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Tuesday, July 9, 2019

入管施設での長期収容をめぐって(大村での死亡事件/法務大臣の発言/牛久からの手紙)


 6月24日に大村入管センターでナイジェリア人被収容者が死亡した事件を受けて、山下貴司法務大臣は7月2日の記者会見で、つぎのように述べたとのことです。

「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,人道上の観点から仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです。」(注1)

 法務大臣発言のこの部分は、注目すべきものです。

 先月に大村センターで亡くなった方は、3年半をこえる超長期被収容者でした。大村をはじめとして、現在、全国の入管施設で2年や3年をこえる超長期収容はめずらしくなくなってしまっていますが、2011年から14年ごろまでは収容期間が2年をこえるような被収容者は例外的といってよいものでした。

 ところが、2015年・16年頃から収容の長期化が顕著になりはじめます。その背景には、以前の記事で述べたように(注2)、15年9月の法務省入管局長による「退去強制令書により収容する者の仮放免措置に係る運用と動静監視について」と題された通達がありました。これは、仮放免を弾力的に活用することにより収容長期化をできるだけ回避するよう取り組むとした5年前の通達(注3)を取り消すという内容をふくむものでした。つまり、収容長期化が回避すべき問題であり、仮放免によってこれを回避していくのだというそれまでの公式の立場を入管として撤回したのが2015年9月。これ以降、仮放免が許可されにくくなっていき、現状の収容の超長期化をまねいているのです。

 さきの法務大臣発言が注目すべきなのは、この点についてです。山下大臣は、仮放免制度の弾力的運用と収容長期化の回避ということにふれています。入管が今後これを機に、超長期収容をまねいてきた2015年以降の運用の見直しにむかうのかどうか、注視していきたいと思います。

 ただし、「健康上の問題等のため速やかな送還の見込みが立たないような場合には,……仮放免制度を弾力的に運用することにより,収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応している」という大臣の発言は、現状での入管の運用を説明したものとしては、あきらかに事実に反するものです。たとえば、大村入管センターについて言えば、先月26日に、私たちふくめ5団体で提出した「申入書」(注4)は、以下のように指摘しています。

 貴センター[大村入国管理センター]で収容の長期化がいちじるしくなっている。私たちが大阪局で面会支援してきた被収容者のなかにも、貴センターに移収されたのちも長期にわたり収容がつづき、大阪局からの通算収容期間が4年をこえる人が5名いるほか、2年超3年超といったすでに超長期と言うべき被収容者がめずらしくない事態となっている。
 こうした異常な収容長期化は、貴センターが送還のための施設でありながら、送還の見込みの立たない被収容者の収容継続にかたくなに固執していることから生じている現状である。

 大臣が述べるように、健康上の問題などで速やかな送還が見込めない場合は仮放免制度を弾力的に運用して出所させているというのが本当ならば、このような常軌を逸した長期収容がおこるわけがないのです。

 「申入書」が具体的なケースをあげて指摘しているように、健康状態の悪化が深刻な被収容者の多くが、仮放免されずに長期にわたって収容されつづけています。他方で、大村センターは、ガンが見つかって医師から手術をしなければ命を落とす危険があると宣告された人や、脳梗塞で倒れて救急搬送され入院した人については、仮放免しています。ようするに、収容中に死亡する危険が大きいか、もしくは高額の医療費がかかるとみこまれるような重病人でなければ仮放免せずに収容をつづけるというのが、大村センターにおけるこんにちまでの運用であったわけです。こうした運用を続けるなかで、先日のナイジェリア人の死亡事件があったということは重要です。

 また、東日本入管センターにて、5月から長期収容に抗議してのハンガーストライキが、参加者を増やしながらつづいていることは、すでに報告したとおりです(注5)。現在も20名以上がハンストを続けるなか、同センターは、ハンストが長期化した人ら複数名に対して、仮放免を許可方向で検討しているということを伝えているようです。これについては今後の推移を注視しなければなりませんが、長期収容への抗議のハンストが東日本センターにおいて拡大しつづいているという現状は、「収容の長期化をできるだけ回避するよう柔軟に対応しているところです」という先の大臣の発言を裏切るものになっています。

 以下では、法務大臣が「回避するよう柔軟に対応しているところです」としている収容の長期化について、東日本センターに収容されている当事者のひとりが書いた手紙を紹介したいと思います。

 手紙は山本太郎参議院議員に送られたものですが、「日本国民へ」あてられてもいます。筆者の承諾をえて、ここに公開させていただきます。(掲載にあたり、誤記などについて文意をそこなわない範囲で原文を一部修正したところがあります。また、いくつか文中に「注」をつけて、それぞれ関連するこのブログの記事へのリンクを示しました。)

