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Wednesday, March 2, 2011

東京入管(品川)でのハンガーストライキ / 被収容者による共同要求書提出

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1. 東京入管でハンスト継続中のAさん

  「2.25 デモ Stop “Re-Detention”! 報告」でもお知らせしたとおり、2月25日のデモに合わせて、東京入管と東日本入管センター(茨城県牛久)の被収容者たちがハンガーストライキをおこないました。
  ほとんどのハンスト参加者は、1日~4日間継続したうえで現在ではハンストを解除しています。
  しかし、3月1日に「仮放免者の会」メンバーが面会にはいり、品川でいまも1名(「Aさん」とします)がハンストを継続していることを確認しました。
  Aさんは、日本に難民としてのがれてきてから、これまで3度入管に収容されています。Aさんはデモ前日の24日の昼から食事をしていないので、今日(3月2日)でハンスト6日目になります。わたしたちは、Aさんの健康をかんがえて、「できれば食事をとってほしい」と説得していますが、かれはまだハンストを継続する意思をしめしております。
  Aさんは、いいます。
「わたしは2回目の収容で牛久にいるとき、病気になってしまいました。仮放免になって治療しているあいだに3回目の収容をされました」
「ハンストの目的は、再収容の廃止です。わたしは自分が仮放免になってもうれしくない。これまで2回、仮放免になりましたが、また収容され、そのたびにアパートや家財道具、仕事などすべてを失いました。このまま仮放免されても意味がない」
「収容されてから40日で8キロやせました。ハンストをやめたから自分が健康になるわけではない。ハンストしてもしなくても同じです」

  ところで、きのう(3月1日)の江田五月法務大臣の記者会見で、25日のデモとハンガーストライキについての質問がでたそうです。記者会見に出席した西中誠一郎さんによると、江田大臣は「ハンストが深刻なのは分かるが、現行の政策を見直す考えはない。日弁連の意見書のように仮放免が長くなったら在留資格をというのもねえ」と答えたそうです。
http://twitter.com/NISHIDEB/status/42567647849611264

  大臣には、Aさんのような被収容者や現在仮放免中の収容経験者の話を直接聞いてもらいたいものです。くりかえしの収容が、Aさんたちにどれほどの身体的・精神的なくるしみをあたえているのか、きちんと知ったうえで「現行の政策を見直す考えはない」などと言っているのでしょうか? そうはおもえません。
  くりかえしの収容、また人間を「仮放免者」という無権利状態におくことの問題については、つぎの記事をごらんください。



  Aさんは面会でつぎのように語りました。
「私は外国人みんなのため、特に妻や子どもがいる人たちのためにハンストを続けます。入管は信用できない。本当に再収容をストップしたなら、私たち(再収容者)は全員、仮放免にするはずです。○○さん[面会した「仮放免者の会」メンバー]、○○さんにも仕事があるでしょうし、私のために面会に来るのはやめてください。また、私のためにあなたが他の人たちに面会できなくなったら他の人たちに申し訳ないです」

  「仮放免者の会」は、再収容の廃止と2度目3度目の収容者の解放という Aさんの主張を全面的に支持します。
  また、東京入管には、Aさんとの誠実な話し合いと、かれがきちんと納得できる回答をすることを、つよくもとめます。






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2. 東京入管 Hブロックの共同要求書


  Hブロックの被収容者の有志7人が、連名でつぎの要求書を、東京入管局長あてで提出しました。先日かれらのうち、何名かと面会し、この要求書をインターネットなどで公開してもよいという承諾をえました。ほかのブロックの被収容者たちからも、このような要求書をだす動きがあるようです。




 申し込み書
BLOCK H
2011-2-24
東京入管センター局長さま

私たちは外国人ですが、
真面目に働き、誠実に税金も払いながら
長年、日本で生活して来ました。
私たちは二度目の難民申請をしております。
今後、詳しい事情を別の書面として提出致します。
(難民、日本籍者の配偶者、子ども、その他)
私たちは下記の内容を申し込みます。


  • 難民の手続き行政訴訟の結果をもって仮放免、再収容はしないで下さい。
  • 仮放免の結果を可能であれば早めに出して下さい。
  • 仮放免の金額を安くして下さい。

以上、宜しくお願い申し上げます。

[以下、7人のサイン・出身国・部屋番号(略)]


  この要求書の文章から想像できることがあります。それは、「結果的に7人が要求書に署名するまでに、Hブロックのひとたちのあいだで、どんな話し合いがなされたのか?」ということです。
  おそらく、この要求書を入管につきつけることを提案したひとは、難民認定を申請しているひとだとおもわれます。それは「私たちは二度目の難民申請をしております」という文面にあらわれております。
  しかし、入管に収容されている外国人には、「難民」のほかにも、さまざまな立場のひとがいます。最初の提案者は、「難民」ではない仲間たちと話しあい、説得しようとするなかで、文章を訂正したのだとおもいます。
  収容されているみんなは、それぞれ立場はちがうけれども、「入管によって人間としてあつかわれていない、人権を侵害されている」という点で共通しています。出身国での迫害をのがれてきた難民も、仕事をもとめて日本にやってきた移民も、要求書に書かれているとおり、生活するためにまじめに働いてこなければならなかったし、税金をはらってもきました。
  日本は、景気がよくて仕事がたくさんあるときには、かれらを収容せずに「労働力」として利用し、景気がわるくなるとどんどん収容して、日本からおいだそうとしてきました。収容されてみずから収入を得る手段がないなかで、なんとか数十万円の保証金を工面して「仮放免」されたとおもったら、まもなく再収容されてしまう。保証金が用意できないと、1年2年と長期間収容されて心も体もぼろぼろにされてしまう。しかも、仮放免許可を申請しても、結果がでるまで3ヶ月4ヶ月と、まともな医者も医療設備もない収容所のなかで待たされます。「難民」や「移民」といった立場のちがいをこえて、入管に収容されたひとびとは、ひとしく苦しめられています。
  だから、「難民、日本籍者の配偶者、子ども、その他」という言葉が、話しあいの結果、つけくわえられたのでしょう。じっさい、7人の名前と国籍をみても、難民認定の申請者ではないとおもわれるひとが、なんにんかこの要求書にサインしています。
  さきに紹介したように、ハンガーストライキをしている Aさんも、「私は外国人みんなのため、特に妻や子どもがいる人たちのためにハンストを続けます」と言っていました。
  このように、入管に収容されたひとたちが、「難民」「移民」といった立場のちがいや、国籍・宗教・言語のちがいをこえて、いっしょになって、入管の人権侵害に立ち向かおうとしています。「仮放免者の会」はあなたたちを全面的に支持し、できるかぎり最大の支援をしていくつもりです。また、被収容者の要求書にきちんと回答するよう、東京入管に要求していきます。

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