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Tuesday, December 27, 2011

仮放免者に在留資格を!12・7デモ 報告

  私たちは、12月7日(水)、法務省に対して仮放免者への在留資格を求めるデモンストレーションを行いました。
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  12時に東京都千代田区にある日比谷公園に集まりました。しかし、電車の乗り換えに失敗したり駅からの道に迷ったりして、12時半のデモ出発時までに間に合ったのは70名ほど。支援者は仕事を休んで30人くらい参加してきてくれていましたが、肝心の仮放免者が40名ほどしか集まらず、リーダー会議のメンバーも何人も来ておらず、ちょっとさびしい出発となりました。12時半に日比谷公園の中幸門を出発し、新橋方向に向かい、東京電力前を左折して外堀通りに出、右折して日比谷公園と官庁街の間の道を通って法務省へと向かいました。その間に次々と仲間たちがデモに合流してきて、デモ隊は100人以上に増えて行きました。

  私たちは、「長期収容をやめろ!」「再収容をやめろ!」「仮放免者に在留資格を!」「人権侵害を許さないぞ!」などと日本語と英語でシュプレヒコールをおこないました。そして私たちの闘いへの理解を求めるチラシを道行く人たちに配布しました。官庁街に入ると通行人は少なくなりますが、前半の新橋駅付近や外堀通りは通行人が多く、私たちのデモ隊に注目する人たちに次々とチラシが手渡り、用意したチラシはデモの前半でなくなりました。

  日本弁護士会館前を過ぎ、いよいよ法務省です。私たちの多くは東京入管、東日本センターと収容され、仮放免後も月一度は入管局に出頭しています。しかし、入管局のトップである法務省入国管理局には行ったことがありません。みんな初めての法務省です。これまで私たちは、私たちを長期収容するセンターが全国に三つ、私たちを摘発したり審査したりする地方局が全国に八つあることは知っていました。その全ての入管組織のトップがここだと思うと、これまでの辛かった経験、仮放免状態という日々の苦しみがドッと沸き出してきました。私たちはなおさら力を込めて、私たちに在留資格を与えることを、人権を認めることを訴えました。

  参加した中国人女性はマイクを握り、「私の子を返して!」と訴えました。彼女の夫(パキスタン人)は裁判に負けた後に再収容されました。そのショックから、中国人女性は流産してしまいました。1度目の収容も本人、家族に大きな害を与えますが、仮放免になったのちに再び収容されることはなおさら人生を絶望させるものです。彼女たち夫婦は、夫の再収容によって子どもの命を失ってしまったのです。
  仮放免者は1カ月ずつの仮放免許可を受けています。だから毎月入管に出頭し、仮放免期間延長許可を受けなければなりません。彼女の夫は入管からの退去命令は不当だと訴えて裁判を起こしていましたが、裁判に負けた段階で仮放免期間延長を許可されず再収容されてしまったのです。
  入管は、「法律に基づいて再収容した」と言います。しかしその法律に基づいて仮放免期間延長許可を出すこともできます。再収容するかどうかは法律の問題ではなく、その時々の入管の裁量の問題でしかないのです。再度の夫の収容は、彼女に大きなショックを与えました。彼女は涙ながらに「何で私の子どもを殺したの」「子どもを返して」と訴えました。デモ中なので歩きながらの発言です。
  私たちは歩みをゆっくりにして彼女の訴えを聞きました。警察は「早く歩いて」などと言ってきましたが、そんな場合ではありません。一人の命が奪われたのです。みんなが収容や仮放免状態に苦しめられていますが、彼女や夫が負った苦しみは並はずれたものです。彼女の訴えを聞いた私たちは、怒りを込めて、「入管は人殺しをやめろ」「子どもを返せ」と叫びました。

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  霞門から再び日比谷公園に入り、集約集会をおこないました。まず私たちは、この3日に急逝したスリランカ人・アラハコーン(ALAHAKOON)さんを悼み5分間の黙とうを捧げました。
  彼は昨年秋から冬にかけて品川Jブロック、続いて移収されたFブロックで再収容反対の運動の先頭に立って闘いました。7月8日に仮放免になり、その後もみんなと共に闘ってきました。10月16日の第二回大会にも元気に参加しました。彼はスリランカ人だけではなく、当時一緒に闘ったJブロックやFブロックの仲間たちからも信頼されていました。
  彼の急逝はみんなにとってショックな出来事ですが、彼の無念さ、遺志を引き継いでこれからも団結して闘っていかなければなりません。

