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Sunday, October 2, 2016

9.22チャーター機送還への抗議、医療処遇の改善要求(東京入管被収容者より)


  東京入国管理局の被収容者21名が、入管あてに連名で意見書を提出しました。以下に、その全文を掲載します。


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入国管理局の医療等について
まずは九月中旬に八階Cブロックで生活を送って居た○○○さん[原文では実名が記されていますが、ふせます]の事からお伝え致します。彼は元々自病を持って居り、Cブロックに来てから三度発作を起こしましたが現在はGブロックの独居に移されて生活して居ます。この部屋にはカメラが付いて居るのですが24時間管理されているか判らず、Cブロックで生活中も私達が大声で担当を呼ばなければ中々対処もされず現在彼がどの様な生活を送っているのかさえも分からずCブロックの皆は心配して居ります。もし担当不在の時に発作を起こした時の事を考えると今迄通りCブロックで生活を送る事が一番の安全と思います。
又、ここでの医療には時間がかかり申し込んでっから1~2ヶ月はかかります。そして自分の番が廻って来たとしても分野違いの医師と話をするだけで、的はずれな薬を出され、何週間もその薬を飲まされ唯々我慢するしかありません。
腕や足のシビレに痛み止めを出されそれが合わない時には薬を強くするだけです。
外部にある病院に行けるのはごく一部だけの者で殆んどの者は合いもしない薬を飲まされて我慢しなくてはなりません。

TV、新聞等でも御存知とは思いますが、9月23日早朝スリランカに向け各入国管理局から強制退去が始まりました。
そのやり方は非人道的であり「面接がある」と騙し半強制的に退去されました。日本に来て27年以上も暮し日本人の妻や子供がいる者も例外ではありませんでした。
自国での生活では命の保証もなく、やっとの思いで着いた日本でだまされ自国に戻され、戻してしまえば事後確認もなく唯日本から追い出す為だけの理由でオーバーステイ等理由をつけ第3国への送還等と納得させ本国へ退去。
これが文明社会と呼ばれ、国連理事国に入ろうとする国のやることなのか。先々を考えると不安ばかりが残ります。

[以下、被収容者21名の署名――省略]


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  以上のとおり、意見書の要点は2つあります。1つは、9月22日に入管がスリランカ人30名をチャーター機で強制送還したことへの抗議です(注1)。送還前日に、東京入管は被送還者を居室から無理やり連れ出し、あるいは「インタビューがある」などとだまして連れ出し、そのまま羽田空港まで連行してスリランカへと送還しました。意見書は、同じ東京入管の収容場から仲間たちが送還されたことへの抗議する内容です。

  もう1点の要点は、東京入管の医療処遇の問題です。申請から診療にいたるまで時間がかかりすぎること、また、病状・症状にあった専門医による診療が受けられないことが指摘されています。さらに、意見書は、重病人をひとり部屋から複数人の雑居する居室にもどせと要求しています。入管はこの重病の被収容者の病状を見守るためにカメラ付きのひとり部屋に移したのだと思われます。しかし、被収容者側からすれば、入管がこのひとの病状をきちんと監視して必要に応じて病院に搬送する等の適切な対応をとるかどうか、まったく信用ができないので、この人を自分たち仲間の目の届くところにいさせろと要求しているわけです。

  東京入管が、被収容者の人命・健康を大事にした処遇を日ごろからおこなっていれば、このような要求が被収容者から出てくるわけがないのです。入管にまかせておいたのでは、病状が急変して倒れても、放置されてしまうのではないか。そのような心配を被収容者にいだかせていることを、東京入管は深刻に考えるべきです。

  実際、2014年11月に東京入管は、胸の痛みをうったえるスリランカ人被収容者ニクラスさんをひとり部屋に移したのち、死亡させるという事件を起こしています(注2)。このとき、ニクラスさんがぐったりして動かなくなったのを発見したのは、入管職員ではありませんでした。心配してニクラスさんのひとり部屋をおとずれた被収容者でした。

  事件から2年近くがたちますが、被収容者に「入管職員は被収容者の人命についてまじめに考えてなどいないのだから、自分たちがきちんと監視していなければ自分や仲間の命をまもれない」と思わせるような収容の実態をいまだ改善できていないということです。

  なお、おなじ東京入管Cブロックの被収容者は、7月、8月にもあいついで連名での要求書を提出しており、このブログでも紹介させてもらいました。こちらもあわせてお読みください。






《注》

注1
  スリランカ人30名の送還については、以下記事参照。




注2
  東京入管でのニクラスさん死亡事件については、以下記事を参照。



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