 ちなみに、山本議員は、この手紙を受け取って、7月1日に東日本センターをおとずれ、手紙の筆者をふくむ4人の被収容者に面会し、その話を直接に聞いたとのことです。



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参議院議員 山本太郎様
 こんにちは。
 入国管理施設の長期収容問題についてこの書簡をおくります。
 2014年、牛久の東センターで、胸痛を訴えるカメルーン人治療が無視され、死去(注6)2017年にもベトナム人の頭痛と胸痛に治療として、たくさんの痛み止めをのませても死去となり(注7)、収容施設管理体制への不十分な衛生と医療状態に対して、不満が高まり、集団的な抗議を行うと、抗議の中心メンバーたちは たたみのみの小部屋に隔離され、衛生医療や長期収容にはかわりがなく、翌年2018年4月13日難民申請者のインド人長期収容の間 自殺して死去のあと、海外メディアのニュースになるほど集団ハンストや抗議がひろがると(注8)、当時法務大臣は、国会で議員さんの質問に対して、入管にいる外国人収容者の事を強制送還待ちと述べ、外国人の何年間も人生は収容所で奪われる事実をメディアや国民におしえず、今だに入管のトリック箱のふたが押し閉めたまま、今だにテレビによって、外国人のあげあしをとる映像を捜して、不法就労や、ごみすて、白タクなど意図的な番組を遣い、毎週のように、社会や国民のマインドに、外国人の事は、犯罪! 敵! 危険……というイメージを映すとも言わざるをえない。
 入管に収容される外国人は、犯罪人でも、日本の敵でもありません。入管で収容されている外国人は、様々な理由で、帰国が出来ず、たとえビザがなくても、仮放免でも日本滞在を希望している外国人の中:
*日本生まれ多国籍の人、
*家族の一部は日本人や日本住まいの人、
*母国への政治的問題と社会や宗教など、様々な理由で亡命、日本への難民申請をしている人など、
入管の施設に何年間も収容されています。
 そして、帰国や強制送還出来る見込みの立たない人びとを、非人道的ないたずらに、長期間にわたって収容を、「自殺や病気で、死者が出るほど」被収容者に苦痛、「即拷問」をあたえ、体と精神の健康をはかいする入管に対して、集団的ハンストや自殺未遂の人びとは自らひきこもりになるのは、今だに続いています。今年5月15日から、水だけのむハンスト中の5人は、体調が悪くなり、病室へ移動されましたが、病室も全て満杯となり、2019-6-18の現在、16人のハンスト中の人々は、いっぱんのブロックからはなされ、隔離ブロックへ移送されています。ほかにも、長期収容問題に対しての抗議行動はひろげないように、外国人の緊張を収める狙いか?! 入管は去年から収容者らに、大量の安定剤と眠剤を「RELAXくすりとして」意図的な大量投与を行い、外国人を収容施設でねむらせています。長期収容や非人道的な強制送還のような入管の一方的な場当たり政策でのけっかは、毎年のように死者が出る事です。この手紙を、助けをもとめる外国人収容者らの方から、山本太郎さんはじめ、日本国民へおくります。
2019年6月20日 東日本センター収容者の一人

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 この手紙を書いた方からは、送還の見込みのない人や深刻な体調不良・病気をかかえている人を長期にわたり収容している具体的なケースを説明した書面もあずかっております。次回以降の記事でそれらも紹介していきたいと思います。





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注1 法務大臣閣議後記者会見の概要(7月2日) - 法務省

注2 入管にとって長期収容の目的はなにか? - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年6月27日)

注3 2010年7月27付法務省管警第172号「退去強制令書により収容する者の仮放免に関する検証等について(通達)」

注4 大村入管センターに対して申し入れ(6月26日) - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年7月1日)

注5 東日本入管センターでのハンスト、50日近くになる人も - 仮放免者の会(PRAJ)(2019年6月25日)

注6 【抗議のよびかけ】東日本入管センターで被収容者2名があいついで死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2014年4月4日)

注7 「痛い、痛い」と訴えるも放置――東日本入管センターでベトナム人被収容者が死亡 - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年3月30日)、友人Vさんの手記――入管でのNさんの死について - 仮放免者の会(PRAJ)(2017年4月3日)

注8 【抗議の呼びかけ】インド人被収容者の死と集団ハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月19日)、【ひきつづきの抗議の呼びかけ】インド人死亡事件とハンストについて(東日本入管センター) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月22日)、東日本入管センターに申入れ(Dさんの死とこれを契機としたハンストについて) - 仮放免者の会(PRAJ)(2018年4月25日)

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