記事の末尾には、支援者からの解説もつけましたので、よろしければあわせてお読みください。
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私たちは、東日本入国管理センターの収容者です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私たちは1日も早く愛する家族のもとへ帰れる事を祈りながらここで生活しております。私達は身柄を拘束されている身分なので、ここで生活していく上、もちろんここの規則を守らなければいけません。
しかしここの規則が厳しい為、しめつけられた部分と、家族と会えないつらさで多大なストレスが体にのしかかっています。
ストレス解消の方法が全く無い中、ゆいいつのストレス解消は戸外に出て運動をする事しかありません。しかし、東日本入国管理センターでは(土・日・休日)戸外運動をさせて頂かないのです。これは雨天や休日がからんだりすると、実際1週間で2日~3日しか外に出られない事になります。しかも、ここでは全窓に白のフィルムがはってある為、外さえ見る事が出来ません。
被収容者処遇規則の第28条によると、
所長等は、被収容者に毎日戸外の適当な場所で運動する機会を与えなければならない。ただし、荒天のとき又は収容所等の保安上若しくは衛生上支障があると認めるときは、この限りでないと、書かれております。
私達は、これを知った上で、平成23年、11月前半1度、そして11月18日に2度も所長あてに手紙を書きました。
毎日戸外運動に出させて頂く様、全収容者の署名とともに提出しました。
結果、入管がわの返答は、
「休日の戸外運動については、これまで長期休暇の一部に限って増員して実施し かくだいについても検討をしているが被収容者の運動の連行やたちあいをする警備員や運動中の被収容者のケンカやケガのたいおうをする職員の増員などの問題もある為、現在の体制では、ほあんじょうの ししょうが ある為、実施は困難である」との事でした。しかもこれは文書ではなく、告知での返答でした。
つぎに、私達は告知ではなく文書で下さいとアプリケーションを書き、お願いをしたところ、
「文書で返答する必要がない」と言われました。
私達は何度もお願いしてきたところ、いっこうに今の状況が変わりなく、日々ストレスがたまっていくいっぽうです。
どうか私達を助けて下さい。宜しくお願いします。
東日本入国管理センターの(3-A)
全収容者からのお願いです。
平成23年12月20日
【解説】
いままで紹介してきたように、入管の収容施設では、収容者たちが医療などの処遇の改善等をもとめて、連名で意見書を提出する動きがひんぱんに起こっています。そのなかには、被収容者による集団ハンストにまで発展する例もいくつかありました。
こうした被収容者たち自身による申し入れや抗議にたいし、基本的には無視・黙殺してきた東日本入管センター側も、最近では一応の回答をよこすようにはなりました。結果として、医療をはじめとした、ひどく劣悪な処遇がじゅうぶんに改善されたとはまだ言えないし、回答も収容者たちが要求している文書によるものではなく、口頭でのものにすぎません。しかし、センター側が、被収容者の要求を以前より無視できなくなっているのは事実であり、またそうした状況をつくってきたのは被収容者たち自身のこれまでのねばり強いたたかいです。
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さて、いま各ブロックの収容者のあいだでは、入管の法やルールを研究し、そのルールにもとづいて、要求を出していこうといううごきがあります。収容施設の処遇にかんしては、法務省令である「被収容者処遇規則」、それと各収容施設ごとにさだめられた「被収容者処遇細則」というものがあります。
上に転載した手紙にあるとおり、3Aブロックの被収容者たちは、「所長等は、被収容者に毎日戸外の適当な場所で運動する機会を与えなければならない」という「被収容者処遇規則」第28条にセンター側が違反していると指摘しております。これは、まったく正当な指摘であると言えます。
「被収容者処遇規則」第28条では、(荒天のときのほかは)保安上もしくは衛生上支障があると認められるときにかぎり、例外をみとめております。センター側の回答によると、この「保安上の支障」があるという理由で、土曜・日曜の運動を許可しないのだということです。つまり、センター側の理屈では、運動場への連行・立ち会いをする警備員を確保できないから、休日に運動をさせるのは保安上支障があるのだ、と。
しかし、これはおかしな話です。そもそも、第28条の原則をまもって被収容者に運動をさせた場合に、どうして「保安上」の問題が生じるのでしょうか? センター側が説明している理由は、警備の人員が足りていないからだ、ということです。
つまり、問題は、東日本入管センターが、その収容能力をこえた人数を収容しているということにあるのでしょう。東日本入管センターは、被収容者が多すぎるために、じゅうぶんな警備のスタッフ数を確保できず、このために、「被収容者に毎日戸外の適当な場所で運動する機会を与え」ることができない現状にあるわけです。
ならば、センター側がとるべき対応は、つぎの2つのうちいずれか一方になるはず。ひとつ、スタッフの増員など、被収容者が毎日運動できる体制をととのえること。あるいは、現在の体制でも処遇規則にさだめられた毎日の運動ができるよう、被収容者のほうをへらすこと。
ひとつめがムリならば(実際、当面はムリでしょう)、ふたつめの施策をとることです。被収容者をどんどん解放したらよいのです。
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ところで、手紙でふれられている「ここでは全窓に白のフィルムがはってある為、外さえ見る事が出来ません」ということについて。
これもまた、「被収容者処遇規則」に明白に違反しております。
収容所等の構造及び設備は、被収容者の健康及び収容所等の秩序を維持するため、通風、採光、区画及び使用面積等に配慮するとともに、被収容者の逃走、奪取、暴行、自殺その他の事故(以下「保安上の事故」という。)を防止するため、堅固で看守に便利なようにしなければならない。[第3条]すべての窓にはられた白のフィルムのため、東日本入管センターの被収容者たちは、その日の天気(晴れているのか、くもっているのか)すら見ることができません。被収容者を「もう帰国するしかない」という心理に追いこむために、東日本入管センターはこうした精神的虐待を、あきらかに意図的・自覚的におこなっています。
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「入国管理局のホームページ」によると「ルールを守って国際化」が法務省入管の合い言葉なのだそうです。また、各収容施設や地方局の職員は、わたしたちの申し入れにたいして、しばしば「自分たちは法とルールにもとづいて業務をおこなっている」と言います。ところが、上に指摘されたような、入管自身の違反がうたがわれる事例にはこと欠きません。
入管側が、ほんとうに自分たちは法とルールにのっとっているという自負があるならば、被収容者たちの「ルール違反ではないか」という指摘にたいし、きちんと応答・説明できるはずです。東日本入管センターは、口頭の返答でごまかすのではなく、文書での返答をすべきです。