9月末までの回答を求めた要求書に対して、期限を10日過ぎても無視され続けたことに端を発した3A・3Bブロックのハンストは10月19日(水)の昼食から摂食を再開し収束しました。
この闘いに関心を寄せてくださった皆さん、支援してくださった皆さん、ありがとうございました。3A・3Bブロックの仲間たちは病気の深刻な進行などもなく、足かけ9日間にわたるハンストを終えました。
面会時、あるハンスト参加者が「私たちは入管によってハンストをさせられている」と発言していましたが、今回のハンストの性格を的確に言い表しています。今年の7月頃から、牛久の各ブロックから牛久入管への要求書が出されましたが、いずれも無視されていました。そのなかで、7Aブロックは回答期限を区切った要求書(「嘆願書」)を出し、それでも回答がないことに怒り8月22日(月)から33名全員で1週間のハンストを打ち抜きました。東日本入管センター(以下「牛久入管」)から回答があっのでハンストは解除されました。
1か月前にこうした事態があったのに、またもや要求書を無視する牛久入管に、3A・3Bの仲間たちが怒りを爆発させるのは当然です。
それにしても、被収容者がハンストを行うというのは大変なことです。牛久の被収容者はほとんどが在留希望者であり、誰もが長期収容となっています。そのなかで持病がある人はそれが悪化し、健康だった人も不眠・食欲不振・頭痛などの拘禁反応に苦しめられます。劣悪な住環境、病気の治療を求めても薬漬けになるだけであり、食事はまずく、さらには繰り返される仮放免申請不許可に誰もが爆発寸前のストレスを抱えています。ほとんどの人が睡眠薬や精神安定剤を服用して何とか一日一日を生き延びているのが現状です。その彼らが食事を断つということは、薬も断つということであり、本当に命がけの行動となります。
私たち仮放免者の会(関東)としては、ブロックのみんなで団結し、よく討議して共通する要求項目をまとめて所長あてに提出すること、意見を言える場ができたら冷静に発言することなどを牛久の仲間たちにアドバイスしています。
またそれぞれが自分の口で意見を言えるよう、日本語の習得に励もうと呼び掛けています。辛い収容生活の中、少しでも前向きに日々を過ごしてほしいとの思いもあっての事です。しかし今回のように牛久入管が要求書を無視したら別の方法によって闘うしかなくなります。まさに、入管によってハンストという身命をかけた闘いに取り組まざるを得ない状況に置かれたということです。
それでも牛久入管はハンスト初日にはハンスト参加者全員から意見聴取を行い、早期収拾に向けて動くのかと期待も持ちました。しかしその後の回答は、昼食時間に(摂食はしませんがいつも通り昼食時間帯は各居室に戻されます)各居室を回って早口で日本語文書を読み上げて終わりというおざなりなものであり、誰も回答の中身が理解できない状態でした。
しかも、14日(金)には3Bブロックの仲間3名に対して、他者にハンストを強要したと言いがかりをつけて5日間の隔離処分が下され、この3名は18日(火)まで隔離房(懲罰房)に入れられました。通常だと隔離処分後はブロックチェンジするところ異例の事ですが、隔離処分後、この三名は3Bブロックに戻されました。このような弾圧を受けながらも、改めて今週に入って両ブロックへの回答があったことから、ハンストは解除されました。
回答の内容としては、仮放免許可申請の審査期間は1ヶ月~1ヶ月半に短縮するということ以外にはさしたるものはありませんでしたが、ともかく1週間のハンストによってやっと回答がもたらされました。
各ブロックから出される要求はいずれもが切実なものであり、牛久入管には誠意をもって受け止めてもらいたいところです。最近の2Aブロックの要求書にはトイレの換気扇というささやかやな、しかし極めて当然の項目があります。これにしても、施設の工事が必要となれば予算を組まねばならないしすぐに実現できるものではないかもしれません。しかし「トイレに換気扇を」という当然の要求に入管がキチンと耳を傾け、受け止め、仮にすぐに設置工事ができなくても消臭のための工夫はするとか、被収容者の人権を尊重した対処を考えてもらいたいところです。
被収容者はしばしば、「私たちは人間扱いされていない」「動物と(扱いが)同じだ」と口にしますが、法務省令である被収容者処遇規則でも「人権を尊重し」と謳っているところを、まずはブロック全体の要求には回答するというところから実現することを私たち仮放免者の会としても入管に求めます。
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