PRAJ (Provisional Release Association in Japan): Who We Are
in English
日本語(漢字かなまじり)
にほんご(ひらがな・カタカナ)


関東仮放免者の会「宣言」/賛助会員募集とカンパのおねがい

http://praj-praj.blogspot.jp/2013/12/blog-post.html


仮放免者の会 ホームページ

Wednesday, May 6, 2020

【抗議呼びかけ】東京入管が女性被収容者に暴力


 東京出入国在留管理局(東京入管)が被収容者たちに対し、新型コロナウイルスの感染をもたらしかねない、きわめて危険な行為をおこなっていたことがわかりました。

 収容されている方によると、4月25日(土)の夕方、Nブロックで入管側との対話を求めていた被収容者10数名に対し、東京入管は数十名の入国警備官を動員し、暴力的に帰室させたとのことです。動員された入国警備官には多数の男性もふくまれており、男性警備官が女性被収容者の身体に接触するような場面もあったそうです。

 東京入管では、16時30分が帰室時刻とさだめられており、被収容者は施錠された自身の居室に入り、翌朝までそこで過ごさなければならないことになっています。この日、Nブロックの被収容者たちは、なぜ仮放免による出所がなぜ自分たちに認められないのか、入管側の説明を聞きたいと考え、帰室時刻をすぎても居室にもどらず、抗議の意思を示すプラカードをかかげるなどしていたのだといいます。

 東京入管は、さだめられた時刻に帰室するという規則を守らせるためなのでしょう、数十名の入国警備官を動員して(盾をかまえて武装した警備官もいたとのこと!)、彼女たちを居室に押し込むなどしたということです。

 被収容者がげんにあばれていて他者を負傷させる可能性が考えられるというのならばともかく、そのようなおそれがないのに、たんに “規則を守らせる” という目的だけのために大勢の武装した警備官を投入するのは、あきらかに度をこしています。しかも、このように緊急の必要性がない状況で、女性被収容者の身体に男性警備官がふれるような行為をさせるのは、性的な加害と言うべきもので、言語道断です。

 しかも、市中では新型コロナウイルスの感染が広がっており、被収容者たちへの感染防止をなによりも優先しなければならないときに、人命軽視にもほどがあるというものです。

 入管施設において、新型コロナウイルスの感染源になりうるのは、おもに職員らです。その職員たちはPCR検査を受けていませんし、かりにPCR検査を受けて陰性だったとしても、検査後に感染することも考えられます。したがって、被収容者への感染を防止するには、職員が被収容者に接近・接触する機会を極力すくなくすることが不可欠です。

 被収容者には心臓疾患、呼吸器疾患、糖尿病等の持病のある人が少なくありませんし、長期の収容によって疲弊・衰弱して免疫力の低下している人も多くいます。こうした被収容者たちは感染した場合の重症化リスクが高いうえに、施設は多人数の被収容者が密集して生活しているため、感染がまたたく間に拡大する危険があります。そして、感染者が出た場合に、その人と濃厚接触した被収容者ひとりひとりを隔離するための個室の確保は不可能です。したがって、入管施設内でひとたび感染者が発生すれば、多くの犠牲者が出る危険性はきわめて高いのです。

 同様の危機意識から、入管庁も「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」をまとめ、密集回避などのために仮放免を積極的に活用することなどをさだめています。実際、東日本入国管理センターなどでは積極的に仮放免許可をすることで被収容者数を大幅に減らそうという動きが現在みられます。

 ところが、東京入管はこれとまったく逆行することを今回したわけです。東日本センターが被収容者たちに現在そうしているように、積極的に仮放免を活用することが入管庁の方針であることをていねいに説明していれば、人の密集する収容場で不安にかられた被収容者たちが帰室を拒否して抗議の意思を示す必要もなかったはずです。東京入管は、被収容者の不安を解消しようとするかわりに、抗議の声を威嚇と実力行使で封じこめようとしたのです。

 この日のNブロックでは、警備官たちが被収容者を帰室させる過程で、ネパール人被収容者(「Bさん」とします)を「懲罰房」と呼ばれる保護室に連行し、集団で暴行をくわえることすらしました。Bさんは、居室に戻されるさいに、男性警備官に身体を触れられて「さわらないでください」と大声で抗議したところ、男性ふくむ7,8人の警備官に体を持ち上げられて保護室に連行されたそうです。保護室では、うつぶせの状態で警備官たち7,8人に体をおさえつけられ、男性警備官から頭部に手指で強い力をくわえられたといいます。

 25日にBさんふくむNブロックの被収容者たちに対して東京入管がとった対応は、考えられるかぎりで最悪のものと言うべきです。被収容者が帰室を拒否したことは規則違反とは言えるにしても、それ自体は他の被収容者や職員の安全をおびやかすものではありません。東京入管は、新型コロナウイルス感染のリスクの高い行動をとることで、 “被収容者に規則を守らせる” ことを被収容者の人命よりも優先したのです。しかも、女性被収容者の身体にふれる暴力を男性警備官に命じたのは、常軌を逸した暴挙と言うべきです。

 当会としても、抗議の申し入れを後日おこないますが、連休の明ける5月7日以降、東京入管に対して電話などで抗議の声を届けるよう、呼びかけたいと思います。


抗議先
 東京出入国在留管理局 総務課
 電話:0570-034259(所属部署番号110)
 ファクシミリ:03-5796-7125
  受付時間9時~16時 (土・日曜日,休日を除く)



◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



関連記事
 4月30日、入管庁に対し、新型コロナウイルス感染者が出た場合に多くの犠牲者が出かねない入管施設から全員を解放すること、また、コロナ禍にあって社会保障から排除され、働く権利を奪われている仮放免者の全員に在留資格を付与することの2点を、申し入れました。


No comments:

Post a Comment