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Tuesday, June 17, 2025

地獄の幕開けとなる「不法滞在者ゼロプラン」 改悪入管法施行1年に対する反対声明

  6月10日、2023年に国会で可決・成立した改悪入管法が施行されてから1年がたちました。

 これに先立つ5月23日、法務大臣記者会見にて、入管庁の「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」なるものが発表されました。


「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」について | 出入国在留管理庁(2025年5月23日)


 この「ゼロプラン」とは、「退去強制が確定した外国人」について、無理やりの送還の強化などもっぱら国外への排除によって、2030年末までの半減を目指すというものです。

 私たち仮放免者の会は、さまざまな事情で帰国できない仮放免者当事者の組織であり、2010年以来、在留資格の付与を求めて闘ってきました。送還によって仮放免者らを徹底的に排除しようという改悪入管法、またこれにもとづいて策定された「ゼロプラン」には反対していきます。

 私たちも構成団体として参加している入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合として反対声明を出したところです。これを以下に転載します。


◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 


地獄の幕開けとなる「不法滞在者ゼロプラン」
改悪入管法施行1年に対する反対声明

 

2025年6月10日
入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合
代表 指宿 昭一


 これまでになく広範な世論の反対の声を押し切って成立した2024年施行改悪入管法は、1年が経過します。改悪入管法の施行以降、入管収容施設の現場では次々と問題が起こっている中で、出入国在留管理庁(以下、「入管」という。)は、2025年5月23日に、「国民の安心・安全のための不法滞在者ゼロプラン」(以下、「ゼロプラン」という。)を発表しました。これは、「退去強制が確定した外国人数」を2030年末までに半減を目指すことを目標に、「難民認定申請の審査の迅速化」や「護送官付き国費送還の促進」などの方針を打ち出したものです。

 2024年施行改悪入管法は、①自国に送還されれば命の危険がある難民申請者の強制送還を可能にする送還停止効の例外規定、②監理措置制度によって収容を解いた外国人に対する監視と管理の強化、③送還拒否に対する罰則規定などを定め、入管にますます強大な権限と権力を与えました。この「ゼロプラン」こそ、改悪入管法の最大の目的であり、2015年~2018年の法務省省入管内部通達によって起こった各収容所施設での地獄が新たな形で再現されようとしています。


 2024年施行によって運用が開始された監理措置制度は、家族などを監理人にして収容を解かれる人がいる一方で、監理人を見つけられない人々は収容解除の可能性を断たれ、絶望感から次々にハンガーストライキを試みています。監理措置制度が、監理人を見つけられない被収容者をハンガーストライキに追い込んでいるのです。支援者が把握しているだけでもすでに10人以上がハンガーストライキ後に仮放免されています。2018年から2019年にかけて、牛久入管センター、大村入管センターで起こった悲劇的事態が、施行開始からわずか1年で再現しつつあります。

 現在、入管は被収容者から「仮放免」の出口を狭め、長期収容に追い込み、送還のプレッシャーをかける形で監理措置制度を運用しています。入管は、現在のところは、監理人に生活支援状況などの報告を求めていません。この制度が持続可能なものであるかのようにマスコミや国会議員、世論に誤解させるためです。しかし、この制度が収容を解いた人を帰国に追い込むための管理強化を目的にしているという本質を見落とすわけにはいきません。


 上述した「ゼロプラン」の対象となる「退去強制が確定した外国人」や、監理人を見つけられない被収容者とは、大部分が「送還忌避者」と入管の規定する人です。入管は、もっぱら送還の促進によって減らしていこうという方針をとってきました。この「送還一本やり」と呼ぶべき方針の強硬化が、改悪入管法と「ゼロプラン」なのです。

 2023年に改悪入管法案が国会で審議されていた当時、難民審査参与員への事件の振り分けが不適正であることが分かり、「申請者に難民がほとんどいない」という難民審査参与員の発言の信ぴょう性が揺らぎました。さらに、ウィシュマさん事件後に入管の医療体制の改善が進んでいるという報告が大阪入管酩酊医師事件を隠ぺいしていたことが発覚して崩れ、これまで隠匿されていた入管の不都合な真実が暴露され、立法事実が崩壊しました。

 改悪入管法が、隠されてきた情報が次から次へと明らかになりながらも審議が打ち切られ、送還忌避者数の増減や送還ノルマの問題等の重要な立法事実が不明瞭なままに強行採決されたことが、もはや忘れ去られています。


 そもそも「送還忌避者」が、過酷な長期収容を経て、また無権利状態と言える仮放免での生活を強いられてもなお帰国を拒まざるをえないのは、自国に帰れば命の危険がある難民申請者、あるいは家族が引き裂かれる配偶者、生活基盤がもはや出身国にはないなど、それぞれ帰国できない深刻な理由があるからです。そうした人々に対して、入管は自由を奪い精神的肉体的な苦痛を与えることで帰国を強要する目的で、収容を長期化させてきたのです。入管は従来からこうした人権侵害をともなう犯罪的手法によって送還を促進しようとしてきたのであって、それでも帰国しない人を「送還忌避者」と呼んでいるのです。  国際法や国際基準からかけ離れ、極めて狭い範囲でしか日本での在留を認めず、徹底的に送還によって排除しようという入管の方針は、実現不可能であることがすでに明らかです。

 「ゼロプラン」を、過去の惨劇を繰り返す地獄の幕開けにさせないためには、入管を送還一本やりの方針から転換させなければなりません。つまり、入管が「送還忌避者」を、もっぱら送還によって排除しようとしている現在の方針を断念し、より広範にその在留を正規化していくことで問題を解決していこうという方向に転換するよう、私たち市民が連帯して働きかけることです。入管の制度運用を変えさせる、あるいは正常化させる闘いが、改悪入管法下ではいっそう必要になります。


 この「ゼロプラン」について、入管は「昨今、ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の間で不安が高まっている状況を受け、そのような外国人の速やかな送還が強く求められていた」と広報しています。昨今の悪質なヘイト言論・ヘイト報道を根拠に「ルールを守らない外国人に係る報道がなされる」という極めて抽象的な言葉を用いて、「国民の間で不安が高まっている状況」と扇動し、まるでそのような外国人を「駆除」する対象かのように想起させる「ゼロプラン」という名称を掲げて、その正当性を呼びかけています。

 過去の日本は、アジア諸国の人々に対して残虐な植民地侵略と支配を行い、内地においても、植民地の人々を差別し、管理・抑圧してきた歴史があります。1923年関東大震災において、朝鮮人が放火、投毒、暴動、略奪等を行ったという流言(デマ)によって関東一円で朝鮮人が大量虐殺されたという惨劇を起こしましたが、この流言の源流には「不逞鮮人」というヘイト・スピーチがありました。戦後80年経った2025年にあっても、入管はウィシュマさんという痛ましい犠牲を生み出しながら、民族差別、人権の無視、命の尊厳を踏みにじる「ゼロプラン」によって戦後入管体制の本質を露わにして、強化しようとしています。


 入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合は、2024年施行改悪入管法から約一年で「ゼロプラン」という強硬方針を打ち出した入管に対し、強い抗議と危機意識を表明します。地獄の幕開けを食い止め、入管行政が送還一本やり方針から脱却し、在留を認められるべき人たちが在留資格を得て安心して暮らしていけるようになるために、私たちは今まで以上に、難民などの当事者、そして全国各地で展開された入管法改悪反対アクションを共に闘った様々な分野の支援団体、市民、学生、専門家と手を取り合い、入管の人権侵害と闘っていきます。連帯して共に取り組みましょう。


Tuesday, May 9, 2023

「5/17(水) 入管法改悪反対 国会前アクション」のお知らせ


 5月17日(水)、国会で審議中の入管法改悪案に反対するアクションをおこない ます。

 政府がいまおこなおうとしている入管法改悪は、難民をみとめないで、ビザをださないで、家族をばらばらにして、もっと仮放免者を強制送還するための ものです。

 この 入管法改悪に反対し、仮放免者に在留資格(ビザ)を だせと もとめるスタンディング・アクションを、国会前でおこないます。


日時:2023年5月17日(水) 14:00~

場所:国会正門前(→Google map)

主催:仮放免者の会(PRAJ)

共催:BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)



入管による人権侵害問題に関心をよせるみなさまへ

 このたびご案内しているスタンディング・アクションは、入管問題の当事者である仮放免者たちが声をあげるためにみずから企画し、実行するものです。入管法改悪によって帰国を強く強いられても、刑罰を科されても、どうしても帰国できない当事者からの切実な、真剣な心からの訴えを聞いてください。可能なかたは、ともに国会前に立って、あるいはすわって、当事者との連帯を表明してください。

 また、このアクションの告知・宣伝にご協力ください。下に載せたチラシの画像は、SNSへの転載などに自由に活用してください。

 

連絡先:

  1. 宮廻(Miyasako) (090-6547-7628 日本語にほんご○)
  2. ミョー(Myo) (080-1620-0594 日本語にほんご○英語えいご○)
  3. BOND (bondnanmin2008@gmail.com)



! WARNING
※取材(しゅざい)する 時間(じかん)と しない 時間(じかん)を わけます。取材(しゅざい)して よい 人(ひと)は カメラの 前(まえ)で 話(はな)してください。
カメラに うつることは できないけど 話(はな)したい人(ひと)、参加(さんか)する だけの 人(ひと)も ぜひ 来(き)てください。
※We will make sure that those who do not show up can also have a safe voice.
We divide the time into time for coverage and time not for coverage


517アクション告知

517アクション参加呼びかけ(漢字かなまじり)

517アクション参加呼びかけ(かな)

517アクション参加呼びかけ(romazi)

517アクション参加呼びかけ(English)

517アクション(アクセス)




Tuesday, December 28, 2021

大阪入管の裁判妨害について抗議・申し入れ

 


 12月27日(月)に大阪入管に申し入れをおこないました。6日に大阪入管が、裁判中の被収容者を遠方の茨城県の東日本入管センターに移収したことに抗議し、申し入れたものです。申入書の全文は、この記事の最後に掲載していますので、ぜひご参照してください。


 デリックさん(タンザニア国籍)が移収された経緯と問題点を、以下に述べます。なお、ご本人からは、お名前・国籍、入管から受けた被害の内容について公表する許諾をいただいています。



裁判妨害の移収

 デリックさんが東日本センターへの移収を大阪入管職員から告げられたのは、2日(木)でした。デリックさんは、難民不認定処分に対する取消しを求める裁判を大阪地方裁判所でしているところです。デリックさんの代理人弁護士は、裁判所にデリックさん本人への証人尋問をおこなうよう求めております。デリックさんが遠方の茨城県にある施設に移収されてしまえば、証人尋問が不可能になります。また、大阪にいる弁護士とのあいだで面会して裁判の打ち合わせをすることも事実上不可能になります。


