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関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

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Monday, September 17, 2012

牛久大規模ハンストへのご支援ありがとうございました


  長期収容に反対して、東日本入国管理センター(以下、牛久)の被収容者がブロックをまたいで大規模なハンストを8月20日から行い、全国の皆様からご支援いただきました。御礼申し上げると共に状況を報告させていただきます。

  ハンストから開始から10日も過ぎると、倒れる者が相次ぎ、あるブロックでは密閉空間での冷房による低湿度も影響してかハンスト参加者に風邪がはやり始めました。そのためハンストを継続するものは70数名に減少していました。ハンスト参加者と支援者で相談し、ハンストは止めて他の方法で引き続き長期収容に反対して行こうとなりました。そのため、8月末には大半の者が摂食を再開し始めました。しかし、入管の態度が変わらない限りはハンストをやめないと覚悟して続ける者もいて、9月11日に最後の一人が摂食を再開しました。

  すでにお知らせしているように、現在の牛久の長期収容問題は、東日本大震災以降の収容人員の半減を取り戻し、400人程度の収容人員を維持させるという狙いから来ているものと考えられます。これは法務省の省益に関することだけに、簡単に解決することとは思えません。牛久被収容者と仮放免者の会(関東)は、これからも粘り強く長期収容反対の運動を進めていきます。

  牛久の状況として、ハンスト開始以降、少し仮放免許可件数が増えました。それは、ハンスト参加者がいるブロックでハンストに参加していない者への仮放免許可を出してハンスト参加者の動揺を誘うためのものです。具体的には8Aブロックでこういう露骨な事例がありましたが、8Aブロックのハンスト参加者たちは、仲間がたくさん出られてよかったと歓迎しています。ハンストに参加したかどうかを問わず、長期収容と医療放置による苦しみはみんな同じだからです。

  逆にハンスト参加者に対しては報復・見せしめ的な仮放免不許可処分が相次いでいます。たまたま3Aブロックのイラン人のAさんは仮放免申請を本人申請していました。各ブロックから、仮放免不許可理由の説明を求めているなか、牛久は、場合によっては仮放免申請者にいくらかの説明をすることがあります。そしてAさんに仮放免審査を行う総務課職員が説明してきた不許可理由は、「『この中でルールを守られない人は外に出ても守られない』と上の人が言っている」というものでした。Aさんは自分が牛久内のルール(被収容者処遇規則・牛久処遇細則)を守らなかったと思い当たる点がないので、「私がルールを守らないというのはどういうことか?」と質問したところ、「自分で考えてください」とのことだったそうです。

  3Aブロックは今回の大規模ハンストに最大の人数が参加していたブロックであり、Aさんも参加していました。「ルール違反が仮放免不許可処分理由だ」と言いながらそのルール違反の具体性について「自分で考えろ」と言うのは、行政処分のあり方としても不当ですし、聞く者からするとハンスト参加を理由にして不許可処分を行ったものかとも思われます。ルール違反とは、明示されたルールがあり、それに対する違反行為があって成り立つものですが、ハンストは処遇規則でも処遇細則でも禁止されておらず、牛久入管としても明確にルール違反とは指摘できないので「自分で考えろ」としか言いようがなかったのでしょう。

  しかしそれでは「俺がルールだ」と言う独裁政治の世界です。「上の人」とは誰なのか、仮放免担当の総務課職員なので、係長‐課長補佐‐課長‐次長‐所長が考えられますが、課長補佐に聞いたところ、「私は『上』ではありません」との事だったので、総務課長、次長、所長の3人に絞られます。その3人の誰かの頭にある「ルール」に違反したことがAさんの仮放免不許可処分の理由だというわけです。

  また、今回のハンスト参加者については、牛久入管の方が実際の参加者数よりも多い数字を公表するという奇妙な現象もありました。それは8月20日のハンスト突入時の参加者数をめぐってです。私たちは、8月20日にできるだけ多くのブロックと面会して参加者数を聞こうとしましたが、約120人というところでした。のちに改めて正確な数を各ブロックから聞いて合算した115名でした。しかし、1Bブロックから報告された16名というのはウソであり、1Bからは誰もハンストには参加していないということがわかってきました。とすると20日段階のハンスト参加者は99名です。ところが、ハンスト開始から10日以上が過ぎた段階で、牛久入管は報道機関に対してハンストは100名以上の参加者で開始されたと伝えたのです。

  1Bブロックは、昨年の被収容者の増大のなかで昨年12月から使用が再開されたブロックで、これまであまり団結していませんでした。8月に入って急にHが目立ち始め、自分が中心になってハンストをやると言いだしました。そして8月20日に支援者がHと面会したところ、1Bでは16人が参加していると報告してきました。面会時には複数の被収容者と面会しますが、リーダー格になっていたHの発言に、他の被収容者は「それはウソだ」とは言えなかったそうです。私たちは、皆さんからカンパを募り、ハンスト参加者には多少の食品を差し入れました。みんなが拘禁反応や持病の悪化に苦しめられているなか、食後服用の薬を飲んでほしいからです。1Bにも16人分のクラッカーなどを差し入れました。すると、1Bの被収容者の何人かから、1Bは誰もハンストは行っていないとの報告が私たちにもたらされました。

  H以外の1Bの被収容者が言うには、8月中旬に確かにHを中心としてハンストの話が持ち上がり、18名が参加の意志を表明していたそうです。しかし直前になってHが「ハンストをすると仮放免が許可されないからやめよう」と言いだしたそうです。中心になって呼び掛けたHがそういうので、みんなハンスト参加はやめたそうです。しかし、ハンストに参加するしないは自分の問題だから良いとして、支援者や仮放免者の会の仲間をだまして差し入れまでしてもらうのは許されないと考えて、事実を私たちに伝えてきてくれました。Hはひきょう者として1Bブロック内で孤立し、9月12日には10万円の保証金で仮放免されて出ていきました。

  私たちは当初、Hからの報告を信じて1Bを16人と認識して全体で約120名と公表していました。皆さんから頂いた貴重なカンパや仮放免者の会(関東)の会費からウソに基づく差し入れをしてしまい申し訳ありません。

  それにしても、Hのウソが発覚し、ハンスト参加者は当初は99名だったとわかった頃に、牛久入管が報道機関に100名以上でハンストが始まったと伝えたのは、Hを守ろうとしての事としか考えられません。通常、私たちがつかんで公表するハンスト参加者数よりも、牛久入管が公表する数は少ないものです。Hが、自分の仮放免のために仲間を翻弄し、入管にあれこれの情報をもたらしたり指示を受けて画策したりして、それで孤立したがために早々と仮放免許可を出して出所させたというのはわかりますが、ハンスト参加者数を実際よりも多く公表するとは、よほど牛久入管はHを大切に考えていたのでしょう。それにしても、Hは去り、1Bには団結が生まれてきています。

  牛久入管による被収容者数の確保、それに伴う収容の長期化、それに伴う病状の悪化と医療放置とはこれからも闘い続けねばなりません。引き続き、ご注目いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。


仮放免者の会(関東)




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支援者の皆様へ

  今回、私達は長期収容に対し BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)の皆様をはじめ全国の支援者やサポートなしでは頑張ることが出来なかったと思っております。

  外部からのサポートがあったからこそ私達も中でひっしで頑張れた事です。あたたかいサポート、心から感謝しております。

  今後とも頑張りますので宜しくお願い申し上げます。


東日本入国管理センター内  全収容者
平成24年8月28日



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