モロッコ、ネパール、フランス、アルジェリア、セネガル、ウガンダ)。

  こうした被収容者たちの動きに対し、東京入管側も9月30日時点で、要求書の提出された各ブロックに今後の給食の改善方針について職員が出向いて説明しているようではあります。また、その改善方針について、全ブロックに文書を掲示しているようです。これに対し、被収容者側は、「食事がどう改善されるのか、実際に見てみてから、対応を考える」として、現在も(10月2日時点)給食拒否をつづけています。

  仮放免者の会としては、以下に掲載する被収容者の要求書の要求内容を全面的に支持します。要求書が述べるとおり、入管側には被収容者の「健康管理や食事の栄養バランスなどに付いての適切な管理をしなければならない」収容責任があります。東京入管が、被収容者たちの今回の要求を真剣に検討し、被収容者が納得するような改善方針を具体的に提示すること、また提示した改善方針を誠実に実行することを求めます。


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入国管理局局長殿

  東京入国管理局に収容されてる方々を代表してこの手紙を差し上げます。

  日々、閉ざされた空間で生活し、多種多様な人が集まって共同生活を送るのが、とても大変で苦に思う事がとても多いのであります。精神的、肉体的な負担は大きく、日々不安な身心状態です。しかし、致し方ない思いから、皆が我慢をし、現状を耐えてきました。

  でも、長期期間に渡り収容されていることで身体の衰えや体力の低下に皆が悩み、苦しみ、出所後の暮らしや生活を考えて健康的な身体は欠けてはならないものであり、日々の食事に現在当局から私達へ供給されている食事は、正直栄養バランスが悪く、揚げ物や脂物に偏っていて多国の方が集まるこの中にはあってない調理法や味付けです。

  酢物や味噌で味付けをしている物、薄味の煮物に副菜食(おかず)は多くの人の口に合わず、食べないで残してしまう人がほとんどです。ただでさえ、栄養の低い食事なのに、出された物を食べれなくて、残してしまえば更に栄養摂取が悪く、健康状態も悪化してしまいます。現状況は悪循環を生み、私達収容を余儀無くされている側として我慢の限界に達しています。もう少し私達の健康状態を真剣に考えて、私達の要望や願いにもっと耳を傾けて欲しいものです。

  まず一つは、食事(昼、夕食)の中身を気にして栄養バランスや、外国の方のことを配慮して、調理をして頂きたいです。冷凍食品だけを弁当箱に詰めたり、いい加減な分配で盛り付けをしたり、如何に適当に行っているかを強く改善を求めます。茨城県の牛久にある入国管理局の施設と比べれば、ここ品川の入国管理局の悪さの差が一目瞭然です。全く、同じようにして欲しいとは言いませんが、せめても味付けや成人男性が必要な栄養に見合った食事を出して頂きたいと思います。

  そして二つ目は、自弁で購入出来る食料品についても品数を増やして、レトルト食品や乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルト)、カップ麺類にパン数も是非とも増やして頂きたいです。調味料品(酢、コショー、ソース、ハチミツ、ラー油等)の増加もお願い致します。参考までに茨城県牛久市にある入国管理局の購入用紙のコピーを同封致しますので、ご参照下さい。

  最後三つ目ですが、代替食(アレルギー、宗教などの豚肉、油抜き等)も現状では代替食として成り立っていなくて、普通の食事がフライ物が出れば、油抜きの代替食は缶詰のフルーツの詰め合わせや茹でた一切れのれんこんやミニトマトサイズのナスが出されています。どう考えても代替食として成り立っていません。また、豚肉が食べれない人が多いことから一切豚肉料理が出ません。宗教に関係ない人をまで一緒にするのがおかしいと多くの人が不満に思っています。

  調理を真面目にせず、適当な献立で皆不満を募らして我慢の限界に達しています。

  以上、これまで書いて来た事を入国管理局の責任者である局長殿がどう思い、受け止め、判断をされるかを注意深く見守っています。法律に照らせても、入国管理局に収容され、余儀無く拘禁生活をされている以上は、私達収容者の健康管理や食事の栄養バランスなどに付いての適切な管理をしなければならない義務が付けられているにも関わらず、現時点ではその責務を果たしていません。その責務をちゃんと果たさなければいけない立場であることを自覚し、全ての要望をすぐには可能に出来なくても、せめても自弁物品(食料品)の改善、増加はすぐに出来ると思います。

  二週間の時間を置いて、9月30日までに何の変化も見られなければ10月1日付けに入国管理局から供給される食事を全て拒否致します。

  どうか私達の悩みや耐えがたい現状に目を向けて、真剣にお考えをして頂きたく、よろしくお願い致します。身体的な事、健康に関することなので、単なる我慢として受け止めないので、正しきご判断をお願い致します。

  以下、収容されている者の署名を記載致します。

[連名での氏名、国籍、生年月日、署名の欄(省略)]









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