 したがって、翌3日(金)には、弁護士が大阪入管に対して、デリックさんの移収を取りやめるように申し入れをしています。複数の支援者も、この日に電話やファクシミリ、また大阪入管に直接出向いて、デリックさんを移収することは裁判の妨害であり、これを中止するように抗議・申し入れをおこないました。


 5日(日)には、AWCYouthの主催で移収反対の抗議行動が大阪入管前で40名が参加しておこなわれました。


 ところが、大阪入管は、こうした裁判を受ける権利を侵害するなという声を無視し、6日(月)にデリックさんの移収を強行しました。



視察委員会との面談も妨害

 大阪入管がデリックさんの移収を強行したことには、もう1点みすごせない問題があります。


 入管収容施設の適正な運営に資するため、視察等を行い、意見を述べる第三者機関として「入国者収容所等視察委員会」というものが設置されています。大阪入管がデリックさんを移収した6日は、この視察委員会による視察がおこなわれる日でした。


 この日に視察があることは大阪入管収容場に事前に掲示され、デリックさんは視察委員との面談を申し込んでいました。デリックさんが茨城に向かって大阪入管を出発したのはこの日の22時でした。視察委員との面談は可能でしたし、他の被収容者はこの日に訪問した視察委員と面談しています。デリックさん自身、自分はいつ視察委員と会えるのかと大阪入管の職員に再三たずねています。ところが、大阪入管は、デリックさんを視察委員と面会させることなく、移収してしまいました。


 デリックさんはこの日に先んじて、面会した複数の支援者に対して、自分が看守職員からセクシュアルハラスメントを受けていること、この被害を12月6日に視察委員に訴えるつもりであることを話していました。支援者との面会には、大阪入管は職員を立ち会わせてその会話の内容を記録しています。したがって、大阪入管は、デリックさんがセクハラ被害を訴える意思があることを知ったうえで、視察委員との面談をさせずに移収をおこなったということになります。


 このことは、デリックさんが視察委員と面談して自身の被害を訴える権利をうばったものであり、同時に、視察委員会を愚弄しその存在意義を否定したものであるとも言えます。収容施設を運営する大阪入管側が、視察委員と面談させる被収容者を選び、自分たちにとって都合の悪い被収容者をそこから排除するということが認められるならば、視察委員会による視察は形骸化するほかないでしょう。大阪入管が今回やったのは、まさにそういうことであるわけです。



大阪入管に申し入れた内容

 大阪入管の公権力を恣意的に使っての裁判妨害、また視察委員との面談の妨害はだんじて許すわけにはいきません。そういうわけで、7団体の連名で3点を大阪入管に対して申し入れました。


 第1に、裁判妨害の移収をおこなったことについて局長がデリックさんおよび代理人弁護士に謝罪し、デリックさんを大阪入管に戻すこと。


 第2に、視察委員に面談させなかったことを局長がデリックさんに謝罪すること。


 第3に、第2の点について局長はこれを承知した上でデリックさんの移収を決定したのか、期日まで回答せよということ。この3点目は、以下の申入書には書いていませんが口頭で申し入れました。


 以下に申入書の全文を掲載します。ただし、デリックさんのフルネームが記載されているところは、省略しました。




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抗議・申入書

2021年12月27日

大阪出入国在留管理局

局長  小出 賢三 殿


WITH(西日本入管センターを考える会)

AWC Youth(アジア共同行動関西青年部)

仮放免者の会

Save immigrants Osaka

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

PASTEL-難民支援・研究団体-



 大阪出入国在留管理局は、2021年12月6日(6日の22時に大阪入管を出発、翌7日に移収先に到着。)、大阪地裁に訴訟中のデリック氏(タンザニア国籍)を東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に移収した。デリック氏の裁判は証人尋問も近く、かつ弁護士がデリック氏と面会をして陳述書を作成しようとしていた矢先の移収である。


 貴局は、裁判を公正に受けるために牛久に行きたくないという本人の意思を無視し、また牛久に移収されたなら打合せもできなくなり証人尋問を含めた十分な立証活動が阻害されるとの弁護士の移収反対の強い要請を無視し、さらに支援者の「裁判を起こす権利を侵害するな、訴訟妨害するな」との抗議を無視し、牛久への移収を強行した。今年の10月、貴局ら入管が難民不認定の取り消し訴訟を起こす機会をスリランカ人男性2人から奪い、強制送還したのは違憲とする東京高裁判決が確定した。その違憲判決の確定後の、何の反省もない今回の訴訟妨害、牛久移収強行である。


 加えて、移収した当日は前々から本人の申請に基づく視察委員との面談が予定されており、本人も視察委員との面談を強く希望していた。にもかかわらず、貴局は面談の見通しについて本人の再三の問い合わせに回答することなく移収を強行し、視察委員と面談する被収容者の権利をはく奪した。


 2016年、大阪入管の処遇の企画統括は、被収容者に「要求の権利はない」と口封じしようとした。そして今回の被収容者には裁判を起こす権利がないと言わんとばかりの貴局入管の訴訟妨害は、貴局ら入管は治外法権という特権を有するかのような思い上がりがあるとしか言いようがない。私たちは貴局入管の裁判を起こす権利の侵害、訴訟妨害を断じて許すことはできない。


 私たちは貴局局長に対し、以下要求する。



 大阪入管局長は、訴訟妨害をしたことをデリック氏本人及び同氏の弁護士に謝罪し、直ちにデリック氏を牛久から大阪入管に戻すこと。

 大阪入管局長は、視察委員と面談させなかったことについて、デリック氏本人に対し謝罪すること。

以上


Sunday, September 19, 2021

【日時・集合場所のまとめ】9.25ビデオの全面開示を求める全国一斉行動(名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件について)

 

追記(9月22日19:25) 

札幌でもスタンディングが予定されているとのことで、その日時と場所を以下に追記しました。また、北海道の小樽でも行動の企画があるようです。


 名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件について、ビデオの全面開示を求める一斉行動が呼びかけられています。呼びかけに呼応して、すでに仙台、高崎、東京、名古屋、京都、大阪、高知にて、9月25日にデモやスタンディングなどの行動が予定されています。


 ここでは、「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」による呼びかけ文とともに、各地での行動の予定をまとめます。各地域でのあらたな行動予定がわかりしだい、追記していきます。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


【呼びかけ文】

2021年8月10日、当初の提出期限を大幅に過ぎて、入管庁から「調査報告書(最終報告書)」が提出されました。翌々日には、ウィシュマさんご遺族のみに対して(遺族代理人の同伴は認められず)、二週間分を二時間に加工したビデオも開示されました。入管側に都合の良い部分を切り取ったビデオでさえも最終報告書には書かれていないような職員による虐待行為、非人道的行為の場面がいくつも記録されており、入管庁報告書が真相隠しの報告書であることが明らかになっています。


私たち日本社会の責任を果たしていくために、必ずウィシュマさん事件の真相究明と再発防止を追及していかなければいけません。そのためには、この事件の客観的証拠であるビデオを、ウィシュマさんご遺族・国会議員に対して全面開示することが不可欠です。より強く、広範な世論をもってこの要求を実現化していくために、9月25日に東京、名古屋、大阪、京都でのデモ、スタンディングアクションを計画しています(※詳細が決まり次第告知します!)。9月25日、全国でも一斉行動の取り組みを企画して行なっていきましょう!


全国各地方でも実行委員会などを立ち上げて、上記の趣旨に基づいたデモ、スタンディングアクション等を同日に企画してください。各地でメディアでの宣伝を行って開催してください。


各地で実行委員会ができれば、下記呼びかけ人にご連絡ください。


なお、『主旨に賛同して、一斉行動に企画・参加したいがどうしたらよいだろう?』といったお問い合わせも、ぜひご連絡ください。


呼びかけ人:「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」

連絡先:(担当)BOND~外国人労働者難民と共に歩む会~(bondnanmin2008@gmail.com)


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


【札幌】

スタンディング・デモ

日時:9月25日(土) 14:00から2時間

場所:札幌駅の西側、紀伊國屋前



【仙台】

入管によるスリランカ人女性殺害事件に対する、9.25全国統一アクション

日時:9月25日(土)13:00~14:00

場所:藤崎ファーストタワー館前(〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町3丁目2-17)

主催:仙台弁護士会の弁護士有志およびNPO法人POSSE仙台支部

詳細は、以下のリンク先を参照してください。

入管によるスリランカ人女性殺害事件に対する、9.25全国統一アクションのお知らせ - NPO法人POSSE仙台支部



【群馬(高崎)】

「本当の勝負はこれから。」アピール第2弾

9月25日(土) 11:00~約1時間程度

JR高崎駅西口(ペデストリアンデッキ)


※マスク着用、ディスタンスをとりつつお集りください!


群馬行動呼びかけ人:

みんなの法律事務所(館林市代官町10-34-102)弁護士 船波恵子・高見智恵子

交通ユニオン(高崎市下和田町5-4-3)



【東京】

9・25ビデオの全面開示を求める一斉行動 "東京デモ"

9月25日(土) 14時半集合、15時出発

集合場所:日比谷公園霞門


詳細は、リンク先を参照してください。また、参加される方は、以下に示されたガイドラインに則り、感染防止対策にご協力ください。

9・25ビデオの全面開示を求める一斉行動 "東京デモ" | BOND~外国人労働者・難民とともに歩む会~

ツイッターでの告知(BOND (外国人労働者・難民と共に歩む会))



【名古屋】

9・25「ビデオの全面開示」を求める全国一斉行動@名古屋 名古屋スタンディングデモ

9月25日 11:00~12:00

名古屋駅桜通口 名古屋駅交番付近

内容:

  1. START、ご遺族、弁護士からの報告
  2. ビデオ開示を求める署名の呼びかけ

ツイッターでの告知(START(外国人労働者・難民と共に歩む会))



【京都】

黒塗りはがせ! ビデオみせろ! 名古屋入管死亡事件の真相究明を! 入管の人権侵害を許さない! 全国一斉9.25デモ@京都

集合場所:仏光寺公園(四条木屋町下る)

日時:9月25日(土) 15:30集合 16:00デモ開始(京都市役所前まで)

※マスクの着用などの感染対策、水分補給などの熱中症対策をお願いします

呼びかけ:AWCYouth(アジア共同行動関西青年部)

ツイッターでの告知(AWC Youth)



【大阪】

「ビデオの全面開示」を求める全国一斉行動9.25大阪デモ

2021年9月25日(土)

13:00集合 13:30出発

集合場所:中之島公園女神像前広場

ツイッターでの告知(TRY神戸市外大支部)



【高知】

入管施設での死亡事件「ビデオの全面開示」を求める9.25全国一斉行動 高知スタンディング&署名

日時:2021年9月25日(土) 13時~14時 

行動:街頭でのスタンディング、および署名活動

高知行動主催:橋人(はしんちゅ)

場所:高知中央公園北口(帯屋町商店街)

橋人(はしんちゅ)ホームページでの告知

ツイッターでの告知(橋人(はしんちゅ)@高知)



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



 ウィシュマさん死亡事件の真相究明、再発防止のためのビデオ開示を求めるオンライン署名も取り組んでいます。以下のサイトより、賛同、拡散をお願いします!