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  代表が法務省入管に申入書を渡しに行き、並行して、各国のリーダーや支援者から次々に発言を受けました。いくら入管から帰国しろと言われても、難民であったり、家族が日本にいたり、生活基盤を日本に移した私たち難民・移民は帰国できるわけがありません。国籍も在留理由もさまざまですが、帰国できないという1点において私たちは共通しています。これまで私たちは長期収容や再収容によって人生をめちゃくちゃにされてきました。私たちは自分たちで団結して闘うしかありません。そして私たちが団結することにより、多くの支援者たちが集まってくれます。リーダーたちからは団結して闘う意志が表明され、支援者からは私たちの闘いを支持して協力すると発言がありました。
  最近、牛久から仮放免になり、初めてデモに参加した仲間は、「感動しました。みんなで団結して闘うのは楽しいし重要ですね。支援者の方たちもたくさん来てくれて心強かったです。みんなにビザが出るまで頑張ります」と感想を言っていました。
  昨年9月8日、今年2月25日の東京入管に対する再収容反対デモの時もそうでしたが、私たちがデモに参加するのには勇気が要ります。みんなで団結して闘うことが効果的であることはわかっているし、自分の気持ちとしても晴れ晴れとします。しかし、デモに参加すると入管にわかるし、自分にとって不利になるのではないかと心配する臆病な気持ちもわいてきます。仮放免者のみんなはあっちこっちで、次のデモはどうしようか?と話し合ってきました。自分の人生、家族の将来がかかっているので、みんなが慎重に考えます。
  平日なので仕事も休まなければなりません。やっと見つけた仕事先の社長から「また休むのか」と文句を言われると、休むわけにもいきません。そういう精神的・経済的なさまざまな困難を乗り越えて80名の仲間が参加しました。参加できなかった人たちの苦労もわかります。みんな必死に生きている仲間です。
  しかし、関東には1,000人くらいの仮放免者がいます。次のデモには200人、その次のデモには300人と、困難を乗り越えて参加できる仲間を増やしていきたいと思います。初めてデモに参加した人の感想にもありましたが、支援者の存在は私たちを勇気づけます。日本人の皆さん、正規在留の皆さん、私たちの運動にご協力をお願いします。


以下、法務省入管へ提出した申入書です。

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申 入 書
2011年12月7日
法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
仮放免者に在留資格を!行動参加者一同
(呼びかけ団体 仮放免者の会<関東>)

(1)昨年9月以降、貴職ら、また東京局長、横浜支局長に対して、難民不認定異議申立棄却や行政訴訟での敗訴確定を契機とする退令仮放免者への再収容を行わないよう私たちは申し入れてきました。
  東京局、横浜支局は、再収容について法に基づいて執行していると主張していますが、再収容せず仮放免許可の延長をすることも法に基づいて行われるものです。したがって、私たちは、再収容が違法であるか否かという点で争っているのではなく、入管が持つ裁量権をどのように行使するかを決定付けている入管の方針を問題にしているのです。
  ご承知のように、退令仮放免者には送還に従うことができないそれぞれの深刻な事情があり、それゆえ再収容や収容送還に対して、退令者の激しい抵抗があります。入管の「適正な退去強制手続きの実施」という名のもとでの収容送還方針の結果は、送還中の死亡事件や収容所での自殺事件、東西センターでの大規模ハンストでした。このことは、法を盾にして再収容を乱発するなどの無謀な収容送還の執行によっては退令仮放免者問題を解決することはできないことを明白に示しています。
  以上のことから、以下の2点を申し入れます。
  1. 無謀な収容送還方針に固執し、長期収容、再収容などの暴力的方法で退令仮放免者問題を解決しようとしないこと。
  2. 退令仮放免者が帰国を拒否する事情を考慮し、再審情願を受理・審査すること。難民手続き続きにおいては人道配慮の側面からも審査すること。

(2)退令仮放免者は、就労権もなく、社会保障制度からも排除され、生存権を著しく制限されています。まさに人間として生きていくための基礎的条件を剥奪されたなかで苦闘し、辛酸を嘗め尽くしています。絶望の中で人生の貴重な時間が潰されています。
  私たちは、人道的配慮から、まず以下の緊急性のある者に在留資格を付与することを申し入れます。
  1. 退去強制令書発付処分が下された後の期間が長期に及ぶ者
  2. 日本に家族(配偶者、及び扶養する子ども、及び扶養すべき者)がいる者
  3. 継続的治療を要する疾患を持つ者
以 上

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