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申 入 書2015年6月17日法務大臣 殿
法務省入国管理局長 殿
東日本入国管理センター所長 殿
仮放免者の会(関東)BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)
一、 被収容者家族・支援者と処遇部門との連絡について
現在、東日本入国管理センターでは、被収容者の病気・医療をめぐって、窓口を総務課に一本化し、被収容者の家族や支援者が処遇部門と情報交換、質問、申入れなどできない運用となっている。このような運用のあり方について、私たちは大いに問題を感じており、その変更または復元を求めたい。
東日本入国管理センターにおいて昨年3月末に起きた、イラン人男性及びカメルーン人男性の被収容者連続死亡事件は記憶に新しい。同事件は、医療その他の被収容者の処遇の劣悪なあり方、そして退令発付処分を受けた外国人に対する極めて残忍な長期収容の常態化といった、同センターの諸々の不備・怠慢、そして非道の帰結であることは疑いえない。この点については、既に過去数度の申し入れにおいて指摘してきたところであるが、法務省入国管理局自身が、同年11月20日の記者会見において、カメルーン人男性被収容者の死亡については医療態勢に問題があったことを認めている。当然ながら私たちは、もう一人の死者であるイラン人男性被収容者への対応が適切なものであったとする同記者会見における法務省入国管理局の見解を、到底容認しがたいものとしてとらえているが、少なくとも連続死亡事件の一部については入国管理局自身が医療態勢の不備を認めているのである。このことは重要である。
いみじくもこの発表の2日後の11月22日に、今度は東京入国管理局にてスリランカ人男性の死亡事件が起きてしまったことに端的に表れているように、入国管理局による収容が深刻な不備を抱えていることは、もはや隠しようもない。被収容者とその家族や友人など被収容者に深いかかわりを持つ人たちはもちろんであろうが、私たち支援者もこのように頻繁に死亡者を出すような収容のあり方に、甚だしい憤りと悲しみ、不安を感じている。先に長期収容の問題に触れたように、私たちはまずもって収容そのもの及びその長期化自体の非道を非難するものではあるが、同時に、多数の人たちの収容を行う入国管理局には収容を適切に行う責任があり、入国管理局は医療をはじめとした処遇を健全化すべきであることもまた当然のことである。
以上のような認識を前提に、私たちは、東日本入国管理センター処遇部門が、必要なときには、被収容者家族その他の近しい者及び支援者からの問い合わせ、申し入れに直接に応じることができるよう、運用を変更ないし復元をすることを求める。これは、何よりもまず被収容者の身を案ずる家族等や支援者の切実な思いから出る要求ではあるが、入国管理局が収容責任の観点から上記のような問題に真摯に対応しようとするならば、この求めに応じることは決して無意味ではないはずである。
二、 面会の以前の状況への復元
現在、面会において、同ブロックの被収容者2名までしか認められていない。①同時に面会できる被収容者数を5名までに戻すこと、②2010年8月まで認められていた3寮5名までの同時面会できるよう運用を戻すことの2点を申し入れる。
以 上
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