#JusticeForWishma 名古屋入管死亡事件の真相究明のためのビデオ開示、再発防止徹底を求めます(change.org)



Monday, September 13, 2021

がん治療の必要なペルー人仮放免者が在留資格を認められました


 すい臓がんにおかされた関西在住の仮放免者ブルゴス・フジイさん(ペルー国籍)が、9月13日に法務大臣より在留特別許可が認められ、在留資格を得ることができました。これで、健康保険に加入して治療を開始することができます。


 多くの方がブルゴスさんのおかれた状況に関心を向け、法務省や大阪入管に対する要請をおこなっていただいたり、SNSなどで話題にしてくださったことが、こうした結果につながったのではないかと思います。ありがとうございます。


 ただ、ブルゴスさんのように日本に家族がいたり、日本での生活が長期にわたるために、国籍国には帰れないという仮放免者はほかに多数います。あるいは、帰国すれば迫害の危険のある難民であるにもかかわらず、在留資格を認められずに仮放免状態にある人もいます。


 入管庁によると2020年末時点で3,061人いるという退令仮放免者は、健康保険に入れず、また就労も禁止された状態におかれています。この3,000人超の仮放免者は、医療へのアクセスが困難なため、病気の発覚が遅れがちですし、高額な治療費を要する病気にかかってしまえばブルゴスさんがそうだったように治療を開始できないという状況におちいってしまいかねません。


 在留特別許可の基準緩和や国際基準での難民認定をおこなうことで、仮放免者の在留を大胆に正規化する方向に政策の舵を切らなければ、ブルゴスさんと同様の問題は今後ともひんぱんに起きてこざるをえません。コロナ禍もあり、ますます仮放免者の困窮は深刻になっており、私たちとしても今後ともこの問題を訴えていかなければならないと考えています。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 さて、ブルゴスさんが在留を許可されたことについて、弁護団声明が出されています。以下、転載させていただきます。


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弁護団声明


 本日、大阪出入国在留管理局長は、ペルー国籍の 日系 3 世の ブルゴス・フジイさん に対して、在留を特別に許可する旨の通知(疾病のための療養活動のための在留許可) を行 いました 。


 ブルゴスさんは、1991年に来日し、日本での居住歴は30年以上です。ブルゴスさんは、2017年に、入管に収容され、2020年5月に仮放免されました。その後、2021年初め頃より体調を崩すことが増えはじめましたが、健康保険に加入できないことから、病院を受診することができませんでした。2021年6月頃より、急激に体調が悪化したため、病院で検査したところ、8月に、画像所見で膵臓がん(ステージ2)と診断され、早急な手術と治療が必要であると告げられていました。


 弁護団は、8月23日に、大阪出入国在留管理局に在留特別許可を出すよう要請を行いました。また、ブルゴスさんの家族らが、記者会見を行い、ブルゴスさんの窮状を訴えました。


 記者会見後には、ブルゴスさんに関する報道がなされ、大勢の市民から励ましの声をいただきました。また、多くの支援者らが、実際に入管に電話をし、足を運んで、ブルゴスさんとその家族らを助けました。このような、大勢の市民の声が力となり、入管を動かしたことは間違いがありません。


 そして、法務省及び大阪出入国在留管理局は、本件が人道上の問題であること、ブルゴスさんの病状が深刻であり、一刻の猶予もないこと、医療スケジュールを把握した上で、本日、在留特別許可を出しました。申請から3週間での在留特別許可は、 異例の早さではないかと思います。弁護団としては、法務省が、一人の外国人の問題に真摯に向き合い、適切な考慮と早さで、在留特別許可を出したことを評価しています。


 ブルゴスさんは、本日、無事に、国民健康保険に加入することができ ました。今月末には、手術を受ける予定であり、当初の予定通りの医療スケジュールで、治療が受けられることに感謝しています。


 また、 ブルゴスさんに関する報道後、全国から(一部は、アメリカからも)ご寄付をいただきました。弁護団一同、心から感謝申し上げますとともに、皆様からいただきましたご寄付は、ご本人の治療費および支援者等の活動等寄付の趣旨に沿って活用する所存です。


 最後に、ブルゴスさんについては、大勢の市民の関心と声により、入管を動かし、解決を図ることができました。しかしながら、本件のような仮放免中の外国人の医療・生活問題は、本来、一個人が個別に勝ち取るべきものではありません。在留資格のない外国人であっても、生きていく上で最低限必要な保障については、それを権利として享受できる枠組みが構築されるべきであると考えています。


 今回、お力添えをいただきました市民の皆様には、改めて感謝申し上げますとともに、ブルゴスさんの闘いは、まだ続きますので、ご支援の継続をお願い致します。


以上


2021年9月13日

代理人弁護士乾彰夫、大森景一、川﨑真陽、高山良子、中井雅人、仲尾育哉、仲晃生、西川満喜


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関連記事



マスコミ報道

Tuesday, August 31, 2021

【緊急】医療費カンパの呼びかけ――ガン治療の必要なペルー人仮放免者について

  関西在住のペルー人仮放免者ブルゴス・フジイさんが、すい臓ガンにおかされ、一刻も早く治療を開始しなければならない状態です。しかし、国民健康保険に加入できない仮放免の状態では、高額な治療費を全額自己負担でまかなわなければならず、このため治療を開始できるめどがたっておりません。


 そこで、以下のように、医療費のカンパが呼びかけられています。賛同いただけるかたは、カンパまたは情報拡散にご協力ください。


 また、ブルゴスさんがガンの治療を受けるためには、健康保険に加入することが必要であり、そのためには在留資格が必須です。ブルゴスさんの健康状態をかんがみると時間的な余裕はありません。早急な在留資格の付与が切実に必要なのです。どうか、ご注目と情報の拡散をよろしくお願いいたします。


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日系ペルー人ブルゴスさんの医療費カンパの呼びかけ


 1991年に来日した日系ペルー人ブルゴスさんが、すい臓がんという極めて進行の早い病魔に冒され、死の淵に立っています。彼には、子ども2人と奥さんがおり、家族が、弁護団、尾辻かな子国会議員とともに、ブルゴスさんが国保加入し手術を受けられる在留資格を求めて8月23日大阪入管に再度申し入れを行いました。


 ウィシュマさんは収容所内で医療を拒まれて亡くなりました。そして今、入管によって就労を禁止され収入を得て医療費を賄う、また健康保険への加入の機会を奪われた仮放免者であるブルゴスさんが、死の淵にたっています。


 ブルゴスさんには、何よりも、国民健康保険に加入できないためにかかる多額の医療費(既発生の医療費も含む)が必要です。在留資格を得て、国民健康保険に加入できたとしても、自己負担の医療費や交通費が必要です。弁護団と支援者の活動のための費用、例えば交通費・通信費・印刷費・通訳費用等の実費も必要です。

 こうした必要費のために、ぜひカンパをお願いいたします。ご賛同頂ける方には、下記までお振込みを頂ければ幸いです。


みずほ銀行 高田馬場支店

店番号 064

口座番号 2978861

弁護士 中井 雅人

ベンゴシ ナカイ マサヒト

※しばらくの間、本件専用口座として運用します。


以上



ツイートデモ

https://twitter.com/TRY_since2007/status/1429638984032940035


報道

「もう時間がない。治療のため在留資格を」日系ペルー人家族の訴え(毎日新聞)

「生き続ける機会を」仮放免のペルー人男性ががん治療受けられず 家族が在留特別許可求める(ABCニュース)

日系ペルー人男性『がん治療のため国保に加入したい』在留特別許可を求め国に申し立て(MBSニュース)

がん発症のペルー人、保険医療求めて在留特別許可を申請(朝日新聞)

がんのペルー人、在留請求 高額治療受けられず(共同通信)



問い合わせ

暁法律事務所(大阪) 電話:06-6948―6105

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会) メール:try@try-together.com


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要請書

2021年8月30日

大阪出入国在留管理局長 殿

WITH(西日本入管センターを考える会)

仮放免者の会

Save immigrants Osaka

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

PASTEL-難民支援・研究団体-

AWCYouth(アジア共同行動関西青年部)

START(外国人労働者・難民と共に歩む会)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


 ブルゴス・フジイ氏に対する在留特別許可付与につき、以下要請します。

 

 ブルゴス・フジイ氏はすい臓がんを罹病し早急に治療をしなければ死に至ること、同氏は国民健康保険への加入資格がない無保険者であること、そのことによって同氏のすい臓がん治療につき受け入れる病院がないこと、これらの理由から同氏に対して在留特別許可の付与が必須であること、等々について、貴局は承知のことだと思います。また、同氏に対する在留特別許可付与の審査は入管庁難民認定室、又は同庁審判課が行うと聞いております。その審査の為に、貴局は審査に必要な資料及び意見書を入管庁に進達する職責を負っていること、これも貴局は承知していると思います。


 ブルゴス氏及び家族、同伴した支援者が在留特別許可付与を書面でもって情願したのは8月16日です。にもかかわらず、貴局から入管庁への進達発送日が8月27日か本日になると聞いています。すい臓がんの進行は早く、在留特別許可付与はブルゴス氏の命がかかった時間との争いとなっています。入管庁へ速やかに進達するための業務遂行が貴局に求められています。これは貴局としての職責であり、その職責を一担当職員に帰させるものではありません。貴局の対応を鑑み、入管庁に対しても進達の遅れを貴局に問い質し、問題があれば直ちに改善するよう指示するなどの職責を果たしているのかという疑念を生じさせます。この間の貴局の対応から、私たちは進達予定日を守れるのか、という不安を持たざるを得ません。


 よって、以下、貴局に要請します。


要請内容

 大阪入管局長は、直ちに、先述した進達のための業務を遂行する数の特別チームを編成し、速やかに入管庁に進達すること。

以 上



Saturday, August 21, 2021

声明文「入管調査報告書に対して」(ウィシュマさんの死亡事件の真相究明を求める学生、市民の会)

