以下に、『週刊金曜日』(983号、3月14日)に、当会事務局より寄稿した記事を転載します。
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退去命令に抗議する外国人ら
在留資格を求めデモ
「仮放免者に在留資格を!」と題したデモが3月5日、東京で行われた。「仮放免者」と呼ばれる非正規滞在(出入国関連法令に違反した状態での滞在)の外国人を中心に約150人が集結した。
仮放免者とは、入国管理局から退去強制令書発付処分を受けたものの、収容を一時的に解かれている人々である。入管による収容は、きわめて過酷なものだ。医療処遇の劣悪さ、強制送還の恐怖にくわえ無期限の収容(いつ出られるかわからない)による極度のストレス、入国警備官の執拗な帰国勧告。仮放免後の生活も、就労を許可されないうえ、在留資格がないため健康保険に入れないなど、生存権をうばわれた状態にある。
2時に日比谷公園を出発したデモ参加者は新橋方面にむかった後、法務省前を通り「仮放免者に在留資格を認めろ」「外国人を人間として認めろ」などと声をあげた。関西や東海からかけつけた仮放免者と支援者らの姿もあった。
日比谷公園に戻っての集会では、バングラデシュ人仮放免者がスピーチをし、「この雨のなかでも、雪のなかでも、日本政府がビザを出すまで私たちの気持ちはかわらない。今日みたいにこれからもがんばります」と決意をのべた。また、フィリピン人仮放免者は、昨年に行われたフィリピンとタイへのチャーター機による集団送還にふれ「この前の強制送還、二度とないよう、みんながんばりましょう」と呼びかけた。
全国で3000人を超えると推定される仮放免者。その多くは難民であったり、日本に家族がいる、生活基盤が日本にしかないなどの理由をかかえており、送還には人道上の問題がある。労働者やシャドーワーカーとして日本社会を長く下支えしてきた人々だ。強制送還による使い捨てをせず、社会の一員として生存権をはじめとした人権を保障できるのか。問われているのは、日本社会の公正さである。
永井伸和・仮放免者の会
雨のふる平日の昼という悪条件にもかかわらず、約150人がデモの参加した。(撮影/永井伸和)
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デモに先立って
デモに先立ち、東海・関西から来た支援者の提案で、東京入管前で入管への抗議・被収容者への激励の声をあげた。
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