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Saturday, November 14, 2020

東日本入管センターに、拒食者などの早期仮放免を申し入れました


 11月6日(金)、東日本入国管理センター総務課に口頭での申入れをおこないました。


 世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になるなか、3月から5月ごろにかけては入管の各収容施設は仮放免許可を積極的に活用し、その結果、どの施設でも被収容者数は大きく減少するにいたりました。入管庁が5月1日に公表したタスクフォースによる「入管施設における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」においても、密集回避などのために仮放免を積極的に活用することが方針として打ち出されています。


 ところが、6月ごろになると、前月までは仮放免が許可されていたようなケースでも不許可があいつぐようになり、現状、深刻な体調不良のある人の一部しか仮放免されないという、コロナ禍以前の状況に逆戻りしてしまっています。収容期間がもともと長くなっていた人たちも、こうして仮放免が許可されずに依然として施設にとどまることになっています。長期収容問題はコロナ禍の現在にあっても、まったく解決にむかっていないのです。


 東日本入管センターでも、長期間心身の状態の悪化がますます深刻になっている被収容者が多くいます。今回の申し入れでは、第1に、私たちが面会したなかで、ハンストもしくは体が食べ物を受けつけなくなっている(食べても吐いてしまうなど)ために、長期間食事をとっていない4名の被収容者について、早期に仮放免するよう求めました。この4名は、いずれも母国での危険や日本にしか生活基盤がないなど帰国できないきわめて深刻な事情のある人たちで、にもかかわらず2年半から4年7か月という常軌を逸した長期間収容が続いている人たちです。とくにこの4名の被収容者について、生命尊重の観点から健康状態も考慮してなるべく早期に仮放免してほしいということを申し入れました。


 第2に、拒食している被収容者について人権を尊重した対応をすることを求めました。私たちはハンストをおこなっている人からの面会での聞き取りで、シャワーを5日間許されなかった、また運動場に出ることを許可されていないということを聞きました。この人は、4日に訪問した新聞記者との面会の直前、突然職員からシャワーをあびるようすすめられたとのことです。したがって、それまでのシャワー禁止の措置は、たとえば転倒の危険があるからといった安全上の理由からのものではなく、懲罰的な目的でおこなわれていたとしか考えられません。


 シャワーが被収容者の衛生上、また健康維持や精神的ストレスの軽減のうえで必要なのはもちろんですし、1日50分の運動時間も、収容生活において日の光をあびることのできる貴重な時間です。ハンストが被収容者の心身に危険なのは確かですが、懲罰的に入浴や運動の機会をうばってこれをやめさせようとするのは問題です。


 また、ハンスト者に対する職員らによる暴言の事実が被収容者から報告されていることを指摘し、ハンスト者および拒食症的な症状で食事のとれなくなっている人たちに対して、人権を尊重した対応をするよう申し入れました。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 早期仮放免を6日に申し入れた4名のうち1名は、その後11日にぶじ仮放免されました。心身の衰弱がいちじるしく、生命の危険すら心配せざるをえないような状態の人だったので、収容を解かれたことにひとまず安堵することができました。


 いっぽうで、東日本入管センターには、いまもおよそ100名の人が長期間収容されたままでいます。


 10日には、牛久警察署が同センターに収容されている人を建造物損壊の容疑で逮捕したという報道もありました。報道によると、この人は、センターの診療待合室で自身の糞尿を天井や壁などにまきちらしたのだといいます。


 逮捕される前に私たちはこのかたと同センターで面会しましたが、4年以上にもわたって入管施設に収容されていた人です。超長期の収容によるストレスにくわえ、このかたは、センターに勤務する医者から暴言を受けたことをきっかけにして、極度の食欲不振におちいっていました。体が食べ物を受けつけない拒食症のような症状がでて、4か月ほど食事をほとんどとれない状態が続いているとのことでした。このような状態になるきっかけとなった医者の暴言とは、「薬も食べ物も日本人の税金だ。あなたたちのために使うのはムダだ。気にくわないなら出て行け」というものだったそうです。患者の利益を第一にするという医療従事者としての責任をなげうった、ゆるしがたい発言です。このような外国人への差別主義と敵意をかくそうともしない人間が、患者の生命にかかわる医療行為に従事しているということは、見過ごせません。そして、この医者の行為は、長期収容によって被収容者を出国に追い込むという、心身を破壊する虐待を手段としている現在の入管の退去強制業務のやり口を忠実に体現するものでもあります。


 逮捕された人に報道されているような行為があったのが事実だとしても、そこまでの状態に被収容者を追い込んでいる入管の長期収容、その虐待・拷問とも言うべき実態こそが問われなければならないはずです。



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