 「ウィシュマさんの死亡事件の真相究明を求める学生、市民の会」としての声明文を、以下に掲載します。


 入管庁が8月10日に公開した「令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書」に対する声明です。


 入管庁の「調査報告書」はつぎのリンク先ページからダウンロードして読むことができます。



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声明文

-「入管調査報告書に対して」-


2021年8月13日

ウィシュマさんの死亡事件の真相究明を求める学生、市民の会


 2021年3月6日、 名古屋出入国在留管理局 の収容場においてスリランカ人女性 、ウィシュマさん が 死亡した 。特段の持病もないウィシュマさんが33歳という若さで命を失った。このウィシュマさん死亡事件についての入管「調査報告書」が8月10日 に発表、公開された。


 なんと無責任な、なんと軽々しい調査報告書であることか。 調査報告書は、入管庁が今後も被収容者の人間としての尊厳、生命と健康を軽視し、収容権という入管に付与された権限を行使していくと宣言したに等しいと言わざるを得ない。


 調査報告書 は改善策」の前提として、「収容施設は、被収容者の生命と健康を守る責務を有することを自覚して業務に当たることが基本である。」と述べる。何をいまさら他人事のような戯言をいっているのか。「収容施設は、・・」ではない。収容主体である入管は、被収容者の生命と健康を守る責務を有する。調査報告書全体が、入管庁も名古屋入管局長も被収容者の生命と健康を守る責務を有することを自覚していたが、名古屋入管の処遇部門に問題があったと問題を矮小化したトカゲの尻尾切りである。入管庁は、大村入管でのナイジェリア人餓死事件(餓死見殺し事件)においては、大村入管の対応に問題はなかったと不問にした。その入管庁が「被収容者の生命と健康を守る責務を有することを自覚していた」といえるのか。入管収容施設において繰り返される死亡事件において、入管庁自身の責任を棚にあげての真相究明などあり得ない。


 私たち支援者は、入管の収容権は被収容者の命や健康等を守る収容主体責任義務を果たすことを前提に付与されているものであり、収容主体責務を果たせないならば仮放免するよう何度もことあるごとに入管に申入書として、また口頭で申し入れてきた。3月3日、ウィシュマさんとの面会を終えた支援者は、名古屋入管の処遇及び審判部門に「即刻入院させよ、それが出来ないなら直ぐに仮放免せよ、このままでは死んでしまうではないか」との抗議申し入れもした。


 入管の収容権と収容主体責任義務は表裏一体である。収容主体責任義務を自覚せず、 被収容者の命や健康を守る収容主体責任義務を果たすことを怠り、その上で退去強制の執行として収容し続けウィシュマさんを死亡させたということは、保護責任者遺棄致死罪に該当する刑事犯罪ではないか。調査報告書の3月5日、6日の監視ビデオの音声記録を 起こした部分の記載を見ただけでも命の危険があり直ちに病院に緊急搬送すべき、ということは常識的に分かる。せめて3月5日にせめて翌日の6日の早朝に病院に緊急搬送していたならばウィシュマさんは一命を取り留めた可能性が高い。


 ウィシュマさん死亡事件は、退去強制の執行という送還業務を優先し、被収容者の命と健康を守る収容主体責任義務を果たさなかったことによって起きた重大事件である。自力で排泄もできないほど衰弱したウィシュマさんに対し、「不適切な発言」をした看守職員を調査報告書において弁護する、収容人数の増加に対し、医療体制が対応できない不備があったと言い訳をする、等々、これが「収容施設は、被収容者の生命と健康を守る責務を有することを自覚して業務に当たることが基本である。」という収容主体責任義務を有することを自覚した「調調査報告書査報告書」であるとはであるとはとてもいえない。


 私たちは、以下、法務省入管庁に求める。


(1)法務省入管庁庁と完全に独立した第三者調査委員会を設け、ウィシュマさん死亡事件の真相を究明し、再発防止策を講じることを求める。

(2)監視カメラのビデオをウィシュマさんの遺族に対し、弁護士同席のもと開示すること、及び国会議員に監視カメラのビデオを全面開示すること。


以 上



Thursday, June 10, 2021

【傍聴呼びかけ】6月16日、スリランカ人強制送還国賠(控訴審)


 2014年12月にチャーター機で集団送還されたスリランカ人のうち2名が、国に損害賠償を求めている裁判があります。一審は昨年2月に東京地裁で原告敗訴の判決がありましたが、原告は控訴し、以下の日時で控訴審の1回目の弁論が開かれます。


日時:6月16日(水)、11:00

場所:東京高等裁判所 824号法廷


 ご都合のつくかたは、ぜひ傍聴をお願いします。


 原告の2人は、強制送還される前、難民申請をしており、仮放免されていました。難民申請者を強制送還することは違法です。ところが、入管は、チャーター機での集団送還をおこなう直前にふたりを収容しました。そして、身体を拘束して自由をうばった状態で難民申請の棄却を通知すると、ただちに空港に連行し、力ずくでチャーター機に搭乗させスリランカへと強制送還してしまったのです。


 こうしたかたちで送還されたスリランカ人たちのうち2名が原告となって、裁判を受ける権利を侵害されたとして国を訴えているのが、この裁判です。原告のふたりは、難民申請を棄却されたことについて、この処分を取り消すよう裁判所にうったえることができるはずでしたし、そう希望していました。しかし、入管は棄却を通知してその直後に送還するというやり口でスリランカに送り返したため、ふたりは難民の認定をされなかったことについて裁判で争う機会をうばわれたのです。


 さて、先日、政府が成立をめざしていた入管法改定案は、世論の強い反対のなか、取り下げられ、廃案となりました。政府法案の非常に大きな問題点として指摘されていたのが、それが成立した場合、難民申請者の一部を入管が強制送還できるようになるという点でした。難民申請者を迫害の危険のある場所に送還するなという批判が大きく巻き起こったことが、最終的に政府が法案を取り下げるにいたった主要な要因のひとつであったと言ってもよいでしょう。


 ところが、法改悪を待たずに現行法のもとでも、難民申請者に対する強制送還を、入管は上記のような手法ですでにおこなっているのです。こうした手法での強制送還が違法なのだということを、裁判の場で明確にさせる必要があります。というわけで、傍聴等をつうじて、この裁判に注目していきましょう。


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Tuesday, April 20, 2021

【名古屋入管死亡事件 緊急抗議集会】(4月21日 18:30 ZOOMにて)

 

 3月6日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなりました。


 生前に面会していた支援団体STARTによると、彼女は体重減少と衰弱が顕著で本人および支援者が再三もとめたにもかかわらず、入管は応急的な治療さえおこないませんでした。また、事件後、入管はいまだに死因すら発表せず、遺族にも納得のいく説明をしていません。国会では入管法改定の審議が始まっていますが、人の命がうばわれる事件をうやむやにしたまま法案を成立させることはゆるされません。


 つきまして、東海地方にて入管被収容者や仮放免者の支援をおこなってきたSTARTなどの主催で、以下のとおり抗議集会をおこないます。


 開催直前でのお知らせになってしまいましたが、ご都合のつくかたはぜひご参加ください。




名古屋入管死亡事件 緊急抗議集会

日時 2021年4月21日(水)18:30~ 

@Zoomにて開催

Zoomでの参加を希望される方は、下記主催団体または仮放免者の会にお名前を記してお申し込みください。Zoom参加に必要なURL等を返信にて送ります。


仮放免者の会

 メール: junkie_slip999☆yahoo.co.jp (☆をアットマーク(@)にかえてください)


@名古屋で会場も設けます。

名古屋会場:名古屋西生涯学習センター

住所: 451-0061名古屋市西区浄心一丁目1-45

https://www.suisin.city.nagoya.jp/system/institution/index.cgi?action=inst_view&inst_key=1164770187


内容: 

STARTからの現場報告

ウィシュマさん友人(幼なじみ)の発言

各団体からの発言

 真相究明及び再発防止を徹底せず法案成立は許さない、という支援者の意志を示す。


主催: BOND, START, TRY

協賛: 仮放免者の会 協賛団体募集中



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


関連


Tuesday, March 30, 2021

【解説動画を公開しました】政府の入管法改定案の問題

 





 政府がいまの国会に提出している入管法の改定案。その問題について解説した動画を以下に公開しております。

 この動画では、つぎのような問いについて、私たちの考えを述べています。


  • 政府の法案のどこに問題があるのか?
  • 入管施設ではなぜ外国人への虐待、人権侵害事件があとをたたないのか?
  • なぜ長期収容が起きるのか?
  • 一部の報道では、この法改定によって長期収容が解消されるとか、あるいは難民申請者が今より保護されるようになるとか言われているが、ほんとうか?
  • どうしたら長期収容問題を解決できるのか?


 私たちは、現政権が提案しているかたちで入管法を変えることは、長期収容問題を解決することにまったくつながらないばかりか、よりいっそう深刻な人権侵害をもたらすと考えています。また、そもそも政府のこの入管法改定のくわだてが、長期収容問題の解決を意図したものではないということも、動画で解説しております。30分近いすこし長い動画ですが、ぜひごらんください。




 長期収容問題を解決するために、かならずしも法改正は必要ありません。法律を変えなくても、いますぐできること、いますぐやるべきことがあります。「帰国」できない人に対し、難民認定や在留特別許可によって在留資格を出すことです。これは現行の入管法の枠内でもできることであり、緊急に必要なことでもあります。


 入管法改悪反対、そして仮放免らに在留資格を政府・入管が認めるよう、声をあげていきましょう。以下のサイトで署名も呼びかけられています。


【移民・難民とその家族に在留資格を求める署名】日本で生きる!移民・難民とその家族に日本で暮らすための在留資格を認めてください!

【入管法改悪に反対する署名】入管法を改悪しないでください! “Open the Gate for All” ―移民・難民の排除ではなく共生を

【入管法改悪に反対する署名】難民を「犯罪者」にする「入管法改定案」の廃案を求めます!




主な参考文献・サイト


  • みなみ ななみ(著, イラスト)/「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会 (編集)『まんが クラスメイトは外国人 -多文化共生20の物語』明石書店、2009年
  • 望月優大『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』講談社現代新書、2019年
  • 平野雄吾『ルポ 入管 ――絶望の外国人収容施設』ちくま新書、 2020年
  • 指宿昭一『使い捨て外国人―人権なき移民国家、日本』朝陽会、2020年

Wednesday, February 24, 2021

東京入管収容場でのクラスター発生に関し、申し入れをおこないました



東京入管で新型コロナウイルスの集団感染が起きています。



 こうした事態は、コロナ感染の脅威があきらかになった昨年から、東京入管はじめ入管施設に収容されている当事者たちはもちろん、その支援者らもくりかえし危惧を表明し、被収容者の解放などの対策を徹底するよう求めてきました。私たちも、昨年4月30日に入管庁に対し、以下の申し入れをおこないました。



 にもかかわらず、東京入管が被収容者数130人のうち39人(30%)の感染者を出したことは、入管庁および東京入管の責任がきわめて大きいと言わざるをえません。


 仮放免者の会(関東)およびBOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)は、19日(金)に東京入管に対し、申し入れをおこないました。申し入れは、感染者および感染の疑いのある被収容者について、入院ふくめた治療の措置をおこなうこと、PCR検査にもとづき陰性者を全員収容を解くこと、陽性者についても完治ししだい全員収容を解くことを求めました。


 以下、申入書と資料として添付した昨年4月の申入書を掲載します。



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申入書

2021年2月19日

東京出入国在留管理局

局長  福山 宏 殿

仮放免者の会(関東)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

 

貴局収容場において新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生していることについて、以下の通り申入れます。

 

一、貴職は速やかに感染者及び感染の疑いのある者について、本庁が取りまとめている「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」に基づいて、医師、保健所の判断のもと、適切に入院、治療の措置を責任をもって確実に行うことを求める。

二、PCR検査の結果を踏まえ、陰性者については、貴局収容場での更なる感染拡大を防ぐため容態観察ののち、速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。なお、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを求める。

 

申入れの理由

我々支援者は、昨年4月30日付本庁宛申入書(添付資料)でも強く求めたように、新型コロナウイルス感染症の感染者が拡大する中で、疾患を抱える者も多くいる貴局収容場での感染拡大を大変危惧し、被収容者の生命と健康を守ることを第一優先とし、被収容者全員の仮放免を求めてきた。今回、最悪の形で危惧していた状況が起きたことは、重大な問題である。

更に言えば、昨年、貴局収容場で感染者が出た際、感染経路は不明であった。つまり、貴職には感染経路を解明する能力がないということが明らかとなっている。今回起きた事態に対し、貴職は責任を持って対処に当たらなければならず、何よりも人命を守ることを最優先に考えるべきである。被収容者の生命と健康を軽視し、蔑ろにするようなことは決して許されない。

これ以上の感染拡大を防ぐため、貴局収容場の被収容者全員を、陰性者については容態観察ののち速やかに全員仮放免、あるいは在留資格を与えて放免すること、陽性者についても、完治し次第、速やかに仮放免、あるいは在留資格を与えて放免することを強く求める。

 

以 上



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添付資料

申入書

2020年4月30日

出入国在留管理庁

 佐々木 聖子 長官殿

 

 以下につき申入れます。

一、貴庁の収容場、及び収容所(各センター)の被収容者全員を直ちに仮放免、もしくは在留資格を付与して放免すること。

二、退去強制手続き中につき、在留特別許可を求めるものには全て在留特別許可を付与すること。及び退去強制令書が発付されている全ての仮放免者に1年以上の在留資格を付与すること。

 

 申入れの理由について

(1)貴庁の収容場、及び収容所(東日本入国管理センター、大村入国管理センター)の被収容者は、お互い濃厚接触が避けられない環境で換気の悪い密閉施設に拘禁されている。しかも、被収容者は十分な医療を受けられず、油物を中心とする栄養バランスの悪い支給食等の劣悪な処遇下にある。このような処遇下において、人間の時間的空間的感覚を奪う密閉施設に長期間収容され、心身ともに疲弊し、多くの被収容者はうつ病を患い薬漬け状態にある。さらに、高血圧症、糖尿病、心臓疾患、呼吸器疾患等の基礎疾患を有する被収容者も多数いる。

 このような貴庁の収容施設での被収容者の新型コロナウイルス患者の発生は、集団感染と重症化を引き起こし、多くの犠牲者が出るのは目に見えて明らかである。それゆえ被収容者の中に、新型コロナウイルスの感染者を発生させることは、絶対避けなければならない。

 摘発、再収容を止めている現在において、被収容者への感染源となるのは、主に貴庁職員(主に処遇部門の職員)、ガードマン、支給食業者などとなるが、これら職員等に対し、PCR検査を行っていない。仮にPCR検査をして陰性だったとしても次の日に感染することもあり得る。しかも感染を恐れ職員との社会的距離を求める被収容者の部屋の中に職員が入ってきて毎日点呼をする、大阪入管においては支援者の要請を無視し、大阪入管局長判断として被収容者と職員が三密状態で面会するよう職権を用いて強要する(4月27日からは弁護士・領事以外は面会禁止となる)、さらには制裁目的の隔離処分をした際には、多数の職員が被収容者と濃厚接触して連行するなど、被収容者を感染から防御する措置を行おうという意志も行動も貴庁には感じられない。

 こうした貴庁のずさんな対応に対し、すでに多くの被収容者から不安や貴庁に対する抗議の声が支援者に寄せられている。

 私たちは非常に憂慮している。貴庁収容施設内において新型コロナウイルスの感染が拡大してからでは遅い。被収容者の人命を守るためにも直ちに仮放免、あるいは在留資格を付与して放免する措置を講じることを強く求める。

(2)仮放免者は、働く権利を奪われ、健康保険等の社会保障制度から排除されている。生存権を奪われた仮放免状態で新型コロナウイルスが蔓延する危機が進行する社会に放置しておくことは人道上許されるものではない。緊急避難措置として、全ての仮放免者に対し、1年以上の在留資格を付与することを求める。その中において、帰国希望以外のものには、在留特別許可の基準を大胆に緩和し、永続的に日本在留を認めるよう求める。

 貴庁は、2016年4月ころから退令仮放免者を減らすという方針のもとに、極力仮放免しない方針に転換し、その一方で在留特別許可の基準を厳しくし、帰国忌避者を増大させた。その結果、長期被収容者が激増し、被収容者と貴庁職員との対立を増長させ、収容場、収容所においては数々の職員による暴行事件を多発させた。大村入国管理センターにおいては、仮放免を求めて完全絶食をするナイジェリア人を外部病院に搬送することなく、餓死させる事件も起こした。

 また、この間、日本国籍者や在留資格を有する幼い子どもからも親を奪い再収容した。貴庁がこの間やってきたことは、①仮放免しない、②仮放免者を再収容する、③在留特別許可の基準を厳しくし在留特別許可件数を激減させる、③難民在特を激減させることである。こうして以前なら在留特別許可を得て救済されていた人さえ、新型コロナウイルスが蔓延しつつある日本社会に、在留資格のないまま(働くことも健康保険に加入することもできないまま)放置されている。

 公衆衛生の危機のさなかに、仮放免者を放置すべきではない。日本人配偶者、永住者・定住者の在留資格のある配偶者、日本に子どもや家族がいる仮放免者、難民申請者、日本に生活基盤のある長期滞在の仮放免者などについては在留特別許可を大胆に緩和し、在留資格を付与し救済するよう求める。また帰国希望であっても新型コロナウイルスによって帰国できないものは、帰国できるまでの間、特定活動の在留資格を付与し、救済するよう求める。

以 上

全国仮放免者の会

WITH(西日本入管センターを考える会)

TRY(外国人労働者・難民と共に歩む会)

難民支援コーディネーターズ・関西

START(外国人労働者・難民と共に歩む会)

BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)


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関連ページ

東京出入国在留管理局収容施設における新型コロナウイルス感染の状況 | 出入国在留管理庁

東京出入国在留管理局の収容場における新型コロナウイルスのクラスター発生に対し申入れを行いました | BOND~外国人労働者・難民とともに歩む会~(2021.02.23 17:03)


Sunday, February 14, 2021

東京入管に収容されているミャンマー人の手紙


 東京入管に収容されているミャンマー国籍の方おふたりから、3通の手紙のコピーをあずかりました。インターネットで公開してもよいとの承諾をいただいたので、ここに掲載します(執筆者おふたりの名前や個人を特定できる記述はマスキングしております)。












 3通の手紙は、それぞれ日本の外務省、法務省、駐日ミャンマー大使館におふたりが連名で送ったものです。


 外務省・法務省あての手紙は、クーデターをおこなった軍に対して日本政府と日本の国民が圧力をかけるよう要請しています。また、入管に収容されている人もふくめ、日本にいるミャンマー出身の難民たちを助けてほしいと求めています。


 手紙の送り主の2名は、2月8日から10日までの3日間、収容されている東京入管にてハンガーストライキをおこないました。


 ハンストの目的は、ミャンマーでの軍によるクーデターの動きに抗議し、外で抗議活動しているミャンマー人たちへの連帯の意思表示をおこなうことだとのことです。あわせて、今回のクーデターであきらかになったように、難民申請している自分たちはいよいよ帰国できる状況ではないので、仮放免を許可し、難民として認めるようアピールすることも、ハンストの目的であるとのことでした。


 2名のミャンマー国籍の被収容者は、14日(日曜)20:30からの24時間、おなじ趣旨で2度目のハンストをするとのことです。


 報道等からも、ミャンマーの現状が、難民として保護を求めている人を送還してよい状況ではないことは、火を見るよりもあきらかです。入管が、こうした人たちを退去強制の対象者として収容しつづけることは、とうてい許されないことです。



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【外務省・法務省あての手紙の文面】

日本政府の日本の国民皆様に心から助けを求めるのお手紙です。


1.現在ミャンマー国内に起こした軍のクーデターに関してアウン・サン・スーチ氏と一緒に拘束されたほかの国民の解放のために日本の政府からミャンマーの軍人に強く圧力をするようにお願いをいたします。


2.1962年から今の時代までミャンマー国内、国外から軍人政権に抗議してました。軍人政権を限定されるように頑張りました国民や政治活動家、軍隊に暴力受けた少数民族(Ka chin, Ka yin, Rohingya...)迫害されてることなどに助けをよろしくお願いいたします。


3.2020年11月にミャンマー国内に行った総選挙の結果をミャンマーの軍人は認めるように強く圧力をするようにお願いをいたします。


4.日本の助けを待っていました日本国内に居る苦しんでいるミャンマーの難民たち、ミャンマーの軍人とさまざまなトラブルに巻き込で[巻き込まれて]国に帰れないから入管に収容されていました私難民たちにもお助けを求めます。助けてください。


ほんとにこころからお助けを求めてございます。


よろしくおねがいいたします。

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Thursday, December 17, 2020

長期収容問題と勤務医の不適切な言動について(12月3日、東日本入管センターに申し入れ)

  12月3日(木)、東日本入国管理センターに口頭での申し入れをおこないました。


 前回記事で述べたように、コロナ禍にあっても、長期収容問題は改善されずに残っています。


いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年12月13日)


 あとで述べるように、この長期収容にかかわる2点のほか、センターの勤務医の問題についても申し入れました。被収容者たちから面会などを通じて、勤務医がの不適切な言動が多数報告されています。これらについて、抗議するとともに、入管として勤務医を適切に監督・指導するよう申し入れました。


 申し入れ内容は、以下のとおりです。



(1)11月6日に早期仮放免を申し入れた3名について

 前回11月6日の申し入れでは、拒食状態にある4名の被収容者について、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めていました(→参照)。このうち1名はすでに仮放免されましたが、他の3名は依然として収容が継続しており、心身の状態が悪いことから、前回に引き続き、早期仮放免するよう申し入れました。



(2)自殺未遂をした被収容者について

 11月の下旬に40歳代の被収容者(「Kさん」とします)が自殺をはかりました。Kさん本人に面会して話を聞いたところでは、睡眠薬や痛み止めなどの処方薬が停止されて不眠が続き、イライラもひどく、精神的に限界だと感じて自殺しようとしたとのことです。睡眠薬等が停止されたのは、10月中旬です。このときKさんは極度の食欲不振のため拒食状態にあり、勤務医が食事をとらずに薬を飲むと胃が荒れるからと言って処方をとめたということです。


 Kさんに限らず、入管施設では、近年の収容長期化傾向のなかで、睡眠薬や精神安定剤のかなり強いものが処方されている被収容者が多くなっています。長期間の拘禁のなかで強い精神的なストレスや不安をかかえ、本来は収容に耐えられないような状態の人を、無理に収容しているということ。そうした無理な長期収容を、入管は薬物の力を使っておこなっているということではないのでしょうか。


 すくなくともKさんについては、睡眠薬が服用できないことでイライラが高じて自殺未遂におよんでしまうような精神状態にあったのであり、そもそも収容にたえられる状態ではなかったことはあきらかです。したがって、Kさんの収容をこれ以上継続すべきではなく、早期に仮放免すべきだということを申し入れました。



(3)勤務医の言動について。

 勤務医の言動が医者のものとは思えないという訴えが、複数の被収容者から寄せられています。たとえば、ある人は診察中に「日本人の税金をあなたたちに使うのはムダ」という暴言をあびせられたと言います。


 また、ハンガーストライキをおこなっている、あるいは体調不良で拒食状態にある被収容者に対して、勤務医が懲罰的に処方薬を中止しているとみられる事例を、複数確認しています。たとえば、先述のKさんは、睡眠薬とともに、湿布(運動で負傷した足首に使用していた)や目薬も、医師の指示により止められています。睡眠薬については、Kさんが食事をとっていないという理由で処方中止することがありうるとしても、湿布・目薬を出すのをやめるのは不可解です。懲罰あるいはKさんに対する嫌がらせを目的にしているとしか考えられません。


 同様に、Mさんという別の被収容者は、それまで処方され服用していた19種類の薬が、7月におなじ勤務医の指示ですべて止められました。Mさんの持病である糖尿病や高血圧症、心臓の病気を治療するための薬もふくめてです。


 こうした勤務医の言動は、患者の健康上の利益を尊重するという医療従事者の倫理規範に反しており、こういった行為を改めるよう入管から指導・監督すべきです。なお、Mさんについては、糖尿病等の持病の投薬が4か月以上も停止しているという深刻な状況にあるので、べつの医師が診察するなどして、治療を再開するための措置を早期にとるよう申し入れました。


 東日本入管センターに申し入れた内容としては、以上です。


 再三指摘してきたことですが、問題の核心は、入管が「送還忌避者」と呼ぶところの人びとに対する帰国強要のために、長期の収容という手段をもちいているところにあります。とくに、2015年以降、入管はそれまでは例外的であった2年をこえるような超長期収容を常態化させ、「送還忌避者」に対するきわめて強硬な送還方針をとってきました。人間に対して長期間にわたり自由をうばい監禁しようとすれば、それだけ管理・統制を強めざるをえなくなります。それが、一方では、懲罰的な隔離処分や職員による「制圧」行為の増加となってあらわれ、他方では、睡眠薬や向精神薬を多くの被収容者が服用せざるをえないという状況としてあらわれているのです。医療従事者の倫理的荒廃も、おなじ要因によるものでしょう。


 問題の根幹は、帰るに帰れない事情をかかえる人びとに対して、長期収容で自由をうばい苦痛を与えることで帰国に追い込もうという入管のやり方であり、これをあらためることなしには、収容されている人の人権と生命を守ることはできません。




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Sunday, December 13, 2020

いまも深刻な長期収容問題、被収容者が連名で嘆願書(東日本入管センター)

  全国の各入管収容施設は、3~5月ごろにかけて、仮放免許可を積極的に活用することで、多くの被収容者を出所させました。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、施設内の密集を回避するためです。東日本入管センターでも、昨年12月4日時点で252名だった被収容者数(入管庁発表)は、現在では100名程度まで減っているとみられます。


 しかし、以下の記事でも述べたように、6月以降、仮放免の拒否判断はふたたび厳格化され、超長期の被収容者の仮放免申請が不許可になるケースがあいついでいます。


東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました- 仮放免者の会(PRAJ)(2020年11月14日)


 こうして、被収容者数は全体として大きく減少したものの、収容長期化はますます進行しているというのが現状です。


 こうした状況のなかで、東日本入国管理センターの被収容者たちが連名での「嘆願書」を作成しています。「嘆願書」は、早期の仮放免や帰国できない事情のある者への在留資格の付与などを求めたもので、国会議員などに送付しているとのことです。当会としても、「嘆願書」作成者たちから、収容所内の、あるいは仮放免されている仲間たちのおかれている問題を日本社会の多くの人に知らせてほしいということで、これを公表するよう要請されました。


 以下に「嘆願書」の全文を掲載します。長期収容問題は過去の問題ではなく、いまも進行中の問題であることを多くの人に知ってほしいと思います。


 「嘆願書」の署名欄には、署名者65名の名前のほかに、各人の国籍、収容期間、日本在留期間が記されていました。このうち国籍、収容期間、在留期間を集計したものをこの記事の末尾に資料としてまとめました。約100名の東日本センター被収容者全体のデータではないですが、これらの資料をとおして、常軌を逸して収容が長期化した状況が現在も続いているということ、またそのような状況に置かれても送還を拒否せざるをえないのはどのような人たちなのかということが、ある程度想像できるのではないかと思います。


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嘆願書


 茨城県牛久市の東日本入国管理センターに収容されている者を代表し、この嘆願書を書いています。


 長期の収容は心身にダメージを与え、仮放免後の後遺症が長く尾を引き、その後の人生にも大きく影響を及ぼす事になります。一日も早い仮放免が望まれます。

 また、仮放免後は仕事が禁止されていたり、移動の自由が制限されていたりと、人間として生きる権利が阻害されています。仕事をしなければ生きていく事は困難を極めます。

 我々は以下の事をお願い申し上げます。


  • 収容されている全ての人達の早期の仮放免を求めます。
  • 仮放免後は、自力で生活できる様、就労禁止という規則を撤廃し、仕事に就けるようにしてほしい。また、病気や怪我を負った時の為、医療保険に加入出来る様にしてほしい。
  • 日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人には在留資格を認めて欲しい。
  • 難民を含む、日本に庇護を求めて来た人、長年日本で生活している人や幼少期から日本で生活している人にも在留資格を認めてほしい。


以上です。


 どうか、我々にこの日本にもう一度住むチャンスを与えて下さる様、お願い申し上げます。


東日本入国管理センター収容者一同

令和2年12月1日


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【資料】署名者65名の国籍、収容期間、日本在留期間

1.国籍

国籍

人数

スリランカ

8

ブラジル

7

ペルー

4

ナイジェリア

4

ミャンマー

4

バングラデシュ

3

イラン

3

  そのほかに、ラオス、パキスタン、フィリピン、ベトナム、中国、ギニア、ネパール、カメルーン、コンゴ、インドが各2名、タンザニア、インドネシア、ウガンダ、トルコ、カンボジア、セネガル、米国、台湾、リベリア、ボリビア、ケニア、ジャマイカが各1名です。




2.収容期間

















 収容期間が何か月になると「長期収容」と呼ぶべきなのか、明確な答えがあるわけではありません。しかし、被収容者当事者や支援者の多くは、6か月以上の収容を「長期収容」として問題視することでだいたい見解が一致します。私たちも、会を結成した2010年以来、6か月をこえる「長期収容」をやめるよう、入管にくりかえし申し入れ等をおこなってきました。収容期間が6か月ほどになれば、ほとんどの被収容者は拘禁反応を発症するのであり(もちろん、もっと早く発症する人もいます)、これをこえて収容を継続するのは人権・人道の点から許容できないからです。

 ところが、現状は、1年、2年をこえるような収容が常態化し、4年をこえるようなすさまじい収容期間であっても入管が仮放免を許可しないというケースもめずらしくなくなっています。東日本センターの現状については次回の記事で追って報告しますが、強力な睡眠薬や精神安定剤を処方され、それなしには過ごせないとか、あるいは、拘禁ストレスからくる高血圧症に苦しんでいて、処方された降圧剤を服用しても血圧が下がらないとか、あきらかに心身が収容にたえられない状態にある人が長期間にわたって収容されているのです。



3.日本在留期間

















 過酷な長期収容にあっても送還を拒否せざるをえない人たちのなかには、日本での在留歴の長い人が相当数いるということが、グラフからうかがえるのではないかと思います。国に帰るに帰れない事情は人によってそれぞれですが、長年日本で暮らしてきてこの地にすでに定着しているということも、帰国できない事情として深刻なものなのです。

 先にみた苛烈な長期収容の状況は、それぞれに帰れない事情のある人たちを帰国に追い込むための手段として、入管が戦略的・意図的につくりだしている状況です。嘆願書にあげられている「日本国籍の配偶者や子供、永住権やその他の在留資格の配偶者がいる人」「難民を含む、日本に庇護を求めて来た人」「長年日本で生活している人」「幼少期から日本で生活している人」。こうした人たちを、出国に「同意」させるための手段として、「心身にダメージを与え」る長期収容がもちいられているのです。






Friday, November 20, 2020

【傍聴呼びかけ】11/25 ペルー人Bさんの国賠訴訟 第2回口頭弁論(大阪入管暴行事件)


 2017年におきた大阪入管職員による被収容者に対する2つの暴行事件。このうち、トルコ人Mさんが国に賠償を求めていた裁判は、9月29日に大阪地裁にて和解が成立しました。和解の条件は、大阪入管局長がMさんに謝罪し、同局に収容されている人の人権を尊重した処遇につとめることを確認すること、また国がMさんに和解金を支払うことなどです。


制圧行為による骨折等について入管が謝罪!再発防止も約束! - 暁法律事務所【大阪】(2020年10月2日)


 もうひとつの大阪入管での暴行事件は、Mさんの事件から5ヶ月後の2017年12月におきました。Bさん(ペルー国籍)が、大阪入管の職員たちから14時間以上にわたって後ろ手錠により拘束され、その間、トイレに行くことも食事をとることも許されず、また、後ろ手錠をつけた状態で右腕をねじりあげられ、骨折させられたという事件です。


 事件の詳細については、以下を参照してください。


大阪入管暴行事件で和解成立 / 大阪入管でのもうひとつの暴行事件裁判にも注目を! - 仮放免者の会(PRAJ)(2020年10月3日)


 この2つめの暴行事件は、被害者のBさんが国に賠償金の支払いを求める裁判が現在おこなわれています。提訴は今年の2月でしたが、新型コロナウイルスの影響で弁論が延期されており、先月の7日にようやく第1回の弁論がひらかれたところです。


 前回の弁論は、コロナ対策として14席に減らされた傍聴席が満席となり、法廷に入れないかたが数名いました。原告のBさん本人と、弁護団の大森景一弁護士による意見陳述がおこなわれました(意見陳述の全文は、この記事の末尾に掲載しております)。


 Bさんは、入管の職員たち自分を動物のようにあつかい、「拷問のようだった」としつつ、入管のなかでほかの人も「同じような目にあいました」と指摘しました。Bさんは意見陳述の最後を「入管の担当さんは外国人に暴力をしないでください。虐待をしないでください。外国人に動物みたいなあつかいをしないでください」という言葉で結んでいます。


 大森弁護士も、先日和解の成立した同じ大阪入管でのMさんの事件のほか、東日本入管センターや東京入管でも被収容者が暴力的に制圧されたと訴えている同種の事案があいついでいることを指摘しています。そのうえで、裁判所が「もし仮にB氏に対する行為を適法と判断するようなことがあれば、このような行為は今後も繰り返され、さらにエスカレートしていきかねません」と述べました。この裁判がBさんの損害の回復にとどまらず、入管施設に収容される外国人たちの今後にも影響を与える重要な意義をもつのだということだと思います。


 「制圧」と称しての被収容者への暴行事件のあいついでいる入管の体質がこの裁判で問われるのはもちろんですが、そうした外国人への入管職員の暴力行為をゆるすのかという点で、日本の裁判所、ひいては日本社会のあり方もまた問われているのだと思います。


 Bさんの裁判の第2回の口頭弁論は、以下の日時と場所でひらかれます。ご都合のつくかたは、傍聴をお願いします。


日時:11月25日(水) 10時30分

場所:大阪地方裁判所 1006号法廷(→地図



 以下、原告のBさん、および大森景一弁護士の意見陳述の全文を掲載します(人名をイニシャル表記にするなど、原文を一部加工しております)。



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【Bさんの意見陳述】


意見陳述


わたしは、ペルーこくせきの、


Bです。


このさいばんで、わたしが、のぞんでいることは、


にゅうかんには、ほんとうのことを、いってもらいたいです。


ぜんぶ、びでおかめらに、うつつています。


しょうこが、のこっています。




にゅうかんの、たんとうさんは、わたしに、


げんどをこえて、ばつを、あたえました。


わたしは、くびを、しめられたり、


うしろでに、てじょうを、かけられました。


よなか、ずっと、てじょうをかけられたままでした。


それで、どうやって、トイレにいけるのでしょうか。


ごうもんのようでした。


せいしんてきにも、ごうもんでした。


わたしは、どうぶつみたいでした。




たんとうさんが、わたしを、ゆかに、うつぶせに、おさえつけているとき、


たんとうさんの、じょうしのひとが、


ちがう たんとうさんに、あいずを おくっていました。


そのとき、かめらを、とっているので、


かめらにうつらないように、


しょうこに のこらないように、


じょうしのひとが、あいずをおくって、


ちがう たんとうさんが、わたしを、つよく、おさえつけたり、


しめつけてきました。


わたしは「いたい いたい」といいました。


たんとうさんどうしで、こえをださずに、


あいずを、おくりあっていました。


たんとうさんは、みんなで、がいこくじんに、


うしろでに、てじょうをかけて、


ぎゃくたいをするれんしゅうをしています。




わたしのまえにも、にゅうかんのなかで、ほかのひとが、


おなじような、めに、あいました。


うしろでに、てじょうを、かけられたひとが、いました。


そのひとは、たんとうさんに、ぼうりょくをされて、


けがをさせられました。


にゅうかんのたんとうさんは、がいこくじんに、


ぼうりょくをしないでください。


ぎゃくたいをしないでください。


がいこくじんに、どうぶつみたいな、あっかいを、


しないでください。




2020年10月7日



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【大森弁護士の意見陳述】


令和2年(ワ)第1555号国家賠償請求事件

原告 B

被告 国


原告代理人意見隙述


2020年10月7日

大阪地方裁判所第17民事部 合議2F係 御中

原告訴訟代理人弁護士 大森景一



 1971年、アメリカ、スタンフォード大学の地下室で、心理学者フィリップ・ジンバルドー(Philip Zimbardo) によって、ある実験がおこなわれました。

 ジンバルドー教授は、学生21人を2つのグループに分けました。そして、一方を看守役に、一方を囚人役として、役割を与えて生活させました。すると、看守役は、指示されていなかったにもかかわらず、囚人役に対して徐々に権力的に振る舞うようになり、反抗する囚人役に対してトイレ掃除・独房監禁・断眠などの罰を与えるようになり、さらには禁止されていた暴力を振るうまでに至りました。看守役も、つい数日前までは、囚人役と同じ、普通の学生だったのにです。


 この実験が示唆するように、何も介入しなければ、権力関係はエスカレートしてしまう危険があるのです。入国管理局における収容についても同じような危険があるのではないでしょうか。


 日本の入国管理局においても、収容者に対する人権侵害事件は後を絶ちません。先日、大阪入国管理局rおけるM氏に対する暴行事件について、国が責任を認める和解が成立しました。この事案には、本件と同じ入管職員が関与していました。また、大阪入管以外でも、同種の事案が相次いでいます。現在、東日本入国管理センターに収容されていた、X人男性、東京入国管理局に収容されていたプラジル人男性やコンゴ人女性なども、入管職員に暴力的に制圧されたと訴えています。


 本件でも、ここにいるB氏が入管職員から暴力的な制圧を受けました。そして、B氏は、保護室に収容され、後ろ手に手錠をさせられた状態で放置されました。一晩中、14時間以上にわたってです。しかも、B氏は、その間、手錠を砲認するという名目で、朝まで1時間ごとにたたき起こされ、睡眠を取ることすらままならない状態におかれました。


 制圧行為と傷害結果との因果関係は、主要な争点ではありません。その後におこなわれた行為こそが主要な争点なのです。


 国は、保護室における対応は戒具の使用要領に従ったものであり、問題はない、と主張しています。確かに、戒具の使用要頒においては、「1時間に1回以上、手首、腰部等の緊縛部位について異常の有無を確認する」こととされています。しかし、この裁判で間われているのは、そのような法務省通達への当てはめの問題ではありません。


 日本国憲法においては基本的人権の保障がうたわれています。憲法36条は公務員による拷間を明確に禁止しています。憲法のほか、日本も批準している自由権規約や拷問等禁止条約、そして国連決議である国連被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラ・ルール)などの法規範も存在しています。この裁判では、B氏が受けた扱いが、これらに照らして許される行為なのか、その点こそが問われているのです。


 私が、海外に住んでいる人に日本の末決勾留や入管収容の実情を話すと、皆、驚きます。彼らは言います。「私たちが生きているのは中世じゃない。本当に日本でそんなことがおこなわれているのか。」と。


 好ましくない者、問題のある者に対して、どのような対応をするかという点には、人権感覚が如実に表れます。今回のB氏は、確かに模範的な行動をしていたわけではありません。入管からすれば、反抗的な被収容者であったでしょう。しかし、だからといって、このような状態に被収容者をおくことが、はたして許されてよいのでしょうか。


 この裁判の結果は、日本の裁判所が、どのような人権感覚を有しているかを示すとになります。そして、もし仮にB氏に対する行為を適法と判断するようなことがあれば、このような行為は今後も繰り返され、さらにエスカレートしていきかねません。この国がどのような国であることを望むのか、それを考えていただきたい。


 この裁判では、このようなことを念頭に、審理していただきたいと思います。


以上



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Saturday, November 14, 2020

東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました


 11月6日(金)、東日本入国管理センター総務課に口頭での申入れをおこないました。


 世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になるなか、3月から5月ごろにかけては入管の各収容施設は仮放免許可を積極的に活用し、その結果、どの施設でも被収容者数は大きく減少するにいたりました。入管庁が5月1日に公表したタスクフォースによる「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」においても、密集回避などのために仮放免を積極的に活用することが方針として打ち出されています。


 ところが、6月ごろになると、前月までは仮放免が許可されていたようなケースでも不許可があいつぐようになり、現状、深刻な体調不良のある人の一部しか仮放免されないという、コロナ禍以前の状況に逆戻りしてしまっています。収容期間がもともと長くなっていた人たちも、こうして仮放免が許可されずに依然として施設にとどまることになっています。長期収容問題はコロナ禍の現在にあっても、まったく解決にむかっていないのです。


 東日本入管センターでも、長期間心身の状態の悪化がますます深刻になっている被収容者が多くいます。今回の申し入れでは、第1に、私たちが面会したなかで、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めました。この4名は、いずれも母国での危険や日本にしか生活基盤がないなど帰国できないきわめて深刻な事情のある人たちで、にもかかわらず2年半から4年7か月という常軌を逸した長期間収容が続いている人たちです。とくにこの4名の被収容者について、生命尊重の観点から健康状態も考慮してなるべく早期に仮放免してほしいということを申し入れました。


 第2に、拒食している被収容者について人権を尊重した対応をすることを求めました。私たちはハンストをおこなっている人からの面会での聞き取りで、シャワーを5日間許されなかった、また運動場に出ることを許可されていないということを聞きました。この人は、4日に訪問した新聞記者との面会の直前、突然職員からシャワーをあびるようすすめられたとのことです。したがって、それまでのシャワー禁止の措置は、たとえば転倒の危険があるからといった安全上の理由からのものではなく、懲罰的な目的でおこなわれていたとしか考えられません。


 シャワーが被収容者の衛生上、また健康維持や精神的ストレスの軽減のうえで必要なのはもちろんですし、1日50分の運動時間も、収容生活において日の光をあびることのできる貴重な時間です。ハンストが被収容者の心身に危険なのは確かですが、懲罰的に入浴や運動の機会をうばってこれをやめさせようとするのは問題です。


 また、ハンスト者に対する職員らによる暴言の事実が被収容者から報告されていることを指摘し、ハンスト者および拒食症的な症状で食事のとれなくなっている人たちに対して、人権を尊重した対応をするよう申し入れました。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 早期仮放免を6日に申し入れた4名のうち1名は、その後11日にぶじ仮放免されました。心身の衰弱がいちじるしく、生命の危険すら心配せざるをえないような状態の人だったので、収容を解かれたことにひとまず安堵することができました。


 いっぽうで、東日本入管センターには、いまもおよそ100名の人が長期間収容されたままでいます。


 10日には、牛久警察署が同センターに収容されている人を建造物損壊の容疑で逮捕したという報道もありました。報道によると、この人は、センターの診療待合室で自身の糞尿を天井や壁などにまきちらしたのだといいます。


 逮捕される前に私たちはこのかたと同センターで面会しましたが、4年以上にもわたって入管施設に収容されていた人です。超長期の収容によるストレスにくわえ、このかたは、センターに勤務する医者から暴言を受けたことをきっかけにして、極度の食欲不振におちいっていました。体が食べ物を受けつけない拒食症のような症状がでて、4か月ほど食事をほとんどとれない状態が続いているとのことでした。このような状態になるきっかけとなった医者の暴言とは、「薬も食べ物も日本人の税金だ。あなたたちのために使うのはムダだ。気にくわないなら出て行け」というものだったそうです。患者の利益を第一にするという医療従事者としての責任をなげうった、ゆるしがたい発言です。このような外国人への差別主義と敵意をかくそうともしない人間が、患者の生命にかかわる医療行為に従事しているということは、見過ごせません。そして、この医者の行為は、長期収容によって被収容者を出国に追い込むという、心身を破壊する虐待を手段としている現在の入管の退去強制業務のやり口を忠実に体現するものでもあります。


 逮捕された人に報道されているような行為があったのが事実だとしても、そこまでの状態に被収容者を追い込んでいる入管の長期収容、その虐待・拷問とも言うべき実態こそが問われなければならないはずです。



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Saturday, October 3, 2020

大阪入管暴行事件で和解成立 / 大阪入管でのもうひとつの暴行事件裁判にも注目を!



トルコ人Mさんに対する暴行事件は和解成立

  大阪入管に収容されていたトルコ国籍のMさん(現在は仮放免)が、職員たちの暴行によって右腕を骨折する負傷をおわされた事件。Mさんが損害賠償をもとめて国を訴えていた裁判は、9月29日、Mさんと国のあいだで和解が成立しました。


 和解の内容としては、被告である大阪入管局長が原告のMさんに謝罪するとともに、同局に収容されている人の人権を尊重した処遇につとめることを確認するというものです。また、国がMさんに和解金300万円を支払うということでも双方が合意にいたりました。


 詳細については、以下の弁護団声明をごらんください。

 Mさんは、自分がされたように入管職員が外国人に暴力をふるうことは今後ないようにしてほしいということを、法廷での意見陳述ふくめ、一貫してうったえてきました。その点で、このたびの和解は意義の大きいものと言えます。


 事件のおきた2017年7月から3年超、2018年5月の提訴から2年4か月が経過しました。長期間にわたる困難な裁判をたたかいぬいたMさんの奮闘はもとより、たくさんの人がこの裁判をつうじて入管収容の問題に関心をよせ注視していたことが、この意義の大きい和解につながったものと思われます。しかし、大阪入管が約束したとおりに被収容者の人権を重視した処遇につとめるのかどうか、今後とも注視していくことが必要です。



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



もうひとつの暴行事件

 さて、大阪入管については、上記のMさんの事件のほかに、職員によるもうひとつの暴行事件があります。こちらも、被害者のペルー人男性(「Bさん」とします)が国に賠償をもとめる訴えを大阪地裁にしております。Bさんが提訴したのは2月でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になったために弁論が延期となっていましたが、第1回口頭弁論期日が以下の日時と場所でひらかれます。都合のつくかたは、傍聴をお願いします。


日時:10月7日(水) 13時30分

場所:大阪地方裁判所 1006号法廷(→地図



Bさん事件の概要

 訴状などによると、事件の概要は以下のとおりです。


 Bさん(ペルー国籍の40歳代の男性)が裁判で国に賠償を求めている事件は、2017年12月20日から翌21日にかけて起きました。


 20日の昼ごろ、大阪入管で複数の被収容者が官給食の内容について職員に抗議をしていました。このときに、職員5名が居室に入ってきて、Bさんふくむ3人の被収容者に対し、別室で話がしたいと言って連れ出そうとしました。Bさんは、話すことはないからと拒絶。すると、数名の職員が腕などをおさえつけたので、Bさんが職員の手をふりほどこうとしたところ、職員は緊急隔離を告知。8名の職員がBさんの体をかかえあげて別室(入所手続室)に連行しました。職員らは、Bさんに後ろ手錠をかけ、12時30分ごろに「保護室」とよばれる部屋に連行し、隔離しました。


 なお、Bさんはあばれたりはしておらず、しかも保護室に施錠されてひとり閉じ込められたわけですから、職員に危害をくわえるおそれはまったくありませんでした。もちろん、「逃亡」などくわだてようもない状態です。したがって、手錠などの戒具を使用する必要性はまったくありませんでした。ましてや、はなはだしい苦痛をともなう後ろ手錠をしなければない理由がどこにあったのでしょうか。


 20分ほどたった13時49分に後ろ手錠はいったんはずされますが、夜になってふたたひ職員たちはBさんを後ろ手錠で拘束して、今度はその状態で14時間半以上にわたって放置するという、拷問としか言いようのない行為をおこないました。


 21時ごろ、Bさんが職員たちに大声で水とトイレットペーパーを求めました。トイレットペーパーのやりとりをめぐって職員たちが保護室に入り、Bさんをうつぶせにしておさえつけ、21時11分ごろに後ろ手錠をかけました。翌日の11時49分ごろまで、Bさんは後ろ手錠をかけられた状態で保護室で拘束されたままでした。この14時間半以上のあいだ、Bさんはトイレで用を足すことはゆるされず、食事もとれず、水を飲みたいときは職員をよんでコップを持ってもらってこれに口をつけて飲むしかないという状態でした。この間、職員は、およそ1時間ごとの間隔をあけて保護室に入ってきて、Bさんを立ち上がらせるなどして後ろ手錠を確認するので、ねむろうにもねむれません(午前4時30分ごろ、Bさんは職員に対し「なんでねむらせないんだ?」と抗議しています)。


 とびらにカギのかかった保護室に隔離され、職員に危害をくわえることも、「逃亡」することもおよそ不可能なBさんに対して、入管職員たちが長時間にわたりこのように苦痛をあたえ、尊厳をうばう行為をおこなう意図はいったいなんでしょうか。これらの行為は、Bさんを屈服させて入管の言うことを聞かせるという目的でおこなわれたと考えるほかなりません。


 さらに、この後ろ手錠による拘束の14時間のあいだに、大阪入管の職員たちはBさんに暴行をくわえて負傷までさせています。


 12月21日の午前0時すぎ、Bさんが保護室のとびらを足でけると、職員5名が部屋に入ってきて、Bさんをうつぶせ状態にしておさえつけ、後ろ手錠にされている右腕をねじるようにひっぱりあげました。すでに後ろ手錠に拘束されているBさんに対してこのような行為をするのは、Bさんを痛めつけ屈服させることを目的にしたものとしか考えられません。この暴行の結果、Bさんは左上腕骨幹部骨折の負傷をおいました。


 大阪入管職員による暴行・傷害、また手錠をかけ長時間放置したこと等について、Bさんは216万円の損害賠償をもとめています。大阪地裁でひらかれるこのBさんの裁判に、都合のつくかたはぜひ足をはこんで傍聴していただくよう呼びかけるとともに、裁判の今後の推移にご注目のほどよろしくお願いします。




◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



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Monday, June 8, 2020

コロナ禍に際し、仮放免者の出頭期日を延期するよう東京入管に申し入れました


 6月5日、私たちは東京入管に以下の申入書を提出し、申入れをおこないました。


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申入書
202065
東京出入国在留管理局
局長 福山 宏 殿

仮放免者の会(関東)
BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)

 以下の根拠に基づき、6/11() 18()】に予定されている他県からの仮放免者の出頭を延期するよう申入れます。

  • 日本政府は、県をまたぐ移動について、【6/18()まで】首都圏の1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)との不要不急の往来を控えるように要請しています。この6/18()までに仮放免者を関東甲信越各県からわざわざ電車やバスに乗って貴局まで出頭させることは、政府の方針に反しています。6/2()には「東京アラート」が発動されましたが、新型コロナ感染拡大は予断を許しません。出頭してくる仮放免者の安全への配慮からも、また公衆衛生の観点からも、出頭は、早くとも19日以降とすべきです。また、東京アラートが解除されない限りは、都内在住者も含めて、出頭させるべきではありません。
  • 仮放免者の中には、新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する危険性が極めて高い疾患を抱えた人がいます。例えば、肺炎で貴局収容中の昨年、入院したペルー人男性のE.E.さんは6/11の出頭を指示されました。このような人を、移動に伴う感染のリスクに晒してまで、わざわざ貴局に出頭させることは合理的ではありません。


以上から、前述のE.E.さんを筆頭に、6/11()18()】に予定されている他県からの仮放免者の出頭は延期にすること、特に新型コロナウイルス感染により重症化する危険性が高い疾患を抱えた人々の出頭を延期するよう強く求めます。


以 上


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 この時期の仮放免者への出頭指示自体、感染拡大防止のために反対ですが、特に重症化する危険性の高い仮放免者の出頭は危惧するところです。申入書の2項めでは、具体的に名前もあげて出頭日の延期を求めようとしました。提出した申入書にはフルネームを記載しています。

 申入書を印刷して、東京入管に向かう途中、E.E.さんから電話があり、「昨日の夕方、入管から電話があって、11日は来なくて良いとの事だった」との事でした。私たちとしても安心しました。E.E.さんは2年近くの収容を経て昨年末に東京入管から仮放免になりました。昨年の収容中に肺炎で入院しています。東京入管はE.E.さんの肺炎の病歴を知っているので、E.E.さんだけ、出頭日の再延期をした可能性もあると考え、予定通り申入れをおこないました。

 申入れ先の総務課は、出頭日の再延長については具体的に聞いていないとの事でした。申入書の1項めについて申し入れると共に、E.E.さんのような重症化しそうな人にはなおさらの配慮をするように申し入れました。

 また、先月申し入れた、「仮放免を積極的に活用すること」についても重ねて申し入れました。5月17日に開催した「入管収容者緊急ホットライン」の結果を見ても、各収容施設で仮放免許可を出しているものの、東京入管は、帰国希望だが飛行機が飛んでおらず帰国できない人を職権仮放免で出し、長期収容で拘禁反応や病気の悪化に苦しむ人たちをあまり仮放免していません。帰国希望の人たちについても仮放免するのは賛成ですが、感染した時に重症化しそうな長期収容者を直ちに仮放免すべきだと申し入れました。

 会員からの報告で、前日に11日出頭予定者へ、当日には12日出頭予定者へ、出頭再延期の電話がかかっていることがわかりました。


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